明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(837)ベラルーシ・ドイツ・トルコを訪れて(2)・・・奈良測定所講演録から

2014年04月27日 08時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140427 08:30)

3月30日に奈良市民放射能測定所の開設1周年記念企画でお話した内容の起こしの9回目です。今回はベラルーシ訪問の続きです。
ちなみに昨日は、チェルノブイリ原発事故が起こってから28年目の日でした。28年経ってウクライナは今、ご存知のように内戦が起こりかねない状況の中にあります。
ウクライナの新政権、およびそれを支持する人々はウクライナのEUへの参加を求めています。一方、ロシアを支持する人々はこの動きに反対し、むしろロシアへの帰属の強化を求めています。
ウクライナと国境を接し、東西対立のときは東側に属していた隣国のルーマニアがEUに参加したのは2007年。続々と元東側の国々が元西側に変わっていくことに、旧ソ連圏側の焦りがあるとも伝えられています。

こうした対立の激化に対して私たちはどうしたらいいのか。ウクライナの人々に直接できることはあまり多くないかもしれない。
しかしEU側対ロシア側という形での対立が深まることを憂い、あくまで武器を使った争いではなくウクライナの人々の対話の中であらなた進路が決まるように願っていくこと。そのためにできることを模索することが必要だと思います。
そのために私たちは、これらの国が置かれてきた歴史的社会的背景を理解する必要があります。解決の道は歴史の中に存在しているだろうからです。

そのような観点から見たとき、私たちにとってとても大事なことはベラルーシやウクライナも、旧ソ連邦の解体の矛盾の中に置かれていることです。
社会主義から、私たちが享受しているような社会保障制度なども作られてきた資本主義へではなく、弱肉強食の市場原理のみが支配する資本主義へと移行したのです。
そこではそれまでの国有財産のもぎ取り合戦が起こっている。それが大きく社会を歪めています。

やはり矛盾の多くはこの弱肉強食の社会体制にあるのではないか。新自由主義的な市場原理主義の蔓延こそが、さまざまな対立をもっとも深く規定しているのではないかと思えます。
日本も今、労働者の権利のさまざまな削減などによって、この過酷な弱肉強食の世界に転落しつつありますが、各国の現場でそれを食い止め、社会の暖かさを守っていくことが世界の平和と安定に寄与する一番の道です。
軍備の強化で自国の安全を守るのだとうそぶく人々は、この弱肉強食のあり方こそが世界を不安定化し、軍事的対立をも引き起こしていることを見ていません。
いやそんなことにはおかまいもなく、「弱肉」の側に置かれた人々の痛みなどまったく介さない冷酷な人々こそが、どこでも軍備強化を主張しているのです。おのが権益を守るためです。

今、私たちに問われているのは、そんな血も涙もない社会を生み出そうとするごく一部の世界的な金持ちたちに抗うことであり、そのための民衆的なネットワークを築いていくことだと僕は思います。
今回の報告からはそんなことをつかんでいただければ幸いです。

なおこの講演録は、奈良市民放射能測定所のブログにも掲載されています。前半後半10回ずつ分割し、読みやすく工夫して一括掲載してくださっています。
作業をしてくださった方の適切で温かいコメント載っています。ぜひこちらもご覧下さい。

守田敏也さん帰国後初講演録(奈良市民放射能測定所ブログより)
http://naracrms.wordpress.com/2014/04/08/%e3%81%8a%e5%be%85%e3%81%9f%e3%81%9b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81%e5%ae%88%e7%94%b0%e6%95%8f%e4%b9%9f%e3%81%95%e3%82%93%e5%b8%b0%e5%9b%bd%e5%be%8c%e5%88%9d%e8%ac%9b%e6%bc%94%e3%81%ae/

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 「原発事故から3年  広がる放射能被害と市民測定所の役割  チェルノブイリとフクシマをむすんで」
(奈良市民放射能測定所講演録 2014年3月30日―その8)

 Ⅲ ベラルーシ・ドイツ・トルコを訪れて(2)

 【ミンスクの病院と孤児院】
ベラルーシの病院の医師たちのことを先にお話しましたが、病院見学はミンスクでの会議の翌日に行われました。参加者一行と研究施設や病院を訪問したのです。

初めに訪れたのは、街の中にある放射線の研究施設です。「ベルラド研究所」という名前で、いろいろと説明を受けました。ここの施設は、放射性のセシウムの体内からの排出を促進するといわれているペクチンを作って、商品化しているとも言っていました。
有名な研究所だそうで、いろいろな日本人も訪れている様子がありました。訪問者がおいていった著書が並べてあることから分かりました。
部屋の中にはホールボディーカウンターが置いてあって、座ってすぐに計測できるのですが、正直なところ、計測体制がかなりいい加減に思えました。
ホールボディーカウンターの計測では、自然界からの放射線の影響をカットするために、鉛などによる遮蔽板の設置が必要なのですが、何の遮蔽もしていない。椅子に座ってほんの1分くらい経つともうそれで計測されたというのです。これではかなり高い値のセシウムが体内にないと、不検出にされてしまいます。

