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その瞬間、僕は泣きたくなった−CINEMA FIGHTERS project−

2019年11月11日 | 映画
その瞬間、僕は泣きたくなった−CINEMA FIGHTERS project−
を観ました。


Beautiful
アパートの自室で光司は首つり自殺をしようとしていた。だが、大きな地震が辺り一帯を襲う。
瓦礫の中で気が付いた光司は、助けを求める女性の微かな声を聞き、無我夢中で下の階の住人・千恵を助け出す。
だが、どこか千恵は様子がおかしい。彼女もまた、地震が起きる直前に大量の薬を飲んで死のうとしていた。
奇妙な偶然に、乾いた笑いを浮かべる二人だったが、一瞬にして変わり果てた世界を前に、光司は千恵にある提案をする。


三池崇史監督です。
LDHのショートムービーものに遂に三池監督まで参加するようになったのは快挙ですね。

クリスタル・ケイの曲がテーマのようです。
アパートの上下で自殺の最中だった2人が地震がきっかけで出会うという相当運命的なラブロマンスです。
一応大震災級のパニック状態という設定ですが短編だし恐らく低予算なので描写はかなりチープでした。
セットやらアングルやらでなんとか荒廃した感じを出していましたが厳しさは感じました。
ストーリーもショートフィルムならばもう少し意味深で深いほうが好みですが。
ただ短いラブロマンスとBGMベースであっという間に長い期間を描写していました。

一度は死のうとした人が幸せを手にしていく複雑な気持ちがちょっと印象的でした。

AKIRAが主演でしたがこの役には向かなかったかもですね。
蓮佛美沙子は演技派な方だと思います、この短さでもちゃんと空気感作っていました。


魔女に焦がれて
高校三年の雅人は、中学卒業前に真莉愛に告白をして以来、彼女と気まずい関係のまま。
だがある日真莉愛に話しかけられ、進路の悩みを言い当てられる。
雅人の悩みが「見えた」真莉愛は、その不思議な力で解決方法を探る。
真莉愛の能力はすぐに知れ渡り、彼女は女子生徒たちに恋や進路の相談を頼まれるようになる。
だが、ある日突然真莉愛の力に異変が起こる。
真莉愛の助言は外れるという噂が次第に広がり、彼女はクラスで孤立していく。
雅人はそんな真莉愛を見ていられず…。


井上博貴監督です。

青春ラブロマンスというような内容ですがヒロインに特殊能力があるという設定です。
ただそこまで特別なファンタジーってわけでもなく比較的現実的な占い師な感じです。

正直なんでこのテーマをショートムービーにしたんだろう?って思うような薄さの内容でしたが。
きっかけもよくわからないですがそれなりにキュンとするような感じはありました。

佐藤大樹は今までは結構高評価した作品に出ていて妥当にこなして来た印象です。
今作もおとなしくて物憂げで結構いい感じの雰囲気でしていました。

久保田紗友はちょいちょい見かけますがスペシャルな雰囲気がありますね。

松田るかは可愛くて好みです、嫌な役でしたが。



On The Way
メキシコ移民のサポートをするNPO法人の母の代わりに、健太は仕方なく一人メキシコにやって来た。
スタッフのダニエルが話しかけても、健太はやる気を見せない。
移民センターには、様々な事情を抱え命がけでアメリカを目指す人たちが訪ねてくる。
今まで経験したことのない過酷な状況の人々と接し、健太は言葉を失う。
健太は歩いて国境を目指す人たちを車で送ろうとし、反対するダニエルを押し切り彼らを乗せセンターを出発したのだが…。


松永大司監督です。
自分が非常に興味を抱くメキシコが舞台でスペイン語と日本語が入り交じるいい作品でした。
結構引きでスケール大きめにメキシコの映像を見せてくれて嬉しかったですね。

そして自分の知らない移民をもてなしたり、移民を狙ったギャングたちの文化を知りました。
どこまでがリアルかわからないですが、きっとある程度はリアルだと思います。

キレイなオチではなく意味深で未来への予感に満ちた良い終わり方でした。

主演の今市隆二はワイルドで雰囲気ある良いイケメンでしたが演技派まだまだって感じですね。
ただオーラは良いので今後の成長に期待したいですね。

ガイド役なパコ・ニコラスはスペイン語はもちろん日本語も上手くて良い役者でした。


GHOSTING
2009年、満月の夜。
一人の若者・バクは事故で死んだ。死者が過去の一日に戻れることを知らされたバクは、魂のまま「あの日」に戻る。
10年前の1999年、ガールフレンドのメイと一緒に、お祭りに行くはずだった日。そしてそれは、メイが河原で亡くなった日。
バクの魂は、少年時代のバクに電話をかけているメイの前に現れる。
親との問題を抱え、塞ぎ込んだメイが目の前で橋から落ちようとするそのとき、バクは思わず手を伸ばす…。


洞内広樹監督です。
中では一番ショートムービーらしいショートムービーだったかもしれません。
死ぬ時に選んだ一日に戻れるというファンタジーな設定で。
シンプルに自分だったらどこに帰るだろう?って素直に考えました、結構考えました。
その点で良い設定だったと思います。

短い尺の中に結構な構造を入れ込んで、同じシーンが繰り返し流れて上映時間以上に長い時の感覚を上手く作っていましたね。
ラストはなかなか綺麗で素敵などんでん返しで一つの設定を最大限に活かしてと思います。

主演の佐野玲於は結構見かけますがハンサムじゃない分良い役者オーラあると思います。

子役の畑芽育と大西利空はどっちも美形で作品によくマッチしていました。


海風
横浜のとある風俗街。この街を取り仕切るヤクザの蓮は、客からひどい扱いばかり受けていた中年の娼婦・蘭を気に掛け、一夜を共にする。
幼いころ親に捨てられた蓮は、蘭に母のような温もりを覚えた。
若いころから娼婦として生きてきた蘭もまた、蓮に離れ離れになった実の息子を重ねた。
孤独で傷つきながら生きてきた二人が互いの喪失感を補うかのように親密になっていったその矢先、ある事件が起きる。


行定勲監督です。
行定監督がここに参加してるのは凄いですね。

近年の行定監督らしい生々しい男女のやり取りでした。
自分はちょっと苦手な熟女との恋愛ですね。
疑似親子って感じなのにベッドシーンもあるのでなんかそういうマニアックさは感じました。
男女に綺麗事は通じないって感じですね。

社会の底辺の感じと、ちょっと強引ですがそれに相応しい悲しいオチ。
横浜という舞台も良い感じに切なさを醸し出してました。


主演の小林直己は見た目からこの手の極道キャラは非常にマッチしますね。
ターミネーター的な役をやらせたら一番くらいかもですね。

秋山菜津子は風俗おばさんらしさはかなりリアルに出ていたしお母さんな部分もちゃんとありました。
この世代でセクシーをやれる日本人はそうそう居ないですね。


全体として薄めなショートフィルムの印象です。
この企画を続けてることは好印象です。


そんなわけで5点。

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