明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1482)米原市で進む原子力災害対策・・・ゆっくりマルシェでお話します(21日)

2018年03月19日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180319 11:00)

森友問題が揺れています。多くの正義を愛する人々が全国で安倍内閣総辞職を求めて立ち上がっています。内閣支持率も急落中です!
京都ではこれに府知事選にむけた運動が重なり、僕も連日、イベントで動き回っています。

同時に全国各地で原子力防災の充実化を求める動きが強まっています。
僕はこの流れを強めるためにもあちこちに走り回っていますが、この21日には米原市を訪れ、午前10時から午後3時まで行われる「ゆっくりマルシェ」の場で「いのちのまもりかた」と題したお話をさせていただきます。
この日は米原市防災危機管理課も来てくださり、出前講座「日頃の備えを大切に」(仮題)の講演を行ってくださいます。これとタイアップして僕もお話します。

実は米原市では原子力災害対策への取り組みの着実な一歩として、篠山市原子力災害対策検討委員会のような委員会を作ることが決められ、このための予算が2018年度に計上されています。
今回の危機管理課の方とタイアップした講演もこうした中で設定されたのですが、ここに来るまでさまざまな滋賀のみなさんの奮闘がありました。
大きくは嘉田県政の継承を訴えた三日月さんを知事にと押し上げた運動や、各地で取り組まれてきた「くらしとせいじカフェ」などですが、米原市との関係そのものは僕の知る限り2016年9月の小出裕章さんと僕のタイアップ講演に始まっています。

このタイアップ講演はもともとは長浜市在住でくらしとせいじカフェなどに取り組んできた村山さおりさんが、小出さんに送ったメールに始まりました。
村山さんが小出さんに講演を頼んだのですが、ずいぶんしてから来てくださることになり、そのときに村山さんが声をかけたのが、近江八幡で「ひとつぶてんとう園」という自主保育を担い、「くらしとせいじカフェ」にも関わっている西村静恵さんでした。
そして二人で相談して僕に小出さんとタイアップして話すことを要請してくださったのですが、小出さんは僕にとって、昔からとても尊敬してきた方なので、「ぜひに」とお受けしました。
そのあとにできた、村山さんと一緒に企画を担ってくださることになった会のみなさんの発案で、長浜、米原市長にメッセージを頼みにいったのでしたが、その際、西村さんが原子力防災への取り組みの強化を訴えつつ、そのための参考文献として僕の著書『原発からの命の守り方』を両市長にプレゼントしてくださいました。

そんな中で実現したのが2016年9月24日の「原発のうそ・ほんと」という企画です。
当日、中継してくださったIWJのアーカイブがありますので、興味のある方はご覧ください。

「原発のうそ・ほんと」小出裕章氏・守田敏也氏講演会(滋賀県長浜市) 2016.9.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/333689

この動画の冒頭でも紹介されているのですが、米原市長・平尾道雄さんは以下のようなメッセージを送ってくださったのでした。

「原発のうそ・ほんと」講演会のご盛会を心からお祝い申し上げます。本講演会を企画されました関係者のみなさまには原発に対する正しい知識の普及活動など、日ごろからさまざまな行動や取り組みを実践いただいておりますことに深く敬意を表します。
さて甚大な被害をもたらし、多くの尊い命を奪った東日本大震災、その爪あとは深く、今なお震災避難者は14万人余りとなっています。
また福島第一原発事故の収束のめどもたたず、この事故より5年が経過した今もなお、帰りたいところに帰れず、会いたい人にも会えない毎日をおくられている福島県内外への避難住民が約9万人おられます。
一方で2011年3月11日に内閣総理大臣により公示された原子力緊急事態宣言は継続していますが、2016年9月現在、国内には川内原発1号機、2号機と伊方原発3号機の3基が稼働しています。
福島第一原発事故後の教訓は「原発は事故が起きる」「人間は原発をコントロールできない」「原発に依存しないエネルギー政策への転換」であります。
いま日本で予期せぬ地震、災害が多発している中、最も迅速な対応が求められていることは、現在も稼働中である原発事故への備えであります。
まずは私たち市民一人一人が、原発や放射能、放射線等に関する正しい知識を持ち、原発事故が起きた場合にどのように行動するかについて日ごろから考えておく必要があります。
米原市におきましても、原発事故への備えを進めるとともに、市民のみなさんに対しましても、原発や放射能、放射線に対する正しい知識を持って、冷静な判断のもと、行動していただけるよう啓発して参りたいと考えています。
むすびに本講演が参加者のみなさまにとって有意義な講演となりますとともに、ご参集のみなさまの、今後ますますのご健勝とご活躍を心から祈念申し上げ、メッセージとさせていただきます。
平成28年9月24日 米原市長 平尾道雄

