明日に向けて(306)に続いて、荒木田さんの文章へのコメントを掲載
させていただきます。同時に、私たちの行っている除染活動へのコメ
ントも掲載します。
一つ一つにコメントを返せなくて申し訳ないですが、栃木県北部で
非常に高い線量の中にいながら、食べていくために移動できないとい
うセキノヨシヒサさんの痛み、みなさんでシェアしていきたいです。
またそうした現状を変えるために、こおりやまで行われてきた「ふく
しま集団疎開裁判」を担っている方からの無念のご報告もあります。
これも、どうかお読みください。
一方で「風来坊」さんの「怒り」というコメントについて、ここに
掲載するかどうか悩みました。
「荒木田さんに心無い暴言を吐いてくる連中の顔面を、本当に思いっ
きり殴りつけてやりたい。放射能の危険について話すことをあたかも
悪いことのような「空気」を醸成して、知識のある人々を黙らせよう
とする者たちも、地獄の底へ蹴り落としてやりたい。本当に死んでし
まえばいいとさえ思います。」
という文章があるからです。ここでの風来坊さんの怒りはとてもよく
分かるし、僕の呼びかけに応えて、荒木田さんを守ろうとして出して
下さった言葉でもあるので、その点はありがたいと思っています。
またセキノさんの痛みや、こおりやまでの裁判のことを思う時、僕の
中でも怒りはどんどん高まるばかりです。
だからやはり掲載しようと思ったのですが、それでも、やはり、「地獄
の底へ蹴り落としてやりたい、本当に死んでしまえばいいとさえ思う」
のは、僕には何か悲しいと思えるし、何かを言わずにはおれない気が
しました。
理由は二つあります。
一つに、「放射能の危険について話すことをあたかも悪いことのような
空気を醸成して」いる人たちも、大きくは三つに分かれると思うのです。
一つは政府サイドに立って、意図的にこうした言説をあおっている人た
ちで、こうした人たちにはただただ腹が立ちますが、もう一つは、政府
の言説を信じ込んでしまって、本当に、放射能については危険が少なく、
危機を強調することの方がよくないと思っている人たちもいます。さら
には心の中ではかなり不安を持っているけれども、それを打ち消したく
て、そうた話を聞きたくないと思っている人たちもいる。
この二つ目、三つ目の間にいる方もたくさんおられると思うのですが、
そうした方たちに対しては、ねばり強い説得を続けていきたいと思うの
です。そして一緒になって放射線防護のために努力を重ねたい。
さらにもう一つ。確かに怒りはとても大切なことで、人々を「地獄の苦
しみ」に追いやっている政府や東電を許してはいけないと思います。
その点で、私たちの国の民は、もっと怒りの声を高めないといけないと
思う。
しかし僕はそこから「報復」の感情に自分たちが入ってしまうことを
戒めたいと思うのです。それは己を焼き尽くす業火になると思えるから
です。憎しみは私たちの心を狭くしてしまう。
違った表現で言えば、私たちは公共的な憤慨を持ち続け、まっとうな
社会的正義の実現を目指し続ける必要があります。しかしそれが私的
憤慨、私憤になることを戒めないといけないと思うのです。
その意味で、理不尽なことをする人に対しての抵抗、反撃は、それ自身が
人間的な愛情に裏打ちされたもの、公共的憤慨に裏打ちされたものである
必要がある。なんというか、ダーティープレーに対して、フェアプレーで
対応するというか、そういう心構えが大切だと思えるのです。
巨悪に対しても同じだと思います。人間は何かに抵抗するときに、しば
しば抵抗している相手のやっていることをコピーしてしまう側面がある。
同じことをやりかえしてしまう。しかしそれでは、どこかで相手のして
いることを認めることになってしまいます。だから人間的な悪意とたたかう
ときには、その悪意が私たちの心の中に侵入し、私たち自身を変えてしまう
ことともたたかわなければいけないと思うのです。
なので、人々を地獄に落とした犯人を捕まえたときですら、その人を地獄
に落とすのはやめたいと僕は思います。なぜならそれでは、人を地獄に
落としたその犯人の価値観を認めてしまうことになるからです。
風来坊さん、せっかくいただいたコメントに批判的なことを書いてしまい
すみません。北関東の高濃度汚染地域での生活はさぞ苦しいものだと思い
ます。海外への移住もいろいろとリスクがあって大変だと思いますが、
