長いお別れ
を観ました。
父の70歳の誕生日。久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実だった。
それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいく。
ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは――。
中野量太監督作品です。
”湯を沸かすほどの熱い愛”は僕のオールタイム・ベスト号泣映画の一本です。
そんなわけでかなりの期待値で見に行きました。
今作は認知症になってしまった父を巡るホームドラマで、少なからず前作と近いテイストではあります。
生々しい家族のやり取りや、独特すぎるシュールなシーン。
そして認知症の人間を介護する家族の苦労を描いている社会派な要素も強かったです。
前作ほど強烈な感動シーンはないのですが、素敵なシーンの切り貼りって感じです。
夫・父が認知症になってからの7年間という長い期間を描いているのでシーンは切り貼りです。
その時時の家族の状況の変化もリアルでいい感じでした。
中野量太監督はとにかくほっこりさせるシーンを描かせたら今トップクラスですね。
辛いシーンや切ないシーンもあるのですが、常に画面から優しさを損なわないのは素晴らしいです。
前作では下の女の子が大きな円を描くように歩きながらカニを食べに行くとお父さんに伝えるシーン、入院中のお母さんの布団の中から下の子が現れるシーン、お見舞いの帰り道にお姉ちゃんが妹のお尻を冗談っぽく蹴るシーンなどが忘れがたいですが。
今作でも忘れがたい印象的なほっこりシーンはいくつかあり今思い出してもほっこりします。
縁側で話す父娘、手術後の独特な母娘のやり取り。
お父さんの状況はなかなか辛いのですが、家族が破滅的になったりせずにみんなどんな時でもポジティブな雰囲気があるのが良いです。
日本の家族のあり方のヒントを与えるような感じさえあります。
そしてほのぼのコメディシーンはなかなか高品質でした。
声を出して笑うような感じでは無いのですが、笑顔にはなる、笑顔で答えたいようなシーンは多かったです。
その感じを味わえるのは中野量太監督はかけがえないですね。
エピソード毎に目線が変わるので群像劇のような感じもあり明確な主人公は居ないのですが。
あえて主人公を上げるならば次女役の蒼井優でしょう。
山田洋次監督作品で見せるような家庭的な彼女の演技は大好きですが、今作もかなりそれに近いです。
自分の人生や仕事に悩みを抱えつつも優しくて献身的で全然不満な雰囲気も見せずに介護します。
お嫁さんにするならばこんな人が良いと心底思えるような演技でした。
長女役の竹内結子も好みで彼女の演技は大好きです。
今作は彼女にしてはちょっと珍しく、頼りなくて決断力が無く臆病な感じでした。
夫の都合でアメリカで暮らしているけど英語が全くできず、夫とも息子ともうまくやれず。
流石に上手なので非常に共感して見れました。
松原智恵子が妻役でしたがコレまた彼女の良さがふんだんに出ていました。
深刻な夫の認知症でも天然っぽさならではの明るさを損なわず。
そして下の世話をしても夫のことが大好きで仕方ない感じが出ていてとても素敵でした。
こういうシーンを見ると、あゝ夫婦って良いな、結婚してみたいなって思います。
そして山崎努が認知症の夫を演じていましたが、コレはもう賞レース上位を賑わすこと必死なクオリティでした。
もう眼球から演技しているような、目がもういっちゃってる感じが出ていて。
本来の年齢や雰囲気よりも老いている雰囲気を出していて。
アウトローで強面でかっこいい山崎努を完全に捨て去って、厳格で徐々に穏やかで。
そして老人、認知症ならではの可愛さまで見事に表現していました。
コレは今年度の俺アカデミー賞助演男優賞ノミネート確定です。
北村有起哉が竹内結子の夫役でしたが、コレまた珍しく弱々しい、おとなしい役で新たな発見でした。
大好きな中村倫也はいつもながらの中村倫也でした。
ちょっと役的に残念でしたが使い勝手は良い俳優ですね。
竹内結子の息子役を演じた杉田雷麟は深みある雰囲気あってなんか今後出てきそうな予感です。
それより少し幼い息子役だった蒲田優惟人も悪くなかったです。
コレくらいの年齢差ならば一人の役者で演じても良かった気はしますが。
起承転結から物語の終わらせ方。
ああ、その人のそこで映画を締めるんだ、、、ってセンスも良かったです。
中野量太監督はやはり非常に評価高くますます目は離せないです。
そんなわけで8点。