実は今回、記憶を辿りなおしつつ、IWJのアーカイブで市長のこのメッセージをあらためて拝聴したのですが、率直にいって市長がこの時点ですでに、とても優れた原子力防災の意識をお持ちであったことが分かりました。
ちょっとうがった言い方になって恐縮ですが、あるいはこの時すでに僕の著書を読んでくださっていたのかもしれないなとも思いました。
短いメッセージですが、大事なことが幾つも述べられていたからです。

さてそんな中で事態がさらに前に動いたのは、関西の原子力防災を考えて行政交渉などを重ねている方たちが米原市を訪れたときでした。
このときはびわこ123キャンプの主催者グループに長いこと参加している井野文さんなどが西村さんとともに、原子力防災の強化、とくにヨウ素剤の事前配布を求めて訪れてくれたのでした。
すると平尾市長が「ヨウ素剤の事前配布をやりたい」と回答書により名言してくださったのです。

この滋賀での動きをさらに促進してくださったのが、この間の流れにすべて参加してきた西村さんによる滋賀の各市の議員さんに対する原子力防災の啓発でした。
西村さんは2017年6月5日に「くらしとせいじカフェ@原子力災害~備えておきたい知識と心構え【議員さん向け勉強会】」を草津市で企画してくださり、僕が講演。このときは参加者約50人の半分以上が議員さんでした。
このときは福島原発事故の年から、信楽でいろんなことを一緒に共有してきた玉崎洋子さんなども主催者として加わってくださいました。玉崎さんももちろん「くらしとせいじカフェ」に関わり続けています。
そしてそこに参加していた高島市議の是永宙さんや、びわこ123キャンプを担ってきた青谷真由美さんに西村さんが声掛けして「この企画をぜひ高島市で」となり、9月29日に「くらしとせいじカフェ@たかしまの防災」がやはり僕を講師として企画されました。

しかもこの時は高島市と高島市教育委員会が後援してくださるとともに、高島市原子力防災対策課が参加し、原子力防災計画について報告してくださいました。
これはマキノ町の「一二三館」を保養キャンプの場に何回も提供してきた青谷真由美さん、五和雄さんご夫妻による地域への地道な関わり、行政との信頼関係の構築のもとに実現できたことでもありました。
高島市原子力防災対策課はすでに数年前に一二三館の保養キャンプの際の大人向け講演の時にも参加して下さり、僕とジョイントで講演してくださっていました。
この流れを受けて、昨年9月も、僕はまず原子力防災対策課の話を受け、水害対策を含む防災課の取り組みの積極面を評価させていただく形で講演しましたが、この時に米原市もこれまた西村さんの要請に応えて、防災危機管理課の方を二人派遣してくださったのでした。

このように関わりを進める中で、今度は米原市役所を「くらしとせいじカフェ」や「議員さん向け勉強会」などに参加してくれてきていた米原市議の中川雅史さんと西村さん、僕で訪問することになりました。
中川さんとの縁を作りだしてくれたのは、彦根市在住(いまは一年だけ海外へ)の中野和子さんや、大津市在住の岡田由布紀さん、草津市在住の北岡七夏さん、野洲市在住の畑佐よしみさんなどがはじめた「くらしとせいじカフェ」の湖東・湖北版?でした。
彦根・長浜・米原で2月に1回のペースで持ち回りで行われてきました。僕はここで民進党の国会議員だった田島一成さんとも知り合いになり、およそ3年近く参加を続け、その中でこの地域の方とどんどん親しくなっていきました。

