メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

天才スピヴェット

2014年11月16日 | 映画
天才スピヴェット を観た。

8月のある午後、T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)に、10歳にして人生を変えることになる、特別な電話がかかってくる。
モンタナ州のパイオニア山地の谷間にある広々とした牧場に、ポツンと建つ一軒の赤い家。
スピヴェットはそこで、カウボーイの生き方を追求する父テカムセ(カラム・キース・レニー)と昆虫博士の母クレア(ヘレナ・ボナム=カーター)、そしてアイドルを目指す姉のグレーシー(ニーアム・ウィルソン)と暮らしている。
電話はスミソニアン博物館の次長ジブセン(ジュディ・デイヴィス)から。
スピヴェットが発明した磁気車輪が、栄えあるベアード賞を受賞したという知らせだ。
だが、スピヴェットはとっさに口のきけない父親が発明したと嘘をつき、授賞式への招待とスピーチの依頼を辞退する。
このところずっとスピヴェットの家族は、心に開いた大きな穴をどうすることもできずにいた。
スピヴェットの双子の弟レイトン(ジェイコブ・デイヴィーズ)が、銃の事故で死んでしまったのだ。
母は悲しみから逃れるように幻の甲虫の探索に没頭する。
父は自分によく似て、射撃や投げ縄が得意なレイトンを心から愛していた。
スピヴェットは、そんな弟の代わりになれないことに胸を痛める。
天才的な頭脳も田舎では使い道がなく、スピヴェットは家でも学校でも孤独だった。
スミソニアンなら、科学者である僕を求めるはず、そう思い至ったスピヴェットは授賞式への出席を決意する。
家族に「心配しないで」と置き手紙を書き、愛犬のタピオカに別れを告げ、明け方に家出したスピヴェットは、信号を赤く塗って停めた貨物列車に、警備員を振りきって飛び乗った。
日の出と共に、大陸横断の旅が始まった!
途中停車のワイオミング州で捕まりそうになるが、愉快なアイデアで助かる。
ネブラスカ州では、同じく無賃乗車らしいおじさんに励まされる。
そして、母が禁じた念願の屋台のホットドッグを初体験!するが、警察が持っていた張り紙で、自分の捜索願が出されていることを知る。
家族が恋しくなったスピヴェットは、出掛けに持ち出した母の日記をめくる。
子供たちの写真やスピヴェットが幼い頃に描いた絵がギッシリと貼りつけられ、家族への愛が今にもページから零れ落ちそうだ。
しかし、あの日を境に母のペンは曇っていく。
スピヴェットは迷いや悲しみを正直に綴った母の文章を、懸命に受け止めるのだった。
列車は最終地点シカゴに到着する。
スピヴェットは警官に呼び止められるが、負傷しながらもなんとか逃走、ヒッチハイクで遂にスミソニアンに辿り着く。
10歳の少年の発明だと知ったジブセンは驚愕するが、すぐにこれは大変な話題になると計算する。
翌日の夜、多くの大人たちを前に、スピヴェットの受賞のスピーチが始まる。
「3つだけお話しします」と、まずはお礼と発明品の注釈を語ったスピヴェットは突然口ごもる。
「その3」を促された彼は、思わぬ<真実>を明かすのだった。

って話。


いつも通りですが、情報ゼロで観に行きました。
僕の大好きなアメリのジャン=ピエール・ジュネ監督作品と知りテンションは上がりました。

10歳の少年の大いなる冒険です。
まーーーーー面白い!!
まーーーーーーーーー面白かったです!!!
僕の人生の一本になる映画でした。

疲れていたせいか?映画館が空いていたせいか?
信じられないくらい号泣してしまいました。
もう1リットルくらい涙が流れました、鼻水もすごかったです。

一人孤独に耐えながら横断鉄道で流れる風景を観てる姿とかでもう号泣でした。

線路際でブランコしてる少女と逆立ちをして笑顔を交わす、
ストーリーと全く無関係なシーンとかありました。

そういうハイセンスで繊細な演出が多くて感動しました。

自分も昨年マドリッドからパリに向かう夜行列車で、
一人ぼっちで車窓の風景をぼんやり見ていた時間の事を思い出してしまいました。
体験した人ならわかるでしょうが、ああいう状況の時のなんとも言えない心情描写が見事過ぎて。

謎の人間との交流とか。
仲悪そうにしてるお姉ちゃんとの絆とか、
天才でもやっぱり10歳でお母さんやお父さんへの罪の意識から開放されるところとか。

スピヴェットは弟の死の責任を感じて、
いつも一緒に遊んでた自分が一番寂しいのに自分が死ぬべきだったと考えて居るんですよ。

みんなぎこちないから、
家族はスピヴェットが凄い発明をしてることすら知らなくて。

言葉少なな表現で登場人物達の心情が見事に描かれていていました。

他の客が号泣してないのが不思議で仕方なかったです。
僕しか心を持った人間は居なかったのでしょうか?

これぞ言葉を越えた、言葉では表現できない感情を見事に映像に昇華させた、
稀有な名画です。

それでいてエンターテイメント性にも優れていました。
遊び心のある映像や演出も素晴らしかったです。

家族と再会する、
決してやり過ぎないお上品なクライマックスの演出。
ラストシーンの清々しさとお上品さも素晴らしかったです。

何もかもが完璧としか思えないハイセンス過ぎる映画でした。
思い出すだけで泣けてくる、たまらない名画でした。


そんなわけで10点です。


僕以外の人間の脳はスイッチ式でわかりやすいデジタルな信号しか受け取らず、
それで喜怒哀楽してるのかな?って思ってしまいました。

とにかくこんな名画なのに上映規模がイマイチです。
世の中の上映作品の扱いは謎だらけですね。
つまらない映画ほど沢山宣伝して、全国上映にする条例でもあるのでしょうか?
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