どうかすべてが順調に行くことをお祈りしています。
以下、みなさんのコメントをご紹介します。
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荒木田さんへ
共感!Danke! (ヘルブラウ)
2011-10-29 06:35:39
ドイツのハンブルクよりブログ発信しているものです。
荒木田さんの記事、多くの人に読んで欲しいので転載させていただき
ましたので不悪ご了承ください。
これからも未来に少しでも悔いが少なくなるように努められている方々
の応援をしていきたいと心新たにおもっています。
同感です。 (サトウアユミ)
2011-10-30 00:08:52
福島県の隣県、宮城県に住んでいます。被災地でもあり、放射能という
言葉を口にした者への批判の現状よく解ります。なぜなのでしょう。
なぜ子供達が犠牲にならなければならないのでしょう。この汚染の現実
を受け止め、なぜ国民は国へ、東電へ批判の矛先を向けないのでしょう。
荒木田さんのような方々の行動が世界を変える一歩になると信じています。
実感です! (セキノ ヨシヒサ)
2011-10-30 20:07:43
この中で福島が、ということなのですが私の住んでいる栃木県北部も非常
に高い放射能値です。また茨城など周辺近県でも同じくでしょう。我が家
も除染を何度か試みるもたちまち元の木阿弥。家の中で毎時0.6μS/Hの
世界に暮らしていると、気が変になりそうです。でも、食べていかなきゃ
ならないのです、避難したらどうやって食べていくのか、いけるのか?
毎日地獄のようです。
怒り (風来坊)
2011-10-31 04:06:42
荒木田さんは本当に聖人のような方です。危険な除染作業に自ら従事すると
いう勇気が私にはありません。荒木田さんに心無い暴言を吐いてくる連中の
顔面を、本当に思いっきり殴りつけてやりたい。放射能の危険について話す
ことをあたかも悪いことのような「空気」を醸成して、知識のある人々を
黙らせようとする者たちも、地獄の底へ蹴り落としてやりたい。本当に死ん
でしまえばいいとさえ思います。どうして多くの日本人は、非常事態時に
意志と論理と知性を総動員することができないのか?私も北関東の高濃度
汚染地域に住んでいますが、海外移住を考えています。放射能の危険もその
理由ですが、それよりも「日本人的なるもの」から解放されたいという欲求
が強いのです。
ふくしま集団疎開裁判 (yuima21c)
2011-10-30 17:59:00
郡山市の住民です。ふくしま集団疎開裁判にかかわる者として、一筆書かせ
ていただきます。
この裁判で債務者(被告・郡山市)側は、10月7日に提出した最終書面で、
小中学生の疎開を認めない理由として、①郡山市は除染に努力しており、
空中線量は低下傾向にある、②憲法などに定める生存権などは単なる抽象規
定である、③事故の責任は東京電力であり、郡山市にはない、④郡山市は
自主避難を妨げるものではなく、転居や転校は自由にできる、といった4点を
あげました。
債権者(原告・14人の小中学生)側の理と誠意を尽くした主張にはまともに
反論をせず、このような粗雑な論理で責任逃れを図る行政の姿勢には、怒り
を通りこして、悲しみ…否、絶望すらも感じます。おおかた弁護士の作文な
のでしょうが、憲法の規定さえも抽象論で片付けるのには開いた口もふさが
りません。
「絶望」と書きましたが、日々の実践の中に、かすかな希望の光を求めなけ
れば、生きてはいけない…そのように考えています。
最後に私事を書かせていただければ、わたしの孫たちは福島原発曝心地から
約115km、喜多方市山都町に居住しています。3月11日以来、孫たちを郡山に
招くわけにはいかなくなりました。これが、わたしの悲しみであり、怒りの
原点です。
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除染活動についての感想
読んで (たいが)
2011-10-23 23:29:04
大変だとは思っているんですが、本当に深刻ですよね。なんか僕も被災地の
為にやらないと、何かしたいな、とは思っているんですが…なかなか一歩を
踏み出せずにいます。日々の生活もキツいんですが、自分よりもっとキツい
人の為に自分が助けなきゃ、うん(_ _)