米原での開催は、毎回、醒ヶ井の「渡部建具店」をお借りしていました。いつも優さん・秀夫さん夫妻で出迎えてくれるのですが、参加者がなんだかとてもほっこりできる素敵な場でした。
お二人は今回のお話の場である「ゆっくりマルシェ」の立ち上げも担ってくださっています。Facebookのイベントページの素敵な挿絵を書いてくださっているのも渡部優さんです。
僕にとってもここが米原市の中で、定期的に通えるようになった初めての場となりました。

そんな中で縁のできた中川さん。民進党議員が一方で希望の党へ他方で立憲民主党へという昨秋の厳しい条件の中でこの時期に再度の米原市議会選挙があったのですが、なんと2位で当選!そのまま原子力防災の強化にも力を注いでくださっています。
それやこれやの中で3人でまずは市役所危機管理課の方とお話してから市長室を訪ねました。市長は僕の本だけでなく、篠山市原子力災害対策検討委員会の議事録にも目を通していると語ってくださいました。とてもありがたく感じました。
それで「篠山市のようなことを進めて欲しい。ただしまだまだ米原市は市民も市役所も理解が十分ではない。ここを充実させていきたい」とおっしゃいました。
これに対して西村さんや渡部さんたちが考えてくださったのが今回のマルシェでした。僕も企画の組み立てに積極的に関わる中で危機管理課の方とのジョイント講演が決まりました。

このよう振り返った時に、滋賀の方たちの「くらしとせいじカフェ」というとても豊かな取り組みの上に、西村静恵さんが様々な動きの中で原子力災害対策の広がりのアプローチを重ねてきてくださったことが分かります。
これに中川雅史議員をはじめ、まるで同じ山のてっぺんを目指して、様々な角度からアプローチするかのように多数の方が時々にジョイントしてくださる中で、今日の一歩が作りだされてきたのです。
だからそれはみんなで積み上げてきたものです。市民による地道な努力の積み重ねの大切さをあらためて感じます。

21日はみんなで積み上げられてきた大事な成果をさらに前に発展させるために心を込めてお話します!
ぜひお越しください。

一緒にさらに逞しく民衆の力を育てていきましょう!
Power to the people!

******

ゆっくりマルシェ#9
https://www.facebook.com/events/1480767532042797/?active_tab=about

日時:2018.3.21 (水・祝) 10:00~15:00
会場:ルッチプラザ(米原市長岡1050-1、JR近江長岡駅徒歩10分)

内容:
☆マルシェ
10:00 - 15:00

マルシェで知る防災
https://www.facebook.com/events/391288451341645/?active_tab=discussion

10:00 - 10:30 防災危機管理課 出前講座「日頃の備えを大切に」(仮題)担当:防災危機管理課 石河さん
10:30 - 11:30 守田敏也氏のお話「いのちのまもりかた」
『プロフィール』 守田敏也氏 1959年生まれ。同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て現在はフリーライター。各地で放射線防護の講演を行っている。2012年より兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会委員に就任

12:00 - 15:00 かえっこばざーる@ゆっくりマルシェ
また、滋賀・岐阜で「冒険遊び場」「子ども食堂」「森のようちえん」等の活動をされている皆さんに出店やワークショップなどもしてもらいます

☆企画展
いのちのまもりかた展
期間:3/11 - 3/21
場所:ルッチプラザ2階 図書館前

「ていねい・てづくり・オーガニック」なこだわりのお店がたくさん!
オーガニックなごはん&おやつ/フェアトレードコーヒー /農薬不使用の新鮮野菜/手づくり&自然素材の雑貨/ボディケア/手づくり体験ワークショップ/空き家相談/冒険あそび場 などなど

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