伊藤くん A to E
を観ました。
20代半ばで手掛けた大ヒットTVドラマ「東京ドールハウス」で一躍有名になったものの、ある出来事がきっかけで新作を書けずにいる落ち目のアラサー脚本家・矢崎莉桜（木村文乃）。
ドラマプロデューサー田村（田中 圭）からも勧められ、自身の講演会に参加した【Ａ】～【Ｄ】4人の女性たちの切実な恋愛相談を、再起をかけた新作脚本のネタにしようと企んでいる。
そんな彼女たちを悩ませ、振り回している男の名前が偶然にもすべて“伊藤”。莉桜は心の中で「こんな男のどこがいいのか？」と毒づきながら、脚本のネタのために「もっと無様に」なるよう巧みに女たちを誘導する。
そして、莉桜は彼女たちの取材を重ねるうちに、【Ａ】～【Ｄ】の女たちが語る【痛い男】＝“伊藤”が同一人物ではないかと考えはじめる。
そんなある日、莉桜が講師を務めるシナリオスクールの生徒のひとり、容姿端麗、自意識過剰、口先ばかりでこれまで1度も脚本を書き上げたことのない28歳フリーターの“伊藤誠二郎”（岡田将生）が、4人の女【Ａ】～【Ｄ】たちを題材にしたドラマの企画を持ち込んできたと、田村に聞かされる。
なんと、これまで4人の女たちを振り回してきた【痛男】の正体は、莉桜が最も見下していた自分の生徒、“伊藤”だったのだ。
しかも莉桜が再起をかけて取り組んできた渾身のネタを彼に奪われるかもしれない……。さらにそこには、莉桜のネタにはない5人目【Ｅ】の女が存在し…。二重の衝撃の事実にショックを受ける莉桜。
実は“伊藤”の中では莉桜が5人目【Ｅ】の女になっていた。
“伊藤”の狙いは一体何なのか―。莉桜は、徐々に追い詰められていく。
廣木隆一監督作品です。
なんだか最近めちゃくちゃ目にする監督ですね。
大衆向けな作品から難しめの作品まで幅広くて好きですね。
今作は最近ドラマでやっていたやつなのでどんなもんかな？と観に行きました。
勿論ドラマも観ていたのですが。
ドラマは途中で終わる感じで続きは映画で、的な感じの記憶でした。
なのでどうやって続いているのかな？と思ったのですがちょっと違っていました。
どちらかと言うとドラマのダイジェスト版にちょっと映画要素を足した感じでした。
なのでドラマを観ていた自分にはシンプルに薄くなった印象です。
しかもドラマ版では肝心の伊藤くんが出てこないので、
各女の子たちAtoDの話に出てくる伊藤くんを木村文乃演じる主人公が自分の知り合いの人物に置き換えて補完して想像していました。
偶然同じ名前の伊藤くんが実は同一人物という衝撃、
そして最終回にそれが自分の知っている伊藤くんだという衝撃がありましたが。
映画版では最初から同一人物で描かれているという違いがありました。
その点で観ている人にはまさか伊藤くんが全部同一人物だったとは、、、という衝撃はありません。
登場人物たちだけが知らないだけです。
追加エピソードのEのところだけが映画オリジナルで、
極端に言ってしまえばそこだけ見せてくれれば良かったって感じもありますが。
演出は廣木隆一監督らしく、長回しでワンカットで見せる演出多しです。
二人、もしくは三人くらいでのワンカット。
セリフややり取り的にも映画というより舞台を観ているような印象を抱くことも多々ありました。
廣木隆一監督の中では娯楽作品よりアートよりな作品になるでしょう。
物語の全体像としては惨めな人間たちの描写ですね。
結構な人数の男女が出てきますが、みんなとっても惨めです。
それでも現代の社会で恋愛して何とか這い上がろうとする姿は結構感動します。
人の数だけエピソードが綴られる感じですがみんなが惨めさを受け入れつつも、
ほんのり明るいベクトルで終わっていくのは良いですね。
物語的には結構好みです。
この程度のエピソードは映画にするほどでもないかな？と思う場面もありましたが。
しかもそういうエピソードのやり取りが長いな、、、って思う場面もありましたが。
それに相応しいくらいの熱量はありました。
木村文乃はすっかり売れっ子ですが、
この女優陣のメンツの中で主演を張ってる時点で何か時代を感じます。
階段の登り方が早いですね。
元々大好きですが、相変わらず美人で良いです。
元売れっ子脚本家の落ちぶれて媚びる姿は残酷なほどに惨めでした。
