メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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僕だけがいない街

2016年03月21日 | 映画
僕だけがいない街
を観ました。


売れない漫画家の藤沼(藤原竜也)は事件や事故が起きるとそれを防げというメッセージかの様にリバイバルという現象が起きる。
それらを防ぐと時間のループから抜け出す。
人を寄せ付けない藤沼にバイト仲間の愛梨(有村架純)だけは強引に接してくる。
ある日母と買い物中にリバイバルが起きるが、母(石田ゆり子)が何かを発見したためにリバイバルが終わる。
しかしそのことによって母は何者かに刺殺され藤沼が容疑者として追われる。
追い詰められた藤沼は小学校時代にリバイバルし、幼いころに起きた幼女連続誘拐殺人事件と母の死が関係していることを知り必死にクラスメイトの雛月加代を守るお話。


平川雄一朗監督作品です。
色んな作風を手掛けるので評価も良かったり悪かったりですが。

予告編をさんざん見せられていましたが。
正直思っていた映画とは全然違いました。
チープなSFファンタジーみたいな映画かとおもいきや、しっかりとした感動ヒューマンドラマでした。

この辺は沢山映画を観ているとかなり頻繁に思うことですが、
予告編の作りってもう少し考えて欲しいな・・・って思います。

映画の作風って本当に幅広いのに予告編になるとみんな同じようなテイストになってしまい、
作風と全然違う予告編になっているモノをめちゃくちゃ見かけます。
予告編の監修を僕にやらせて欲しいですね。

しかしこのように良い風に裏切られるパターンはとても得した気分にもなります。
まあお客さんが劇場まで行かないとダメですが。

リバイバルという時をかける少女的な設定ですが、
それはストーリー的にはおまけに近く、サスペンス色の方が全然強いです。

リバイバルと言っても結局やってることは純粋なタイムスリップと言った感じです。
大人時代と小学校時代は半々くらいのボリューム感です。
リバイバルに関する解説は全然無いです。
どうしてそれが起きるようになったのか?他に知っている人はいるのか?
その中の出来事はどういう扱いになるのか?
わからないままです。

タイムスリップモノっていずれにせよ矛盾は付きものになってしまうので下手に設定の強さを見せないってのは今や常套手段だと思います。
その辺は良かったと思います。

さっぱり謎めいた大人時代の事件が、母の死が、
少年時代にヒントがあると考えると少しずつヒントが見えてくる感じで。
その時代にリバイバルしたことによってそれが母の死と関連してるのでは?
と薄々見えてくる感じはいいです。

過去を変えると大人時代の世界も変わっていて。
何往復かして真実に近づきます。
それは実に見事なストーリーでした。
きっと原作が素晴らしいのでしょう。

解決するまで同じ時間を繰り返すというのは、
自分のゲーム史でも最高に評価した「ゼルダの伝説ムジュラの仮面」を髣髴とさせるものがありました。

力ない小学生達が健気に必死に悪い大人や、
姿の見えない連続殺人犯に立ち向かう姿には胸が打たれるものがありました。

正直、犯人は結構早めに「コイツじゃないの?」とはなってしまいます。
コレで裏切り無しにコイツが犯人だったら逆に裏切りだな、ってくらいのものです。

大人のシーンは千葉の船橋が舞台で、少年時代は北海道の田舎町が舞台で、
そのコントラスト、北海道の方言なんかは作品にいい雰囲気を与えていました。

昔は苦手だった藤原竜也もすっかり高評価ですね。
この人が主役ってだけで期待値は上がります。
今作もそれが目当てで行った部分もあります。
ほんのりコメディを入れてましたが、そんなささやかな台詞でもやっぱり面白いです。
今、コメディやらせたら最高に輝く俳優だと思っています。
(今作はシリアスですが)

有村架純は相変わらず可愛いという感想がやはり一番です。
今作は容器で根明で歯に衣着せないキャラの女の子で。
このルックスでこのキャラは相当好みです。
演技上手いし可愛いし、当分出続ける状況は続きそうですね。

石田ゆり子が藤原竜也のお母さん役ですが、ちょっと若くて綺麗過ぎる気がしました。
まあ作中でもいじられてますが、
それにしても藤原竜也の世代の男にこんな綺麗なお母さんは居ないでしょう。
無理矢理おばさんっぽい方言喋りしますが、綺麗さが勝ってしまってました。

子供時代は鈴木梨央と中川翼が演じていますが、
余談ですが今やっているドラマの「わたしを離さないで」の子供時代と同じカップルでした。
監督も一緒なのでセット感強いですが子役としては相当優秀な二人です。

少年時代と現代を行き来して社会の裏側でひっそりと続いていた犯罪を終わらせるストーリーはかなり好みです。
ジョジョの奇妙な冒険の第4部を思い出しました。

メッセージの方向としてはさほど斬新なものでは無かったですが、
まさかのオチと終盤に漂う切なさが相まって結構感動しました。

ラストの語りもベタでしたが素直に受け止められました。
それを可能にするような2時間だったのだと思います。

お客さんも予想外に入っていて秀逸な作品でした。


そんなわけで7点です。

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