老いて、更に老いて。
色々大変な事もあり、忘れたい事も沢山覚えていて。
それは老人ではない人の想像を超えていて。
何度かの生命の危機も乗り越え、
老人は今日もたたずんでいるのでしょう。
夏の夕暮れ、近所の畑の片隅でたたずんでいる老人を見た。
やがて僕もこんなものだろう。
老人になれるまで生きていられたら、僕は一体どんな老人になるのであろうか。
無口に物憂げに空ばかりを見ているだろか。
あまりにも多く積み重なった過去を、残り僅かな人生の時間の中で必死に引きずるのであろうか。
不思議と若い頃より時間があるので、夕暮れの森を徘徊して蝉の鳴き声を浴びながら感傷的に時間の流れの手触りを感じている。
ある種の悟りの様なものがあって、正解がなくとももう苦悩したりはしない。
もう会わなくなった若い頃の恋人や親友は記憶の中ではずっと10代のままで、自分と同じようにしわくちゃになったなんて想像も出来ない。
かなわぬ恋をしたあの娘の事を今も思い出す。
かなわなかった夢を今も思い出す。
忘れられないという事がいかに残酷な事かを知る。
娘や孫が心配するから帰ろう。
そんな夏の終わりだ。
もう何度数えたかもわからない夏だ。
色々大変な事もあり、忘れたい事も沢山覚えていて。
それは老人ではない人の想像を超えていて。
何度かの生命の危機も乗り越え、
老人は今日もたたずんでいるのでしょう。
夏の夕暮れ、近所の畑の片隅でたたずんでいる老人を見た。
やがて僕もこんなものだろう。
老人になれるまで生きていられたら、僕は一体どんな老人になるのであろうか。
無口に物憂げに空ばかりを見ているだろか。
あまりにも多く積み重なった過去を、残り僅かな人生の時間の中で必死に引きずるのであろうか。
不思議と若い頃より時間があるので、夕暮れの森を徘徊して蝉の鳴き声を浴びながら感傷的に時間の流れの手触りを感じている。
ある種の悟りの様なものがあって、正解がなくとももう苦悩したりはしない。
もう会わなくなった若い頃の恋人や親友は記憶の中ではずっと10代のままで、自分と同じようにしわくちゃになったなんて想像も出来ない。
かなわぬ恋をしたあの娘の事を今も思い出す。
かなわなかった夢を今も思い出す。
忘れられないという事がいかに残酷な事かを知る。
娘や孫が心配するから帰ろう。
そんな夏の終わりだ。
もう何度数えたかもわからない夏だ。