9月13日から14日までの間、白糠町で行われたイベント「カミングパラダイス」。今年も行けませんでした。残念・・・
しかし、このイベントで大きな発表がありました。「道東道浦幌~白糠間が来年3月29日に開通する」ということです。28日までに札幌市で開催される「さっぽろオータムフェスト」では、白糠町のブースが登場します。
さらに1年後の2016年3月までには、白糠~阿寒間も開通することが決まってますので、ますます札幌との距離が縮まります。札幌釧路間の都市間高速バスの利用者は増え、自家用車での観光客は増え、物流(特に海産物)に与えるインパクトは相当なものでしょう。ヒトとモノの流れが大きく変わり、経済に好影響を与えることは確実です。
トータルで見れば必ずといっていいほどプラスになるのは間違いありません。特に津波で道路が飲み込まれたり地震で道路が崩落したときに国道38号が長期間不通になった場合、その代替路線にもなります。国道38号は狭いトンネルが連続していて、トラックの荷台が天井にこすった痕がそこらじゅうにありましたから、長距離トラックの運転手さんの疲労は少なくなるし到着時間が読めるようになりますね。
良いことばかり書きましたが、少々の副作用(負の一面)が出ることはどうしても少しは予想されます。
●ストロー現象
遊びに来る人たちは増えるでしょうけど、現役世代の定住者が減ることは予想されます。北海道では今も札幌に人口が集中し続けているのはご存じのとおり。札幌から各地への時間距離が短くなれば、「親が遠方に、子供が札幌に住んでいる場合」は時折気軽に親元に戻ることができますので、子供は遠方に住む必要がなくなり仕事のある札幌で暮らすことができるわけです。逆に、地方都市に親子共々住んで必要なときだけ札幌へ行くことも容易になるわけですが、地方都市の今の人口減を見ていると地方に住むヒトはなかなか増えないような気がします。クルマ無しで生活できるのは、札幌市の一部地域だけですから。
買い物をしに釧路から札幌に気軽に行きやすくなる=釧路で買い物をする人が減る。という図式も成り立つことも考えられますが、これはあまり心配してません。根拠はないですが、わざわざ札幌に買い物をしたりメシを食いに行くことってそれほどないと思われるからです。高価なモノやこだわりの洋服を買うのでなければ、十分釧路で間に合いますし、普段の食事(外食含む)も、店の数は少なくとも札幌に負けずおいしいところがたくさんあるからです。
結局は、釧路の利益が札幌に吸い取られるというストロー現象は一部分野でほんのわずかに起こる程度だと思います。
●国道38号線沿いのお店に人が来なくなる
これはかなりの確率であり得ます。現在、釧路市民の私が自家用車で実家帰省時に通過する町は、
「白糠町→旧音別町(現釧路市音別町)→浦幌町→豊頃町→池田町→【道東道池田IC】→札幌市」、、、ですが
これが来年の3月から
「白糠町→札幌市」
、、、というふうに、通過する町が一気に減ることになります。今までよく立ち寄っていた国道38号線沿いのお店には「ほぼ間違いなく」寄らないでしょう。恐らく私に限ったことではないですが、帰省時は少しでも早く札幌に着きたいので、特段の理由がない限り高速道路を降りることはないのです。さらに再来年の3月には「釧路市を出発したら札幌市まで降りない」となり、白糠町も通過しないことになります。個人的には白糠町には帰省時以外に個別に遊びに行ってるので、それほど関係ないんですけど。
●そもそも・・・
そもそも遠くからヒトをバンバン呼ぶ必要があるのか?と言われる方もおります。これっていわゆる「戦後自虐史」から抜け出せない思考によく似ている気がします。遠方のお客さんだけを当てにするというのではなく、「基本は地元、可能なら遠方のお客さんも」という考えは決して人様に後ろ指を指される筋合いのモノではありません。利益を上げることは民間企業の基本ですから。身の丈以上の投資をする必要はありませんが、「単価は高くても本当にモノがわかるお客さんを掴む」ために色々と知恵を絞ることは商道徳的にも間違っていないはずです。もちろん薄利多売はダメでしょう。これだけ魅力のある東北海道を安売りする必要は全くありません。
