メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ぼくたちの家族

2014年07月07日 | 映画
ぼくたちの家族 を観た。


何処にでも居るような4人家族、若菜家。
結婚して妻の出産を控える思春期に引き篭もりの経験を持つ長男浩介(妻夫木聡)、お調子者の大学生の次男俊平(池松壮亮)、決断力は無く頼りない自営業の父
克明(長塚京三)。
そんな男性陣を優しく支えていた母の玲子(原田美枝子)。
そんな玲子の様子が急におかしくなり病院に連れて行くと突如一週間が山場と言われる。
玲子は人が分からなくなり記憶もおかしくなり少女のような性格になってしまう。
医者には諦めろ、と言われ父と母に多額の借金があることを知る。
控えめに生きてきた浩介は苦悩の果てに悪あがきすることを決断し、俊平もそれに付き合うことにする。
って話。


昨年舟を編むで賞レースを賑わせた石井裕也監督作品です。
元々かなり評価高い監督です。

去年の実績から考えると上映規模がとても小さいのでどんな映画なのだろう?
とぼんやりした気持ちで観に行きましたが、凄い名画でした。

もう公開終了間際でしたが結構混んでて、ほぼ全員が泣いていました。
もれなく俺も泣いてしまいました。
こらえられないくらいの感動モノでした。

それくらい見事で上質な感動物語でした。

物語の主人公にするには平凡過ぎる家族・主人公たち。
しかしそれが結果として物凄いハイレベルな空気を作る土台となっていました。

何処となくシャイな感じの家族間のやり取り、
家族だからこそ照れくさくお互いの目を見て喋らない感じ、
本音を後回しにして話す感じ、
日本の家族ってこんな感じだですよね。
なんという見事な演出か?と感心しました。

今や中堅演技派の先頭とも言える妻夫木聡は色んな役柄を演じますが、
今回はおとなしくて言いたいことをはっきり言わない役柄。
非常にナチュラルで誰もが深く意識せずにも入り込める見事な演技でした。

そして観客を最も笑わせ最も泣かせる演技をした池松壮亮。
子役の頃から見続けてますが最近かなり世間的な評価を得ている気がしますね。
日本映画界にはこうした超ナチュラル系の演技派がちょいちょい出てきますね。
本当にいい役者だと思います。
終盤、この子の一挙手一投足に涙せずには居られません。

実は最近は結構難しいナイーブな役どころをやることが多い長塚京三は今回も非常に難しい役どころでした。
大きく振り切ってる部分が無い役どころってどう説明すればいいかわからないし本当に難しいと思います。

そして原田美枝子、この原田美枝子の演技は間違いなく日本アカデミー賞にノミネートされるでしょう。
場面場面で色んな表情を見せて、なんとも言えない可愛らしさも発揮していました。
手術に向かうシーンは日本映画史に残したい名シーンでした。
俺アカデミー賞には完全にノミネートね。

カット割りのセンスも半端無く素晴らしかったです。
そのテクニックで自然に、そして完璧に映画の世界に引き込まれました。
流石の石井裕也監督です、恐るべし!
本当に力を持った監督さんですね。

いや~泣けた!


そんなわけで9点です。


家族構成も状況も何となく僕の実家と似てるし非常に勉強になる面もありました。
僕の家族にもいつこんな状況が訪れてもおかしくないですね。
家族に会いたくなりました。

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