続いて病院を訪れました。小児白血病の子どもたちなどのための施設です。凄かったです。こどもに対する愛が行き届いているのですね。
今回同行させていただいた「関西医療問題研究会」方たちは小児科の医師が多いので、「うらやましいなあ」「こどもに対してここまでやっているのだなあ」とひたすら感心しておられました。
病院の中を、ぐるぐると一回りしました。いろいろな研究室を訪れ、さらに患児がいる部屋も見せてくれました。隔離病室なのですがガラス張りになっていて外からも中からも見えるのです。何度か子どもたちと手を振りあいました。
みんな白血病と闘病中の子どもたちで、頭の毛が抜けている子が多かったです。病になったのは不幸ですが、しかししっかりとした設備で看護されているのが分かりました。かなりお金が投入されているのだと思いますが、国家予算の他、ヨーロッパの国々からの支援が手厚く行われており、この体制が維持されていると聞きました。

びっくりしたことに、病院の周りの敷地内に家がたくさん建っているのです。何なのかと言うと、小児白血病になった子どもと付き添いの親が、地方の村から出てきて、ここに一緒に住めるのです。
住みながら1ヶ月間とか長い時間をかけて診察を受けて、手術をするとか長期入院をするとか治療方針を決めていくのだそうです。その経費がすべて無料なのですよ。無償提供されているのです。
実際に病院を出て、家々が立ち並ぶ場にも行きました。瀟洒な、素敵な家が立ち並んでいました。日本の感覚では割と大きな家に、一つか二つの家族が入ると言ってました。

その家並の中を歩いていたら、小さな子どもたちが駆け寄ってくるのですね。その子どもたちは病気の子どもたちではなくて、実はこの家々の中に孤児院もあり、そこの子どもたちなのだそうです。孤児たちを集め、仮のお母さんをおいて、そこで育てられている。
子どもたちは少しだけれど英語を話すのですよ。「カモーン、フレンズ」とか言って寄ってくるのです。その子たちに引っ張られていって家の中も見学させてもらいました。
高松先生たちと次のように話しました。「この現実はどうとらえたらいいのでしょうかね。すごく社会主義的ですね。ぜんぶ無料保証されていて」などなどと。

ところが非常に印象に残ったのは、孤児たちの家に行ったときに、通訳(ロシア語―英語)のベラルーシ人の女性がなんだか暗い顔をしてるのです。何故なのかと思って家を出てから聞いてみました。そうしたら次のように言うのです。
「あの子たち、みんな可愛いでしょう?でもあの子たちはここを出たら必ず刑務所に行ってしまうのです」と。「どうしてですか?」と聞いたら「あの子たちは間違いなくドラッグ中毒かアルコール依存症にはまります。それがあの子たちの運命なのです」と言うのです。
なぜなのかというと、ひとつはここにいる子どもたちの家族自身が、アルコールやドラックに犯されてしまい、DVなどで崩壊してしまっているということです。
そのために親と一緒に住めなくなって、引き取られてきている子どもが多いのだそうです。そういう子どもたちは高い確率で、自らもアルコールやドラックにはまってしまいやすい。

でもそれだけではなくて、そもそもベラルーシにはドラッグが蔓延しているのだといいます。こどもが12歳ぐらいになると麻薬売りが近づいてくるのだそうです。
通訳の女性も、「近づいてくるドラッグを拒絶しながら育ってきた」と語っていました。それがベラルーシの社会なのです。
だからせっかくここで温かく育てられても、多くのこどもたちが社会に出て行くと、ドラック中毒やアルコール依存症になって、20代で何か事件を起こし、刑務所に入ってしまうことが多いのだと言うのです。

 
【ベラルーシという国の姿】
こういう話を聞くと、僕も周りの方たちも、ベラルーシという国をどうとらえたらいいのか分からなくなってきました。
一方で小児白血病は明らかに多いのです。しかしそれが原発のせいだとは言わない。言わないけれどもかなりの国家予算を投じて、なおかつ外国からの大きな援助があって、少なくとも一緒に行った小児科のドクターたちが、「これはかなりしっかりやっているなあ」と思うような医療体制がある。
しかし世の中にはドラッグやアルコールが蔓延していて若者が中毒や依存症になりやすい。わずか数日の訪問ですから、社会の一部を見たに過ぎないとは思うのですが、しかしそれでも混沌としたベラルーシの姿を垣間見たのではないかと思いました。

ミンスクの町は確かにとてもきれいです。しかしやはり非常に統制されているのですね。この統制された美しさの背後に、さまざまな中毒などがありながら、それが表に見えないようにされているのかと思うと、何とも言えないものがありました。
ちなみにベラルーシは、西欧諸国から独裁国家だと言われている国です。アメリカのブッシュジュニア元大統領など、一時期、「独裁国家ベラルーシを打倒せよ」などと言っていたそうです。

