寝ても覚めても
を観ました。
東京。
丸子亮平は勤務先の会議室へコーヒーを届けに来た泉谷朝子と出会う。ぎこちない態度をとる朝子に惹かれていく亮平。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながら朝子も惹かれていく。しかし、朝子には亮平に告げられない秘密があった。亮平は、2年前に朝子が大阪に住んでいた時、運命的な恋に落ちた恋人・鳥居麦に顔がそっくりだったのだ――。
5年後。
亮平と朝子は共に暮らし、亮平の会社の同僚・串橋や、朝子とルームシェアをしていたマヤと時々食事を4人で摂るなど、平穏だけど満たされた日々を過ごしていた。ある日、亮平と朝子は出掛けた先で大阪時代の朝子の友人・春代と出会う。7年ぶりの再会。2年前に別れも告げずに麦の行方が分からなくなって以来、大阪で親しかった春代も、麦の遠縁だった岡崎とも疎遠になっていた。その麦が、現在はモデルとなって注目されていることを朝子は知る。亮平との穏やかな生活を過ごしていた朝子に、麦の行方を知ることは小さなショックを与えた。
一緒にいるといつも不安で、でも好きにならずにいられなかった麦との時間。
ささやかだけれど、いつも温かく包み、安心を与えてくれる亮平との時間。
朝子の中で気持ちの整理はついていたはずだった……。
濱口竜介監督作品です。
おそらく初めてみる監督だと思います。
ほぼ前情報無しで観に行きましたがキャスティングにいい雰囲気を感じたのでちょっと期待してましたが、
期待通りにちゃんといい映画でした。
淡々としてますがなかなかのぶっ飛んだ始まり、いかにも単館系ないい雰囲気ですぐに入れました。
冒頭は30分位学生時代なシーンで、そこが実はプロローグって感じで。
そのプロローグから感情重視でストーリー二の次的な感じで。
5年後みたいな感じで本ストーリーに入っていきましたが、その最初のカットから
「え?」と思わされる。
いきなり謎が終わるのか?と思わされるような。
でもそれがこの映画のメインである入り組んだ仕組みでした。
時系列の進みから人間関係の移り変わりからなかなかダイナミックな展開の恋愛物語でした。
かなりドラマチックですが必要以上にドラマチックに描くこともなく感情的に描くことも無く。
やってることはぶっ飛んでいて急展開で説明不足ですが、とかく主人公がかなり無感情な感じなので非常に淡々としたいい雰囲気です。
それなのにキスシーンとかはなかなか濃厚で、ぶっ飛んだ行動もして。
恋愛シーンや友達との会話シーンや生活シーンのセンスが非常に良かったです。
ギリギリストーリーに絡むくらいの実にナチュラルな部分を切り取っている感じで。
温度感やら湿度感がいい感じで伝わりました。
適度に田舎な雰囲気のシーンから大都会東京に出てきたシーンから。
どことなく昔のトレンディドラマみたいな雰囲気も感じました。
裏テーマとして3.11がかなり強めでそこに対する詩的なメッセージもまあまああります。
震災から年月経っても主人公たちは定期的に未だにボランティアに行っていて。
東日本大震災をこの切り口から描いた映画も他に無いような気がしますね。
主演は唐田えりかでしたがこうして大きな役で観たのは初めてでしたが、かなり恋に落ちましたね。
スタイル的にはめちゃくちゃタイプだし整っているのに不思議と華やかさも無い顔も好みでした。
クールで無口で心が読みにくい感じの演技もその佇まいによくマッチしていて素晴らしいキャスティングだと思いました。
相当印象的な演技でした。
東出昌大が一人二役で、中身もなかなか違うキャラだったので難しそうでしたが頑張っていたと思います。
もっと演技派を売りにした感じの役者だともっと極端な演技で違いを見せそうな感じですが、
めちゃくちゃ違うってほどでもなく実にいい塩梅のいい演技でした。
結構こういうナチュラル系の役では本領発揮する印象です。
個人的に長距離運転の渋滞の中、ガムを噛みながら健気に運転するシーンが好きでした。
ぶっ飛んだキャラの方のラストのシーンも良かったです。
瀬戸康史は最近結構売れている印象なので脇役としては実に良いキャスティングだと思います。
ごくごく普通の演技でしたが品質の良さはしっかり発揮していたと思います。
山下リオはこの世代の名脇役として非常に多く見かけますが上手ですね。
何かルックスに見合う最適の演技をする印象ですね。
今作も不安定な主人公たちを整えるような非常に重要な役をやっていました。
そして僕が横綱級に評価している伊藤沙莉は今作でも素晴らしいですね。
もうフリー演技のような伊藤沙莉ってジャンルの演技になってきていますね。
笑いもシリアスも行けて、もっともっと評価されるべき女優さんだと思います。
渡辺大知も最近すっかりいい俳優になっていますね。
この子が出ているだけで何か作品がワンランクハイセンスになる印象があります。
病気になったりととても難しい演技を実に見事にこなしていました。
田中美佐子が若者たちを優しく包み込むような実に素晴らしい母親でした。
こういう作品で仲本工事の演技を初めて観たような気がしますがかなり高品質でした。
何か今後この辺の需要でめっちゃ活躍できるんじゃないでしょうか。
想像以上にハイセンスでとても好みの映画でした。
説明の少なさやわかりやすいオチに落ち着かないところも好みでした。
何より唐田えりかという将来ビッグになる予感のある女優さんのターニングポイントを観れたような気がして嬉しかったですね。
昔、松田龍平目当てで恋するマドリって映画観に行ったら当時は殆ど知らなかった新垣結衣が主演で。
演技下手だけど存在感あるなー、って思った時を思い出しました。
全然いい映画でした。
そんなわけで7点。
