メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

だれかの木琴

2016年09月11日 | 映画
だれかの木琴
を観ました。


親海小夜子(常盤貴子)は、警備機器会社勤務の優しい夫の光太郎(勝村政信)と、可愛い中学生の娘かんな(木村美言)と3人暮らし。念願の一軒家に引っ越した小夜子は、近くで見つけた美容院で山田海斗(池松壮亮)と名乗る若い美容師に髪を切ってもらう。
「本日はご来店、ありがとうございました。」
その日のうちに海斗からのお礼のメールが届き、小夜子は「今後ともよろしくお願いします」となにげなく返信するが、なにかが小夜子の中でざわめいたのだった。その返信にさらに返信を重ね、レスが途絶えると再び店を訪れて海斗を指名する小夜子。
ある日、店での会話をヒントに、海斗のアパートまで探し当てた小夜子は、ドアノブに「買いすぎたのでどうぞ」というメモとともに苺のパックを吊るして帰る。新しいお得意様に対する拭いがたいもやもやを感じていた海斗は、はっきりと小夜子の執着を危険なものとして感じ取る。次の休みの日、またしても小夜子は海斗の家にやってきて、今度は家の呼び鈴を押した。近くまで来たという小夜子に海斗は「汚いとこですけど、どうぞ」と招き入れる。「そんなつもりじゃ」と慌てる小夜子だったが、部屋に吸い込まれるように入ってしまうのだった……。
やがて家族や周囲を巻き込み、2人の関係がたどり着いた思わぬ結末とは──?


東陽一監督作品です。

情報無しで見に行きましたが、自分好みの作品を期待して観てみました。

非常に掴みどころのないかなり独特な映画でした。
さほど説明も多くなく、登場人物たちの心理も掴みづらく。

気取ったアーティスティックな作品でもなく、
トレンディでスタイリッシュな作風でもなく、
サスペンスというわけでもなく、
ホームドラマにしてはちょっと弱いです。
この映画のジャンルを聞かれたらピンと来る答えが見つかりません。
何がテーマかもズバットはわかりません。

それでも不思議と引き込まれる魅力はありました。

常盤貴子演じる主人公がとにかく感情が抑えめでなのに行動が異常です。
行動は異常ですが、意外と誰でもこういう内面や実際にこういう経験をしたことがあるかも知れません。

そんな部分を上手いこと表現した映画だと思います。

一見普通の夫婦のようでありながら夫婦間の変態的な要素、心の隔たり。
娘との関係も一見正常のようでありそうでない。

それまでは普通に一般的な家庭生活を過ごしていた主人公たちですが、
何気なく寄った美容室に行ってから徐々におかしな方向に傾いて行きます。
美容師の営業メールに何故か主人公が返信してくるという実に些細なきっかけから始まります。

そんな不安定な主人公を常盤貴子が上手に表現していたと思います。
普通の美人系の女優から世代も上がり実力派のカテゴリーに入ってきましたね。
実にとらえどころのない、異常性を抱いた普通っぽい主婦を上手に演じていました。
ちょっとセクシーだったりちょっと不気味だったり。
池松壮亮演じる美容師に惚れた瞬間すら描かれていない感じです。

勝村政信の演技も久々に観ましたがやはりなかなか魅力的な俳優ですね。
コレまた本心は何を思ってるかわかりにくい夫で父親で。
普通の物語なら感情を荒らげるような役どころですが、クールで無感情にやりすごしていました。

相手役の池松壮亮は格好いい美容師役でしたが相変わらずの演技派で実にハマっていました。
何やらせても実に見事になりきってしまいますね。
改めてかなりの演技派だと思います。

池松壮亮の恋人役は今密かに売れてきている佐津川愛美が演じていました。
この子と主人公の娘だけが感情を露わにするような役どころでしたが。
作品としては主人公側の目線が強いですが、
観てる人からは彼女たちが正しいように思えるような仕掛けですね。

凄く面白いわけでは無いですが独特の魅力がある作品で結構好みでした。


そんなわけで6点。
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