ベラルーシの社会はどうなっているのか。僕が感じたのは、社会主義の崩壊過程でprivatization=私有化がどんどん進んでいる激しい過程の中にあるということです。
どういうことが起こっているのかというと、今まで社会主義体制のもとで公共財産であったものの奪い合い、もぎ取り合戦が激しく行われているのです。誰がそれを奪っているのかというと、旧社会の政府高官、もともと公共財産を官僚的特権で牛耳っていた人たちです。
ロシアも同じと言うか、典型的なことが起こっていますよね。例えば今、大統領を担っているプーチンは元はソ連秘密警察のKGB(カーゲーペー)幹部でした。革命で倒されたはずの、旧社会の一番悪い部分にいた人物です。それが今も実権を握っています。

ベラルーシで、これは象徴的だなと思ったのは、ミンスクで泊まった宿泊施設の周りの住宅街でした。ちょうど高層マンションが次々と建設されている過程だったのですが、そのビルのオーナーは誰なのかというと、なんとモスクワ市長夫人なのだそうです。ミンスクの郊外に建っている高層マンションの所有者がです。
このことにも、ロシア資本がどんどんベラルーシーに投下されていて、もともとの公用地の上に、新しく作られている建造物が私物化されている現実が分かります。
そういう状況の中でベラルーシでは経済格差が開き、貧困が蔓延しているわけです。社会に対する絶望感の中で、若者の中にドラック中毒やアルコール依存症が蔓延してしまっている。そういう大変な状況にあることが見えてきました。 

ベラルーシはロシアによるクリミア併合に対しても、すぐに支持声明を出しています。完全にロシアに牛耳られてしまっているのだと思うのですね。もちろん、ベラルーシ政府高官自身も積極的にそのように動いているのだと思います。
例えば、自動車などはロシアのものしか買えないそうです。正確にいうと、ベンツやフォルクスワーゲンなど、ドイツ製の車も買えないわけではないのですが、購買に税金が100%もついてしまう。つまり、200万円の車を買おうとしたら400万円も支払わせられるのです。
そうやって明らかにヨーロッパの製品を排除して、ロシアのものを買わせるように仕向けられています。そのような社会のありかたがあって、その中で国立の病院の医師たちが、自由にものを言おうとしないのは、それはある意味、当然だろうなという気がしました。

ロシア自身は、核兵器をずっと保有している国だし、過去にたくさんの核実験もしてきました。チェルノブイリ原発事故にももともとの責任がある。当然、放射能の害についていろいろと言われたくないわけです。それで放射能の問題に強い圧力をかけてきたのだと思います。
実際には、先ほども述べたように、白血病の子どもたちが多いのです。だからお金をかけて治療はしている。しているのだけれども、それを放射能のせいだとは言わないという状況がある。その根拠が見えてきました。

続く

 

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明日に向けて(836)手術に関してのご報告

2014年04月26日 21時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140426 21:30)

みなさま。
今日はチェルノブイリ原発事故の日でしたね。今日、明日と各地でいろいろな催しがあると思います。
世界各地で同様の取り組みがなされていると思いますが、トルコではシノップにたくさんの方が集まって、大きな行動がなされているようです。心が熱くなります。
情報が入ったらお知らせします。

そんな今日一日ですが、僕自身は、すでにお伝えしてきた通り、昨日25日に京都市内のある病院に入院し、手術を待つ身となりました。
すでに術前の検査をすべて終えており、28日午後に手術を受けます。手術は正式には「経尿道的前立腺切除術(TURP)」というもので、前立腺肥大症を治すものです。

開腹を伴わない内視鏡手術ですので、それほど大げさなものではありません。
術後、一週間ぐらいの入院を必要とするようですが、その後は通常の生活が送れます。もちろん活動もできます。
また術前の明日27日に病院から亀岡市に講演に行きますが、医師からまったく問題ないと言われています。無理をするわけではありませんのでご心配は無用です。

ちなみに前立腺とは膀胱の下にある男性性器の一部ですが、加齢とともに肥大する傾向があり、尿道を圧迫して尿の出を悪くします。
といっても誰にも起こるというわけではなく、ましてや僕の年齢で症状が出ることは珍しくて「早いですねえ」と言われるのですが、症状が進むと何かのおりに閉尿し、尿がでなくなってしまうこともあります。
投薬で症状を抑えることもできるとされていますが、僕の場合、それなりの年月をかけていろいろと試しましたが、ホルモン剤投与などでもあまり症状の改善が見られませんでした。
それでも手術は避けたいと思い、漢方薬の利用なども行いつつ、病との共存を目指してきました。

今回、手術の決断に至った理由は、ベラルーシ、ドイツ、トルコをまわる旅の中で身体に負担がかかる中で、前立腺が悪化し、排尿困難となってしまったことによります。
このことで本当にたくさんの方にお世話になると同時に、ご迷惑もかけてしまいました。
今後も再び、トルコやドイツ、ベラルーシや各国へ必要に応じて赴きたいし、赴く必要を強く感じていますが、そのためにはこれまで共存してきた身体上の弱点を克服しておきたい。

