メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ソラニン

2010年04月12日 | 映画
ソラニンを観た。

人生に迷子になっている若者たちの苦悩のお話。

かつての自分を見るようで引き裂かれるような気持ちになりました。
まぁ僕の場合30越えた今でもほとんど同じようなもんですけど。

(お話)
大学の軽音サークルで出会った井上芽衣子(宮崎あおい)と種田成男(高良健吾)は大学卒業後睦まじく同棲をして暮らす日々。
芽衣子さんはOL生活に虚しさを感じ将来のあては無いが会社を辞めようと思っている。
種田はイラストレーターの安いバイトをしながらライブはやっていないが、学生時代からのバンド活動は続けている。
裕福では無いが二人はささやかに幸せに暮らしていた。
芽衣子さんが仕事を辞めたいと言うと種田は辞めちゃえば?僕が何とかするよと軽く言う。
本当に芽衣子さんが仕事を辞めてしまい種田は焦る。

芽衣子さんは種田が音楽への夢を捨て切れていない事を知っているのでそれを煽り応援する。
「自分の音楽を批判されるのを怖がっているだけだ」と。
そして二人の運命は動き出す。


(評価)
素晴らしい映画でした。
20代半ばの人生に迷子になった若者たちの心の痛みがよく出ていました。

音楽で飯を食えるとは思っていないがなんか音楽に打ち込みたい。
少しずつ重ねて行く歳に焦りを感じ、将来が怖い。
でも人生このままでいいとは思っていない。
貯金が減っていく感じの切なさとかたまらなかったです。

バイクに乗りながら思わず涙が出てきて嗚咽する種田の感じ、全く自分のようで辛かったです。
高良健吾を初めて見た気がしますがとってもいい役者でした。
塚本高史に顔も声もそっくりでした。

サンボマスターの近藤の演技がとても素晴らしかったです。
実際楽器が出来る人間をキャスティングしているのが良かったです。

桐谷健太はもうかなり素晴らしい役者です。
彼の雰囲気、世界観はとても好感もてます。
なんか友達を見る感じがして仕方ないです。
彼が自転車で芽衣子さんを乗せながら泣くシーンは超名場面でした。

なんにおいても宮崎あおいが素晴らしかったです。
涙なくしては見れないラストのライブシーンでした。
可愛いし切ないし。
人生上手くいかない同年代の女性をかなりの完成度で等身大で演じていたと思います。
少年メリケンサックといい、意外にロックが似合います。
というか独特なロックな世界観を生んでいます。

僕の好きな伊藤歩も出ていて芽衣子さんのお姉さん的な名脇役でした。

僕は江戸川が近くにあったから何となくこの街に住みました。
多摩川沿いに住む彼ら、要所要所の河原のシーンもたまらなかったです。

楽しくてたまらなかった学生時代の回想シーンが要所要所で差し込まれるのがたまらなかったです。

同じサークル出身の5人は仲良く、酒を飲んだり花火をしたりする。
僕らの今のこの楽しさは現実から目を背けた上に成り立っている、という言葉がたまらなかったです。

心の中で僕は幸せだ、僕は幸せだと言いながら泣く種田の姿はトラウマになってしまいました。

バンド活動やライブのシーンなどのリアリティはかなり高かったです。

神田川的な世界観の映画でした。

三木孝浩監督は初監督作品なのにかなり素晴らしかったです。
超いいセンスを持った監督さんです。

そんなわけで10点です。

かなり久々に満点映画です。

映画としての完成度は分かりませんが、僕の心が余りに激しく揺さぶられたので僕にとっては満点です。

最近はあまり映画を見に行く気にならなくてこの映画も見るつもりは無かったのですが余りに暇だったので観に行きました。

危なかったです、観ておいて良かったです。
僕と種田で大きく違うのは僕には芽衣子さんみたいな人が居ないって事です。
これはでかいです、映画化できません。

そして思わず原作を買ってしまいました。
もう一回映画館で観たいと思ってます。

(ネタバレ)
バンドメンバーの山田二郎;ビリー(桐谷健太)と加藤賢一(近藤洋一)
ビリーは親の薬局を継ぎ、加藤は彼女の小谷アイ(伊藤歩)に食べさせてもらっている大学6年生。
二人とも何となく人生に満足しておらず、言葉にしなくとも種田に期待をしていて種田について行こうと思っている。
レコーディングの事以外考えたくないとバイトも辞め本格的にレコーディングを開始する種田。
二人は嬉しくなる。
芽衣子さんとアイも彼らを見守る。

そうして出来上がったCDに5人は夢を乗せレコード会社やライブハウスに送りまくる。
5人は酒を飲んだり遊んだり楽しい日々を過ごす。

ひとつだけレコード会社から連絡があり種だとビリーと芽衣子さんで出向く。
迎えた冴木隆太郎(ARATA)は高校時代種田がギターを始めるきっかけになったバンドのギタリストだったが、いまではすっかりビジネスマンになっており種田を失望させる。
そして種田達をアイドルと組ませてバックバンド的にデビューさせてやると言う話だった。

芽衣子さんはその話を断る。
種田と芽衣子さんは相変わらずラブラブな日々を過ごすが、種田は急に別れ話を切り出す。
実家に帰るから別れてくれと言う。
俺が何とかするって言ったじゃないか、と泣きながら怒る芽衣子さんに種田は僕が馬鹿だったと謝る。
ある日明け方種田は出掛け「すぐに戻ってくるよね?」という芽衣子さんの言葉に答えずにアパート帰ってこなくなる。
芽衣子さんは種田の「ソラニン」という別れの曲を初めてちゃんと聞きひどく落ち込み、無気力になってしまう。
アイとビリーと加藤で芽衣子さんを励ます。

ある日突然種田から電話が来て、辞めたバイト先に頭を下げてずっと泊り込みで働いてお金を貯めていたと連絡を受ける。
そして今から帰ると言う。
会いたいと芽衣子さんは言う。

晴れ晴れした気持ちで帰るか・・・と空を見上げる種田。
バイクを乗りながら「俺は幸せだ」と心の中でつぶやく種田。
本当に?
「俺は幸せだ」「俺は幸せだ」と泣き出す種田。
いつしか号泣する種田。
わーとアクセルを絞り赤信号に突っ込んで行く。
種田は事故死する。

そして落ち込む芽衣子さん、アイ達が必死に面倒を見る。
一向に立ち直れない芽衣子さん。

種田のお父さんが種田の荷物を引取りにくる。
優しく芽衣子さんに接する。

二人で仲良く付けていた日記を見つける。
種田の最後の日記には「なんとなく答えがみつかった、明日からがんばろう」と書いてあった。

芽衣子さんはビリーと加藤を呼び出しバンドをやろうと言う。
そして3人はバンドを始める。
加藤の後輩の誘いでライブも決まる。
全くギターが出来ない芽衣子さんは死ぬ気でガムシャラに練習する。
ソラニンを歌いたいと練習する。

芽衣子さんは種田と出会った時の事や種田に告白された時のことや種田のライブパフォーマンスを思い出す。

そして芽衣子さん達は観客の心を揺さぶる最高のライブをする。



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