守田です。(20110831 18:30)
ショッキングなニュースが入ってきました。福島第一原発で作業
していた40代の男性が、急性白血病で亡くなってしまったという
のです。男性は8月上旬に約1週間、「休憩所でドアの開閉や放射
線管理に携わっていた」そうです。
東電は、この男性の被曝量を外部被曝0.5ミリシーベルト、内部被
曝量ゼロとし、福島の作業との因果関係はないとしています。し
かし男性は、事前の健康診断で、白血球数の異常は認められなかっ
た。つまりその後に急性白血病になっているわけです。
どう考えても、作業現場での被曝が疑われる。しかも男性が働いて
いた時期は、現場で1号機付近の排気筒から10シーベルトというとん
でもない値が計測されたときとちょうど重なっています。翌日には
建屋でも5シーベルト超が計測されている。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/30c723ee0f6ca5084bb98674d01f98e3
本当はもっと高い線量の放射線を浴びたのではないか。外部被曝に
ついては、これまでも作業現場でたびたび線量計を外してしまって
いることが報告されています。もちろん東電の杜撰な管理の元でで
す。それで一瞬に高線量を浴び、急性症状が起きたのではないか。
また内部被曝については、そもそもホールボディカウンターで測れ
るのは、外部に出てくるγ線だけであり、α線やβ線は細胞内部で
止まってしまうので測ることができません。尿などから推論はでき
ますが、ともあれこの「ゼロ」は全く信用できません。
考えられるのは、プルトニウムなどα線を出す放射性核種を吸い込
んだ可能性です。原発のそばではこれらの物質がかなり残っている
可能性があります。そしてそうであるとすると、こうした被害は他
の作業員の方にも及んでいるのではないか・・・。
さらに懸念されるのは、「同原発の作業に従事する以前の職歴につ
いては分かっていないが、東電は「これ以上調査する予定はない」
としている」と報道されている点です。なぜでしょうか。調査によっ
ては、福島の作業ではないことが明確になるかもしれないのにです。
むしろ原因が分かっているからではないか。だから調査を打ち切る。
これ以上、「まずいもの」が出てこないようにです。そしてそれは
原子炉がメルトダウンしていたことも、ベントでもの凄い量の放射
能を出したことなども黙っていた東電の常とう手段なのではないか。
このままでは亡くなった方の遺族は何らの補償も受けられません。
また緊急になすべき周りの作業員への健康調査や治療も行われない。
さらにこうした危険性が隠されたままでの、現場労働への募集が行
われ続ける。極めてゆゆしき事態です。
同時にあらためてこの記事から押さえておかなければならないこと
は、こうした現場での被曝の労災認定の条件が、年間5ミリシーベル
トの被曝とされていることです。少なくとも労災では、5ミリシーベ
ルトを浴びれば白血病などの可能性ありとしているのです。
にもかかわらず、この国は、子どもたちを含めて20ミリシーベルト
まで浴びても大丈夫だ、いや本当は100ミリまでは大丈夫で、20ミリ
はかなり安全な数値だなどと語ってきました。その点のあまりの
矛盾もここに顔を出しています。
亡くなられた方のご冥福を祈るばかりです。8月の初めまでは元気
だった方です。この問題をこのまま終わらせず、あらためて現場
作業についてウォッチを強め、現場で働く人々を守っていかなければ
ならないと思います。
****************************
急性白血病:福島第1原発作業員が死亡 東電が発表
毎日新聞 2011年8月30日 13時00分(最終更新 8月30日 16時21分)
東京電力は30日、福島第1原発で作業に携わっていた40代の
男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が
0.5ミリシーベルト、内部被ばく量は0ミリシーベルトで、松本
純一原子力・立地本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との
因果関係はない」と説明した。
東電によると、男性は関連会社の作業員で8月上旬に約1週間、
休憩所でドアの開閉や放射線管理に携わった。体調を崩して医師の
診察を受け急性白血病と診断され、入院先で亡くなったという。
東電は16日に元請け企業から報告を受けた。事前の健康診断で
白血球数の異常はなく、今回以外の原発での作業歴は不明という。
【林田七恵】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110830k0000e040075000c.html
***
急性白血病で作業員死亡 福島第1原発に従事 「作業との因果関係なし」
共同通信 2011/08/30 14:14
東京電力は30日、福島第1原発の復旧作業に当たっていた40代
の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。この作業員の被ば
く線量は0・5ミリシーベルトで、東電は「医師の診断によると作業
と死亡の因果関係はない」と説明している。
東電によると、男性は8月上旬から1週間、放射線管理などの業務
に従事。体調不良を訴え診察を受けたが、その後死亡した。内部被ば
くはゼロだった。就労前の健康診断では問題がなかったという。16
日に元請け企業から東電に連絡があった。
東電によると、急性白血病に関する厚生労働省の労災認定基準は年間
5ミリシーベルト以上の被ばく、1年間の潜伏期間などがある。この
男性の福島第1原発での作業は、基準に達しないという。
同原発の作業に従事する以前の職歴については分かっていないが、
東電は「これ以上調査する予定はない」としている。
http://www.47news.jp/47topics/e/219372.php