またこれまでも薬でコントロールしつつも、急な冷えや体調変化で症状が変わりやすかったり、座っているポジションが長く続くとうっ血して悪化しやすいなどの問題がありました。
尿が貯まることも良くないのでどうしてもトイレが近くなるし、緊張感など心理的状態にもにも左右されます。
そのため自由にトイレにいけない講演会の前後などで困ることも多く、心理的負担も増えていました。それやこれやで外科的処置によって身体の限界を取り除く決断をしました。


同時にこのことを機縁として、今一度、自らの身体を通しての放射線防護活動のレベルアップを図っていきたいと思っています。
これまでも書いてきましたが、このことを僕に教えて下さり、気づかせてくださったのは、被爆医師の肥田舜太郎さんです。肥田さんは講演の中で、たびたびこうおっしゃいます。
「自分の命などちっぽけだ・・・などとけして思っていはいけない。みなさんの命は世界に一つのかけがえのないものだ。その命をいかにすれば長くすることができるかを毎日、考えなくてはいけない」

また次のようにも語られます。
「みなさんは病気になったら病院にいって治せばいいと思っている。それは間違いです。普段からどうすれば健康にいいかを考えて行動しなければいけない。」
これは被爆医師としての経験だけでなく、戦後に日本の民主的医療の創成期を担い、長らく臨床医として奮闘してきた肥田さんの実践に裏打ちされた言葉です。

「病いを治すのに必要なのは何か。それは医師の知識と経験とともに患者の主体性だ。病は患者自らが治すものであり、医師は自分が治してやるという奢りを捨てなけれなならない。」
「患者の自己治癒に一番大きな影響を与えているのはナースだ。なぜならナースがもっとも患者に近いところにいるからだ。医師はもっとこのことに自覚的であるべきだ。」
肥田さんはこうしたことを自らにつきつけつつ、医師の家父長的な権威が圧倒的に強かった当時の医療のあり方を現場から変えていこうと奮闘されました。

僕はこの点は膨大な放射能が福島原発から飛び出してしまった現代において、非常に示唆に富む指摘となっていると思うのです。
いや放射能だけでなく、無数の化学物質が作られ、食品をはじめあらゆるところに使われて、複合的な汚染を人々が襲っている深刻な現状に対してといった方がよいかもしれません。
これほどの汚染による人体へのダメージが、医療界に大変な驚異として襲いかかっているのは間違いのないことであり、それに対抗するために、人々の主体性、能動性を高めることがかつてなく重要になっているのです。

低線量被曝の危険性に対するしっかりとした知識を身に付け、被爆防護を強めていくことももちろんその重要な一つの柱です。
その上で、もっとあらゆる領域で身体を守る知識、対処法を学び、健康を守り抜いていくこと。あるいは病と闘っていく能力を伸ばしていくことが本当にかつてなく問われている。
そのために私たちは私たちの病に対する能動性を強めていく社会的ムーブメントを作り出し、相互の関わりの中で「健康力」とでも言うべきものを伸ばしていくことが必要なのです。

もちろん現代医学においても「患者教育」の重要性は認識されており、とくに看護学の中にしっかりと位置づけられています。患者と最も接するナースという専門職の必須の課題としてです。
例えば福岡大学人文論叢第43巻4号をみると、日本看護科学学会が患者教育を「自己で疾病管理や生活調整をするための知識・技術・態度の習得を助けること」と位置づけていることが紹介されています。
しかし同時にこの論文の中には、欧米に比較して日本では「患者教育」がまだまだ遅れているという注目すべき指摘がなされています。

「このように患者教育は医療者が患者会の中で実践されてきたが、欧米諸国に比べると内容や活動共に未だ発展途上といわれている。
欧米での患者教育は病院内にとどまらない。患者が学会組織に参加し、学会が患者会と共に学会のプログラムや発表者を選定したり、患者自身が発表者となって病状報告をしたりしている。
そして患者会の役割、政府との連携などを学び合う患者教育が実践されている。」

「日本では一部の学会組織や民間の患者会などが患者教育の活動に取り組んでいるのみで、内容も欧米に比べて見劣りし、活動自体も少ない。
こうした状況は、日本の患者教育が医療費抑制策の解決手段として取り扱われてきたことと、医師、看護師、患者会など、各団体組織によって患者教育の認識や方法が異なることに問題があるからではないだろうか。
そのため、患者の人権保証という観点が乏しい。このことが日本の患者教育の課題である。」

・・・指摘は多岐に渡っており、患者教育が医療費削減策の解決手段として扱われてきたことの限界なども重要なポイントですが、さしあたってここでは僕は欧米の患者教育が「病院内にとどまらない」という点に注目したいと思います。
つまり病院の外で、あるいは病気になっているそのときだけでなく、もっとひろく「患者教育」はなされなければならない。
というよりも「患者」に限らず、この世を生きる必須の課題として、もっと健康のことが取り上げられ、例えば学校教育の中で、あるいは社会教育の中で教えられるべきなのです。

