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メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

グラスホッパー

2015年11月09日 | 映画
グラスホッパー を観た。

ハロウィンで賑わう渋谷のスクランブル交差点で無差別殺人事件が起き、恋人を失う鈴木。
自暴自棄になって無気力で生きていたが裏組織の大物・寺原が黒幕と知って組織に潜り込む。
そこの雇われ殺し屋鯨と蝉の抗争、そこに謎の殺し屋・槿が現れ寺原の息子を殺す。
その殺しで誤解され寺原の部下比与子に追われる鈴木。
複雑に絡み合う登場人物たちがちょっとずつ重なっていく群像劇。
ってお話。


大好物の伊坂幸太郎作品ですがコレはまだ未読です。
あまり高評価したことない瀧本智行監督のメガホンです。

なかなか衝撃的な始まりで、そして殺しのシーンも結構残虐です。
心の準備は無かったですがPG12だったのですね。

冒頭の事件をきっかけにとある夏の2日間を描いています。
ちょっと話は逸れますが、
僕はハロウィンは大否定なので冒頭のシーンにちょっと犯人側の感情を抱いてしまいました。

渋谷のスクランブル交差点ではしゃぐ仮装した若者たちに
「クズどもを排除して救世主になる」
みたいな狂った思想の犯人が大量殺人をする始まりです。

そんな凄惨な事件の現場をスマホで撮影して拡散する若者たち。
少なからずハロウィンではしゃいでる人々にこういうベクトルの感情を抱いている人は居るでしょうね。
勿論こんな無差別テロはしないでしょうし、しちゃダメですけど。
大人の仮装は来年以降は全面禁止にしましょう、条例で決めましょう。

登場人物が多くて複雑で説明なくて、
とにかくほぼ全員が謎めいていて正直意味がわからないまま物語は進みます。
全くただの人間と思ってた人も殺し屋だったりします。
そんな人々が争ったりで。
超マイナーなB級映画ですが、キラートーナメントって映画を思い出しました。

そこまで明確な主演ではないですが生田斗真だけが素人で、
しかし自分の知らないところで大いなる抗争のキーパーソンになっている設定は流石の伊坂幸太郎モノですね。

ただ、アクション演出が結構しょぼいので非常に中途半端な印象を抱かされる残虐さでした。
戦いシーンは演劇部っぽいのに締めは首を切って毎度血がビュービューなナイフ使いとか。
山田涼介がそのナイフ使いを演じてましたけどさほどの怖さも醸し出せていなかったので、
コレだったら残虐描写ごっそり取ってもよかったんじゃないかしら?な気持ちはありました。
ルックスは悪くなくて見た目の雰囲気は出てたけど、この役をやるには雰囲気不足は否めずです。
もうしばらくハイテンポな会話劇は控えたほうが良さそうですね。

逆に流石の浅野忠信は見事に裏社会の殺し屋オーラが出ていました。
しかも殺した人間の亡霊に纏わりつかれる苦悩する殺し屋。
僕の青春な浅野忠信と村上淳の絡み、戦いはなんか嬉しかったです。

伊坂幸太郎モノに常連なイメージの吉岡秀隆は一番謎めいていてとてもいい演技でした。

そして麻生久美子はいつも通り最高です。

伏線がいっぱい張られて、あれは何だったの?
の連続ですけど最後には綺麗に収束させていて流石でした。

謎積み過ぎだしテンポも結構悪いのであまり面白くないなぁ、って気持ちで観てましたけど。
その分、ラストの大どんでん返しがかなり油断してて泣けてしまいましtら。

このどんでん返しを埋めるための謎の数々だったのか、と思ったら凄い狙いだと思いました。
このラストの質で結構救われた作品だと思います。

ただこの内容ならばもっとハードボイルド系の監督さんが撮るべきだった気がしてしまいました。


そんなわけで6点です。

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