ショッキングなニュースが入ってきました。福島第一原発で作業
していた40代の男性が、急性白血病で亡くなってしまったという
のです。男性は8月上旬に約1週間、「休憩所でドアの開閉や放射
線管理に携わっていた」そうです。
東電は、この男性の被曝量を外部被曝0.5ミリシーベルト、内部被
曝量ゼロとし、福島の作業との因果関係はないとしています。し
かし男性は、事前の健康診断で、白血球数の異常は認められなかっ
た。つまりその後に急性白血病になっているわけです。
どう考えても、作業現場での被曝が疑われる。しかも男性が働いて
いた時期は、現場で1号機付近の排気筒から10シーベルトというとん
でもない値が計測されたときとちょうど重なっています。翌日には
建屋でも5シーベルト超が計測されている。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/30c723ee0f6ca5084bb98674d01f98e3
本当はもっと高い線量の放射線を浴びたのではないか。外部被曝に
ついては、これまでも作業現場でたびたび線量計を外してしまって
いることが報告されています。もちろん東電の杜撰な管理の元でで
す。それで一瞬に高線量を浴び、急性症状が起きたのではないか。
また内部被曝については、そもそもホールボディカウンターで測れ
るのは、外部に出てくるγ線だけであり、α線やβ線は細胞内部で
止まってしまうので測ることができません。尿などから推論はでき
ますが、ともあれこの「ゼロ」は全く信用できません。
考えられるのは、プルトニウムなどα線を出す放射性核種を吸い込
んだ可能性です。原発のそばではこれらの物質がかなり残っている
可能性があります。そしてそうであるとすると、こうした被害は他
の作業員の方にも及んでいるのではないか・・・。
さらに懸念されるのは、「同原発の作業に従事する以前の職歴につ
いては分かっていないが、東電は「これ以上調査する予定はない」
としている」と報道されている点です。なぜでしょうか。調査によっ
ては、福島の作業ではないことが明確になるかもしれないのにです。
むしろ原因が分かっているからではないか。だから調査を打ち切る。
これ以上、「まずいもの」が出てこないようにです。そしてそれは
原子炉がメルトダウンしていたことも、ベントでもの凄い量の放射
能を出したことなども黙っていた東電の常とう手段なのではないか。
このままでは亡くなった方の遺族は何らの補償も受けられません。
また緊急になすべき周りの作業員への健康調査や治療も行われない。
さらにこうした危険性が隠されたままでの、現場労働への募集が行
われ続ける。極めてゆゆしき事態です。
同時にあらためてこの記事から押さえておかなければならないこと
は、こうした現場での被曝の労災認定の条件が、年間5ミリシーベル
トの被曝とされていることです。少なくとも労災では、5ミリシーベ
ルトを浴びれば白血病などの可能性ありとしているのです。
にもかかわらず、この国は、子どもたちを含めて20ミリシーベルト
まで浴びても大丈夫だ、いや本当は100ミリまでは大丈夫で、20ミリ
はかなり安全な数値だなどと語ってきました。その点のあまりの
矛盾もここに顔を出しています。
亡くなられた方のご冥福を祈るばかりです。8月の初めまでは元気
だった方です。この問題をこのまま終わらせず、あらためて現場
作業についてウォッチを強め、現場で働く人々を守っていかなければ
ならないと思います。
****************************
急性白血病:福島第1原発作業員が死亡 東電が発表
毎日新聞 2011年8月30日 13時00分(最終更新 8月30日 16時21分)
東京電力は30日、福島第1原発で作業に携わっていた40代の
男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が
0.5ミリシーベルト、内部被ばく量は0ミリシーベルトで、松本
純一原子力・立地本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との
因果関係はない」と説明した。
東電によると、男性は関連会社の作業員で8月上旬に約1週間、
休憩所でドアの開閉や放射線管理に携わった。体調を崩して医師の
診察を受け急性白血病と診断され、入院先で亡くなったという。
東電は16日に元請け企業から報告を受けた。事前の健康診断で
白血球数の異常はなく、今回以外の原発での作業歴は不明という。
【林田七恵】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110830k0000e040075000c.html
***
急性白血病で作業員死亡 福島第1原発に従事 「作業との因果関係なし」
共同通信 2011/08/30 14:14
東京電力は30日、福島第1原発の復旧作業に当たっていた40代
の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。この作業員の被ば
く線量は0・5ミリシーベルトで、東電は「医師の診断によると作業
と死亡の因果関係はない」と説明している。
東電によると、男性は8月上旬から1週間、放射線管理などの業務
に従事。体調不良を訴え診察を受けたが、その後死亡した。内部被ば
くはゼロだった。就労前の健康診断では問題がなかったという。16
日に元請け企業から東電に連絡があった。
東電によると、急性白血病に関する厚生労働省の労災認定基準は年間
5ミリシーベルト以上の被ばく、1年間の潜伏期間などがある。この
男性の福島第1原発での作業は、基準に達しないという。
同原発の作業に従事する以前の職歴については分かっていないが、
東電は「これ以上調査する予定はない」としている。
http://www.47news.jp/47topics/e/219372.php