明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1910)ツクル森!いざ魅惑の京北へ・・・(11月7.8日参加します)

2020年10月30日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201030 22:00)

● ツクル森とは?

京都市右京区京北で「ツクル森」というイベントが開かれます。2018年から数えて3回目です。まずはホームページとFacebookのイベントページをご覧あれ

ツクル森
https://www.tsukurumori.com/
ツクル森2020 ~新しいつながりへのお祭り~
https://www.facebook.com/events/736230863597224

両ページより引用します。

【コンセプト】
みんなの「ツクル」がつながる、ふくらむ。
京北の里山には、個性豊かに自分らしい暮らしをツクル人たちが住んでいます。
その多様な創造の力をもちよって行われる、「ツクル森」アート・クラフト・世界の音楽会。
ツクル森は作家もお客様も想像が溢れ出る喜びを感謝する場。
その地にある材を使い、個性豊かな小屋を建て、原っぱや森にアートを展開したり、
自然素材を使って楽器をつくりプロのミュージシャンと共に奏でたり。
「創る手」を持つ大人たちが思いっきり楽しむことで、子供たちが創る喜びを体験する。
そんな皆さまと共に、あうるの原っぱにここにしかない景色を共創します。

【ツクル森2020の、多彩な内容】
森と草原をキャンバスにした、アートの展示会。里山の作家による陶芸、木工、織物、染物など多数の作品や、地元野菜にオーガニックフード、ジビエ、多国籍料理など約25店!東欧や北欧、南米からアフリカ、沖縄に至るまで…多彩な音楽の
ステージ。楽器作りのワークショップや、世界のダンス・ワークショップ、青空ヨガ etc。
今年初めてスタートする「未来をツクル・トークショー」では、この時代に加速している変化の兆しと、この地に引き寄せられる人びとの「導かれ力」をコンセプトに「コミュニティ」「ワーク&ライフ」「食と土」「森と創造」といった4つのテーマでトークイベント
をおこないます。

***

うーん。とにかく楽しみです。
ちなみに昨年も参加して森についてお話しする予定が、台風の強風で延期に。それがちょうどアメリカ行きと重なって涙の断念となりました。
今年はコロナ過の中、少ないスタッフで頑張って開催すると聞いて、僕が参加している京都の市民グループ「ウチら困ってんねん@京都」総勢10名でスタッフも兼ねていくことにしました。
僕は前日6日に京北入りし、設営から手伝います。8日も片づけに最後まで参加し、9日に京都市に戻る予定です。


ツクル”コミュニティ”に参加します(7日12時~13時)

今回は7日に開催されるツクル”コミュニティ”にも参加します。
https://www.tsukurumori.com/artist/talkshow/

「京北のコミュニティの魅力は何なのだろうか?Iターンと外からの視線を交え、映像クリエイター、ジャーナリスト、ソーシャルデザイナー、ミュージシャン、ライターの様々な視点からこれから目指すコミュニティのあり方、最先端の京都里山を語るダイアログ。
登壇者:丹下紘希、守田敏也、柳澤史樹、曽 緋蘭、きしもとタロー
司会:廣海緑朗」

・・・とある。うーむむむ。さて何を話そうか。
実は僕は一時期だけれど京北に住民票を置いていたこともあるんです。たくさんの友人たちとログハウスをシェアしていて。
京都市内から山道を抜けること1時間。すごく癒される場でした。冬の雪の深さも楽しかった。そんな中でどんどん京北、美山、そして芦生の森の素晴らしさに目覚め、森と戯れる素晴らしさを知りました。

そうだな。その時のことを話そう。
みなさん。ご存じですか?この地域が世界の中でもっとも生物種が多様な日本の中でも、さらに特別な地域であることを。
冷温帯と暖温帯が重なり、広葉樹と針葉樹が混淆している。日本海側気候と太平洋側気候も交差していて、それだけに樹木も昆虫もとても多様なのです。

その森を歩くと不可思議な森のドラマに圧倒されます。
例えばこの山塊に多いトチの木。かなり年月が経ってから四方に枝をはりトチの実をならせる。トチの実は高いところから落ちて割れる。

下にはリスやネズミたちが待っていてさっそく食べようとする。でもタンニンという渋み成分が豊富で食べられないのです。リスやネズミたちはそれで土の中に実を埋めます。タンニンが分解するのを待ってから食べるために。
でもちょうど食べごろになった時に、戻ってこれるリスやネズミは減っている。自然界の厳しさの中で生き延びれなかったりするためです。そうなると実はやがてしっかりと芽を出し、根をはり、次世代が育っていく。さあ命をつなぐためどちらがどちらを利用しているのでしょう?

そんなドラマがめくるめく繰り広げられている森の中。そしてその森に囲まれた京北の中のコミュニティ。
その魅力は何なのか。どんな可能性があるのか。みなさんのご意見を聞きながら、僕の思うところを語ってみたいです。

 

福ちゃんの法律相談会も(8日午後1時から3時)

さらに翌日8日には、午後1時から福山和人弁護士=われらが福ちゃんによるオープンな法律相談会が行われます。
僕が司会をさせていただきます。毎年「人生救われた!」という方がいるそうですよ!
「ウチら困ってんねん@京都」のみんなでスタッフとしてこの企画を支えます。

日ごろ困っていること、悩んでいることで「弁護士さんに相談してみたい!」という方、ぜひ来てください。
オープンな会が終わった後に、個別の相談も受けてくださるそうです。


ツクル森2019での「福ちゃんの法律相談」の風景 HPより


ともあれみなさま。ツクル森でお会いしましょう!

今年は残念ながらのコロナ禍で、1000名までの予約制による人数制限が設けられているそうです。
お申し込みをお早めに!

#ツクル森 #京北 #里山 #山里 #あうる京北

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明日に向けて(1909)スープが濃いラーメンをお湯で薄めれば塩分は大丈夫?ー放射能汚染水を薄めたら安全というのはひどい騙しのテクニック

2020年10月30日 16時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201030 16:30)

スープが濃いラーメンをお湯で薄めて飲む?

