メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

純喫茶磯辺

2009年06月02日 | 映画
純喫茶磯辺を観た。

磯部裕次郎(宮迫博之)は離婚しており娘の咲子(仲里依紗)と父子家庭。

肉体労働をしていたが親が死にその遺産が入った事により働かなくなる。

咲子はしっかり者で父の面倒を見ながら家事をする。

ある日とある喫茶店でマスターが客の女と話しているのを観て自分も喫茶店をやろうと簡単に決心する。

そして開店した純喫茶磯辺。
咲子も手伝い、バイトの江頭さん(近藤春菜)と三人で始めるが全然客は来ず、暇を持て余す。

裕次郎が一人で店番をしていた時初めて来た客の菅原素子(麻生久美子)に一目惚れしてバイトとして雇ってしまう。

客が来ないのに下心見え見えでバイトを増やした事に怒る咲子。
押し出されるように江頭さんをクビにしてしまう。

そして素子にセクシーな衣装を着せた途端急に客足が伸び喫茶店は上手く行き始める。


(ネタバレ)
素子は時々サボってファストフードを食べたりしている。

咲子は毎度長居している小説家の青年に想いを寄せるようになり、家に招待されるが実は変態らしく、隠しカメラが沢山設置されている事に気付き逃げる。

そして父と別れたあと再婚したはずの母(濱田マリ)は密かに再び離婚しておりその部屋に頻繁に行くようになる。
母の寂しそうな生活を見てまた父と母と三人で暮したいという気持ちが芽生える。

素子と裕次郎は上手く行くようになり、毎晩のように二人で居酒屋で酒を飲んでいる。
素子は元彼に殴られたりしている。
そんな素子に裕次郎はプロポーズをしようと思い始める。

しかしそんな二人を面白く思わない咲子は素子に父といい感じになるな、ときつく言う。

そして私は駄目な女なんでと、いつも素子目当てで来ている変態の客(ダンカン)とも実はやっちゃったとも告白する。
「私ヤリマンなんです」と。

呆然とする裕次郎。

そして翌日その客を殴って警察に捕まる。

そして素子は店をやめる。
そして江頭さんが戻ってくる。

暫くして咲子は道で素子に声をかけられ父への手紙とレジからこっそり盗んだ三千円を渡される。
そして今日の夜、実家のある北海道に帰ると言う。

手紙を父に渡すが、父はもうショックのあまり素子の話題には触れたがらない。

素子のしていた仕事を引継ぐようになった咲子は素子の健気さに気付き、父が行かないなら自分が行こうと決心して走りだすが、直後父がそれを自転車で追い抜いていく。

結局素子には合えずひどく落ち込むが「帰ろっか」と裕次郎と咲子は仲良くウチへと帰る。


一年後、町でパチンコ屋から出てくるお腹の大きい素子に咲子は偶然再会する。
おどろく咲子。

実はあの日チケットの手違いがあり北海道には帰れず、面倒になって、その時親切にしてくれた駅員さんとデキてしまい妊娠したと。

咲子は素子に頼まれ会った事は父に伝えない。
店は順調と素子に伝える。

そして純喫茶磯辺に行くが、実は素子が出て行ったあとすぐに店は潰れテナント募集になっていた。

まだ面影が残る店内を覗き込み、思い出が蘇り涙する咲子。

そしてそこに現われた父とおちゃらけながらウチへと帰って行く。


(評価)
かなりいい映画でジーンとしてしまいました。

とても優しい映画であったかい気持ちになります。

宮迫さんの演技も上手くて、間抜けで感情移入しやすくて素晴らしかった。

毎度同じ意見ですが、こうやって男を狂わせる魔性の女を演じさせたら麻生久美子の右に出る人は居ません。

超失恋の気分になりました。

仲里依紗さんを初めて観たがとても可愛くて演技も良くてあっさり好きになってしまいました。

あのふてくされた感じの演技、でも全然嫌味が無いのは素晴らしいです。

かなり序盤、客が来なくて暇な店内で裕次郎と咲子の記念写真を江頭さんが撮る。
父が嫌いな咲子は嫌がるが、カメラを向けられると女子高生になり、すぐ変顔を作るシーンは僕的には絶頂でした。
女子高生の習性を上手く表現する絶妙な演出だと関心しました。
笑えたし。

素子の役は謎めいていて、何かちょっと寂しさと悲しさがあって切ない気分でした。

幸せにやっていると思っていた母が実は孤独な生活をしているのも切なかった。

でも結局父と娘がなんだかんだ言っても仲良しなのがとっても微笑ましかったです。


そんなわけで8点。

超喫茶店始めたくなりました。
そんな力のある映画でした。

麻生久美子が出ているのでプラス1点です。








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