メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

あいあい傘

2018年10月30日 | 映画
あいあい傘
を観ました。


愛する妻と娘との日々を思い返しながら、六郎は電車に乗り、小さな田舎町に降り立つ。
夕立が来そうな雲行きのなか、さまよい歩き、恋園神社にたどり着く。
神社の一角にあるお茶屋「恋園庵」の女将・玉枝は、六郎の思い詰めたような姿が気になり跡を追い、悲しそうにたたずむ彼にそっと傘を差し出した。
そんな六郎の姿を少し離れたところからずっと見つめる視線があった—。
それから25年後。六郎(立川談春)は、あの夏の日の出会いをきっかけに、玉枝(原田知世)と彼女の一人娘の麻衣子(入山杏奈)と生活をともにしていたが、麻衣子との関係は上手くいかず悩んでいた。
そして年に一度の夏祭りの日が近づいていたある日、運命が動き出した。
父・虎蔵(永井大)の跡を継いでテキ屋になった清太郎(市原隼人)は、仲間の日出子(高橋メアリージュン)と力也(やべきょうすけ)を引き連れて、今年もまた恋園神社を訪れる。
同じ頃、さつき(倉科カナ)もその田舎町にやって来た。
彼女の旅の目的は、25年前に姿を消した父の六郎を探すためだった。
死んだと聞かされていた父親が生きていることを知り、どうして会いに来ないのか、一体どんな暮らしをしているのかを確かめに来たのだ。
宿に向かう途中、偶然にも六郎を知る清太郎と出会ったさつきは、夏祭りの取材をしたいと嘘をついて彼に町を案内してもらうことにする。
しかし、人の良い清太郎を利用して父親を探そうとしているのが心苦しくなり、町にやってきた本当の理由を告げる。
昔から知っている六郎や玉枝を傷つけたくないけれど、さつきの願いも叶えてあげたい─清太郎は、六郎が経営する東雲学習塾、玉枝が営む恋園庵、麻衣子が働く恋園神社を案内する。
六郎に新しい家族がいる、その事実にさつきはショックを受け、それまで押さえてきた怒りと悲しみの感情を清太郎たちにぶつけてしまうのだった。
そんななか、さつきのことを探している車海老(トミーズ雅)という謎の男も町へやって来て、夏祭りを目前に田舎町は次第に慌ただしくなっていく。
さつきと六郎はどんな再会を果たすのか、さつきと清太郎の出会いは運命だったのか。
それぞれの想いが、愛する人に届けられようとしていた。


宅間孝行監督作品です。

無声映画のようにBGMベースでセリフゼロで紙芝居のように誰かの物語を見せるプロローグ。
それがおそらく5分以上くらいあり、なかなか斬新さは感じました。

そこから物語に入りますが、とにかくコメディの寒さが際立つ序盤でした。
ちょっと観るのがしんどいくらいコメディ要素は寒かったです。
おそらく役者たちも作品になじまずにコメディやってる感じで、後半は意外と見れるようにはなりましたが。

長尺のワンカットで結構動きあるシーンを撮っていて。
演劇の舞台を見ているかのような空気感でした。

演出も奥行きがあり、手前でもやり取りがあり、画面の奥でもやり取りがあり。
役者は頑張っていたな、って思いました。
そういうアドリブ力や演劇的なスペックがある役者じゃないと出来ないような演出でした。
その割にはちょっと、、、と思えるキャスティングではありましたが。

序盤からガイ・リッチー方式な、一つのシーンをそれぞれの登場人物の目線で繰り返す手法を使ったり、
スタイリッシュでアドリブ感強めなコメディだったり、
それっぽい斬新系作品の演出を目指している感じは強かったですが、仕上がりはイマイチでした。

そういう控えめな目線で見ていたせいか、クライマックスの感動シーンは予想外に感動させられました。
そこそこ賑わす登場人物たちが居るのに肝心の二人が至近距離に居るにも関わらず全然遭遇せず。
予想外に引っ張って引っ張って引っ張った分だけちゃんと感動的でした。
素敵なシーンでした。

エピローグ的もプロローグと同様無声映画的に回想劇になって。
実は子供の頃、、、的な上手な終わり方で。
落語みたいにキレイなオチでした。

主演の倉科カナは可愛いですがちょっと性格に難がありそうな印象なのですが。
なんかヒステリックで人の優しさをなかなか素直に受け入れないキャラが妙にそういう印象とマッチしました。
この規模の映画の主演としては若干存在感弱めな気がしましたが、キャスティングとしては理にかなっていたと思います。

相手役は市原隼人で、自分が大好きな映画・ぼくたちと駐在さんの700日戦争の二人だな、ってちょっと嬉しかったです。
バカでがさつなテキ屋の兄ちゃんで情に厚く倉科カナを助ける役でしたが。
時々こういう妙に極端なキャラを演じるときがありますがちょっと違う気はします。

立川談春が物語の核となる役どころで、非常にいい演技でした。
言葉少なめで背中で語るようなキャラで難しかったと思いますが、見事にそういう懐の深い雰囲気を出していました。
世界観持ったいい役者ですね。

原田知世も似たような、言葉少なめで多くを語るような。
それを見事にこなしていました。
とにかく相変わらず魔法を使ってるような美しさです。

高橋メアリージュンが関西弁で夫婦漫才のツッコミみたいなキャラで。
せっかく演技派な女優さんなのにあたかも演技が下手に見えるくらいの無茶振りなキャラでした。
それでもコメディではないパートでの演技は流石に上手でした。

その相手がやべきょうすけでやはりかなりサブい夫婦漫才な演技をやらされていました。
ちゃんとハマる役をやればかなりインパクト出せる世界観を持っている役者だと思いますが、
今回は厳しかったです。

入山杏奈の演技は初めてまともに見た気がしますが、悪くなかったです。
意外と今後良い女優になれる可能性を感じます。

トミーズ雅も初めてまともに演技を見ましたがかなりいい感じでした。
演技の上手い下手以上に素晴らしい存在感とインパクトがあるので今後もっと役者として飛躍してもいいと思います。
この役にトミーズ雅をキャスティングしたのはファインプレーに思いました。

かなり厳しいと思って見ていましたがトータル頑張ったと思います。
大きな減点ポイントと大きな加点ポイントがありました。
トータル舞台を見てるみたいな映画でした。


そんなわけで6点。
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