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激痛

2010年08月23日 | 思い出
死んでしまいたいと思うほどの激痛。

椎間板ヘルニアの激痛が僕を襲う。

夜になるにつれ全く動けない。
定期的に訪れる激痛。

その度失神しそうになる。
目玉がひっくり返っていくような感覚。
激痛のあまり時々意識が遠のく。

もはや耐えきれず自分でも自分のものとは思えないような苦痛の声を上げる。
捌かれる豚の断末魔のような声。
布団若しくは枕、より口に近くにある方をその度めいいっぱい頬張る。
両手で布団の両端を渾身の力で掴み声を上げる。
拷問を受ける捕虜がごたる。

朝には歯も何本か無くなる。
爪も無くなる。
そんな予感もする。

そもそも朝まで生きていられるか本気で不安になる激痛。

結果まる24時間くらいはほぼ身動き不可能だった。
この暑い最中ひどく汗はかくのだが水分を取ることは不可能。
しかしトイレに行くなど夢のまた夢なので水分も食事も取れない。

脱水症状や熱中症、長引いたら飢え死にするんじゃないか?と思う。

明かりを点けることも叶わないので暗闇でひたすら自分のマイナス思考との戦い。
枕元にあるのはテレビのリモコンと携帯電話。
テレビの明かりや音も激痛の原因に思えてくるのですべて消す。
ハードディスクレコーダーのタイマーをじーっと見てるだけ。

そのデジタル表示のタイマーをみながら次の激痛に怯える。
このままでは本当に死ぬのではないか?と本気で思い始める。

都会の真ん中でまるで戦地のような極限状態。

救急車を呼ぼうかどうか数時間葛藤する。

しかしそんな勇気はない。

手元に刃物があれば自らを殺めたいほどの苦痛。

翌早朝、こんなに長時間水分を取らないのは危険と前日玄関に落としてきたペットボトルのお茶を求め意を決して動く。
奇跡的に激痛は訪れない。
しかし玄関にたどり着いた途端激痛はやってきてそのまま殺人現場のように玄関に倒れる。

1時間ほどかけて布団まで戻ったが、水分を取って尿意をもよおしたらいけないと結局水分は取れない。

なんとか睡眠を試みて数時間眠ってみる。

助けに来た友人に飲み物と食べ物をもらい何とか生き延びる。

トイレにも行けてなんとか極限のピークは生き延びる。

人生でこんなに生命の危機を感じれる事は無い。

自分は死とそんなに遠くに居ないことを実感する。

しかし未だ完全寝たきりなのである。

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