御山地区には (minet)
2011-10-24 19:11:14
小学生を抱えた友人がいます。
あの付近の線量の高さに衝撃を受けました。
防御対策も無しで日常を送っているとのことですが あきらめ、あるいは馴化
が進行しているのではないかと危惧しています。
言い換えれば、無理に正常性バイアスを持たなければ生活出来ない、といった
ところでしょうか。
心が痛みます。
お疲れさまでした (くさ太郎)
2011-10-27 01:42:01
除染と言うのが、どれほど難しく、困難であるかが伝わってきます
自力で移動できない子供が住んでいる
大人の都合で、用意すれば出来るのに、汚染された物を食べている子供が
いる・・・
毎日、心が痛みます
今週末からは座り込みに参加する予定です
少しでも、無関心な大人の意識が高まりますように。
除染行動に賛同します。 (中島)
2011-10-27 19:49:39
除染というあらたな試みに挑戦されることに、共感し賛同します。実際にめ
ざましい効果があるかどうかとは別に、そのような運動が発信するデータや
人のつながりが成果だと思います。
私は、労働組合で活動しておりそれで手一杯ですが、組合活動の現場でも、
被曝労働相談をどうするか、行政交渉にどのような内容を盛り込むか、など
これまでの組合運動の脱原発運動への取り組みの甘さを自己批判しつつ、
今回のまったなしの課題を考えようとしています。
無理せず、着実にがんばっていきましょう。
除染、本当にお疲れさまです (nini)
2011-10-28 02:11:15
都内在住です。1歳の私の息子が通う保育園でも、親たちのボランティアで
除染活動をしました。夫が行ってくれましたが、園庭を除染するだけでも相当
な作業だったようです。
福島を考えると気が遠くなりそうです。
守田さま、みなさまの志の高さにただただあたたかい気持ちになります。私も
できることをしていきたいです。
除染について (匿名を希望します)
2011-10-29 22:09:14
除染に関しての記事を拝見し胸が張り裂けそうな気持ちになりました.
政府や自治体の対応に関わる報道は「どの程度までの汚染地域を除染するか」
ということ程度しか私の耳には入っていませんでした.記事から、ひとまず
年間の空間線量を1mSV(つまり毎時0.1μSV程度)に抑える努力が如何に困難か
を知りました.前途が多難であることは承知の上で、トライ・エラーの中から
適切な方法を模索する皆様の労苦に頭がさがります.また、この様な具体的
な取り組みを周知することをは、空間的に隔たった方々の智慧も結集する上
でもとても大切なことだと思います.
私は神奈川に暮らしています.付近の線量そのものは少ないですが、幼子が
二人おりますので、地震の発生当初に断続的に続いた余震、原発の混乱、
そして、食べ物や飲み水の汚染のこと等を気にせざるを得ず、この様な意味
では、首都圏に暮らしていても被災者であるとも感じています.また、震災
当初は子供達の寝顔をみる度に、何故この様な大変な時代に生を受けてし
まったのだろうかと悲しい気持ちになりました。しかし、子供達、しいては
日本の未来を再興するのは私たちの努力によるしか無いと感じます。震災後
3ヶ月程だってからようやくその様に考えられる様になってきました.しかし
結局、今夏は節電程度しかできず、余震も収束したかに見える時期に宮古の
復旧作業にボランティアとして参加をするだけにとどまりました.
程度の差こそあれ、私たちも今なお大変不安な生活をおくっていますから
被災地の方々と思いをともにしています.
私はもう40歳をすぎていますので、様々な事態が収束し、新しい世の中が
現れるまで、おそらくその余生のすべてが必要になるであろうとも感じて
います。長丁場の中で今しかできないこと や 日常的かつ恒常的に取り組
むべきこと等、沢山の為すべき事、自分が手伝える事があると思います。
今は動きが悪くて大変申し訳なく、だがしかし、すこしでも望ましい未来の
為に私もがんばらないと と 感じています。その為にも情報が必要です。
お忙しいと思いますが、これからも除染の進捗や創意工夫等、原発関連の
情報をご紹介ください。
こうした記事に投稿することもはじめてで、長文かつ乱筆ですが書かずに
いられませんでした。読みにくい部分があればご容赦ください。