メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

なくもんか

2009年11月22日 | 映画
なくもんか を観た。

舞妓Haaaan!!!チームの最新作。
私の好きなクドカン脚本ものです。

笑えて泣ける家族ものでした。
かなりウケました。

(お話)
売れっ子お笑いコンビ金城ブラザーズの祐介は善人商店街の人気ハムカツ店の店主祐太の店にレポートに来ていた。
お互い兄弟とは夢にも思っていない。

最低の父親下井草健太(伊原剛志)は数々の最低っぷりを発揮し妻と離婚。
長男の祐太(阿部サダヲ)を連れ古い知人を頼ってハムカツ店山ちゃんにやってきた。
山ちゃんを経営する山岸正徳(カンニング竹山)と安江(いしだあゆみ)夫婦は暖かく受け入れた。
生まれ変わる決心をしたはずの父はその日のうちに店の売上を盗み祐太を置いて失踪。
山岸夫妻はそんな祐太を追い出すわけにもいかず優しく育てた。

祐太は究極の善人で尋常じゃなく働き、誰のどんな頼みでも聞き、商店街の顔となった。
山ちゃんはそんな祐太に秘伝のソースのレシピを与え山ちゃんを譲り他界する。
山ちゃんの娘の徹子は凄いデブ、生前山ちゃんは徹子があんなんじゃなかったら嫁にもらって欲しかったと嘆いていた。
祐太には弟がいるらしい。

生まれる前に父に棄てられた祐介(瑛太)は幼い頃から貧しい環境で育ち、パワフルなお母さん祐子(鈴木砂羽)のせいで同情もされず、お母さんは元気なまま事故死。
その後親戚をたらいまわしにされるが自己防衛として人を笑わす事を覚える。
そしてそのまま芸人になるが売れず、同じ営業に居た金城大介(塚本高史)にアドバイスを受け、事務所から兄弟としてコンビを組まされ、あれよあれよと売れっ子になった。
祐介には兄がいるらしい。

そんな二つのストーリーが絡み合っていく物語です。

(ネタバレ:備忘録)
祐太は山ちゃんと呼ばれ荷物運び、自転車撤去、子供の相手等々、仕事をしながらどんな頼みも引き受ける。
安江はボケてしまっていて2代目山ちゃん祐太を山ちゃんと思っている。

ある日凄い美女が現れ徹子(竹内結子)と名乗り驚く山ちゃん。
一緒に店で働くようになる。

山ちゃんのあまりのお人よしぶりにあきれる徹子は山ちゃんを指導していく。
山ちゃんと徹子はお互い惹かれあっているが徹子の様子がおかしい。

ある日徹子が子供を二人連れてきて山ちゃんは驚くが、そんな子供をひっくるめて愛すると二人は結婚し商店街中で祝福。

結婚の為に取った戸籍謄本を見て自分に弟がいることを知る。

そして祐介の元へ行くが、タチの悪いファンだと煙たがられる。
しかし下井草という名字から本当の兄かもしれないと思いだす。

祐介は大介を差し置いてピンで売れ出していて、大介は一人で二人の生立ちをかいた本を出版したばかりだった。
本はヒットし映画化された。
大介は祐介に置いていかれるとナーバスになっていた。

二人が兄弟というのが嘘だと世間にバレてはいけないし、今更あなたと兄とは思えない、僕の兄は大介兄さんだと祐介が言いにくる。
山ちゃんの幸せそうな暮らしを見て、自分一人不幸な人生を歩んできたとひねくれている。
そんな祐介に徹子が怒りまくり山ちゃんのハムカツを食べさせる、祐介は感動する。

ある日祐介の元に父の健太が現れ山ちゃん家族とすき焼きをする。
父を許せない祐介、しかし山ちゃんはもっと憎んでいた。
健太は祐介に父親らしいことをしてやりたいと言うが祐介は断り、父は金だけ受け取り去ってゆく。

数日後父は父親らしいことをする。

金城ブラザーズは兄弟じゃないとゴシップ紙に暴露する。

金城ブラザーズは活動休止に追い込まれる。

山ちゃんは毎週日曜の夜は死人みたいな顔でどこかに出かけてゆき、月曜の朝凄い元気になって帰ってくる。
長女が後をつけるとなんと山ちゃんはオカマバーで働いていた。

ショックを受ける長女のお願いで沖縄に家族旅行に行く。

沖縄のエコイベント会場で楽しむ山ちゃん一家。
その主催者の大臣桂谷壮一郎(陣内孝則)こそ二人の子供の父親だと徹子に告白される。

同時進行で偶然同じ会場で復活ライブをするはずだった金城ブラザーズだったが大介が失踪してしまい困っていると祐介から助けを求められる山ちゃん。

二人の子供はもう本当の父親とは暮らせない事を理解して初めて山ちゃんをお父さんと呼ぶようになる。
そして大介のかわりに舞台に立とうとする山ちゃんを勇気づける。

一人で舞台に立った祐介は滑りまくり万事休すだったが、着ぐるみを着た山ちゃんの登場で空気を取り戻す、着ぐるみを脱ぐとオカマで下品な下ネタでさらに会場は盛り上がる。

ラスト祐介は自分の生立ち、兄への全ての思いを語り舞台を降りる。

その後山ちゃんはいつも通りハムカツを売り、金城ブラザーズも見事に復活する。


(評価)
かなり笑えて、ほんのり泣きそうになるいい映画でした。
クドカン系の作品の中で最も大衆向けの作品になっていたと思います。

8割は安部サダヲの演技で見せるって感じです。

家族ものでベタな感動設定ですが、そこはキャスト・スタッフが特別なので全然オリジナルな作品になっていたと思います。

クドカン作品特有ですが、さらっといいセリフを言う。
印象深いセリフがたくさんあって、かなり心に残りました。

数年ぶりに実家に現れた徹子に、どうして帰ってきたか聞かないの?と言われ
「子供が実家に帰るのは当たり前の事だから」と
数年ぶりに現れた父親のせいで気まずい食卓で
「謝られると、許す許さないの話になっちゃうから」とか
「みんな腹の中で思ってる事はあってもそれを出さないで何となくみんなでご飯を食べる、それが家族なんだ」とか
とにかく名台詞が多かったと思います。

安部サダヲは名脇役からすっかりメインの役者になりましたね。
もともと存在感が半端無いので脇役で収まらない人でしたが。

竹内結子が綺麗だったし、クドカンワールドにぴったりはまっていて良かったです。

瑛太は少々違和感ありましたが何とか馴染んでいたと思います。

その他は塚本君を始めお馴染みのメンツが多かったので安心して観れました。

会場には若いカップルから年配家族まで居ましたが、僕の隣の70歳くらいのおっさんも爆笑していたのでとてもいい映画だったと思います。

後半は結構泣ける展開の応酬でした。

沖縄行ったあたりからなんかボリュームが多すぎて、詰め込みすぎてて、観ていて少々しんどかった感はありました。
でもラストがさわやかだったので良しとします。

そんなわけで8点。

この王道的なジャンル、王道的な設定の映画の中では間違いなく秀逸だったと思います。
笑いすぎの客にイライラしていましたが、やっぱり笑ってしまいました。

好きな作品です。



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