メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

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白夜行

2011年01月29日 | 映画
白夜行 を観た。

原作の大ファンなので期待と不安を入混ぜながら公開初日に行ってきました。
原作を読んで以降すっかり取りつかれ、幻夜やらドラマ版などもも見ました。


(お話)
廃ビルの密室で質屋経営の桐原洋介の遺体が見つかる。
最初に洋介の妻弥生子(戸田恵子)と質屋の従業員で弥生子の愛人の松浦勇(田中哲司)に容疑がかかる。
しかし息子桐原亮司(今井悠貴)の証言で二人の容疑は晴れる。

次に質屋の客で洋介と交友のあった西本文代が容疑者リストに上がる。
その後文代の恋人の寺崎忠夫が容疑者となるが事故死してしまう。

文代は自宅でガス中毒で死んでおり事故と自殺の両方の見解を持たれる。
文代の第一発見者は娘の雪穂(福本史織)だった。

事件を担当していた笹垣潤三(船越英一郎)は桐原亮司と西本雪穂の事がとても印象に残った。
笹垣の意見を無視して寺崎を犯人と睨む捜査本部、結局容疑者死亡の為事件は迷宮入りした。

高校生になった唐沢雪穂(堀北真希)は内気な川島江利子(緑友利恵)と友達となる。
江梨子を虐めたり雪穂に嫉妬して悪いうわさ話を流す藤村郁子は何者かに襲われ穢される。

高校生になった桐原亮司(高良健吾)は熟女相手の売春斡旋の仕事をしている。


(評価)
ドラマが原作と全然別物になっていてひどく失望したトラウマからとても心配な気持ちで観に行きました。
しかしこの映画は比較的原作に忠実だったので安心しました。

原作はボリュームが多いので映画にするにはとても難しいと思いましたが、登場人物の数を減らし、それにまつわるエピソードも減らすことによりなんとか上手いこと見せていました。

白夜行で大事なのは唐沢雪穂と桐原亮司の誰もしらない深い絆と愛、そしてめっちゃ切ないって事です。
その辺は結構見事に描かれていました。

映画にするとどうしてもエンターテイメント性のボリュームを増やさなきゃいけないのでラストは笹垣と亮司が会話してしまう独特のテイストになっていました。
許容範囲です。

堀北真希も意外にハマっていました。
最初は絶対違うだろうと思ってましたがハマってました。

高良健吾は元々桐原亮司のイメージに近いですね。
影があって悪人で冷静で、でも真は深い愛と絆があるって感じです。

結局主役は笹垣演じる船越英一郎です。
2時間ドラマとは違って重みのある演技で良かったです。
ラストに少々2時間ドラマを感じてしまいましがた・・・。

他のキャスティングが渋くて全然華やかさが無くてそれがとても高評価です。
所謂売れっ子は堀北真希と高良健吾位です。

脇役の人たちはいい感じで貧乏くさいオーラ出てました。

原作ではあくまで笹垣の想像でパズルが完成しますが映画ではある程度情報が出てしまいます。
切り絵の他にモールス信号でやりとりしてたって要素も追加されてます。

サスペンスにモールス信号はあるあるですね。

白夜行はやはり空想の中で二人を繋ぐに限ります。
偉大な小説です。


そんなわけで7点です。


ところで小説や漫画が映画化された時原作を良く知っていた場合、どうしてもフラットに映画を観れません。
原作はこうだった、原作と同じだとか雑念だらけになってしまいます。

そういう映画をどういう目線で観て、どうやって人に伝えたらいいのか非常に難しいです。
これは作り手にとっても同じと思います。

作ってる人は当然原作を知っていて、もしそれを原作を知らない人に伝えようと思ったとき。
その難題さは凄まじいと想像します。

この映画も原作を知らない人が観たらどう感じるのかさっぱりわかりませんでした。
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