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今更ながら、「新世紀ヱヴァンゲリヲン」にハマってしまった。
作品自体は以前から知っていたし、カラオケでも『残酷な天使のテーゼ』を歌ってはいたが・・・。
今回、6月29日から上映される映画版に先駆けて、第1話~8話まで無料配信されていたので、一気に8話分を見、最終話までのあらすじを読んだ。
まだ、キャラクターや物語の構成に分からないところがたくさんありすぎるが、10年前、社会現象になるぐらいの大ヒットになったのは分かるような気がする。
主人公が14歳というのは、子ども向け漫画の定番という感じだが、今、中学生を教える立場に立ってみると、この年齢設定は実に興味深い。
『海のトリトン』のトリトンも13歳。
ジブリアニメに出てくる主人公たちも13~15歳ぐらいが多い。
この思春期真っ只中にいる少年少女たち。
とても、純粋でありながら、子どもでもなく、大人でもない。善悪の判断も、自己コントロールもずいぶん危ういところがある。
小さい頃からの夢がどんどん現実味がなくなって、先が見えなくなってきて、いや、逆に、先が見えてしまっているから、夢を見ることをやめてしまうのかもしれない。
絶対的な存在だった大人たちの、ズルイところや情けないところばかりが目に付いてきて、『憧れ』る事もなくなってきて・・・。ついつい、反抗ばかりしてしまう。
人生経験がないまま、『正義』を振りかざして戦っていくうちに、相手の『正義』に気づかされ、苦悩する主人公たち。
勧善懲悪だけではないストーリーと、完全無欠・無敵ではない、どこにでもいそうな少年少女が主人公という設定は、さまざまな人間ドラマを生む。主人公の心の葛藤と成長が同世代の共感を呼ぶのかもしれない。
14歳。そういえば、セーラームーンの月野うさぎも同い年だった。
14歳の中学2年生が地球を、人類を救うのだ。
大袈裟とか、ありえない話ではないと思う。
未知数な彼らではあるが、自分も周りの人間もまだ気がつかない、『原石』を持っている。
失敗もするし、自信もない、怖気づいて、いざというときに力が発揮できないときもあるだろう。
でも、何かをきっかけに、飛躍的に伸びたり感性が豊かで、いろいろな影響を受けたり、学習能力や運動能力が高まる時期なのだ。
地球や人類の未来を背負って立つのは、今はまだ幼く多感な子どもたちなのだ。
中学生を教えていて、ピカソのゲルニカを通して第2次世界大戦を考えさせたり、『ファンタジア』で環境問題を考えさせたり、『ゴッホ』や『北斎と広重』でジャポニズムを考えさせたり、『仏像の見方』で、廃仏毀釈や文化財保護を考えさせると、すごい反応が返ってくる。
教える方が逆に生徒たちからたくさんのことを教えられ、気付かされる。それがたまらなく刺激となり、教える意欲につながってくる。
「吾十有五にして學に志す」有名な孔子の言葉だが、この15は、数え年であれば14歳のときに孔子は志を立てたのだ。
一般的には、江戸時代、武士の子どもが14歳で元服したということだ。
満14歳という年齢は、現在では、「少年法」の適用を受ける年齢でもあるが、やはり、14歳という歳は「自分を見つめ」、「自分の生き方を考える」大切な人生の岐路なのだろう。
その大切な時期に、教師という立場で立ち会えるというのは、とても光栄なことなのではないだろうか。
ピア・サポートでも、中学2年生のテーマは『セルフ・コントロール』。
碇シンジが、ピンチのときに言うセリフにグッと来た。
『逃げない!』
死んでしまっては元も子もない。危険からは逃げることも必要。『退路』を確保しておくのも兵法の一つだ。
でも、『自分自身から逃げない』覚悟と勇気は必要だ。
我が家にも、この8月7日で14歳を迎える中学2年生がいる。
彼女と一緒に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を見に行こう。