10月27日に行われた「にょきにょきオンラインサロン」で、台湾から参加の田崎敏孝さんが「海を汚すのは国際問題」という大切な指摘を行ってくださったことを前々号で紹介しました。
さらに田崎さんは放射能汚染水を総量規制せずに、濃度規制だけで放出してしまうことのおかしさを強調されました。
というのは今回の問題に限らず、原発では放射性物質の排出基準を濃度で決め、それに沿って海に流しています。そのため今回の福島原発汚染水問題でも、空気と水で薄めて排出すると言っています。東京新聞の説明図を添付します。


東京新聞の説明図

これに対して田崎さんこんなうまい例をだして説明してくださいました。
「塩分を控えるように言われているおじいさんが、ラーメンを食べていました。塩辛いスープだったけれども最後まで飲んでしまった。
そのお爺さんがまた同じラーメンを食べだしました。スープに塩分が多いと聞いたお爺さんは、今度はラーメンをお湯で薄めました。それでまたスープをみんな飲んでしまった。・・・さてこれでいいのでしょうか?」と。


ネットより

サロン参加者一同、大笑いをしてしまいましたが、その通りなのです!ラーメンをお湯で薄めたって、身体が採りこんでしまう塩分の量が変わるはずがない。
でもラーメンの話なら笑えることが、放射能汚染水の場合は、冗談でなく本気で行われようとしている。もちろん汚染水を水で薄めたって、海に入る汚染物の量はまったく変わらないのにです。
にもかかわらず「薄めると安全になる」と東電や政府は言う。ひどい騙しのテクニックです。放射能の問題はこんな嘘と騙しが本当にたくさん横行している。


田崎敏孝さん(左上)の話に大笑いしたにょきにょきオンラインサロン参加者


こんなのはどこの原発でもやっていること?

また「こんなことは他の国の原発でも行っている」などという指摘があちこちからなされています。トリチウムの入った汚染水を捨てているのは日本だけではないと。
これへのお答えはこうです。「その通りです。だから私たちは世界中の原発に反対しているのです。原発が環境を汚染してないなんてまったくの嘘ですから」と。
しかも世界中どこでも放射性物質の排出は濃度規制だけで行われています。原子力ムラ・・・いや原子力マフィアは世界中で同じ騙しのテクニックを使っています。

こんな話もあります。「日本のトリチウムの規制値は1リットルあたり6万ベクレル!他の放射性物質よりも危険性が低いからだ。」
これには二つお応えししたい。一つには6万ベクレルとものすごく緩い規制値にしているのは、トリチウムがもっとも取り去ることが難しい放射性物質だからです。ゆるゆるにしないとそもそも原発の運転ができないのです。
また他の放射性物質と比較するには、量を問題にしないと話になりません。原子一つが持つ危険性が小さくとも、量が大きくなれば危険性は増します。誰にも分かることです。

そもそも危険性が本当にないのなら規制などしなくて良いはずです。
実際にはトリチウムは放射線を出す水素ですから、危険性が「ない」などとはとても言えない。だから規制が設けられてきたのです。もっとも「濃度」という逃げ道を作りながらですが。
トリチウムのことだけ考えても、原発は世界のどこからもなくすべきです。


原発ミニ講座 第2回トリチウム(20141206) 講師:村上茂樹さん より

原子力マフィアは本当にひどい嘘つき集団!そもそも中心にいたのは広島・長崎でたくさんの人を殺害し、その前後に死の灰をばらまく核実験を平気で繰り返してきた人々ですから。ただの一度も裁かれることなくです。
騙されるな~~の声を広げましょう!

#汚染水の海洋放出決定に抗議します #福島原発 #放射能汚染水 #トリチウム #原子力マフィア

*****

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明日に向けて(1908)日本は放射能汚染水処分に関する人権義務を無視してはならないー国連エキスパート

2020年10月29日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201029 23 2:30)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の声明をご紹介します!

前回、福島原発からの放射能汚染水海洋放出の動きに対して、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が6月9日に声明を出したことを紹介しました。
コロナ過で十分な国際的な討論もできない中で、日本が拙速な決定を下すべきではないというもので、大変、説得力に富んでいました。今回その全文をご紹介します。

***

日本は放射能汚染水処分に関する人権義務を無視してはならない!ー国連の専門家から
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25940&LangID=E

ジュネーブ(2020年6月9日)
国連の人権に関する専門家は本日、COVID-19危機が過ぎ、適切な国際協議が開催できるようになるまで、福島第一原発からの放射能汚染水の海洋投棄に関する決定を延期するよう日本政府に要請した。
独立のエキスパートはこう述べた。「われわれは日本政府が、有意義な協議のための時間や機会を作ることをせずに、放射能汚染水の海洋への放出のタイムラインを加速させたとの報告を受けて深く懸念している」。
信頼できる情報筋は、2020年のオリンピックが延期されることにより、日本政府が放射能汚染水放出に関する新たな意思決定プロセスを進めることが可能になったと指摘している。

彼らは、COVID-19が日本のすべての影響を受けたコミュニティ、および先住民族を含む近隣諸国のコミュニティのインプットの機会を限定させている間に、政府が現在の公開協議に対して短期間の延長しか行っていないことは著しく不十分であると述べた。

「COVID-19は、これからの世代の人々と地球に対し、深刻な影響を与える決定から注意をそらすための小手先の手段として使用されてはならない」と専門家は述べた。
「それらは地元の日本の漁村の生活にだけでなく、人権にも、そして国外の人々にも深刻な影響を与えてしまう。」

「容量を増やすために追加の貯蔵タンクのための十分なスペースが利用可能だ。またもともと2020年のオリンピックが終わるまでは公開協議が行われることは予想されていなかった。
このため急いで決定する必要はまったくない」彼らは述べた。