要するに病に対して誰もがもっと能動的になる。専門職としての医療従事者は当然にも必要だとしても、もっと多くの人が、いや誰もが、自分の命を預かっており、かつときに他の人々の命をも預かるのだから、もっと主体的になるべきだというとです。
命を大事にし、少しでも長くしていく方法を学ぶ。それをみんなで実践していく。そのことが重要なのです。
僕はそれは結果的に医療費の削減、というよりも真の効率化につながると思います。医療費は必要なら増やせばいい。もっとも大事な命に関わることなのですから。しかし効率的であって欲しい。それを高めるのに医療を受ける側の能動性はかなり寄与するはずです。

こうした諸点を、肥田先生が辿られてきた戦後の歩みを捉え返しつつ、ぜひ文章の形でまとめたいとも思っているのですが、そのためには-当たり前の事ですが-何よりも僕が、現状を克服してその実践者たらねばならない。
そうして自分自身の身体を通した説得力ある主張を打ち出していく必要があります。たからこそ自分自身が手術を受けるこの機会に、もう一度、自らの医療との向かい合い方を真摯に問い直したいと思います。
その中から、自らをきちんと治癒することを通じて、放射線防護活動のレベルアップに寄与していきたいです。

さてそうした観点から言えば・・・多くの方が思っておられると思うのですが・・・僕はこの手術の期間にもっとたくさんの休みを取る必要があります。
月末の入院を見越して、今月はこれまでできるだけと切らさずに「明日に向けて」を書いてきましたが、手術後にはペースダウンさせていただき、休養を優先することとします。
実はそれが一番苦手なのですが、「明日に向けて」僕は本当にきちんと休まなくてはいけませんよね。そう思って、術後の生活を送らせていただこうと思います。変な言い方ですが一生懸命に休みます!

みなさま。私たちの命を心から慈しみながら、前に進みましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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明日に向けて(835)映画『遺言~原発さえなければ』を広めよう!支えよう!痛みを分け合い、怒りを共に!!

2014年04月25日 08時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140425 08:30)

友人のフォトジャーナリスト、豊田直巳さんが野田雅也さんとともに素晴らしい映画を作って、上映してくれています。
まずはこのダイジェスト版をぜひご覧下さい!

映画『遺言 原発さえなければ』ダイジェスト編4分
福島の3年間―消せない記憶の物語
震災翌日から、二人のフォトジャーナリストが撮影した800日間の記録
https://www.youtube.com/watch?v=0n7R-zhA_sw


みなさん。どうですか。
僕は涙が流れてどうしようもありませんでした。
この痛み、苦しみ、そして怒りを放置しておくことはとてもできない。
同時代を生きるものとして、なんとしてもこの痛みをみんなで分け合い、心の底に沈殿させ、そうしてそこから沸き起こる怒りを共有したいです。

映画『遺言』は飯舘村の痛み、福島の嘆き、原発事故の本当のひどさを、人の心の奥から映し出してくれた素晴らしいものだと思います。
震災翌日から、高線量地帯に~さまざまな防護を施しながら~飛び込み、真実を伝えようとしてきた真のジャーナリストだからできたことです。
同時に、飯舘村の長谷川健一さんをはじめ、愛する郷土に放射能が降り注ぐ中、本当に真摯に、人としていかにこの事態に向かい合うかを考え抜き、手探りで行動してきた素晴らしい人々がそこにいてくださったからこそこの映画がええきました。
豊田さんたちは、そうした人々の姿を克明に映し出してくれている。淡々とした記録そのものが、この歪み切った日本社会に対する奥深くからの告発なのだと思います。

僕自身、まだ全編を観ておらず、ダイジェストだけでこの感想を書いているのですが、だからといって何も分からずに書いているというわけではありません。
長谷川健一さんを京都に2回もお招きし、対談させていただいたこと。自分自身が飯舘村を訪れて線量調査を行ったこと。また豊田さんも京都に来ていただき、お話を聞くなどしてきた蓄積が僕にはあります。
だからこそ、ダイジェストの4分だけでも、十分にこの映画が成功していることを感じられる。
そこにあるのは悲しい現実です。タイトルが「遺言」です。でもこの痛みをわがものとする中でこそ、僕は本当に豊かな未来への意志、人間的な愛に裏打ちされた力を生み出すことが可能なのだと感じています。
だからこそ、なんとしてもこの映画の上映を各地で成功させたい!

豊田さんによると、幸い、あちこちの上映会が満員御礼になっていて、さらに多数の地域・映画館から上映の声がかかっているそうです。
しかしだからお金がどんどん入るのかというと、配給会社がついていない映画の場合にはそうはいかない。
むしろ宣伝や広報などでの交通費、宿泊費等々に多大なお金がかかり、上映が伸びる分だけ、経費が必要となってもいるようです。
みなさま。どうか飯舘の、福島の怒りを表したこの映画、この義挙に、力をお貸しください!

僕自身、5月25日に大阪で長谷川健一さんと対談させていただき、6月29日に京都で豊田直巳さんと対談させていただく予定が入っています。
そのため5月中旬に大阪の上映会に出かけていき、じっくりと映画を観て、もう一度、詳しい感想など書かせていただくつもりです。

私たちは今、怒りを歌わなければならない!

みんなで『遺言』を観て広げましょう!上映を支えましょう!痛みを分け合って、前に進みましょう!!