お店によっては「タチの悪い一見さんが増えるのでは?」とか「知床世界遺産登録直後のように、一時的に質の悪い客が大挙して押し寄せてくるのでは?」いう懸念もあるようですが、そんなのは相手にせず、マナー違反の者には注意すれば良いだけ。逆ギレするようなら二度と来るなと言えば良いのです。
外国人を当てにするのは好きじゃないので(特に反日国家=中国、韓国)、日本国内の遠方から釧路に呼んでもてなすことは大賛成です。よそ者に気づかされることってすごくたくさんありますし。
釧路の人たちって、例えば趣味のサークルなどに私が飛び込みで入ったときに彼らから受ける視線が「おいおい、よそ者が来たぞ」というあの視線が非常にイヤです(ついでに言うと他人の噂話もよくしますね)。若いうちに東京などで仕事の修行をされた方などはその限りではありませんが、その傾向は私が釧路に来た12年前とさほど変わっていないように思います。10年前、某シンクタンク企業のヒトに聞いた一言を思い出しました。「釧路圏って人的(数値に表れない人間同士の繋がり)にも経済的(数値に表れる部分)にも閉じられた地域なんですね」。
いろいろ書き連ねましたが、高速道路が釧路と札幌で完全に結ばれれば、ヒトとモノの動きが活発になり経済的にプラスになるチャンスが来ます。あとはそのチャンスを生かせるかどうかは、釧路圏の人たち次第です。なお、このチャンスを狙っているのは札幌圏の人たちもそうです。違う地方同士でいがみ合うのではなく「切磋琢磨」するのは良いことです。企業にとっても消費者にとっても(ていうか我々のように企業につとめている人は消費者でもあります)、双方にとってプラスの効果が期待できます。まずは「自分の町のいいところを見いだして自慢する習慣」を身につけること。これは日本全体に言えることです。そして多くのお客さんに来てもらい、おもてなしをして、しっかりお金を使っていただく。
自分もいつも北海道を自慢するようにしています。やっぱり好きなんですよねぇ、北海道が。
しかし、このイベントで大きな発表がありました。「道東道浦幌~白糠間が来年3月29日に開通する」ということです。28日までに札幌市で開催される「さっぽろオータムフェスト」では、白糠町のブースが登場します。
さらに1年後の2016年3月までには、白糠~阿寒間も開通することが決まってますので、ますます札幌との距離が縮まります。札幌釧路間の都市間高速バスの利用者は増え、自家用車での観光客は増え、物流(特に海産物)に与えるインパクトは相当なものでしょう。ヒトとモノの流れが大きく変わり、経済に好影響を与えることは確実です。
トータルで見れば必ずといっていいほどプラスになるのは間違いありません。特に津波で道路が飲み込まれたり地震で道路が崩落したときに国道38号が長期間不通になった場合、その代替路線にもなります。国道38号は狭いトンネルが連続していて、トラックの荷台が天井にこすった痕がそこらじゅうにありましたから、長距離トラックの運転手さんの疲労は少なくなるし到着時間が読めるようになりますね。
良いことばかり書きましたが、少々の副作用(負の一面)が出ることはどうしても少しは予想されます。
●ストロー現象
遊びに来る人たちは増えるでしょうけど、現役世代の定住者が減ることは予想されます。北海道では今も札幌に人口が集中し続けているのはご存じのとおり。札幌から各地への時間距離が短くなれば、「親が遠方に、子供が札幌に住んでいる場合」は時折気軽に親元に戻ることができますので、子供は遠方に住む必要がなくなり仕事のある札幌で暮らすことができるわけです。逆に、地方都市に親子共々住んで必要なときだけ札幌へ行くことも容易になるわけですが、地方都市の今の人口減を見ていると地方に住むヒトはなかなか増えないような気がします。クルマ無しで生活できるのは、札幌市の一部地域だけですから。