「われわれは、日本政府に対し、国内外の人々や諸国民(諸民族)に影響を与える可能性のある放射能汚染水の処分に関する協議のための適切なスペースと機会を設けることを求める。
さらに、日本政府に対し先住民族(あるいは土着の人々)の権利を尊重することを求める。人々が事前の行き届いた情報をもとに判断できる自由を確保し、またそのような判断を形成するために集い、結社する権利を尊重することを求める。」

専門家たちは彼らの懸念を日本政府に伝えた。国連の専門家は以前、一般大衆にとって「許容できる」とされる放射線の曝露レベルが増加されたこと、また原発事故後の除染作業に立場の悪い労働者が使用されていることに懸念を表明した。


OHCHRの出版物 「人権をすべての人の現実に!」


人権の観点からプロセスを問題視

全体としてとても素晴らしい内容になっています。そもそも東京オリンピックを開催するなら言い出さなかったであろうことを、延期になったから言い出していること、だから切迫性はないことなどとても鋭く見抜いています。
また何より、周辺国や地域を巻き込む問題なのに、コロナ禍で国際的な討論などがしにくいときに拙速に進めようとするのは、人権を尊重しない態度だと鋭く指摘しているのも素晴らしい。
先住民族を始めとする人々の人権へのリスペクトも呼びかけていて、すごいなと思いました。

なおこの声明は、有害物質の処理、食糧の権利、平和的集会・結社の自由、先住民族の権利を担当する4名のエキスパートが共同で行ったとされています。
タイトルで英文ではnuclear waste disposal、直訳では核廃棄物処分という言葉が使われていますが、公益財団法人人権教育開発センターがこれを紹介する際に「放射能汚染水」と訳していたのでそれにならいました。

また「indigenous peoples」をどう訳すか難しかったです。indigenousは先住民族を指す言葉。しかしこの文章を読んでいるとどうも地元の方たちのことも指しているように思えました。
その上で長らく国連で働いてきた友人にアドバイスをもらったところ、「これを書いた人々はしっかりと日本のことを見ていて、かつて東北から関東ぐらいまでアイヌ方たちが住んでいたことを踏まえているように思える」
「確かなことは分からないけれど、ともあここはー先住民族(あるいは土着の人々)ーと訳すので妥当なのではと。それでこう訳しました。この点、より正しいことが分かる方は教えてください。

ともあれこれらの言葉の選び方でも、人権を強く意識しており、だからこそプロセスを問題にしていることが伝わっています。
このように放射能汚染水海洋放出問題は人権問題でもあります。この点を広めていきましょう!


声明文 詳しくは添付のアドレスからご覧ください。

#汚染水の海洋放出決定に抗議します #福島原発 #放射能汚染水 #国連人権高等弁務官事務所 #OHCHR

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明日に向けて(1907)放射能汚染水海洋放出をコロナ禍で国際的議論ができない間に勝手に決めてはならない-国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)から

2020年10月28日 15時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201028 15:00)

海洋放出は世界の問題

昨日(27日)、『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』から生まれた「にょきにょきオンラインサロン」の第3回目で、福島原発からの放射性物質を含む汚染水の海洋放出問題が討論されました。
この中で、台湾からzoomで参加してくださったサロンメンバーの田崎敏孝さんが、「海洋放出は国際問題。そもそも日本だけで決めるのはおかしいことをもっと強調しなければ」と熱く語られました。
当然のことですが、放射性物質は海を通じて世界各地に運ばれてしまいます。被害を受けるのは世界の人々、とくに近隣諸国・地域の人々です。

また田崎さんは同様の要請を、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が、この6月9日に日本政府に対して行っていることを教えてくださいました。
僕はうかつなことにこの点をおさえていませんでしたが、サロン後に調べて実にしっかりとした声明が出されていたことを知りました。
「日本は核廃棄物処分に関する人権義務を無視してはならない」という声明です。


国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)HPより


「COVID-19危機が過ぎさり、適切な国際協議ができるようになるまで、福島第一原発からの核廃棄物汚染水の海洋投棄に関する決定を延期せよ」との要求が掲げられている。
また「COVID-19をこれからの世代や地球に深刻な影響をもたらす決定から注意をそらすための小手先の手段にしてはならない」とも述べています。
「先住民族、または土着の人々の人権を尊重し、事前にしっかりと情報を得て同意するかどうかを判断できるようにせよ」とも。


田崎さん(左上)の発言にみんなが聞き入る にょきにょきオンラインサロンより


海を汚すのは人権侵害

国際的な討論が極めて難しいコロナ禍で、それを利用して、勝手に決定を行ってはダメだというのです。
また当事者が十分な討論ができない間に、日本政府が勝手に海洋放出を決めのは重大な人権侵害であることも指摘しています。
これまたこの通り。政府が行おうとしていることは人権侵害そのものです。

この重要な生命のアドレスを貼り付けておきます。英文です。
翻訳も載せようと思いましたが、思いのほか、難しい点があったので、しっかりとした訳ができてから載せます。

日本は放射性廃棄物処分に関する人権義務を無視してはならない!ー国連の専門家から
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25940&LangID=E

ともあれ海は世界の人々、そして世界の生き物のもの。
その海をもうこれ以上、放射性物質で汚させないために努力を重ねましょう!


OHCHRがLGBTIの人権を説いたBOOK 「自由と平等に生まれた」

#汚染水の海洋放出決定に抗議します #福島原発 #放射能汚染水 #国連人権高等弁務官事務所 #OHCHR

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明日に向けて(1906)核兵器禁止条約ついに来年1月発効へ!核なき未来に向けて歩みを進めよう!

2020年10月25日 10時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201025 10:30)

ようやく核兵器が違法に!

