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犬とあなたの物語 いぬのえいが

2011年01月27日 | 映画
犬とあなたの物語 いぬのえいが を観た。

いぬのえいがの続編というか2作目です。
いぬのえいがは観てませんが、極度の愛犬家なので観に行きました。


(お話)
いくつかの短編を集めた映画です。

「あきら!」
お洒落なオープンカフェで優雅にコーヒーを飲むタレントの中尾彬(中尾彬)。
中尾彬の来店にウェイトレス(近藤春菜、箕輪はるか)も興奮する。
しかし隣に座った客が愛犬のあきらを叱り始め中尾彬は落ち着かなくなってしまう。


「愛犬家をたずねて。」
リポーター(青木裕子)が愛犬家を尋ねるテレビ番組。
人間の言葉が分かるとフリップ芸をするが自分で犬に合わせてる人、一流シェフにドッグフードを作らせる人、屈強な欧米のSP達に犬を守らせてる人、犬の走る姿を撮るために傷だらけになってる人。
皆、犬を愛するあまり行き過ぎた行動をとる。


「DOG NAP」
柳田真一(鶴見辰吾)、美智子(戸田菜穂)夫妻が子供が誘拐されたと通報し、主任警部の渡辺(内野聖陽)と部下の刑事たちが家にやってくる。
しかし誘拐されたと思った子供は家におり、誘拐されたのは人間では無く犬のマリだと気付く。
呆れる部下たちを、犬は家族だ!と愛犬家の渡辺は一喝する。
誘拐犯の一人(藤原一裕)は誘拐した犬に心奪われ、リーダー格の男(藤本敏史)と揉める。
その隙に逃げた犬を追った男(原西孝幸)は車に轢かれ犬は居なくなる。

渡辺は身代金受け渡しに来たリーダーを大勢の刑事で囲み逮捕する。
愛犬家の犯人は一年後マリを見つける、そこに渡辺も現れ観念するが犬好きに悪い人間は居ないと見逃される。


「お母さんは心配性」
息子(大林健二)の結婚式に出席した母美知代(高畑淳子)は家で一人で留守番している愛犬キスチョコの事が気になって周りの声もまるで入ってこない。
そしてキスチョコのピンチを勝手に想像して叫ぶような事を繰り返す。
元々結婚に反対だった美知代。
その言語はあたかも息子たちの結婚を反対するかのように捉えられ、お嫁さんも悲しむ。
しかし最後には喜ばせるような言葉を叫ぶ。


「犬の名前」
幼い頃にかわいがっていた愛犬を事故で亡くし二度と犬を飼わなくなった多田野一郎(大森南朋)。
妻の美里(松嶋菜々子)が知人のゴールデンレトリバーのラッキーを引き取った事により再び犬と触れ合うようになる。
しかし一郎は脳の病になってしまう。


「バニラのかけら」
愛犬バニラを失ったペットロスから立ち直れない奈津子(北乃きい)はある日公園でバニラに似た犬を見かけ涙を流す。
そしてその犬を連れていた菜奈(芦田愛菜)がその様子をみて奈津子を散歩に誘う。


(評価)
予備知識はほとんどありませんでしたが、超愛犬家としては観ておかねばと思い観てみました。
正直、愛犬家過ぎて犬の映画とか観るのは結構怖いのです。
犬が死んだりするのが観れないので。

といいつつも犬が大好きなので近頃は観てしまいます。

予想外に短いエピソードの寄せ集め映画だったので非常に観やすかったです。

チープで芸人さんが多く出ていて序盤の話は正直映画と言うよりコントに近い仕上がりです。

でも犬を中心とした心優しい仕上がりなのでほのぼのと観れました。

後半の二つ、「犬の名前」と「バニラのかけら」が感動的なお話で急にシリアスでした。

子役の林遼威君がかなり演技上手かったです。
とてもいい感じでした。

芦田愛菜ちゃんも相変わらず演技上手ですが僕はいつも違和感を感じてしまいます。
幼いのに演じてる感が強すぎて。
演技力に年齢がついてきていないのでしょう。

バニラのかけらは短いお話でしたが、北乃きいのあまりの演技力にいきなり泣かされる展開です。
ペットロスから立ち直れない少女の役ですが、喪失感の演技、慟哭の演技、立ち直って前を向く清々しい演技。
素晴らしい女優さんと思いました。

大森南朋はアルツハイマーみたいな役で、いつもスマートな役が多いので意外でした。
でも見事に演じてました。
松嶋菜々子も妥当に良かったです。

優しい小さなお話に豪華なキャスティングでとてもいい映画でした。
子供からお年寄りまで観れる映画です。


そんなわけで7点。


犬は飛び道具みたいなものなので少々ずるいですけどやっぱり犬は最高にかわいいです。

僕の前にはチャラいカップルが座っていましたがその男の方が号泣してました。
最初、嫌な席だな・・・と偏見を持ってしまって申し訳ないと思いました。
劇中で言っているように、犬好きに悪い人間は居ないのです。


(ネタバレ)
「犬の名前」
幼い頃、大の犬嫌いだった一郎に父親が柴犬ジローをプレゼントする。
犬の健気な愛に心通わせるようになり、やがていつも一緒で大好きになる。
しかしある日ジローは事故に遭い死んでしまう。
そして犬は死ぬから、と二度と犬を飼わないことを決心した一郎。

大人になり妻の美里が全部面倒を見からと、知人が飼えなくなったゴールデンレトリバーを引き取る。
キャリアウーマンの美里は家に居ない。
翻訳家の一郎はいつも家でラッキーと一緒。
徐々に一郎になついてくるラッキー、最初はトラウマから仲良くならないようにするが、やがて仲良くなる。

しかし一郎は脳に障害があることが分かりどんどん記憶が無くなり、やがて自分の家も分からなくなり近所の買い物から帰れなくなる。
それをラッキーが助ける。

病はどんどん進行して美里の名前も思い出せなくなり、服もきれなくなる。
目が離せず寝ずに面倒をみる美里は疲れ切り会社で倒れ、ついにラッキーを保健所で処分してもらうことにする。

しかし家でラッキーを探している一郎を見て自分はなんてことをしてしまったんだ、と思い直してラッキーを連れ戻す美里。
一郎はラッキーをジローと思い込みジローが帰ってきたと喜ぶ。
ラッキーは賢くてラッキーと呼ばないと反応しないのに、その時ばかりはジローと呼ばれても一郎の元へ歩み寄る。

犬は飼い主がどんなに変わってしまってもその愛情を変えない。


「バニラのかけら」
奈津子はバスを降りたときふとバニラに似た犬を見かけ後を追う。
公園で遊ぶ菜奈と犬を見て涙を流す。

子供の頃から一緒だったバニラは最近死んでしまった。
時間が経てば忘れて立ち直れると言われたが、まるでそんな気配はない。
大学で友達と一緒にいてもまるで笑えない。

そんな奈津子に気づいた菜奈、奈津子は以前似た犬を飼っていたと教える。
じゃあ一緒に散歩しようと出掛け色々と遊ぶ。

そして生活の中ちょっとした瞬間にバニラの食べ残したドッグフードやおもちゃや服に付いた毛などのかけらを見つける。
それらを見つけるたびに落ち込んでしまう。

菜奈はバニラが忘れて欲しくないからかけらを残した、忘れなくていいんじゃない?と言う。

その言葉で吹っ切れた奈津子はバニラの思い出と生きていく決心をする。

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