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HUMAN LOST 人間失格

2019年12月09日 | 映画
HUMAN LOST 人間失格
を観ました。


「恥の多い生涯を送ってきました」
昭和111年――医療革命により死を克服し、環境に配慮しない経済活動と19時間労働政策の末、GDP世界1位、年金支給額1億円を実現した無病長寿大国・日本、東京。
大気汚染と貧困の広がる環状16号線外〝アウトサイド〟で薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる〝大庭葉藏〟は、ある日、暴走集団とともに特権階級が住まう環状7号線内〝インサイド〟へ突貫し、激しい闘争に巻き込まれる。そこで〝ロスト体〟と呼ばれる異形体に遭遇した葉藏は、不思議な力をもった女性〝柊美子〟に命を救われ、自分もまた人とは違う力をもつことを知る。
暴走集団に薬をばらまき、ロスト体を生み出していたのは、葉藏や美子と同じ力をもつ男〝堀木正雄〟。正雄はいう。進み過ぎた社会システムにすべての人間は「失格」した、と。
文明崩壊にむけ自らのために行動する堀木正雄、文明再生にむけ誰かのために行動する柊美子。平均寿命120歳を祝う人類初のイベント〝人間合格式〟を100日後にひかえ、死への逃避を奪われ、人ならざる者となった大庭葉藏が、その果てに選択するものとは――
貴方は、人間合格か、人間失格か――


木崎文智監督です。

太宰治の人間失格が原案みたいですがその面影は無いです。
ダークな近未来SFって感じで世界観は好みの感じでした。

この手のジャパニメーションらしく難解で深い内容で登場人物がみんなやたら賢い感じは好みでした。
内容もテーマもリアリティの追求がなされているタイプで自分の好きな伊藤計劃の作品を思い出すものがありました。

内容は究極まで発達した医療に支配される人類とその人類存亡の方法をめぐる壮絶なイデオロギー闘争って感じです。
描き方は善悪の雰囲気ですがどっちも正義に聞こえる感じは良いです。
寿命が伸びて簡単に死ななくなった人間が不自然な社会で暮らすことのジレンマ。
そこに疑問を抱く人たち。

ただ社会や人類の未来を描いている割に登場人物が少なく、既得権益を得た老人vs人間らしさを追求する若者みたいに見えてしまう構図が少々残念でした。
今のシステムを維持しようとする若者vs壊そうとする若者の方がこのテーマなら良かったかな?とは思いました。

主人公が絵描きということもあり非常に閉鎖的でアーティスト性があってそれは好感触でした。

モンスター的な生き物が出てきますがなかなかインパクト大きい造形でした。
そして最後には大迫力な巨大なモンスター。
この辺は日本のSFアニメのフォーマットですね。
最初見てた限りではそんな展開になるとは思いませんでしたがやっぱりそうなるものですね。

ちなみにデザインを変えられる前の国立競技場が舞台になっていました。
たまたまその時期に書かれたのか?あえてのパラレルワールド感なのか?
気になりました。

ちゃんと役者じゃない専門の声優でやってるのも好印象でした。

印象的で見ごたえあるアニメでした。


そんなわけで7点。

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