2017年7月、国連の122の国と地域が賛成して採択された核兵器禁止条約を、昨日24日、ホンジュラスが批准し、条約発効の要件になる50の国が満たされました。
これで90日後の2021年1月22日に、同条約が発効することが決まりました。素晴らしい成果です。
トリニティサイトでの核実験と広島・長崎への投下、その後のマーシャル諸島をはじめ世界各地で炸裂が繰り返されてきた核兵器が、初の爆発から75年を経て、ようやく国際的に違法となりました。

数ある報道の中からNHK広島放送局のものをご紹介しておきます。
核兵器禁止条約 来年1月発効へ
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20201025/4000009438.html


核兵器禁止条約が来年1月に発効することを報じるNHK

もっともこの条約には核兵器の9割を保有するアメリカとロシアが参加していません。イギリス、フランス、中国も不参加。その他の核保有国も参加していません。
アメリカの属国日本も、自ら核兵器を投下された国でありながら批准せず、アメリカの核保有の正当化を続けています。
条約に参加しない国にこれを順守する義務は生じませんが、しかし核なき未来に向けた大きな声になるでしょう。私たちも積極的に後押ししていきましょう!


あらためて原爆投下のあまりのひどさに着目しよう

核兵器反対の声を広げるためにあらためて原爆のあまりのひどさに着目し、世界に広げていきましょう。
そのためにこの夏、「明日に向けて」で3年前に放映されたNHKドキュメント「原爆死ヒロシマ 72年目の真実」を文字起こしして紹介しました。ぜひご覧下さい。
大事なことは原爆の被害はまだ全てが明らかになってはいないこと。まだまだ真実が隠されていることです。そのうちの一部が、72年も経ってNHKと広島市の調査から明らかにされたのです。

ぜひご覧下さい。
文字起こしをした記事のアドレスも貼り付けておきます。3回に分けています。

原爆死 ヒロシマ 72年目の真実 (2017年8月6日 放送) 
https://www.dailymotion.com/video/x5wr1y3


NHKドキュメントのタイトル 被爆者約50万人の8月6日の行動をコンピューターグラフィックで可視化

http://onl.tw/9LSdJHd
http://onl.tw/3YXbyg6
http://onl.tw/hVFsRPw


放射線被曝の実態をさらに明らかにするために

このNHKの番組は、従来語られてきた被爆被害がまだまだ実相に迫り切れていなかった点を明らかにしていて画期的でした。
しかしまだまったくえぐられていないものがある。その一つが放射線被曝の遺伝的影響です。
そのためにぜひ読んでいただきたい本があります。森川聖詩さんが被爆二世のご自身に起こったことを赤裸々に書かれた本です。紹介記事を貼り付けます。

明日に向けて(1651)書評『核なき未来へ 被爆二世からのメッセージ』森川聖詩著-1
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/90c4155efb7ae92ad3daf4e77f0ecd1d


森川さんの著書

この本にも大いに触発される中で、いま僕が参加している京都「被爆二世三世の会」で二回目の健康調査アンケートを行っています。
ぜひこれも広めたいです。二世三世の方、ぜひコンタクトしてきてください。周りに二世三世がおられる方はお伝えください。この記事も貼り付けます。

明日に向けて(1833)被ばくの遺伝的影響を解明するために・・・被爆2世3世健康調査アンケートにご協力を
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/d294363788597f00eaa08f5599554127

核なき未来に向けて!力強く歩んでいきましょう!

#核兵器禁止条約 #原爆 #核なき未来へ #森川聖詩 #京都被爆二世三世の会 #健康調査

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明日に向けて(1905)政府が放射能汚染水の海洋放出の10月27日決定を断念!しかし来月以降に延期と表明。抗議の継続を!

2020年10月23日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201023 22:00)

10月27日の放出決定が断念されました。

福島原発から生じた放射能汚染水の海洋放出の問題で、政府は23日、関係省庁で作る対策チームの会合を開き、この間目指してきた27日の決定の断念を決めました。
多くの人々が抗議を集中した成果です!実際政府は、寄せられた意見の多くが批判的なものであったことを紹介しています。
私たち民衆には力がある!そのことをしっかりとおさえておきましょう。

ただし政府は海洋放出の方針そのものを撤回したのではありません。
私たちに問われているのはさらに抗議の声を強くすることで、これ以上の海の汚染を止めさせることです。
さまざまな行動が取り組まれています。みんなで連携しながら各地で頑張りましょう。


27日決定の断念を伝えるFNN


濃度規制しかなくて総量規制がないことがあまりにおかしい!

ところで海洋放出に対して「維新」の人々など「安全だったら流せばいいではないか」と政府擁護を語っている方もいます。
まったく間違った見解です。そもそもトリチウム以外は取り去った「処理水」などといいながら、他の核種の多くもとれていないなどたくさんの問題を無視しています。
しかし「安全」の問題で言うならば一番おかしいのは濃度規制しかないことです。

東京新聞がこの間、汚染水の海洋放出問題の説明として載せている図を紹介します。
東電の検討案が図示されているのですが、一目瞭然なのは「薄めて」放出するとされていることです。
「空気で薄めて国の排出基準未満に」したものを大気に。「海水で薄めて国の排出基準の40分の1程度に」したものを海洋にとされています。

何といってもこれがおかしい。総量で規制されていない。これならどんな量の放射性物質でも、薄めさえすれば放出できることになってしまう。
いや事実、いまの日本の原子力行政はそうなっているのです。これがおかしい。間違っている!濃度規制だけなら幾らでも放出できてしまうのです。
「飲めるかどうか」などとも言われていますが、問題はコップ1杯ではなくて海に捨てられる放射性物質の総量なのです。それが海の汚染に直結します。総量規制をしない排出が安全であるわけがない。


東京新聞掲載の説明図


さらに抗議の声を高めて海洋放出をやめさせよう!