を観ました。
東京。
丸子亮平は勤務先の会議室へコーヒーを届けに来た泉谷朝子と出会う。ぎこちない態度をとる朝子に惹かれていく亮平。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながら朝子も惹かれていく。しかし、朝子には亮平に告げられない秘密があった。亮平は、2年前に朝子が大阪に住んでいた時、運命的な恋に落ちた恋人・鳥居麦に顔がそっくりだったのだ――。
5年後。
亮平と朝子は共に暮らし、亮平の会社の同僚・串橋や、朝子とルームシェアをしていたマヤと時々食事を4人で摂るなど、平穏だけど満たされた日々を過ごしていた。ある日、亮平と朝子は出掛けた先で大阪時代の朝子の友人・春代と出会う。7年ぶりの再会。2年前に別れも告げずに麦の行方が分からなくなって以来、大阪で親しかった春代も、麦の遠縁だった岡崎とも疎遠になっていた。その麦が、現在はモデルとなって注目されていることを朝子は知る。亮平との穏やかな生活を過ごしていた朝子に、麦の行方を知ることは小さなショックを与えた。
一緒にいるといつも不安で、でも好きにならずにいられなかった麦との時間。
ささやかだけれど、いつも温かく包み、安心を与えてくれる亮平との時間。
朝子の中で気持ちの整理はついていたはずだった……。
濱口竜介監督作品です。
おそらく初めてみる監督だと思います。
ほぼ前情報無しで観に行きましたがキャスティングにいい雰囲気を感じたのでちょっと期待してましたが、
期待通りにちゃんといい映画でした。
淡々としてますがなかなかのぶっ飛んだ始まり、いかにも単館系ないい雰囲気ですぐに入れました。
冒頭は30分位学生時代なシーンで、そこが実はプロローグって感じで。
そのプロローグから感情重視でストーリー二の次的な感じで。
5年後みたいな感じで本ストーリーに入っていきましたが、その最初のカットから
「え?」と思わされる。
いきなり謎が終わるのか?と思わされるような。
でもそれがこの映画のメインである入り組んだ仕組みでした。
時系列の進みから人間関係の移り変わりからなかなかダイナミックな展開の恋愛物語でした。
かなりドラマチックですが必要以上にドラマチックに描くこともなく感情的に描くことも無く。
やってることはぶっ飛んでいて急展開で説明不足ですが、とかく主人公がかなり無感情な感じなので非常に淡々としたいい雰囲気です。
それなのにキスシーンとかはなかなか濃厚で、ぶっ飛んだ行動もして。
恋愛シーンや友達との会話シーンや生活シーンのセンスが非常に良かったです。
ギリギリストーリーに絡むくらいの実にナチュラルな部分を切り取っている感じで。
温度感やら湿度感がいい感じで伝わりました。
適度に田舎な雰囲気のシーンから大都会東京に出てきたシーンから。
どことなく昔のトレンディドラマみたいな雰囲気も感じました。
裏テーマとして3.11がかなり強めでそこに対する詩的なメッセージもまあまああります。
震災から年月経っても主人公たちは定期的に未だにボランティアに行っていて。
東日本大震災をこの切り口から描いた映画も他に無いような気がしますね。
主演は唐田えりかでしたがこうして大きな役で観たのは初めてでしたが、かなり恋に落ちましたね。
スタイル的にはめちゃくちゃタイプだし整っているのに不思議と華やかさも無い顔も好みでした。
クールで無口で心が読みにくい感じの演技もその佇まいによくマッチしていて素晴らしいキャスティングだと思いました。
相当印象的な演技でした。
東出昌大が一人二役で、中身もなかなか違うキャラだったので難しそうでしたが頑張っていたと思います。
もっと演技派を売りにした感じの役者だともっと極端な演技で違いを見せそうな感じですが、
めちゃくちゃ違うってほどでもなく実にいい塩梅のいい演技でした。
結構こういうナチュラル系の役では本領発揮する印象です。
個人的に長距離運転の渋滞の中、ガムを噛みながら健気に運転するシーンが好きでした。
ぶっ飛んだキャラの方のラストのシーンも良かったです。
瀬戸康史は最近結構売れている印象なので脇役としては実に良いキャスティングだと思います。
ごくごく普通の演技でしたが品質の良さはしっかり発揮していたと思います。
山下リオはこの世代の名脇役として非常に多く見かけますが上手ですね。
何かルックスに見合う最適の演技をする印象ですね。
今作も不安定な主人公たちを整えるような非常に重要な役をやっていました。
そして僕が横綱級に評価している伊藤沙莉は今作でも素晴らしいですね。
もうフリー演技のような伊藤沙莉ってジャンルの演技になってきていますね。
笑いもシリアスも行けて、もっともっと評価されるべき女優さんだと思います。
渡辺大知も最近すっかりいい俳優になっていますね。
この子が出ているだけで何か作品がワンランクハイセンスになる印象があります。
病気になったりととても難しい演技を実に見事にこなしていました。
田中美佐子が若者たちを優しく包み込むような実に素晴らしい母親でした。
こういう作品で仲本工事の演技を初めて観たような気がしますがかなり高品質でした。
何か今後この辺の需要でめっちゃ活躍できるんじゃないでしょうか。
想像以上にハイセンスでとても好みの映画でした。
説明の少なさやわかりやすいオチに落ち着かないところも好みでした。
何より唐田えりかという将来ビッグになる予感のある女優さんのターニングポイントを観れたような気がして嬉しかったですね。
昔、松田龍平目当てで恋するマドリって映画観に行ったら当時は殆ど知らなかった新垣結衣が主演で。
演技下手だけど存在感あるなー、って思った時を思い出しました。
全然いい映画でした。
そんなわけで7点。