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交流

登竜門

2009-05-05 08:15:00 | 徒然なるままに
5月5日(火)

♪甍の波と雲の波 重なる波の中空を 橘香る朝風に 高く泳ぐや鯉のぼり

今年のGWはお天気に恵まれ、どこ(千葉県に限っては)の鯉のぼりも雨にうなだれることなく、元気に泳いでいる。
(午後からは雨が降って残念)

着任早々、校長先生から
「学校の正面玄関の掲示板に、季節感あふれる掲示物を作ってください」
と依頼された。
「唱歌」を大切にされていると言う校長先生は、以前、ご自分が、『富士山』の歌と富士の絵を描を描いて掲示したのだが、その後を引き継いで担当してくださる先生がうがなかなかいなかったということだった。

私はこれまでの赴任校で、それこそが美術部の仕事であり、活動のアピールの場であるとして、部員ともども頑張ってきたので、二つ返事で引き受けた。

が、この学校には美術部がない。
結局、私一人で担当することになった。
でも、1年生の『お誕生月のカレンダー』や、2年生の『CDジャケットデザイン』の参考作品を作ると言う気持ちで、せっかくやるなら、1枚1枚自分の代表作を作る気持ちで作っていこう、授業でも使えるものを作っていこうと思う。

その第1作が、『鯉のぼり』だ。
♪屋根より高い こいのぼり~
は、どちらかと言うと幼稚園や小学校向けかなあと思い、もう一つの『鯉のぼり』にした。

3番の歌詞に

百瀬(ももせ)の滝を登りなば
たちまち竜(りゅう)になりぬべき

とあるが、これは『登竜門』の語源から来ている。
登龍門(とうりゅうもん)とは、『後漢書』李膺伝の故事に由来する諺で、「成功に至るために乗り越えなければならない難しい関門」のこと。特に、立身出世のための関門、またはその糸口という意味で用いられる。鯉の滝登りともいわれ、鯉幟(こいのぼり)の風習はこれを起源とする。

ちなみに、「六々転じて九々と成る」という言葉があり、鯉の鱗の数は6×6=36枚、竜の鱗は9×9=81枚あるとされていて、鯉は竜門を登りきり竜へと姿を変えた時、その鱗も竜の鱗の数である81枚となるという意味なのだそうだ。
鯉は陰の数である六を平方した6x6=36枚の鱗を持つといわれ、六六鱗(ろくろくりん)とか六六魚という異名を持っている。
中国の易占いでは、この数字を坤の卦(こんのけ)といい、「純粋に陰を表す数字で、万物を成長させる卦(け)」としているそうだ。
一方、竜は陽(よう)の極数九を平方した9x9=81枚の鱗を有する聖獣とされ、この数字は乾の卦(けんのけ)といい「純粋の陽で、最高の徳を表す卦」とされてる。
だから「鯉変じて竜となる」というのは、陰から陽の卦が次第に増して、ついには「最高の徳を表す」卦になるという易の原理にも由来しており、鯉という魚は特別視されてきたのだそうだ。


高校受験という志望校の狭き門に向かって頑張る受験生たち。夏の総体やコンクールに向けて頑張る部員たちに向けてのエールであり、私自身に対しても、採用試験突破と本採用に向けて、鯉のぼりに負けない元気で頑張るぞ!と言う心意気で掲示板を制作した。(後日画像UP予定?)

   鯉のぼり
          作詞/不詳
          作曲/弘田龍太郎

甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり。

開ける広き其の口に、
舟をも呑まん様(さま)見えて、
ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、
物に動ぜぬ姿あり。

百瀬(ももせ)の滝を登りなば、
忽(たちま)ち竜(りゅう)になりぬべき、
わが身に似よや男子(おのこご)と、
空に躍(おど)るや鯉のぼり。

♪視聴サイト♪http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/koinobo.html

さて、今度は6月の掲示板だ。
何の唱歌にしようかなぁ~・・・♪