この点を踏まえてそれぞれで抗議を続けましょう。

ここで三つの署名をご紹介しておきます。一つはこの間ご紹介しているFoE Japan呼びかけのものです。ただし期限は26日朝7時までとされています。
Citizens' Nuclear Information Center, No Nukes Asia Forum, FoE Japanの三者呼びかけのものもご紹介します。これには英語版もあります。
もう一つはグリーンピースジャパン呼びかけのものです。それぞれにご協力をお願いします。


二つ目に紹介の署名要請ページから

汚染水を海に流さないで
FoE Japan
フォーム1)https://pro.form-mailer.jp/fms/62f8c997208969
フォーム2)https://forms.gle/iFzGMWutM76PptTGA

国際署名「福島原発事故で発生した汚染水を海に流さないで(英語版もあります)
http://chng.it/bKCJxgSz2w

放射能汚染水を海に流さないで
グリーンピース
https://onl.tw/jt2Mdk9

どんどん拡散して、民衆の声の高まりで、海を、命を、人を守っていきましょう!

#汚染水海洋放出反対 #海を汚すな #放射能を海に流すな #濃度規制 #総量規制

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明日に向けて(1904)事故対策より自社を守るために悪知恵を回し続けてきた東電を罰し、まともな廃炉プロジェクトをたちあげるべきだ!(汚染水問題と東電の犯罪性―2)

2020年10月21日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201021 11:00)

福島原発からの汚染水の海洋放出を止めるための論稿の続きです。初めにFoE Japanの呼びかけている署名をご紹介します。26日午前7時まで。ぜひご協力ください。
フォーム1)https://pro.form-mailer.jp/fms/62f8c997208969
フォーム2)https://forms.gle/iFzGMWutM76PptTGA

東京オリンピック招致を利用して政府からお金を引き出した!


安倍首相の大嘘演説を報じるANNの報道(20130909)に英語が付記された画像 ネットより

前回、東京電力が2013年7月の参院選の後に、汚染水問題の告白を始めたことを記しました。すぐに政府が対策への乗りだしを発表しましたが、東電はその後に、汚染水タンクからの高濃度汚染水漏れなども発表しました。それは安倍首相のブエノスアイレスでの大嘘につながっていました。今回はこの点から述べたいと思います。

8月20日に東電は汚染水を汲み上げたタンクから300トンも汚染水が漏れたことを発表。しかもベータ線を出す放射性物質が1リットルあたり8000万ベクレルと高濃度でしたから、300トンだと240兆ベクレルにもなりました。
しかしこのころは「過去最大」「高濃度」などの見出しの付いた情報が連日出され、聞いている側が麻痺して何が「高濃度」なのかも分からなくなっていました。重大事実を人々に受け入れさせる東電のいつものテクニックでした。


タンクからの汚染水漏れを報じる日経新聞 20130820

こうした流れの中で9月8日にブエノスアイレスでオリンピックの開催地を決める会議が行われました。東電はこれに向けてさらに汚染水問題の「告白」を続けました。情報は世界にも流れてオリンピックを獲得したい日本政府を窮地に追い込んでいきました。
だから安倍首相はブエノスアイレスでこう言わねばならなかったのです。”Let me assure you, the situation is under control”=「私はみなさんに原発は統制のもとにあることを保証いたします」と。
安倍首相は「東京に悪影響を及ぼすことはない」とも語り、さらに「汚染水の影響は福島原発の港湾内〇・三平方キロメートル内で完全にブロックされている」「必ず責任を完全に果たす」と言いきりました。

これは決定的でした。汚染水問題は、東電の責任から政府の責任になってしまったからです。対策費も東電ではなく私たちの血税が投入されることになったのです。
東電が計算ずくで動いていました。選挙だけではなく、その後の東京オリンピック招致会議も考えた上で、世界中の人々の不安の高まりを利用したのです。

安倍首相は東電の狙った通りに「必ず責任を完全に果たす」と世界に公言してしまいましたが、東電はこの効果を最大化するために、直後の9月9日に安倍発言の一部否定まで行ってみせました。
「(汚染水は)完全にブロックされているとは言い難い」と言ってのけたのです。嘘つきが嘘つきの発言を否定したわけです。
大嘘をついた安倍首相との対比を際立たせ、あたかも東電の方が正直であるかのように見せるとともに、首相を一層苦しい立場に追い込むことで、より政府が東電をかばい、汚染実態を隠さざるをえなくするためでした。


安倍首相発言を否定する東電の会見 The Huffington Post 20130909


政府のお金を引き出して壁を作ったが・・・

その後の対策はどうなったのでしょうか。私たちの税金を使って東電は海側に汚染水の流れを止める壁を作り、2015年10月26日に完成させました。
東電はこの段階で1日290トンだった汚染水の流出が10トンにまで減らせたと語りました。しかしそれは2013年夏からの2年間でも、およそ300トンもの汚染水が毎日、垂れ流しにされていたことを物語っています。


遮水壁は壊れた建屋を作った鹿島が受注 鹿島HPより

しかも流出量がかなり減ったはずの壁の閉合の少し前でも、放射性セシウムが1日当たり16億ベクレル、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質70億ベクレルが出続けたことが発表されています。
ようするに汚染水漏れはずっと止まっていないのです。しかし東電は漏れた量をきちんと発表せず実態を隠し続けています。

2014年7月8日の日経新聞の発表によれば、そもそもこの海側遮水壁の建設が地層を大きく乱したために、地下水の流れが変わり、より深部に向かって汚染水が移動した可能性が伝えられています。
日経はこう述べています。「実は、福島第1原発の地下構造や地下水の流れはほとんどわかっていない。建設時のデータなどをもとに想像しているにすぎないのだ。」・・・遮水壁の効果も疑念にさらされたままです。

また壁が閉合する前の測定でセシウムよりもストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が4倍以上も多かったのに、ストロンチウムの検査がほとんどなされていないことも大きな問題です。
水産物を主に測定しているのは水産庁ですが2017年度の検査でセシウムの値が測られた水産物が16929点だったことに対し、ストロンチウムは2011年4月から2019年2月まででわずか198点しか測られていません。

