メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

インポッシブル

2013年06月17日 | 映画
インポッシブル を観た。


2004年12月、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)夫婦は3人の息子を連れてタイへバカンスへ来た。
楽しいバカンスになるはずが突然の大災害、大津波に襲われる。
急な濁流に飲み込まれる人々、マリアたちも波に飲まれる。
流されてる最中に長男ルーカス(トム・ホランド)は偶然見つけたマリアと必死に合流しようとする。
恐怖に怯え泣くルーカスだがマリアが大怪我していることに気づき母を助ける為に徐々に成長を見せる。
マリアは夫と下二人の息子は失ったと思いルーカスの為に死ねないと必死に生きる。
一方壊滅状態となった街の中で絶望的な状況にも関わらず、人にも諦めろと言われつつ、
下二人の息子を助けたヘンリーは諦めずに妻と長男を探して歩く。

スマトラ沖津波に遭遇した実在の家族を描いたノンフィクション。

って話。


映画を観に行く時、予備知識ゼロで観に行く事が多いです。
全く知らずに映画館の席に座りました。
ユアン・マクレガーとナオミ・ワッツの高品質キャスティングだから観てみようとくらいの気楽な気持ちで観ました。
映画の冒頭で映画の説明があり・・・「あーコレかー!予告で観てヤバイと思ったやつだー!」となりました。
こんな映画を観る心の準備では全然ありませんでした。

2004年のスマトラ沖地震の実際にあった話、実在の家族の話です。
世界中で評価されてるのに日本じゃイマイチ番宣もされていないですね。
まあそれもそうでしょう、日本での上映はとても難しかったようです。

ガッツリ津波映画です。

相当リアルで壮絶なシーンの連続です。
あまりに上質な出来なので映画館の臨場感で観るには恐ろしくてたまらないです。
日本人には辛過ぎるガッツリ過ぎる津波映画です。

震災で相当なトラウマを受けている自分には観るのも辛い程のクオリティでした。
凄まじい爆音だったし真っ暗もあったし津波シーンだったし冒頭から恐怖で涙してしまいました。
ホント油断していたので観てしまい「へたこいたー!」ってなもんでした。

その後の家族を探す被災地の人達、
少しでも人のために出来ることをと模索する人達、
外国人旅行者を言葉も通じず助ける現地人達、
被災者同士で助け合う人達。
過剰な演出もなくなかなかのリアリティで見せてくれました。
もう本当にずっと涙涙でした。

主役は父母と3兄弟の5人家族。
母と長男の二人は自分たちだけ生き残ったと思い必死に避難する。
思春期に差し掛かり気味で難しいお年ごろの長男は津波前は塞ぎがちだった。
そして津波で恐怖に怯えるが、母が重症を負ってることに気づきやがて必死に母親を助けようとする姿に涙涙です。
母に言われ人を助ける余裕なんて無い!と反発しながらも見ず知らずの幼子も助けます。
母親も夫と下二人の子供は死んだと思ってるので自分が死んだら長男が一人になってしまう、
長男の為に自分は絶対に死ねない!と激痛に苦しみながらも必死に頑張る姿に涙です。

一方下二人を助けた父は妻と長男は生きてると信じて被災地や避難所や病院で探し続ける。
絶対に諦めない姿に涙涙です。
次男は7歳だが、父は妻たちを探さなければいけないからと必死に幼い三男の面倒を見る。
自分も不安で泣きたいのに必死に兄になろうと三男の面倒を観る姿、成長の姿に涙涙です。

ナオミ・ワッツは近頃体当たり演技、悲劇のヒロイン演技が凄いですね。
今作も本当に、本当に素晴らしかったです。

ユアン・マクレガーも間違いなくいい演技でした。

何よりも長男を演じたトム・ホランドが素晴らしかったです。
この子の演技で泣かされっぱなしでした。

物語の展開も締めくくりもやはり長男のシーンでしたがとてもハイセンスな演出でした。
とても深みがあって良かったです。

色んな条件があるからですが、コレは人生でも忘れがたき映画となりました。
本当迂闊に観てしまいました。
今思い出してこうして書いていても涙が出てきます。

観るのにこんなにエネルギー使った映画は久々でした。
是非映画館で観て欲しいと思いますが、
震災を思い出して辛くなる恐れもあるので注意して欲しいです。


そんなわけで10点です。


観てる最中に力んでしまい、映画の中に飛び込んで人助けをしたくてたまらない気持ちになりました。
「ああ、俺って日本人だな」と思いました。
ちょっと最近忘れていましたが、
当時みんなが思ってたようにこれからも常に
”自分に出来ること”
は考えて生きていかねばならないですね。

震災はまだ終わっていませんからね。

いつか東日本大震災も映画になる日が来るのでしょうか?
もし映画になるならば、こういう風にハイレベルに描いて欲しいと切に思いました。
本当に切に思いました。

そして映画には”歴史を風化させずに保存する”という、
こんなにも崇高な役割があることを思い知らされました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 華麗なるギャツビー | トップ | 俺はまだ本気出してないだけ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。