ガマの油を観た。
名優役所広司の初監督作品です。
矢沢拓郎(役所広司)ははちゃめちゃな男で株で一日何億も得したり、何億も損したりしている。
勝てば「どんなもんじゃい」負ければ大笑い。
どん底の時こそ笑って元気を出すという信念。
超大豪邸に暮らし、いつも銀弾鉄砲を撃っている。
妻の輝美(小林聡美)はクールでそんな夫を優しく見守る。
息子の拓也(瑛太)は優しくまじめなで温厚な好青年。
金持ちなのに父に頼らず町工場でバイトしている。
遠距離恋愛中の明るく元気な女子高生の彼女、光(二階堂ふみ)と幸せなデートをしている。
矢沢家は拓也の幼馴染の親友、秋葉サブロー(澤屋敷純一)が少年院から出所するというので拓也は光とバイバイして走って迎えに行く。
親が居ないサブローは矢沢家で暮らす事になっていた。
(ネタバレ)
しかし少年院に向かう途中拓也は車に轢かれ、拓也は病院で眠ったまま起きなくなってしまう。
無口なサブローは責任を感じて、矢沢家に暮さず、病院で寝泊りする。
拓郎と輝美とサブローで交代に拓也を見守る。
サブローは全然話をしない。
特に拓郎と話さない。
ある日拓也の携帯に光から電話がかかる。
一方的に話してくる馬鹿な光は拓郎の声に全然気付かず、拓郎はついつい拓也のフリをしてしまう。
光は拓也は宇宙飛行士になる夢のため種子島に居るから会えないと思い込んでいる。
拓郎は拓也が宇宙飛行士になりたい事をその時初めて知る。
そこから毎日の様に拓郎は拓也のフリをして電話の相手をする。
「カエルは?」「ぴょん」「うさぎも」「拓也は?」「なるへそ」「光は?」「太陽」という合言葉を毎度言わされる。
病院で拓郎は光の言葉を思い出し、輝美とじゃんけんをして俺が勝てば拓也は明日起きる、お前が勝てばあさって起きると言う。
拓郎はズルして勝つ。
するとその日の夜中、拓也は目を覚まし隣で寝ているサブローに話しかける。
そして二人は暫く感慨深く話す。
拓也は寝ている間皆が話しかけた言葉をちゃんと聞いて知っていた。
再び眠る拓也、そして翌朝死んでいる。
拓也の骨を見て泣き崩れる拓郎。
幼い頃に観たガマの油売りをふと思い出す。
幼い頃の拓郎は親が無く、ガマの油売り(益岡徹)の口上を興味深く聞く。
拓郎をかわいそうに思うその妖艶な妻(小林聡美(二役))は優しくする。
拓郎とサブローは拓也の骨を墓に入れたくないとあちこち旅をする。
海に撒こうとしたり、富士山に撒こうとしたり。
サブローは恐山に行きたいと言う。
二人はキャンピングカーで旅を始める。
夜空の綺麗さに感動したり、警察に疑われたり。
また子供の頃観たままのガマの油売りに出会い、サブローと共にありがたい言葉を貰う。
途中熊に襲われたサブローを助けようとして拓郎は熊との格闘の末気絶する。
そして拓也の幻に会いおんぶしてもらう。
目を覚ますとおんぶしているのはサブロー。
「僕のせいで拓也は死んだ、僕は拓也の変わりになれない、僕が死ねば良かった」
と言うサブローを拓郎は逃げるな、とひどく叱る。
しかしサブローも拓郎に反論する。
「光に本当の事を言ってない、逃げてるのはおじさんだ」と。
決心した拓郎は光の住む横須賀へと向かう。
光はお婆ちゃん子でいつもお婆ちゃん(八千草薫)とほんわか過ごしている。
真実を言う拓郎に怒る光、何時までも待ってるから会って直接謝りたいと言う拓郎。
しかし光は来ない。
一度様子を見に来た光に気付いたサブローは輝美から貰った拓也の骨をハート型に削ったものを光に渡す。
そして自分のせいで拓也が死んだと謝る。
光はその骨を庭に埋めその上に苗を植える。