しかもこの間にも東電が、建屋の屋根に溜まった放射性物質が雨に流され、側溝から海に流れ出していたことを把握していながらも、一年間も放置していたことが明らかになりました。(2015年2月25日)
明らかになっているのは発覚したものだけ。実際にどれだけの汚染が繰り返されているか、想像を絶するものがあると言わねばなりません。


汚染水を東電が再び三度、無視していた 東京新聞20150225

にもかかわらず安倍首相がブエノスアイレスで大嘘をついて東京オリンピック開催権を手中にしてしまったがゆえに、政府も経産省も東電をかばい続けることになってしまったのです。
のちに安倍首相は森友問題で「私や妻が関わっていたら国会議員を辞める」と断言し、官僚たちが文章改ざんを強いられることになって、その末に赤木さんが自死されましたが、東電の方は安倍首相の大嘘をまんまと利用し続けています。


海を守るためもう意図的な放出を少しもさせてはいけないし、東電にこれ以上現場を任せていてはいけない!

東電の意向を踏まえていま政府は「トリチウム以外を規制値まで取り除いたものを海に放出する」ことを方針決定しようとしていますが、しかしここにも騙しのテクニックがあります。あたかもこれから初めて放射能汚染水を流すような口ぶりであることです。
しかしすでに東電は膨大な放射性物質を海に流してきたのです。またいまも流出が完全に止まっているわけではないのです。この点を追求しなければ。
そもそも原発サイトの地下構造や地下水の流れ、海への漏れ出し地点などには不明な点も多く、海側の壁で本当に10トンまでとどまっているのかどうかも相当にあやしいです。

これらから導かれる結論は以下です。
(1)さんざん海を汚してきた東電を厳重に罰しなければなりません。また当然にももうこれ以上の意図的な放出を認めてはなりません。海洋放出以外の方法はいくらでもあり真っ当な検討を進めるべきです。
(2)東電が隠してきた汚染実態を把握するため、セシウムと同じくらいのストロンチウム検査を行い、発表すべきです。トリチウムについてももっと厳しく検査すべきです。
(3)自社の損得ばかり考え、当初は汚染水問題をないものとしてきた東電=犯罪集団=原子力マフィアに代えて、もっとまともな廃炉プロジェクトを立ち上げるべきです。最低でも原子力市民委員会などによる市民側からの監査体制が必要です。

以上の点を訴え続けましょう!

#汚染水海洋放出反対 #海を汚すな #放射能を海に流すな #東京電力 #東京オリンピック

*****

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明日に向けて(1903)福島原発放射能汚染水の海洋放出反対!そもそも東京電力の犯罪を厳しく罰してから問題の処理を進めるべきだ(汚染水問題と東電の犯罪性―1)

2020年10月20日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201020 22:00)

福島原発からの放射能汚染水の海洋放出が問題になっていますが、この問題をきちんと把握するためには、福島原発事故以降の流れをきちんとおさえておくことが大事です。
この点についての論稿を2回にわたって掲載します。なおこの原稿は英訳して昨年11月、アメリカのニューメキシコ州で行われた核廃棄物問題サミット会議で講演させていただきました・・・。

福島からの放射能汚染水の海洋放出に反対します!

日本政府が福島原発で生じた放射性物質に汚染された水(以降、放射能汚染水と書きます)を海洋放出しようとしています。
10月27日も正式決定し、その後に準備を進めんとしています。実際の放出がすぐに行われるわけではありませんが、ともあれ放出を既定のこととさせてはなりません。


政府による海洋放出方針の最終調整を報じる朝日新聞

多くの方が放出に反対の声をあげています。昨夜もFoE Japanが行っている緊急署名を「明日に向けて」に転載させていただきましたが、たくさんの方に協力していただけました。どうもありがとうございました。

署名の期限が26日朝7時まで伸びたので再度、ご紹介しておきます。まだの方はぜひ!
フォーム1)https://pro.form-mailer.jp/fms/62f8c997208969
フォーム2)https://forms.gle/iFzGMWutM76PptTGA

さて、海洋放出に反対の理由はいくつも並べられますが、僕が反対する理由の筆頭にあげたいのは、すでに東電が福島サイトからものすごい量の放射能汚染水を海に注いでしまっているからです。これからではないのです。すでに膨大に行ってきたのです。
いつからなのか?福島原発事故直後からです。いつまでなのか。少なくとも2015年10月に「海側遮水壁」と呼ばれる地下水の海への流出を止める壁ができる前までは確実に何百トンも流れ込んでいました。

しかもその後もこの壁でどれだけ防げているのか、かなり疑わしい。また激しく汚染されている福島サイトに雨が降った時も、汚染水はなすすべなく海へ流れ出ています。
ようするに東電はすでにこれまでものすごい量の放射能汚染水を海に流してしまっているのです。だからもうほんの少しでも汚染を増やすことは認められないのです。


汚染水の海への漏れ出しを説明する毎日新聞の図 20130809


汚染水を海に流れるにまかせていた東電に厳罰を与えるのが先!

そもそも汚染水発生の理由はメルトダウンした核燃料を冷やすために水を投入してきたことで高濃度汚染水が生じたことにあります。
格納容器は壊れているのですぐに漏れだしてしまう。ここに福島サイトに山側から海側へ1日推定800トンの地下水が流れてきていて炉内で発生する汚染水と一緒になり、海へ出てしまったのです。

最も大切なポイントは、東電がこのことを知っていながら2年間も黙っていたことです。膨大な経費がかかるからですが犯罪そのものです!しかし問題は次々発覚しました。2011年4月2日に初めて「高濃度汚染水の流出を確認」と報道されました。
同年5月11日には3号機地下の側溝からセシウム134が「一立法センチメートル」あたり37000ベクレルもある汚染水が漏れたと報道されました。国の基準の62万倍でしたが「濃度」しか発表されず、総量は伝えられませんでした。