岡田将生は時々やるクズ男の役ですね。
いい人を演じてもいい役者だと思いますが、クズ男を演じさせるとめちゃくちゃ印象に残ります。
男としての生々しさも、ずるさも表現は見事です。
童貞じゃねぇーし！というはんにゃみたいな演技は面白かったです。
佐々木希はちょっと老けた印象もありますがやっぱりべっぴんさんです。
好かれていないとわかりながらも好きな男に媚びて、貢ごうとすらしてしまう姿が切なかったですね。
ただ雑に扱われる女性にしてはちょっと美人すぎますね。
志田未来が逆に唯一伊藤くんに追われる女性ですが、そこの説得力はちょっと無いですかね。
ただ人生に言い訳していて現状を受け入れていない感じは２０代前半のフリーターとしては生々しくて良いです。
池田エライザと夏帆が親友役で。
ドラマ版の時も言いましたが、みんなエスパーだよ！で同じ役を演じていた二人が親友役ってのは感慨深いです。
そういう目線で観るとアップの時、二人の顔の作りは似ている気がします。
雰囲気も似ている気がします。
池田エライザは親友の彼氏を奪うけどそのダメ男っぷりにうんざりする感じで。
個人的にこの子が伊藤くんに浴びせた悲しみの罵声が最も印象深かったです。
「お前マジキモイんだよ！！」みたいなセリフ、何か悲しいのですが痛快さがすごかったです。
名演だったと思います。
夏帆さんは演技の幅は広いですが、おどおどとオタクっぽい感じのタイプです。
処女設定で好きな先輩にひたすら振り回されるかなりドM感強い女の子です。
元々好きですが、難しい役もこなせて良いですね。
僕の好きな中村倫也も出ていてうれしいですね。
伊藤先輩に片想いしている夏帆に片想いしているという悲しいポジションです。
結構背が低いので岡田将生とつかみ合うシーンのギャップは気になりましたが。
顔はとっても好みです。
田中圭だけはあまり痛い目をポジションでした。
お兄さん的なポジションでした。
場面場面では退屈だったり内容と尺が合わないな、と思う場面もありましたが。
見終わった後にしっかりと心には響いていた様な作品でした。
そんなわけで７点。
を観ました。
20代半ばで手掛けた大ヒットTVドラマ「東京ドールハウス」で一躍有名になったものの、ある出来事がきっかけで新作を書けずにいる落ち目のアラサー脚本家・矢崎莉桜（木村文乃）。
ドラマプロデューサー田村（田中 圭）からも勧められ、自身の講演会に参加した【Ａ】～【Ｄ】4人の女性たちの切実な恋愛相談を、再起をかけた新作脚本のネタにしようと企んでいる。
そんな彼女たちを悩ませ、振り回している男の名前が偶然にもすべて“伊藤”。莉桜は心の中で「こんな男のどこがいいのか？」と毒づきながら、脚本のネタのために「もっと無様に」なるよう巧みに女たちを誘導する。
そして、莉桜は彼女たちの取材を重ねるうちに、【Ａ】～【Ｄ】の女たちが語る【痛い男】＝“伊藤”が同一人物ではないかと考えはじめる。
そんなある日、莉桜が講師を務めるシナリオスクールの生徒のひとり、容姿端麗、自意識過剰、口先ばかりでこれまで1度も脚本を書き上げたことのない28歳フリーターの“伊藤誠二郎”（岡田将生）が、4人の女【Ａ】～【Ｄ】たちを題材にしたドラマの企画を持ち込んできたと、田村に聞かされる。
なんと、これまで4人の女たちを振り回してきた【痛男】の正体は、莉桜が最も見下していた自分の生徒、“伊藤”だったのだ。
しかも莉桜が再起をかけて取り組んできた渾身のネタを彼に奪われるかもしれない……。さらにそこには、莉桜のネタにはない5人目【Ｅ】の女が存在し…。二重の衝撃の事実にショックを受ける莉桜。
実は“伊藤”の中では莉桜が5人目【Ｅ】の女になっていた。
“伊藤”の狙いは一体何なのか―。莉桜は、徐々に追い詰められていく。
廣木隆一監督作品です。
なんだか最近めちゃくちゃ目にする監督ですね。
大衆向けな作品から難しめの作品まで幅広くて好きですね。
今作は最近ドラマでやっていたやつなのでどんなもんかな？と観に行きました。
勿論ドラマも観ていたのですが。
ドラマは途中で終わる感じで続きは映画で、的な感じの記憶でした。
なのでどうやって続いているのかな？と思ったのですがちょっと違っていました。
