メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

一度も撃ってません

2020年07月11日 | 映画
一度も撃ってません
を観ました。


市川進、御年74歳。
タバコ、トレンチコートにブラックハット…
大都会のバー「Y」で旧友のヤメ検エリート・石田や元ミュージカル界の歌姫・ひかると共に夜な夜な酒を交わし、情報交換をする。
そう、彼は巷で噂の“伝説のヒットマン”だ。
今日も“殺し”の依頼がやってきた――。
がしかし本当の姿は…ただの売れない小説家。
妻・弥生の年金暮らし、担当編集者の児玉からも愛想をつかされている。
物語のリアリティにこだわり過ぎた市川は“理想のハードボイルド小説”を極めるために、密かに“殺し”の依頼を受けては、本物のヒットマン・今西に仕事を頼み、その暗殺の状況を取材しているのだった。
そんな市川に、ついにツケが回ってきた。
妻には浮気を疑われ、敵のヒットマンには命を狙われることに!
ただのネタ集めのつもりが、人生最大のピンチ。
“一度も撃ったことがない”伝説のヒットマンの長い夜が、始まる。


阪本順治監督です。
娯楽作品もやりますが本格派な印象があります。

事前情報ではなかなかコミカルなコメディかと思いましたが。
実際はなかなかのシュールテイストで観客の中には自分みたいに期待を裏切られる人もいるかも知れません。
それが良い裏切りか悪い裏切りかで評価は変わるでしょうが。
自分には良い裏切りでしたね。

セリフが少なく説明も少なめで。
この謎めいた内容で説明の少なさはなかなか難解な印象になりますが。
説明に不要そうなシュールなシーンに時間を費やしている印象で。

徹底したハードボイルドテイストが非常にいい感じで作品に深みを与えていましたね。
近年、こんなに路上喫煙する作品も珍しいですが、逆にその辺に作り手の意思の強さを感じました。

ちょい役を含め脇役がビッグネームばかりで。
この辺は監督の力量でしょうね。

主演がおじいさんというのと予定調和的に話が進まないのが作品の特徴でしょう。
ハードボイルドでクールなやり取りはしてますが展開はグズグズで。
その中で急にビックリするような展開もあり。
グズグズシーンも怖いようなシーンも同じようなテイストで淡々と描いていました。
かなり特徴的な演出でした。

主演の石橋蓮司はなかなか面白かったですね。
この豪華キャストでこの人を主演にしてるだけでなにかちょっとひねくれを感じますね。
ちょっと間抜けな部分もあるのですが思ったより間抜けに行かずに意外と堂々と乗り切ってしまうという。
謎の人脈と生き様が不思議でした。

妻役の大楠道代が若干コメディ担当な感じもありました。
主要キャストの中でこの人だけが純粋な表社会の人間で、ずっと夫にだまされているという。
そこで上手いことギャップを作っていました。

岸部一徳、桃井かおりが主人公の古くからの友人役で。
一番らしい役どころでいい味出してましたね。

殺し屋役が妻夫木聡で。
なんとなくおっちょこちょいみたいな能天気キャラなのに凄腕の殺し屋という。
何故かこの作品におけるほのぼのポジションみたいな不思議なキャラ設定でした。
ただこの手の殺し屋が一番怖いタイプでしょうけどね。

佐藤浩市が主人公の担当編集者で流石に作品を引き締めています。

そしてその息子の寛一郎が佐藤浩市の部下役で。
序盤にそのシーンから始まるので。
結構売れっ子の親子共演って昨今タブーな印象があるのにあっさりとやってました。
その辺にこの作品の格がちょっと高い印象がしました。

江口洋介が彼史上でも相当上位の贅沢な使われ方していて驚きました。

豊川悦司が敵の殺し屋役で。
コレまたなかなか贅沢で豪華な使われ方だったと思います。

新崎人生がガッツリいい役で出ていて。
存在感もあり物語的にも意外と重要なポジションでした。
プロレス好きとしては嬉しいかったですし、こうして役者でも活躍してるのは良かったですね。
今後も役者としても活躍して欲しいですね。

久々に前田亜季を観た気がしましたが。
幼いイメージが強かったので結構おばさんになっていて驚きました。

井上真央、渋川清彦、柄本佑、柄本明、小野武彦などやたら豪華な脇役でした。

映画としての面白さはボチボチですがこの雰囲気を欲することはあるような映画でした。


そんなわけで5点。

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