さらに年末12月4日に汚染水処理施設から45~220トンの汚染水が海に流れてしまったと発表されました。この3回の汚染を朝日新聞が試算し「少なくとも462兆ベクレルのストロンチウムが海に流れ込んでしまった」と発表しました。
これに対し東電自体は「4、5月に放射性ヨウ素とセシウムが4720兆ベクレル海に流れ込んでしまった」との推計を出しました。しかしこれらの数値は「最低でもこれだけの放射能が海に流れ込んだ」というもの。ほんの一部の推計にすぎません。


汚染水漏れを報じる毎日新聞 20111204

にもかかわらず東電は対策をネグレクトしてきました。民主党政権のもとで事故対策にあたった議員二人が著書で怒りを込めてこの点を暴露しています。(馬淵澄夫著『原発と政治のリアリズム』、空本誠喜著『汚染水との闘い』)。

例えば事故対策の過程で、地下水問題に気が付いた官邸チームがすぐに山側に壁を作り、地下水流入を防ごうとしたものの東電が抵抗し計画が見送られてしまったのだそうです。
この東電の、故意とすら言える海洋汚染の2年間にわたる放置に、まずは厳罰を与えることが必要です。それでなくてなんでまともな対策が進むでしょうか。


東電が当時の政権与党だった民主党と国民・住民を騙していたことが告発されている

選挙における自民党の圧勝後に東電が汚染水漏れを「告白」

さらに東電が事態を明らかにした過程を見ると、よりひどい事実が見えてきます。というのは東電が告発を始めたのは2013年7月21日の参院選における政権与党自民党の圧勝、民主党の惨敗の直後からだった点です。
東電はなんと選挙翌日の7月22日に、初めて膨大な放射能汚染水が海に漏れ出していることを「告白」したのでした。


選挙翌日に汚染水漏れを発表した東電 日経新聞 20120722

 
この過程を見ると、選挙前に東電が政府や自民党と交渉し、自分たちを訴追しないことや、国が対策費を出すことと引き換えに選挙後に発表する取引を行ったことが強く推測されます。事前に情報が出たら自民党が大敗しただろうからです。


選挙は自民党が大勝 読売新聞 2013年7月22日

東電はこの後に、重大発表を連発しだしました。8月2日には「1日400トンの放射能汚染水が海に流れ込んでいる」事実を発表しました。
空本氏は自著の中で事故以来の汚染水を「約800日間でセシウム137で約1~20兆ベクレル、ストロンチウム90で約7000億~10兆ベクレル、トリチウムで約20~40兆ベクレル」と試算していますが、東電は量については語りませんでした。

これに対して政府=安倍政権は2013年8月7日に対策への国の乗りだしを発表しました。しかしもし8月2日の東電発表でこの事実を知ったのなら、わずか5日間で対策に乗り出すことを表明できるはずがありません。
ここからも東電と政府が放射能汚染水対策を打ち合わせていたことがうかがえます。東電は自社の防衛にまんまと選挙=有権者も利用したのです。とくに不安を利用した。あまりにも悪賢い。悪質な犯罪者たちです。原子力マフィアそのものです。

続く

#汚染水海洋放出反対 #海を汚すな #放射能を海に流すな #東京電力

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明日に向けて(1902)福島原発からの放射能汚染水の海洋放出に反対する緊急署名にご協力を!11月16日朝7時まで

2020年10月19日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201019 23:30) (1105 14:00改訂)

緊急署名にご協力を

(この署名は締め切りが再再度延長され、11月16日朝7時まで受け付けています)

みなさま。日本政府が、福島原発から放射性物質を大量に含んだ汚染水の海洋放出を決めようとしています。
これに対して緊急の反対署名がFoE Japanの満田さんから呼び掛けられています。20日朝7時までに署名していただきたいとのことです!ともあれ転載しますので、ぜひご協力をお願いします!

*****

みなさま
FoE Japanの満田です。
たびたび失礼します。おかげさまで賛同は、短期間の間に1,700以上に達しました。ありがとうございます。
短時間の間にフォームにアクセスが集中したため、昨夜、4時間にわたりフォームにアクセスができない状態が続いていました。というわけで、もう一つフォームをつくりました。
フォーム1)https://pro.form-mailer.jp/fms/62f8c997208969
フォーム2)https://forms.gle/iFzGMWutM76PptTGA

締切ですが、本日の20時までとしましたが、26日の朝7時までに延長しました。 (注 その後、締め切りが再度延期され11月16日朝7時まで受け付けています)
たびたびのお願いで恐縮ですが、ぜひ関心のある方々に広めていただけますと幸いです。以下呼び掛け文です。



FoE JapanHPによる呼びかけから

海洋放出反対署名 呼びかけ文

漁業者の断固たる反対の声にもかかわらず、政府は今月中にも「海洋放出に一本化」という決定をしてしまう方向であると報じられています。
原子力市民委員会が提唱してきた、大型タンクによる長期安定的な保管、モルタル固化処分など、代替案が十分検討されたとは到底いえません。
処理汚染水に残留しているさまざまな放射性物質の総量についても未だ公開されていません。

もっとも問題なのは、合意形成の手続きです。
小委員会の報告書が出て以降、政府は、直接、一般市民を対象とした説明会や公聴会は行わず、政府側が選んだ「関係団体」から、きわめて形式的な聴き取りしか行っていない状況です。
そうした限定的な聴き取りの場からですら、漁業、農業、林業などの関係者から、強い反対の声があがっています。政府はそうした声を無視してしまうのでしょうか?

