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カラスの親指

2012年12月07日 | 映画
カラスの親指 を鑑賞。


かつて騙されて借金を背負い、借金取りの片棒を担がされ悲しい出来事に出くわし成れの果てにサギ師となった武沢竹夫:タケ(阿部寛)。
成り行きでコンビを組むことになったちょっと間抜けた新米サギ師入川鉄巳:テツ(村上ショージ)。
タケがかつての因縁の相手と思われる追ってから逃げ足立区の一軒家を借りる。
サギをしてる時に同じく行き場を無くした美人姉妹と出会う。
しっかり者の妹の河合まひろ(能年玲奈)とだらしないバカ女の姉やひろ(石原さとみ)、気弱なやひろの彼氏石屋貫太郎(小柳友)の3人が居候として住み込んでしまう。
しかしその場所も追手にバレて逃げ出そうとするタケだが、テツやまひろ達の説得で反撃を決心する。
裏社会の悪人たち相手に5人は一世一代の計画を実行に移す。


って話。

伊藤匡史監督をお初で観ました。
なかなか質の高い作品でした。

絶妙なキャストで良かったです。
物語展開も非常に秀逸でした。

全く未知だったサギ師の世界、結構な裏社会を教えてくれる系の物語ですね。
ヤミ金ウシジマくん的に闇社会の事を教えられて勉強になります。
僕は平凡な家庭に育ったのでこういう世界を余りに知らないのです。

悪人たちとの対決は、なかなかスリリングで手に汗握る緊張感でした。
作戦も痛快だし、出し抜き合いも痛快でした。

上映時間は長いですが、大きく3つほどエピソードが分かれてるようなイメージです。
起承転結は相当見事です。
宣伝してる通りラスト20分の展開は相当なもんです。
素直にビックリして引きこまれました。
宣伝で注意してる通り口外はできませんけど。
確かにほんの少しだけ違和感を感じてはいたのですが・・・。

色々な要素が詰め込まれてる映画でしたが、僕が一番食いついたのはアットホーム性ですね。
バラバラの5人が一時だけ家族の様に協力し合い一つの目的に向かって楽しく暮らしてる様は、
見ていて非常に微笑ましかったです。
独り身の僕はこういうアットホーム系には直ぐジーンとなっちゃうのですね。

阿部寛はもうテッパンな主演俳優ですね。
ちょっと情けない顔から、ちょっとハードボイルド的な顔まで見せていて魅力的でした。

初めて村上ショージの役者っぷりを拝見しましたが、下手くそでした。
終始台本を読んでるような喋り方、噛むんじゃないか?とハラハラしました。
しかしね、この映画に関してはそれが実にいいスパイスになってたと思います。
なんかね、癒しがありました。
主役級の役を演じてましたが、コレは村上ショージで良かったなとしみじみ思いました。

能年玲奈はなかなか可愛くて女優オーラあっていいですね。
何回か観てるはずですが、初めて認識しました。
何か応援したくなっちゃうキャラでした。
ハマリ役だったと思います。

能年玲奈がヒロインで石原さとみはそれより全然後ろのポジションなバカ女役で意外でした。
石原さとみがやってるから何かあるのかな?と疑っちゃうほどでした。
流石演技が売りの石原さとみだけあってこんな役も見事にこなしてました。
ショートヘアが可愛かったです。

最近ひっそり売れてる小柳友ですが、いつも通り図体でかいくせに気が弱いキャラでした。

5人が5人とも少ない能力ながら活躍してて良かったですね。

とにかく5人の擬似家族な感じが僕はずっと観てたくなるほど好きでした。


そんなわけで8点です。


コレ最初ガキ使の教室シリーズで発表してた時ボケだと思って爆笑してましたが、
いやいや村上ショージ、マジでしたね。
しかも思ってたより全然ビッグな映画でビッグな役どころでした。

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