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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

湯を沸かすほどの熱い愛

2016年11月03日 | 映画
湯を沸かすほどの熱い愛
を観ました。


銭湯「 幸 さち の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと 出 しゅっ 奔 ぽん し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。
家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる、気が優しすぎる娘を独り立ちさせる、娘をある人に会わせる。
その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を 葬 おく ることを決意する。


中野量太監督作品です。
初めましてな監督だったのでかなりフラットな気持ちで観に行きましたが・・・。

ヤバしです!!コレはめちゃくちゃ名画です!!
こんなに涙に溢れた映画館は僕の映画人生でも初めてかも。
自分も過去最高に涙を流したかも知れません。

沢山映画を観ていると冷静に論理的に品評しようと言う気持ちで良いとか悪いとか、
好き勝手に言っているのですが。
時々評価するまでもなく突き抜けた映画に出会うんですよね。
それがコレです。

今年は僕の中では”君の名は。”の一人勝ちかな?と思っていましたが、
全然匹敵するかそれ以上かも知れない名画です。

死にゆく母が行動しだす物語ですが。
いじめを受ける娘を独り立ちさせるための母の愛。
娘との衝突、宮沢りえと杉咲花の凄すぎる熱演、杉咲花としてはチャレンジのような体当たり演技。
もうやり取りが真に迫り過ぎで涙、涙です。
もちろんひとつの解決にたどり着きますがその娘にかける母の言葉。
そのシーンを思い出すだけでボロボロと涙が出てきます。
この辺で開始40分位だったかも知れませんが、映画館内めちゃくちゃ涙音、鼻水音、鼻をかむ音。
もうこんなに泣けるから鼻をかむ音がしててもしょうがないですよ。

いやはや40分くらいでこんなに感動のピーク作ってどうするのさ!と思いましたが、
まーその後も畳み掛けです。

ろくでなしの父が連れてきた浮気相手が捨てた女の子との絆。
なんとなく家族に混ざっていますが、宮沢りえ演じる双葉は容赦なく娘として扱います。
まー、その女の子の抱える悲しみと出会ったばかりの何の関係も無い双葉が母の大きな愛を見せます。
涙枯れるくらい泣けました。

そして娘二人を連れての女三人旅、そこで出会うヒッチハイカーとの交流。
そんなヒッチハイカーにも人生の道をそっと差し出すような双葉に感動です。
もうこの辺ですと、三人が富士山を見上げてるシーンだけでも号泣するくらい涙腺崩壊してました。

しかしまだまだもっと凄まじい感動が待っています。
長女に合わせるべき人と長女を合わせる。
個人的にはもうそこはピークでしたね。
そこから先は冷静に見ることが出来ないくらい号泣していました。

大体5つくらいのエピソードが順に描かれ、それぞれに凄い感動のピークがあります。
その自然な繋がりも見事です。
内容は違えど、その作りは君の名は。と近いですね。
最先端の名画の構造はコレなんだって気がします。

感動の合間合間に差し込まれる優しいコメディ。
コレまた作品に見事なスパイスを与える見事なコメディで。
量もタイミングも絶妙で、泣き声とともに笑い声もなかなか上がっていました。

とにかく宮沢りえの演技力ったら半端ないです。
元々痩せてますが、病気で痩せていくような感じは素晴らしいですし。
本当に湯を沸かすほどの熱い愛です。
大き過ぎる母親の愛をとことんまで描いてますが、暑苦しいわけでも押し付けがましいわけでも説教臭いわけでもないです。
とにかく偉大過ぎる母親の愛に涙が止まらないのですよ。
このキャスティングをしたことが奇跡に思えてしまうくらいマッチしていました。

そして杉咲花ですね。
近頃活躍が凄いですが、完全に彼女のキャリアハイな仕上がりです。
弱々しい程よいキャラクターで母とぶつかったりしますが、基本か弱い感じで。
まーたまらないくらい凄い演技でした。
表現不可能なたまらなさでした。

上記二人は完全に俺アカデミー賞です。

そして子役の伊藤蒼って子も半端ない演技でした。
この世代の子役にこのハイレベルな演技させているだけで監督の演出力の凄さが分かります。
めちゃくちゃ才能ある人が作ってるのが伝わります。
正直決してルックスが売りって感じじゃ無いですが、その演技力は半端ないです。

オダギリジョーはいつものオダギリジョーな感じで。
優しい馬鹿でダメな父親ですが相変わらず憧れてしまうオシャレでカッコ良くて。
ダメ男だからこそな感動もありで。

松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎という脇役がそれぞれいい活躍をしますが。
それらもみんな素晴らしかったです。

松坂桃李がハマるかどうかが微妙な塩梅でしたが、なんとか収まって居ました。

それらも全て監督の演出力なのでしょう。
とにかく泣けましたね。

今年も沢山映画を観ていますが、最も人に勧めたい映画ですね。


そんなわけで10点。

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