さらに、この意見聴取は、経済産業省が「関係団体」とした産業団体・自治体などしか呼ばれていないこと、意見表明を行った46名中45名が男性であり、男女間バランス、世代バランスの点でも問題があること、一般市民の声はほとんどきかれてい
ないこと、議論がまったく行われていないことなど、多くの問題点があります。

パブコメには4,000件以上の意見が集まりましたが、それらの意見も事後的に一方的な回答を付して発表するだけだと思われます。JNNが情報開示請求で「準備がととのった」として開示された406件の意見のおよそ7割は反対の意見でした。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4103808.html

これはもう、アリバイづくりの形だけの意見聴取としかいいようがありません。
こうした中での海洋放出決定にに抗議し、申し入れを行いたいと思います。
締切を10月26日朝7:00に延長しました。ご賛同の方は以下のフォームにご記入ください。(締め切りが再再度延長され、11月16日朝7時まで受け付けています)
フォーム1)https://pro.form-mailer.jp/fms/62f8c997208969
フォーム2)https://forms.gle/iFzGMWutM76PptTGA



FoE Japanによる世界海洋デーでのツイートから

 

申し入れ文

2020年10月20日
経済産業大臣 梶山 弘志 様

原発処理汚染水に関する要請

東京電力福島第一原発の処理汚染水について、について、今月中にも、政府が海に流すという決定をすることが報じられています。
現在、タンクにためられている処理汚染水の7割には、トリチウムのみならず、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物質が、総量として基準を上回って残留しています。
東電は「二次処理する」と言っていますが、その総量はいまだ公表されていません。

海に流す以外の代替案として、技術者や研究者のグループから「大型タンクによる長期安定保管」や「モルタル固化処分」といった提案がなされましたが、これらについて十分に検討されないままです。

福島県では59市町村のうち41市町村議会が、海洋放出へ反対もしくは慎重な意見書や決議を可決しました。また、経産省が行ったパブリック・コメントには4,000件を超える意見が寄せられていますが、現在まで開示請求により公開されているも
ののうち7割が放出に反対する意見です。福島県内の団体が呼びかけて経産省に提出された海洋放出に対する反対署名は42万人を超えていいます。原発被災地から、汚染水の海洋放出に異議をとなえる声が幅広く示されているにもかかわらず
、無視されている状況です。

政府はこれまで汚染処理水の処分について、一応、意見を聞く場を設けてきました。2018年の説明公聴会の際、意見表明した44人中42人が、海洋放出に反対しました。
また、今年になってから経済産業省は、7回もの「御意見を伺う場」を開催し、この場で、福島県の漁業、林業、農業関係の団体、全漁連などの代表が、明確に海洋放出に反対しました。政府はこうした声に耳を傾けるべきではないでしょうか。

ところで、この「御意見を伺う場」には、経済産業省が「関係団体」とした産業団体・自治体などしか呼ばれておらず、意見表明を行った46名中45名が男性であり、ジェンダーバランス、世代バランスの点でも問題があること、一般市民の声はほとんど
きかれていないこと、議論がまったく行われていないことなど、多くの問題点があります。
私たちは、次世代に引き継ぐべき環境に強い関心をもつ、現世代を生きる一人の人間としての立場から、汚染水を海洋に放出することに反対します。放射性物質は集中管理をすることが原則です。拡散させてはなりません。
また、上記のような意思決定のあり方についても現在の政府の形式的なやり方に関して強い憤りを感じています。

私たちは、政府に対して、本件に関して関心を有し、幅広い立場の市民が意見を言うことができる公聴会を開催すること、海洋放出以外の代替案についても提案者が公開の場で説明し、開かれた議論が行われること、こういった意見や議論を反映
した上での意思決定を行うことを求めます。

満田夏花(みつた・かんな)
携帯:090-6142-1807
国際環境NGO FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
TEL: 03-6909-5983  / FAX: 03-6909-5986

#汚染水海洋放出反対 #海を汚すな #放射能を海に流すな

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明日に向けて(1901)にょきにょきプロジェクトのホームページをリニューアルしました!ぜひアクセスを。放射線被曝の危険性をきちっと学びましょう!

2020年10月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20201016 23:30)

~今回で「明日に向けて」は連載1900回を超えました。これまでもお伝えしてきたようにここでブログ・ホームぺージのバージョンアップを行います。詳しくは次号以降にお知らせします~

にょきにょきプロジェクトのホームページをようやくリニューアル!

これまで何度もお知らせしてきた『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』、リリース時にホームページを作りましたが、7月にリニューアルのために閉じてからなかなか再開できずにきました。
このたびようやく作業を終えて再度の公開ができるようになりました。ともあれページをご覧下さい!
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

このBOOKは文科省の『放射線副読本』を読んだ後の、もやもやした、いや~な感じを「すっきりさせよう」という取り組みから生まれたもの。
素朴な疑問から出発して、放射線被曝の危険性の一番大事なところをきちんと把握できるように作りました。
すでにたくさんの方にダウンロードしていただき、各地で「読む会」も行っていただいていますが、それにあわせて解説動画も充実させています。


半減期解説動画を作りました!

とくに今回のリニューアルにあわせて「半減期」に対する解説の動画を4本も作りました。
この動画を紹介したビデオも作りました!ご覧ください。

半減期解説動画紹介ビデオ
https://youtu.be/uQE1lu9_ygI

これまでクラウドファンディング形式でご援助いただけた方は、これまでの解説動画ページにいっていただければすぐに観られます。
そうでない方はあらたにクラファンにご協力いただくか、動画4本だけをご購入することでご覧になることができます。お勧めです!


『すっきり読み解きBOOK』を読む会にもご参加を!

リアルにBOOKを読みながらみんなで考える会も各地で開催中です。
直近では明日17日午後6時半から、在英日本人を中心に世界各地からの参加者と行います。
残念ながらもう受付が締め切られているのですが、同じように世界とつなぐ読み会を今後も開きますので、ぜひご参加下さい。

18日午後2時からは長岡京市で開催されます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
明日に向けて(1898)長岡京市で『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会が行われます!講師で参加します。(18日日曜日)
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/d9ba0dfa549ef91e773133b56f6ce1cd


https://www.facebook.com/events/322969102121133/

BOOKを活用して放射線の本当の怖さをしっかりつかみとり、命・身体・幸せを守っていきましょう!

#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #放射線防護 #にょきにょきプロジェクト
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