買い物をしに釧路から札幌に気軽に行きやすくなる=釧路で買い物をする人が減る。という図式も成り立つことも考えられますが、これはあまり心配してません。根拠はないですが、わざわざ札幌に買い物をしたりメシを食いに行くことってそれほどないと思われるからです。高価なモノやこだわりの洋服を買うのでなければ、十分釧路で間に合いますし、普段の食事(外食含む)も、店の数は少なくとも札幌に負けずおいしいところがたくさんあるからです。
結局は、釧路の利益が札幌に吸い取られるというストロー現象は一部分野でほんのわずかに起こる程度だと思います。
●国道38号線沿いのお店に人が来なくなる
これはかなりの確率であり得ます。現在、釧路市民の私が自家用車で実家帰省時に通過する町は、
「白糠町→旧音別町(現釧路市音別町)→浦幌町→豊頃町→池田町→【道東道池田IC】→札幌市」、、、ですが
これが来年の3月から
「白糠町→札幌市」
、、、というふうに、通過する町が一気に減ることになります。今までよく立ち寄っていた国道38号線沿いのお店には「ほぼ間違いなく」寄らないでしょう。恐らく私に限ったことではないですが、帰省時は少しでも早く札幌に着きたいので、特段の理由がない限り高速道路を降りることはないのです。さらに再来年の3月には「釧路市を出発したら札幌市まで降りない」となり、白糠町も通過しないことになります。個人的には白糠町には帰省時以外に個別に遊びに行ってるので、それほど関係ないんですけど。
●そもそも・・・
そもそも遠くからヒトをバンバン呼ぶ必要があるのか?と言われる方もおります。これっていわゆる「戦後自虐史」から抜け出せない思考によく似ている気がします。遠方のお客さんだけを当てにするというのではなく、「基本は地元、可能なら遠方のお客さんも」という考えは決して人様に後ろ指を指される筋合いのモノではありません。利益を上げることは民間企業の基本ですから。身の丈以上の投資をする必要はありませんが、「単価は高くても本当にモノがわかるお客さんを掴む」ために色々と知恵を絞ることは商道徳的にも間違っていないはずです。もちろん薄利多売はダメでしょう。これだけ魅力のある東北海道を安売りする必要は全くありません。
お店によっては「タチの悪い一見さんが増えるのでは?」とか「知床世界遺産登録直後のように、一時的に質の悪い客が大挙して押し寄せてくるのでは?」いう懸念もあるようですが、そんなのは相手にせず、マナー違反の者には注意すれば良いだけ。逆ギレするようなら二度と来るなと言えば良いのです。
外国人を当てにするのは好きじゃないので(特に反日国家=中国、韓国)、日本国内の遠方から釧路に呼んでもてなすことは大賛成です。よそ者に気づかされることってすごくたくさんありますし。
釧路の人たちって、例えば趣味のサークルなどに私が飛び込みで入ったときに彼らから受ける視線が「おいおい、よそ者が来たぞ」というあの視線が非常にイヤです(ついでに言うと他人の噂話もよくしますね)。若いうちに東京などで仕事の修行をされた方などはその限りではありませんが、その傾向は私が釧路に来た12年前とさほど変わっていないように思います。10年前、某シンクタンク企業のヒトに聞いた一言を思い出しました。「釧路圏って人的(数値に表れない人間同士の繋がり)にも経済的(数値に表れる部分)にも閉じられた地域なんですね」。
いろいろ書き連ねましたが、高速道路が釧路と札幌で完全に結ばれれば、ヒトとモノの動きが活発になり経済的にプラスになるチャンスが来ます。あとはそのチャンスを生かせるかどうかは、釧路圏の人たち次第です。なお、このチャンスを狙っているのは札幌圏の人たちもそうです。違う地方同士でいがみ合うのではなく「切磋琢磨」するのは良いことです。企業にとっても消費者にとっても(ていうか我々のように企業につとめている人は消費者でもあります)、双方にとってプラスの効果が期待できます。まずは「自分の町のいいところを見いだして自慢する習慣」を身につけること。これは日本全体に言えることです。そして多くのお客さんに来てもらい、おもてなしをして、しっかりお金を使っていただく。
自分もいつも北海道を自慢するようにしています。やっぱり好きなんですよねぇ、北海道が。