全ての株と豪邸を売ってしまった拓郎は妻とサブローとキャンピングカー暮らし。
サブローは肉体労働をしている。
すっかり駄目親父風になった拓郎を妻とサブローは優しく見守る。
そして光から会いたいと電話が来て、横須賀の公園で会いいつもの合言葉を言う。
光は泣きながら拓郎を許す。
(評価)
名優の役所広司が監督をやったら一体どんな作品を撮るのかとかなり興味津々でした。
僕が今日こんなにも日本映画好きになったのは完全に役所広司の影響です。
うなぎと言う映画を観て感動し、人間合格、眠る男、ユリイカ、キュア・・・等好きな作品は数知れず。
この映画はそんな彼の出演した過去の名作のエッセンスがふんだんに注ぎ込まれたような作品でした。
眠る男みたいだし、ユリイカみたいだし。
ちょっと詰め込み過ぎな気もしましたが、僕のルーツって感じで非常に面白かったし、深い感動がありました。
支離滅裂な不条理な箇所や、変な部分をしつこく描いたりするのは少し北野武監督に通ずるものを感じました。
キャスティングも素晴らしく、何故K-1の澤屋敷選手を起用したのか謎ですが、凄いはまってました。
あの素朴で不器用でシャイな力持ちって感じの役にはかなりいいです。
今後役者業が増えそうです。
実際力持ちですし。
新人の二階堂ふみさんもかなり強烈なキャラで印象深かったです。
小林聡美さんは言う事無しです。
全ての役者さんがいい演技していました。
そんなわけで9点。
ワンカットも長く、アーティスティックな作品なのでシンクロ出来るか、出来ないかって感じの作品って感じです。
僕はこんなの大好きです。
直感性もあり、じんわり来るものもありました。
これからも監督をして欲しいです。
名優役所広司の初監督作品です。
矢沢拓郎(役所広司)ははちゃめちゃな男で株で一日何億も得したり、何億も損したりしている。
勝てば「どんなもんじゃい」負ければ大笑い。
どん底の時こそ笑って元気を出すという信念。
超大豪邸に暮らし、いつも銀弾鉄砲を撃っている。
妻の輝美(小林聡美)はクールでそんな夫を優しく見守る。
息子の拓也(瑛太)は優しくまじめなで温厚な好青年。
金持ちなのに父に頼らず町工場でバイトしている。
遠距離恋愛中の明るく元気な女子高生の彼女、光(二階堂ふみ)と幸せなデートをしている。
矢沢家は拓也の幼馴染の親友、秋葉サブロー(澤屋敷純一)が少年院から出所するというので拓也は光とバイバイして走って迎えに行く。
親が居ないサブローは矢沢家で暮らす事になっていた。
(ネタバレ)
しかし少年院に向かう途中拓也は車に轢かれ、拓也は病院で眠ったまま起きなくなってしまう。
無口なサブローは責任を感じて、矢沢家に暮さず、病院で寝泊りする。
拓郎と輝美とサブローで交代に拓也を見守る。
サブローは全然話をしない。
特に拓郎と話さない。
ある日拓也の携帯に光から電話がかかる。
一方的に話してくる馬鹿な光は拓郎の声に全然気付かず、拓郎はついつい拓也のフリをしてしまう。
光は拓也は宇宙飛行士になる夢のため種子島に居るから会えないと思い込んでいる。
拓郎は拓也が宇宙飛行士になりたい事をその時初めて知る。
そこから毎日の様に拓郎は拓也のフリをして電話の相手をする。
「カエルは?」「ぴょん」「うさぎも」「拓也は?」「なるへそ」「光は?」「太陽」という合言葉を毎度言わされる。
病院で拓郎は光の言葉を思い出し、輝美とじゃんけんをして俺が勝てば拓也は明日起きる、お前が勝てばあさって起きると言う。
拓郎はズルして勝つ。
