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ジョーンの秘密

2020年08月23日 | 映画
ジョーンの秘密
を観ました。


夫に先立たれ、仕事も引退したジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていた。
ところが2000年5月、ジョーンは突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。
ソ連に機密情報を流したというスパイ容疑だった。
ジョーンは無罪を主張するが、先ごろ死亡した外務事務次官のW・ミッチェル卿が遺した資料から、彼とジョーンがKGBと共謀していた証拠が出てきたというのだ。
捜査官の取り調べは、1938年まで遡る。
ジョーンがケンブリッジ大学で物理学を学んでいた頃だ。
事の始まりは、同じ学年のユダヤ系ロシア人ソニア(テレーザ・スルボーヴァ)との出会いだった。
ジョーン(ソフィー・クックソン)は、彼女に誘われて参加した共産主義の会合で、ソニアの従弟のレオ・ガーリチ(トム・ヒューズ)に紹介される。
カリスマ性を放つレオと、たちまち恋におちるジョーン。
ミッチェル卿と知り合ったのもその会だった。
監視付きの帰宅が許されたジョーンのもとへ、彼女の息子で弁護士を務めるニック(ベン・マイルズ)が訪ねて来る。
事情を聴いたニックは、母の取り調べに立ち会うことにする。
次の尋問は、1941年、核兵器開発機関で事務員として働き始めた頃に及ぶ。
ケンブリッジでトップの成績だったジョーンは、プロジェクトリーダーであるマックス・デイヴィス教授(スティーブン・キャンベル・ムーア)にその才能を認められ、原爆開発という機密任務に参加することになる。
すると、その情報を仕入れたレオに、原爆の設計図や研究結果をソ連側に提供するよう要求される。
レオのことは愛していたが、共産主義に賛同できないジョーンはきっぱりと断り、レオに利用されているだけなのかと傷つくのだった。
1945年、アメリカ、イギリス、カナダの協力が実り原爆実験は成功、アメリカが広島と長崎に原爆を落とす。
ジョーンは何十万もの人々が亡くなったというニュースを聞き、焼け野原の映像を見て激しく動揺する。
捜査官の厳しい追求は続き、全く知らなかった母の過去にニックは愕然とする。
やがてジョーンの名前と容疑が報道され、ジョーンは自宅前で記者会見を開くことを決意する。
果たして、彼女が発表した”真相”とはーーー?


トレヴァー・ナン監督です。
スルー予定でしたが内容を見たら勉強の為に見ておかねばと思い見に行きました。
第二次世界大戦の個人研究を趣味にしてますからね。

ジュディ・デンチ主演かと思いましたが老いた彼女が事情聴取を受けながら若い頃を回想するというよくある構造です。
若い頃の主人公は好みのソフィー・クックソンがやってたのでテンション上がりました。

非常に緊張感高い時代の原爆開発を巡る物語です。
優秀な研究者と優秀な助手によって一気に開発が進捗してます。
意外とこういう一人の若い女性が世界を作っていたりするのですね。

イギリスで原爆を開発してアメリカやカナダと連携して実験して。
その実際の実験に広島と長崎が使われてしまったのですね。
ふわっとしか知らないその辺の流れの知識を深められたのは良かったです。
思ったよりサラッと描かれてしまっていましたがやはり非常にどんよりと暗い気持ちになりました。
人類史上最も大規模で悲惨な人災でしょう。

それを知った主人公が深く悲しみ地球の未来を憂いで原爆を使えない世にするために共産国家に原爆の技術を流出させるという。
当時の倫理観やそれぞれの国の国民の愛国心やらそれぞれの主義やらでとても窮屈で難しい時代だったことは想像されました。
国内や連合国周辺では強くバッシングされ史上最悪規模のスパイ扱いされてしまいますが。
日本人目線では圧倒的に支持したくはなりますね。
広島、長崎以外に原爆を使わせてはいけないという信念の元、他にも原爆技術を持たせなければ、
と全然支持してなかった共産国家の活動家に協力してしまうという。
もちろん全然プロのスパイじゃなく物理以外は多少世間知らずで。
相手国家の危険度を把握出来ていないあたりもリアルだと思いました。
結果オーライですが、一歩間違えれば非常に危険な情報流出だと思いました。

どこまでリアルかはわからないですが、適度なドラマ性もあって良い起承転結だったと思います。
映画の尺としてはもう少し長い尺で描いた方が良い気もしましたが時代的にコンパクトになりがちですね。

ジュディ・デンチは言わずもがなの名優で適役でした。
流石におばあさんになりがっつりおばあさん役がハマってます。
若い頃からその年代にハマる役をきっちりやってきて凄いと思います。

ソフィー・クックソンは何度か見かけて結構好みです。
今までの中では一番がっつり主演な演技を観れて良かったです。
可愛いけど賢い物理学者の雰囲気、昔の美人の雰囲気は出ていたと思います。
今後は主役級としてやっていく予感ですね、期待して追っていきたいと思います。

相手役のトム・ヒューズは過去何度か観てますが。
なかなかインパクトあるルックスでいかにも一昔前のキザな男って感じで。
この手の作品にはなかなか欠かせない役者ですね。

期待通りに自分が知りたい知識が得られた上にエンターテイメント性もありいい映画でした。


そんなわけで6点。

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