満員電車にて。
目の前に乗った若者は扉の端の手すり付近に立ち、座席の横の壁に寄りかかって本を読んでいた。
左手で小説。
右手は髪の毛。
右手の親指と人差指で髪の毛をつまんではねじねじ。
髪の毛をつまんではねじねじ。
時々手のひらで脳天付近をふわっと触り、後頭部付近をふわっと触り、
全体像を確認する。
それで完成か?と思いきやふたたびねじねじ。
あちこちをねじねじ。
賞味20分程目の前でそれを繰り広げられ、むずむず、イライラが半端なかったのである。
満員電車の混乱に乗じて手を抑えつけてやろうかと迷った程だった。
やい青年。
君の顔はそんなにイケていないぞ。
そんなに必死にねじっても、
今君はどっちにも転んでいないのだ。
目の前に乗った若者は扉の端の手すり付近に立ち、座席の横の壁に寄りかかって本を読んでいた。
左手で小説。
右手は髪の毛。
右手の親指と人差指で髪の毛をつまんではねじねじ。
髪の毛をつまんではねじねじ。
時々手のひらで脳天付近をふわっと触り、後頭部付近をふわっと触り、
全体像を確認する。
それで完成か?と思いきやふたたびねじねじ。
あちこちをねじねじ。
賞味20分程目の前でそれを繰り広げられ、むずむず、イライラが半端なかったのである。
満員電車の混乱に乗じて手を抑えつけてやろうかと迷った程だった。
やい青年。
君の顔はそんなにイケていないぞ。
そんなに必死にねじっても、
今君はどっちにも転んでいないのだ。