どちらかと言うとドラマのダイジェスト版にちょっと映画要素を足した感じでした。
なのでドラマを観ていた自分にはシンプルに薄くなった印象です。
しかもドラマ版では肝心の伊藤くんが出てこないので、
各女の子たちAtoDの話に出てくる伊藤くんを木村文乃演じる主人公が自分の知り合いの人物に置き換えて補完して想像していました。
偶然同じ名前の伊藤くんが実は同一人物という衝撃、
そして最終回にそれが自分の知っている伊藤くんだという衝撃がありましたが。
映画版では最初から同一人物で描かれているという違いがありました。
その点で観ている人にはまさか伊藤くんが全部同一人物だったとは、、、という衝撃はありません。
登場人物たちだけが知らないだけです。
追加エピソードのEのところだけが映画オリジナルで、
極端に言ってしまえばそこだけ見せてくれれば良かったって感じもありますが。
演出は廣木隆一監督らしく、長回しでワンカットで見せる演出多しです。
二人、もしくは三人くらいでのワンカット。
セリフややり取り的にも映画というより舞台を観ているような印象を抱くことも多々ありました。
廣木隆一監督の中では娯楽作品よりアートよりな作品になるでしょう。
物語の全体像としては惨めな人間たちの描写ですね。
結構な人数の男女が出てきますが、みんなとっても惨めです。
それでも現代の社会で恋愛して何とか這い上がろうとする姿は結構感動します。
人の数だけエピソードが綴られる感じですがみんなが惨めさを受け入れつつも、
ほんのり明るいベクトルで終わっていくのは良いですね。
物語的には結構好みです。
この程度のエピソードは映画にするほどでもないかな？と思う場面もありましたが。
しかもそういうエピソードのやり取りが長いな、、、って思う場面もありましたが。
それに相応しいくらいの熱量はありました。
木村文乃はすっかり売れっ子ですが、
この女優陣のメンツの中で主演を張ってる時点で何か時代を感じます。
階段の登り方が早いですね。
元々大好きですが、相変わらず美人で良いです。
元売れっ子脚本家の落ちぶれて媚びる姿は残酷なほどに惨めでした。
岡田将生は時々やるクズ男の役ですね。
いい人を演じてもいい役者だと思いますが、クズ男を演じさせるとめちゃくちゃ印象に残ります。
男としての生々しさも、ずるさも表現は見事です。
童貞じゃねぇーし！というはんにゃみたいな演技は面白かったです。
佐々木希はちょっと老けた印象もありますがやっぱりべっぴんさんです。
好かれていないとわかりながらも好きな男に媚びて、貢ごうとすらしてしまう姿が切なかったですね。
ただ雑に扱われる女性にしてはちょっと美人すぎますね。
志田未来が逆に唯一伊藤くんに追われる女性ですが、そこの説得力はちょっと無いですかね。
ただ人生に言い訳していて現状を受け入れていない感じは２０代前半のフリーターとしては生々しくて良いです。
池田エライザと夏帆が親友役で。
ドラマ版の時も言いましたが、みんなエスパーだよ！で同じ役を演じていた二人が親友役ってのは感慨深いです。
そういう目線で観るとアップの時、二人の顔の作りは似ている気がします。
雰囲気も似ている気がします。
池田エライザは親友の彼氏を奪うけどそのダメ男っぷりにうんざりする感じで。
個人的にこの子が伊藤くんに浴びせた悲しみの罵声が最も印象深かったです。
「お前マジキモイんだよ！！」みたいなセリフ、何か悲しいのですが痛快さがすごかったです。
名演だったと思います。
夏帆さんは演技の幅は広いですが、おどおどとオタクっぽい感じのタイプです。
処女設定で好きな先輩にひたすら振り回されるかなりドM感強い女の子です。
元々好きですが、難しい役もこなせて良いですね。
僕の好きな中村倫也も出ていてうれしいですね。
伊藤先輩に片想いしている夏帆に片想いしているという悲しいポジションです。
結構背が低いので岡田将生とつかみ合うシーンのギャップは気になりましたが。
顔はとっても好みです。
田中圭だけはあまり痛い目をポジションでした。
お兄さん的なポジションでした。
場面場面では退屈だったり内容と尺が合わないな、と思う場面もありましたが。
見終わった後にしっかりと心には響いていた様な作品でした。
そんなわけで７点。