を観ました。
父の70歳の誕生日。久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実だった。
それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいく。
ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは――。
中野量太監督作品です。
”湯を沸かすほどの熱い愛”は僕のオールタイム・ベスト号泣映画の一本です。
そんなわけでかなりの期待値で見に行きました。
今作は認知症になってしまった父を巡るホームドラマで、少なからず前作と近いテイストではあります。
生々しい家族のやり取りや、独特すぎるシュールなシーン。
そして認知症の人間を介護する家族の苦労を描いている社会派な要素も強かったです。
前作ほど強烈な感動シーンはないのですが、素敵なシーンの切り貼りって感じです。
夫・父が認知症になってからの7年間という長い期間を描いているのでシーンは切り貼りです。
その時時の家族の状況の変化もリアルでいい感じでした。
中野量太監督はとにかくほっこりさせるシーンを描かせたら今トップクラスですね。
辛いシーンや切ないシーンもあるのですが、常に画面から優しさを損なわないのは素晴らしいです。
前作では下の女の子が大きな円を描くように歩きながらカニを食べに行くとお父さんに伝えるシーン、入院中のお母さんの布団の中から下の子が現れるシーン、お見舞いの帰り道にお姉ちゃんが妹のお尻を冗談っぽく蹴るシーンなどが忘れがたいですが。
今作でも忘れがたい印象的なほっこりシーンはいくつかあり今思い出してもほっこりします。
縁側で話す父娘、手術後の独特な母娘のやり取り。
お父さんの状況はなかなか辛いのですが、家族が破滅的になったりせずにみんなどんな時でもポジティブな雰囲気があるのが良いです。
日本の家族のあり方のヒントを与えるような感じさえあります。
そしてほのぼのコメディシーンはなかなか高品質でした。
声を出して笑うような感じでは無いのですが、笑顔にはなる、笑顔で答えたいようなシーンは多かったです。
その感じを味わえるのは中野量太監督はかけがえないですね。
エピソード毎に目線が変わるので群像劇のような感じもあり明確な主人公は居ないのですが。
あえて主人公を上げるならば次女役の蒼井優でしょう。
山田洋次監督作品で見せるような家庭的な彼女の演技は大好きですが、今作もかなりそれに近いです。
自分の人生や仕事に悩みを抱えつつも優しくて献身的で全然不満な雰囲気も見せずに介護します。
お嫁さんにするならばこんな人が良いと心底思えるような演技でした。
長女役の竹内結子も好みで彼女の演技は大好きです。
今作は彼女にしてはちょっと珍しく、頼りなくて決断力が無く臆病な感じでした。
夫の都合でアメリカで暮らしているけど英語が全くできず、夫とも息子ともうまくやれず。
流石に上手なので非常に共感して見れました。
松原智恵子が妻役でしたがコレまた彼女の良さがふんだんに出ていました。
深刻な夫の認知症でも天然っぽさならではの明るさを損なわず。
そして下の世話をしても夫のことが大好きで仕方ない感じが出ていてとても素敵でした。
こういうシーンを見ると、あゝ夫婦って良いな、結婚してみたいなって思います。
そして山崎努が認知症の夫を演じていましたが、コレはもう賞レース上位を賑わすこと必死なクオリティでした。
もう眼球から演技しているような、目がもういっちゃってる感じが出ていて。
本来の年齢や雰囲気よりも老いている雰囲気を出していて。
アウトローで強面でかっこいい山崎努を完全に捨て去って、厳格で徐々に穏やかで。
そして老人、認知症ならではの可愛さまで見事に表現していました。
コレは今年度の俺アカデミー賞助演男優賞ノミネート確定です。
北村有起哉が竹内結子の夫役でしたが、コレまた珍しく弱々しい、おとなしい役で新たな発見でした。
大好きな中村倫也はいつもながらの中村倫也でした。
ちょっと役的に残念でしたが使い勝手は良い俳優ですね。
竹内結子の息子役を演じた杉田雷麟は深みある雰囲気あってなんか今後出てきそうな予感です。
それより少し幼い息子役だった蒲田優惟人も悪くなかったです。
コレくらいの年齢差ならば一人の役者で演じても良かった気はしますが。
起承転結から物語の終わらせ方。
ああ、その人のそこで映画を締めるんだ、、、ってセンスも良かったです。
中野量太監督はやはり非常に評価高くますます目は離せないです。
そんなわけで8点。