メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

とんかつDJアゲ太郎

2020年10月31日 | 映画
とんかつDJアゲ太郎
を観ました。


とんかつ屋3代目の跡取り息子・アゲ太郎。
とんかつもフロアもアゲられる男「とんかつDJ」を目指そうとする!
すべては一目惚れした苑子ちゃんの心を射止めるためにーー。
でも、豚肉にも、DJ機材にも触ったことのないアゲ太郎。
いい加減な性格のDJオイリーに弟子入りしたり、大人気DJ屋敷を勝手にライバル視しちゃったり。
ノーテンキなアゲ太郎の道のりは、一に勢い、二に勘違い、三に運命の出会い!?と大ハプニングだらけ!
果たして「とんかつDJ」として頂点を目指せるのかーー!?


二宮健監督・脚本です。
漫画原作らしいですが正直全く知りませんでした。
好きな俳優が結構出てるし好みなコメディな雰囲気があったので観に行きました。

因みにちょっと公開前、直前まで問題を起こした主要キャストが二人いて公開が懸念されましたが。
個人的には全く問題無く上映すべきだと思っています。
自分は周囲の人にはたいがい負けないくらい映画館にお金を使ってきましたが、
問題を犯した俳優が居る映画を観たくないとか公開すべきではないとか思ったことはほぼないです。
一本の映画を作るために多くの人の生業が関わっているのでよほどの罪でない限り止める方が厄介でしょう。
そういう人が出ているという事前情報の元に映画館が上映するか?観客が行くか?を各々判断すれば良いので。
見に行く予定でも無かった人がとやかく言わなくて大丈夫です。

映画はなかなかシュールコメディでハイテンション青春ムービーの王道的な。
とあるジャンルのサクセスストーリーのフォーマットに忠実に則った映画でした。

全くの素人が強い衝動で何かを始め。
思わぬ才能で多少うまくいくけど途中で失敗して挫折して辞めそうになったり。
それでも何か啓発的なエピソードをこなして再び立ち上がって進み出す。
題材が決まればこのプロットだけで映画らしいものは作れますね。

そして高嶺の花な全く手の届かない憧れの女の子を目指して立ち上がるという。
主人公がめちゃくちゃイケメンなので多少説得力と没入への障害はありますが。
それでもグループまとめていい感じのだめ男、カーストで下の方の感じがよく出ていました。

遊び心あふれる演出と小気味良いテンポで進むストーリー。
コメディは良くも悪くもなく及第点って感じですが退屈感を消すくらいの良さはありました。
そしてとんかつやDJという作品の肝となる要素の描写はしっかりと丁寧に扱ってるのは作り手の意思が伝わりました。

音楽映画として肝心の音楽要素はなかなか良かったです。
劇場で音楽映画を見る際には正直そこで評価は大きく変わりますね。
自分はロック専門でクラブミュージックさほど詳しくないですがそれでも王道的でキャッチーで素晴らしかったです。
適度に良いフリからの盛り上がりで非常にアゲアゲでした。
これは応援上映とか踊りありの上映にしてもらいたいくらいでしたね。

舞台はガッツリ渋谷で渋谷ローカルな空気感が非常によく醸し出されていて。
知ってる場所やそれなりに馴染みのエリアも舞台でとても親近感ありました。
昔は憧れて特別な人以外近寄りがたいエリアでしたがいつの間にか誰にでも馴染める比較的優しい街になって来ましたね。
渋谷という街の魅力の発信にもいい影響を持っていたと思います。

上記の王道なプロットの元わかりやすい起承転結。
クライマックスは爽快で観た後の感触も良かったです。

主演は大好きな北村匠海です。
ハンサムだけどイケてない空気を上手く醸し出していたし。
DJプレイの演技もなかなか様になっていました。
そもそもこの子は相当な演技派だと思っていますが、その能力は今作も遺憾なく発揮されていますね。
とても共感して応援したくなる人間味を持っています。

ヒロインは大好きな山本舞香でした。
イケてない男たちが羨望の的として憧れる女の子としては十分な可愛さと存在感でした。
ちょっとバカっぽい喋り方だけど実際な切れる感じの独特の雰囲気はこの子ならではって気がしますね。

DJの師匠役を伊勢谷友介が演じていました。
渋谷でヒッピーみたいに根無し草、その日暮らしなライフスタイルは破滅的ですが非常に憧れるものでした。
ちょっと窪塚洋介がやるようなぐでんぐでんな大クセキャラで。
誰もが事件を思い浮かべてしまう感じでうが、かっこよくて演技も良くて素晴らしかったです。

ライバル的な超売れっ子DJを伊藤健太郎が演じていました。
思ったより出番は少なくて重要なポイントでインパクトを残す感じでした。
かなりパーフェクトヒューマンな役どころでした。

加藤諒、浅香航大、栗原類、前原滉が主人公たちのローカル仲間で渋谷生まれ育ちなのにイケてないグループ。
木更津キャッツアイ的なハイテンションな仲間内のやり取りは非常に好みでした。
栗原類ってイケメン側にも気持ち悪い側にも両方行けて凄いですね。
終盤にはグループでのパフォーマンスもあっていい感じでした。

主人公の父親をブラザートムが演じていました。
代々渋谷でとんかつ屋を営む頑固なザ・職人で。
厳しいようだけど実際はステレオタイプな頑固親父じゃなく非常に鋭い感性で商売や息子の活動を観てるのは素晴らしかったです。
意外とこの作品の肝でトピックスみたいなキャラでした。

ちょっとライトでベタなハイテンション青春映画でしたがクオリティはそこそこで面白かったです。


そんなわけで6点。
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