メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

アイアン・スカイ

2012年10月10日 | 映画
アイアン・スカイ を鑑賞。


2018年アメリカ合衆国選挙戦のキャンペーンの一環で46年ぶりに月面着陸したジェームス・ワシントン(クリストファー・カービイ)は月の裏にあるナチスの基地を発見して捉えられてしまう。
そこは第二次世界大戦後ひっそりと逃げ出したナチス達が帝国を築いており、地球侵略の準備をしていた。
教育係のレナーテ・リヒター(ユリア・ディーツェ)は軍隊を仕切るクラウス・アドラー(ゲッツ・オットー)の婚約者。
アドラーは野心が強く総統の座を狙っている。
レナーテの父のリヒター博士はジェームスが持っていたスマートフォンに驚きそれを利用して最終兵器の神の黄昏号の起動に成功する。
充電切れになったのでジェームスを案内役にアドラーやレナーテは地球に忍び込む。
その内地球の生活に馴染んでしまう、ジェームスは月からナチスが攻めて来ると訴えるが誰も信じてくれない。
アドラーが地球でナチス乗っ取り計画を進行してる間に総統等が現れ遂にナチスの地球侵略が始まる。
アドラーは総統を殺して自分が総統の座に着く、愛想を尽かしたレナーテはジェームスと共にナチスの暴走を食い止めようとする。


ってお話。

フィンランド・ドイツ・オーストラリアの合作です。

SFのお馬鹿コメディですね。
設定もなかなか面白いと思います。

そんなにテンポは良くないし、シュールさも無いので大筋ではさほど笑えません。
ところどころ強めの毒があってそれには笑わされました。

世界中の代表が集まってそれぞれのお国柄を風刺を効かせて描いてました。
地球に攻めてきた謎の軍隊を場を仕切るアメリカの女大統領が、アレを作ったのは日本か?中国か?
と世界中の国々が否定する中あまりの威力に感動した北朝鮮の代表が
アレは北朝鮮の軍隊だ!将軍様の力で作ったのだ!みたいな空気読めないこと言って世界中に笑われるシーンがあります。
お前らにそんな技術はないだろ、いいから北朝鮮は座ってろ!と全く相手にされない。
日本人には特に痛快ですが、やっぱりフィンランドでも北朝鮮はそういう扱いって事なのですね。

ナチスの宇宙船に対抗するため各国の宇宙船を防戦に向かわせようと
宇宙船に武器を積んでる国はある?とアメリカが聞くとフィンランド以外の国がみんな手を挙げる。
宇宙船に武器を積んでは行けないという条約を無視してたのか!と怒るアメリカに
お前らだって積んでるじゃないか!と反撃する各国に
アメリカはいいの!と一括するシーンもなかなかいい毒でした。

ラストのレナーテがアドラーを倒すシーンがくだらなすぎて笑ってしまいました。
ラスボスをそんな感じで倒すなんて、とシュールで笑えました。

無駄にと言っては失礼ですが、コメディなのに、CGのクオリティはかなり凄かったです。
かなり完成度の高いSF映像で大迫力でした。

第二次世界大戦後ナチスが月に隠れてて地球侵略のためのタイミングを伺ってて遂にそれを実行する
という突拍子も無い設定ですが、
それを題材に地球マルごとを駄目出しするような上手いメッセージの伝え方だと思いました。
世界各国を駄目出しするには宇宙からの侵略は最適ですね。

すぐ手を組んだりその直後にはすぐ争ったり、
みんながお互いの腹を探り合い、己の利益しか考えないような。
差別もしまくりでした。
サラッとそんな風刺を入れ込んでいたのは良かったですね。

どうしてもチープ過ぎて、コメディも弱くてちょいと退屈でしたね。
それなりに斬新でしたけど。


そんなわけで5点。


ナチスはこんな感じで扱ってもいいんですね。
ヨーロッパの人のナチスの扱い方、ナチスへの感情がイマイチわからなくて悩める。

アジアの人たちは大戦時の日本をあんまりコメディにはしてくれませんからね。

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