以下、豊田さんからの『遺言』募金サイトへの協力の依頼を転載します。
なおすでに終わっておりスケジュールもありますが、上映の広がりを知っていただくために、そのままに転載します。

*****

映画『遺言』の募金サイトへのご協力を

いつも映画『遺言~原発さえなければ』をボランティアや資金面、前売チケットの販売、あるいは広報などでご支援を頂いている友人の皆様。

映画の上映が順調な滑り出しをできたのは、ほんとに皆さんのお陰と感謝しております。
ありがとうございます。
おかげさまで、東京で始まった劇場上映も福岡でも満席となり、現在、名古屋でも順調にお客様にお越しいただいております。
こうした中で、5月に入って神戸、大阪、そして福島での上映予定につながっており、また6月には北海道の帯広での上映も決定しました。
さらに5月には韓国のソウルで環境映画祭、人権映画祭と二回もの上映が決定しました。

こうした嬉しい話が続くのですが、その分、舞台挨拶や、劇場のある地元でのマスコミの取材対応に出かけていますので、交通費、宿泊費、またチラシの追加印刷など、広報・宣伝費もかさんできております。
こうした全国上映に向けて、既にネット上で募金を募る1クラウドファンディングで広報・宣伝費等を集めようとしてきました。
しかし、締切期限の4月末を一週間後に控えて、約77万円と半額しか寄付が集められておりません。

そこで、皆さんには是非、映画の紹介とともに、
「映画『遺言』福島を描いたドキュメンタリー映画の決定版を全国に広げよう!」
https://motion-gallery.net/projects/yuigon_fukushima
と題して募っています寄付金ことも、友人や知人の方々にお知らせいたただき、ご支援の輪を拡げていただけたら幸いに存じます。
その際には、是非、皆さんの率直な映画のご感想もお願い出来ればと存じます。
以上、お願いになりましたが、よろしくご協力くださるようお願い申し上げます。

■映画『遺言~原発さえなければ』の今後の上映日程や自主上映など、映画の公式HP
http://yuigon-fukushima.com/
2014年4月23日
豊田直巳拝

今後の上映スケジュール

愛知県名古屋市 シネマスコーレ
日時:
2014年4月19日(土)?4月25日(金)14:20?18:10
2014年4月26日(土)?5月2日(金)12:20?16:10
4月19日(土)・20日(日)は上映後、豊田直巳監督によるトークショー開催予定(10分前後)
HP:http://www.cinemaskhole.co.jp/cinema/html/

兵庫県神戸市 神戸映画資料館
日時:2014年5月2日(金)?5月4日(日)13:00?
5月2日(金)上映終了後、初日舞台挨拶:豊田直巳監督
舞台挨拶後、ロビーカフェにてミニトーク
※ロビーカフェのミニトークは1ドリンクをご注文ください
住所:神戸市長田区腕塚町5丁目5番1 アスタくにづか1番館北棟2F 201
HP:http://kobe-eiga.net/program/2014/05/#a002152
20140307 神戸001

大阪府大阪市 シアターセブン
日時:2014年5月3日(土・祝)10:00? 14:20?(1日2回上映)
2014年5月4日(日・祝)?5月9日(金)10:00?
2014年5月10日(土)?5月16日(金)15:10?
2014年5月17日(土)~5月23日(金)10:00? 14:20?(1日2回上映)
5月3日(土)初日舞台挨拶&トーク開催!豊田直巳監督
5月3日(土)10:00?の回上映後、舞台挨拶
5月3日(土)14:20?の回上映後、トークショー
★5月24日(土)以降、未定
〒532-0024
大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目7-27 サンポードシティ 5F
HP:http://www.theater-seven.com/
お問合せ: 06-4862-7733

福島県福島市 フォーラム福島
日時:2014年5月18日(日)?5月20日(火)10:00?14:10
HP:http://www.forum-movie.net/fukushima/

京都府京都市 京都シネマ
日時:現在調整中
HP:http://www.kyotocinema.jp/

ソウル環境映画祭
日時:2014年5月8日(木)?5月15日(木)
HP:http://www.gffis.org/node/174

ソウル人権映画祭
日時:2014年5月22日(木)?5月25日(日)
HP:http://www.hrffseoul.org

豊田の共同監督 映画『遺言~原発さえなければ』 http://yuigon-fukushima.com/
同映画の応援サイト https://motion-gallery.net/projects/yuigon_fukushima

豊田直巳公式HP『境界線の記憶』http://www.ne.jp/asahi/n/toyoda/
豊田直巳戦火の子どもたち写真展を広げる会
http://senka-kodomotachi.cocolog-nifty.com/blog/1/index.html

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明日に向けて(834)ベラルーシ・ドイツ・トルコを訪れて(1)・・・奈良測定所講演録から

2014年04月24日 08時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140424 08:30)

