メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ノマドランド

2021年04月19日 | 映画
ノマドランド
を観ました。


企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーンは、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド=遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。
その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。


クロエ・ジャオ監督・脚本・製作です。
前情報無かったのでポスター等で想像していたのですがだいたい近い内容でした。
そして期待通りのハイセンス系な深い映画でした。

金銭的な問題で家を失い車上生活をしながら日雇労働をする人々のお話。
ものすごい社会性が強いテーマですが説教臭さは無く、何かを強く否定することもなく。
とても上質で、暮らしや生々しい描写はちょっと汚い場面もありますが上品な映画だと思いました。

物質社会の中でもちろん貧しさもあるけど選んで自然的な暮らしをしている人々。
金銭的に問題になるシーンやここで寝ちゃ駄目とか言われるシーンはかなり切なかったですが。
無関係な人でもそういうことに出くわしてる人って見たくないものですよね。

ハイセンス系映画なのでなにかわかりやすい事件が起きたりするような強いストーリー性は無く、
ただただ生々しくそういう生活をしてる人を描いていてちょっとドキュメンタリーに近い感じでした。
もしアメリカでそういう暮らしをしたい人が居るとしたら非常に参考になる気がしました。

そしてかなり胸に響く名言がいくつかありました。
メモしたいくらいでしたが、配信等で観れるようになったら名言をチェックしたいです。

あとはアメリカの荒野な大自然の映像美、これも映画の見所でした。
物質社会とのコントラスト、アンチテーゼなメッセージ性は上質でした。
そんな主人公が定期的に働くのがAmazonの倉庫ってのも皮肉的で良かったです。

主演はフランシス・マクドーマンドです。
もう超演技派で賞レースの常連な印象ですが今作も間違いなくその手の演技です。
なんだか最近はこういうアメリカの田舎舞台にした作品専門なイメージすらあります。
排泄シーンや風呂代わりに川に入るシーンなどかなりの体当たりでした。
この作品にはぴったりというか彼女自信が作品みたいなクオリティでした。

ノマド生活で知り合う何人かの一人をデヴィッド・ストラザーンがやってました。
この人は多くの作品でバイプレーヤーとして優秀なイメージですが今作もかなり重要な役でした。

なんだかとても心に響く名画で見てよかったです。


そんなわけで8点。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。