するとその日の夜中、拓也は目を覚まし隣で寝ているサブローに話しかける。
そして二人は暫く感慨深く話す。
拓也は寝ている間皆が話しかけた言葉をちゃんと聞いて知っていた。
再び眠る拓也、そして翌朝死んでいる。
拓也の骨を見て泣き崩れる拓郎。
幼い頃に観たガマの油売りをふと思い出す。
幼い頃の拓郎は親が無く、ガマの油売り(益岡徹)の口上を興味深く聞く。
拓郎をかわいそうに思うその妖艶な妻(小林聡美(二役))は優しくする。
拓郎とサブローは拓也の骨を墓に入れたくないとあちこち旅をする。
海に撒こうとしたり、富士山に撒こうとしたり。
サブローは恐山に行きたいと言う。
二人はキャンピングカーで旅を始める。
夜空の綺麗さに感動したり、警察に疑われたり。
また子供の頃観たままのガマの油売りに出会い、サブローと共にありがたい言葉を貰う。
途中熊に襲われたサブローを助けようとして拓郎は熊との格闘の末気絶する。
そして拓也の幻に会いおんぶしてもらう。
目を覚ますとおんぶしているのはサブロー。
「僕のせいで拓也は死んだ、僕は拓也の変わりになれない、僕が死ねば良かった」
と言うサブローを拓郎は逃げるな、とひどく叱る。
しかしサブローも拓郎に反論する。
「光に本当の事を言ってない、逃げてるのはおじさんだ」と。
決心した拓郎は光の住む横須賀へと向かう。
光はお婆ちゃん子でいつもお婆ちゃん(八千草薫)とほんわか過ごしている。
真実を言う拓郎に怒る光、何時までも待ってるから会って直接謝りたいと言う拓郎。
しかし光は来ない。
一度様子を見に来た光に気付いたサブローは輝美から貰った拓也の骨をハート型に削ったものを光に渡す。
そして自分のせいで拓也が死んだと謝る。
光はその骨を庭に埋めその上に苗を植える。
全ての株と豪邸を売ってしまった拓郎は妻とサブローとキャンピングカー暮らし。
サブローは肉体労働をしている。
すっかり駄目親父風になった拓郎を妻とサブローは優しく見守る。
そして光から会いたいと電話が来て、横須賀の公園で会いいつもの合言葉を言う。
光は泣きながら拓郎を許す。
(評価)
名優の役所広司が監督をやったら一体どんな作品を撮るのかとかなり興味津々でした。
僕が今日こんなにも日本映画好きになったのは完全に役所広司の影響です。
うなぎと言う映画を観て感動し、人間合格、眠る男、ユリイカ、キュア・・・等好きな作品は数知れず。
この映画はそんな彼の出演した過去の名作のエッセンスがふんだんに注ぎ込まれたような作品でした。
眠る男みたいだし、ユリイカみたいだし。
ちょっと詰め込み過ぎな気もしましたが、僕のルーツって感じで非常に面白かったし、深い感動がありました。
支離滅裂な不条理な箇所や、変な部分をしつこく描いたりするのは少し北野武監督に通ずるものを感じました。
キャスティングも素晴らしく、何故K-1の澤屋敷選手を起用したのか謎ですが、凄いはまってました。
あの素朴で不器用でシャイな力持ちって感じの役にはかなりいいです。
今後役者業が増えそうです。
実際力持ちですし。
新人の二階堂ふみさんもかなり強烈なキャラで印象深かったです。
小林聡美さんは言う事無しです。
全ての役者さんがいい演技していました。
そんなわけで9点。
ワンカットも長く、アーティスティックな作品なのでシンクロ出来るか、出来ないかって感じの作品って感じです。
僕はこんなの大好きです。
直感性もあり、じんわり来るものもありました。
これからも監督をして欲しいです。
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