メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

莫逆家族 バクギャクファミーリア

2012年09月10日 | 映画
莫逆家族 バクギャクファミーリア を観た。


火野鉄(徳井義実)は元暴走族の神叉の総長だったが、現在は建築現場で働く冴えない暮らしで高校生の息子周平(林遣都)にもナメられている。
元神叉の仲間川崎浩介(玉山鉄二)と再会し、同じく元神叉の仲間横田あつし(阿部サダヲ)の娘で周平の彼女真琴(山下リオ)が何者かに襲われた事を聞かされ立ち上がる。
周平も父の恐ろしさと迫力を目の当たりにして驚く。
神叉は圧倒的な強さと狂気のカリスマ性でトップになった渡辺満:ナベさん(中村達也)が更に関東トップの暴走族にまでした。
ナベさんの狂気に反抗した次の総長夏目裕二(北村一輝)、ナベさんの弟武(大悟)を死に追いやったあつし、それを守る鉄達を守る。
そんな夏目に憧れた鉄達。
同じく武の死に関わった五十嵐けん(村上淳)は今もナベさんの幻影に怯えて暮らす。
幼少期、五十嵐に命を救われイジメからも守ってもらい孤児院で五十嵐の弟として育った緒方透(新井浩文)はそんな五十嵐をなんとか立ち直らせようとあつしを巻き込んで企む。
鉄は再び仲間たちを家族としてまとめトラブルに立ち向かう。
ライバル暴走族の総長でだったが夏目の元親しくなった前田梅(大森南朋)は警察となり鉄を支える。


ってお話。

原作は田中宏の漫画なのですね、BADBOYS系は読んでいたのですがコレは知りませんでした。

徳井義実主演でちょっとどうなの?真面目な作品なの?
とか疑ってましたが、メチャメチャシリアスでハードボイルドで切なくて熱い真っ当な作品でした。
流石僕の好きな熊切和嘉監督でした。
アタリ映画でした。
ど頭の鉄が寝てるシーン、起きるシーンから「ああいい感じ」と既に察しました。
熊切監督らしいちょいとセピアがかった画質も良かったです。

なかなか本格的な暴走族モノって感じで序盤は人物説明や状況説明が多くてちょいとややこしいですが、
観ていくうちにちゃんと相関関係が分かってくるのでまあそこで分からなくても問題ないです。

暴走族を経て大人になった人間たちの憂い、過去との断てない因縁。
なんとも気怠い切なさがいい感じで醸しだされていて良かったです。

クライマックスの鉄と五十嵐の決闘の場面、遠藤ミチロウの歌に煽られ決闘に向かっていくシーンはかなり来るものがありました。
なかなか壮絶でいいセンスだと思いました。

演出もイチイチ激しくて本格的だったので良かったです。
アラフォーの役者さん達が若作りして暴走族のシーンを演じてましたが、まあ逆に威圧感が出てて問題なかったです。
予告編を観たこともなく、あまり前情報無しで観に行きましたが、キャスティングが豪華でビックリしました。
良くこのキャストの中徳井を主役にしたなぁと感心してしまいました。

徳井は完全に役者徳井義実でした。
タッパもあるしガタイも良かったし、顔もそれなりに整ってるので全然違和感は感じませんでした。
初主演がいきなりこの映画というのはなかなかの快挙ですね。

何と言っても中村達也の怖さが半端じゃないっすね。
この人をこの役でキャスティングしたのは見事ですね。
昔からいっつも怖い人だなぁと思って観てましたが、それがマックスに発揮されてました。
劇中で村上淳がアホみたいに怯えてますがその気持は良くわかります。

村上淳は狂った男の役でなかなかの狂いっぷりでした。
元々好きな役者さんですが、年々いい感じになってきてますね。
いいオーラ出てました。

阿部サダヲはひとり抱え込むキャラで嫌な感じの悲壮感が出てました。
彼特有の陽気な部分は全く出してませんでした。

新井浩文大好きなんですけど最近憎まれ役ばかりで。
しかし逆にこのポジションこなせる事がこの人の価値あるところなのでしょう。

井浦新、玉山鉄二、北村一輝、大森南朋など僕好みの役者さんたちもそれぞれ活躍していて良かったです。

林遣都は高校生役やってましたが、かなりの童顔感を出していてハマってました。
この子色んな役をできるし、どれも質が高いのですっかり引っ張りだこですね。

山下リオもなかなか良かったですね、印象的な雰囲気を持った子です。

石橋法嗣もなかなか印象的な空気持ってます。

トータル結構切ない映画でした。
胸に熱く来るものがあります。
そしてキャスティングの勝利が大きいです。
素晴らしいキャスティングだと思いました。


そんなわけで7点。


僕の思春期は遠からずこんな世界が身近にあったので余計ノスタルジックになってしまいました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。