3月30日に奈良市民放射能測定所の開設1周年記念企画でお話した内容の起こしの8回目です。
今回からベラルーシ、ドイツ、トルコを訪れた旅を振り返ります。
僕がこれらの国を訪ねたのは、ちょうどロシア軍がウクライナのクリミア半島に向かっているときでした。そのウクライナの北のベラルーシと南のトルコを、ドイツを経由して訪れたことになります。
ご存知のようにウクライナでは深刻な対立が続いています。国民・住民の中に親EU派と親ロシア派が生まれてしまい、一部の人々が武装していること、また背後に大国が動いていることなどによって、極めて高い緊張が続いています。

ウクライナはチェルノブイリ原発事故で激しく被曝した国。国家予算の4分の1ほども被曝対策に使い続けてきたと言います。その国で起こっている内戦に発展しかねないこの事態。胸が痛むばかりです。
今回の旅はウクライナに赴いたのではないため、ウクライナ情勢に関して観てこれたものがあるわけではありませんが、それでもこの国、そしてまたチェルノブイリ事故被災国をつつむ大きな背景を観てこれたように思います。
これらについての振り返りを、奈良測定所講演の後半にお話しましたので、何回かに分けて掲載させていただきます。お読みください!

なおこの講演録は、奈良市民放射能測定所のブログにも掲載されています。前半後半10回ずつ分割し、読みやすく工夫して一括掲載してくださっています。
作業をしてくださった方の適切で温かいコメント載っています。ぜひこちらもご覧下さい。

守田敏也さん帰国後初講演録(奈良市民放射能測定所ブログより)
http://naracrms.wordpress.com/2014/04/08/%e3%81%8a%e5%be%85%e3%81%9f%e3%81%9b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81%e5%ae%88%e7%94%b0%e6%95%8f%e4%b9%9f%e3%81%95%e3%82%93%e5%b8%b0%e5%9b%bd%e5%be%8c%e5%88%9d%e8%ac%9b%e6%bc%94%e3%81%ae/

*****

「原発事故から3年  広がる放射能被害と市民測定所の役割  チェルノブイリとフクシマをむすんで」
(奈良市民放射能測定所講演録 2014年3月30日―その8)


Ⅲ ベラルーシ・ドイツ・トルコを訪れて(1)

【ベラルーシの地理的位置関係】
続いて、ベラルーシ、ドイツ、トルコ訪問の旅の報告をさせていただきたいと思います。

今回の旅の前半は、ドイツで行われた「国際医師協議会」を中心としたイベントへの参加が目的でした。
どういうものなのかというと、ドイツと日本とベラルーシの医師たちが集まり、チェルノブイリやフクシマにおいて放射線障害はどのように発生しているのか、またそれに対してどのような治療が有効なのかということをメインテーマとした協議会を行うという企画でした。
そのため、まずはドイツや日本の医師がベラルーシを訪問し、首都のミンスクとチェルノブイリのすぐ北にあるゴメリという町に行ってきました。

みなさん、だいたいの位置関係はわかりますかね?
ヨーロッパの東側にロシアがありますね。その西側にポーランドや東欧の国々があります。さらに西にドイツがあります。ドイツの側から東に進んで、ポーランドを経てロシアに向かう間にあるのがベラルーシです。
そのベラルーシを南に下ると国境線を経てすぐのところにチェルノブイリ原発があり、ウクライナになります。この国の一番南はクリミア半島。今ロシアに占領されていて、ホットなところですよね。そして黒海があり、対岸にトルコがあります。

僕は今回、日本が輸出しようとしている原発の建設予定地とされているトルコのシノップという町に行ったのですが、そこはちょうど黒海を隔ててクリミア半島の反対側に位置しています。
僕はベラルーシとトルコに行ってきたので、ウクライナ周辺を旅してきたとも言えます。僕が向こうにいる間に、ロシア軍がクリミア半島への介入をはじめ、ウクライナ軍と戦闘が始まるのではないかという緊張が続いていました。
トルコは黒海の南側にありますが、さらにずっと南に下ると今度は地中海が出てきます。西側にはエーゲ海があり、ギリシャを経て、イスタンブールに入ってくる付近がヨーロッパとアジアの境とされているわけです。

トルコは東側はシリアやイラク、イランなどとも面している。そのシリアではこのところ政府軍と反政府軍が戦闘を行っていますが、僕が帰ってきた翌日に、トルコ軍機がシリア軍機を撃ち落とすという事態が発生しました。
トルコのF16戦闘機が、シリア政府軍機を撃ち落としたわけです。トルコは反政府側を支援していて、シリア軍機が領空侵犯をしたので撃墜したと説明していますが、シリア政府側は、シリア領内に入り込んだトルコ軍機に落とされたと主張している。
ともあれこの地域に軍事的緊張関係が入り乱れていることが分かります。そのようなさまざまな緊張関係がある中で、僕らはベラルーシに行ってきました。


【ベラルーシの街の姿から】
(会場におられる関西医療問題研究会の入江紀夫医師に)ちなみに入江先生。ベラルーシにご一緒しましたが、この国の印象をどんなふうに考えておられますか?ベラルーシという国とは一体何だったのでしょうか。

