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ローガン・ラッキー

2017年11月22日 | 映画
ローガン・ラッキー
を観ました。


足が不自由で仕事を失い、家族にも逃げられ失意の人生を送る炭鉱夫ジミー・ローガンにはある企みがあった。
それは、まもなく開催される全米最大のモーターカーイベントNASCARのレース中に大金を盗み出すという<前代未聞の強奪計画>―。
早速、戦争で片腕を失った元軍人で冴えないバーテンダーの弟クライドと、美容師でカーマニアの妹メリーを仲間に加えたジミーだったが、ツキに見放されてきたローガン一家だけでは頼りがない。
そこで、この大胆な犯行を成功させるため、爆破のプロで現在服役中の変人ジョー・バングに協力を仰ぐ。
彼を脱獄させてレース場の金庫を爆破した後、看守が彼の不在に気づかないうちに刑務所に戻すという作戦だ。
レース当日、ローガン一味は、何百万ドルもの売上金を運ぶ気送管設備があるサーキットの地下に侵入。
全米犯罪史上最も驚くべき強盗事件は成功したかのように見えた…
しかしFBI捜査官の執念深い捜査の手がすぐそこまで迫っていた――


スティーブン・ソダーバーグ監督作品です。
巨匠スティーブン・ソダーバーグの監督引退後、最初の監督作品ってことでしょうか。
まあ日本でも宮﨑駿だったり大仁田厚だったりと引退商法する人は居るので問題ないでしょう。

泥棒モノということでオーシャンズ11シリーズを彷彿させますが、
あれとは大分テイストが違いますかね。

おバカに見える兄弟がずさんで無謀な盗みの計画を立ててなかなか不安な気分になります。
そういう滑稽な作品だと思いきや、その後に登場するキャラたちもことごとくおバカな感じで。
自分は主に、賢い人間同士が出し抜き合う作品が好きなのですが、
コレはその真逆を行くような、実に微妙なラインでのやり取りでした。
誰が一番賢いか?なのですが、もっとわかりやすくするならば
誰が一番馬鹿じゃないか?みたいな感じです。

かなり成り行きなイメージで泥棒しようってなりますが、
意外と泥棒計画は巧妙です。

爆破のプロを使うためにわざわざプリズンブレイクしてました。
簡単な犯罪で刑務所に入って、しかも気付かない内に脱獄させて強奪して刑務所に戻すという。

いざ始まるとやっぱりずさんで、仲間は間抜け感強いし。
そういう点でハラハラ・ドキドキなのですが。

映画としては表と裏がある昔のガイ・リッチー的な構造で。
クライマックスはかなり「やられた!」って気分にさせられるほど巧妙でした。
そこまで計画の内なのか!って感じです。
ただ巧妙すぎてネタばらしシーンの幾つかが、スピード感がありすぎるものあって理解出来ませんでした。
劇場にもう一度見に行くことは無いですが、いつかビデオ等で見返したい気分はかなりあります。
コレ一度で理解するのは難しそうな気がします。

主演のチャニング・テイタムはソダーバーグ作品常連なイメージ強いですね。
今作は非常にアンラッキーな人生を送る切ない役どころでしたが、とても素敵でした。
足を悪くしてますが、この作品の中では唯一くらいの賢い人でブレインなポジションです。
なんとも言えない爽やかさと切なさを上手に演じていました。
娘とのやり取りは特に秀逸でした。

主人公の弟をアダム・ドライバーが演じていました。
最近急上昇な感じでいい作品に出まくりですが、今作でまた更に箔をつけた感じですね。
寡黙で無骨な感じの男で、片手が無いという難しい設定でしたが実に自然にこなしていました。
片手のバーテンダーはカッコ良かったですね。

主人公の妹役にライリー・キーオというプレスリーの孫がキャスティングされていました。
怒りのデスロードに出ていた子ですね。
まともに見るのは初めてでしたが非常に女優向きなルックスだと思いました。
スーパードライバーな役でしたがそれも様になってました。
ソダーバーグってこういう大抜擢をしがちですね。

ローガン一家に手を貸すことになる男をダニエル・グレイグが演じていました。
勿論ジェームズ・ボンドのイメージ強いですが、それ意外でも基本紳士よりな役が多い気がします。
今作はめちゃくちゃがさつな荒くれ者で彼にしては斬新でした。
ただそれらの役のイメージなのか、どうしても根の方にある紳士感は残っていました。
もう少し汚い感じでも良かったかな?とも思いました。

物語を回収するかのような刑事役をヒラリー・スワンクが演じていました。
何か贅沢な使い方ですがそれがソダーバーグ作品って感じでしょうか。

ラストは自分の好きな感じの小洒落たテイストでいい後味を頂きました。
大人向けの娯楽作品って感じで自分は好きでした。


そんなわけで8点。


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