[入江先生]一番印象があったのは、地下鉄に乗った瞬間に鉄粉の臭いがしたことですね。僕はアレルギーだから、いっぺんに目と鼻とすごいことになってしまって。
 それと向こうの病院が、ものすごく立派なのですけれども、どこか福島医大を想像するようなものすごいのが荒野の中にどーんと建っているわけですね。そこの医者たちは公務員だと思うのですけれど、非常に口が固かったのが印象的でした。

[守田]あの地下鉄ですね。けっこう電車が古かったからですかね、鉄粉の臭いがしたのは。

[入江先生]強烈でした。

[守田]本当に強烈でしたね。地下鉄には近くに食事をするために乗ったり、病院見学のための移動で乗りました。今回の企画の中心を担った核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部の方たちが一緒でした。
次に街の写真をお見せします。みなさんどう思いますか?とてもきれいなのですよ。とにかくやたらきれいなのですが、なんとも言えないのは、あまりにも統制されている感じがすることです。どこの町にでもあるような雑然としたものがぜんぜんない。美観が統一されている街でした。

翌日のミンスクで行われたIBB※という組織のホテルで集まった会議の風景をお見せします。
※ドイツ語の頭文字だが日本語に的確に対応する言葉がない。英語ではAssociation for International Education and Exchange=「国際的な協力と教育の場」となる。
ヨーロッパ・アクション・ウィークの企画母団体。「核のない世の中、平和な世の中を求めて、1970年代に学生たち6人が集まって立ち上げ、大きくなってきた組織」

日本人の参加は、高松先生、入江先生、山本先生、山本さんのお連れ合いの由子さん、東京から来たおしどりマコさんケンさん。『週刊MDS』の記者の豊田さん。そして僕でした。
ここでいろいろ話されたことはまだよく消化できていないのですが、入江先生がさっき言われていたようにベラルーシの医師たちの口は確かにすごく固かったですね。基本的な見解はICRPの医師たちが言ってることと同じでした。
小児甲状腺がんだけは原発事故の被害として特定されているけれども、事故の収束作業にあたったいわゆる「リクビダートル」の人たちも、一般の人々と比べて健康上にそれほどの差はないと言うのです。
小児白血病は明らかに多くて、病棟に対する手当などはすごくきちんとされている印象を受けるのだけども、放射能との因果関係は明確になっていないという答えばかりが返ってくるのです。

続く

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明日に向けて(833)市民放射能測定所の意義と新たな役割を考える(5)・・・奈良測定所講演録から

2014年04月23日 08時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140423 08:00)

3月30日に奈良市民放射能測定所の開設1周年記念企画でお話した内容の起こしの7回目です。
今回も市民測定所の役割についての考察ですが、測定所を「食の安全全般を目指すセンターに」ということの続きです。前回は肥満の問題を論じましたが、今回は食べ物を産業面から捉え返すことの重要性なども話しました。
さらに測定所を科学的な知識を実践的に身につけるべき場にして欲しいということも語りました。以上で、市民測定所の新たな役割についての考察は終わります。

なおこの講演録は、奈良市民放射能測定所のブログにも掲載されています。前半後半10回ずつ分割し、読みやすく工夫して一括掲載してくださっています。
作業をしてくださった方の適切で温かいコメント載っています。ぜひこちらもご覧下さい。

守田敏也さん帰国後初講演録(奈良市民放射能測定所ブログより)
http://naracrms.wordpress.com/2014/04/08/%e3%81%8a%e5%be%85%e3%81%9f%e3%81%9b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81%e5%ae%88%e7%94%b0%e6%95%8f%e4%b9%9f%e3%81%95%e3%82%93%e5%b8%b0%e5%9b%bd%e5%be%8c%e5%88%9d%e8%ac%9b%e6%bc%94%e3%81%ae/

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「原発事故から3年  広がる放射能被害と市民測定所の役割  チェルノブイリとフクシマをむすんで」
(奈良市民放射能測定所講演録 2014年3月30日―その7)

 

Ⅱ.市民放射能測定所に求められることとは? ~提案として~

【食べ物を産業面から捉え返すことの重要性】
食べ物の安全というと、すぐにマクロビオティックなどに目が行きやすいですよね。マクロビはマクロビで一つの優秀な体系を持っていて、学ぶべきことはたくさんあると思いますが、もう一つ、食べ物のことに踏み込んだときに、食べ物産業のありかたに関する視点を持たないと見えてこないことがあります。
例えばマクドナルドのことで説明してきたようなな商品戦略などもその一つです。その中には大脳がいかに刺激されるのかの研究の応用などもあります。
どういうことかというと、食品産業がイメージカラー戦略を持っているのです。マクドナルドで言えば、赤と黄のシンボルカラーにしていて、それを子どもに刷り込んでいるのだそうです。そうすると子どもは、マクドナルドと発音できる前からマクドナルドを憶えるのだそうです。
実は今、OECDの国々などの中で、子どもが一家の購買を決めるのにすごく大きな力を持っていると言われています。車のディーラーなども、実は子どもを狙っているのですよ。子どもにこの車を欲しいと言わせることによって、一家の購入する車が決まるという傾向が強くなっているからだそうです。

そのために子どもの能に、いかに商品のイメージを刷り込むのかという研究が、脳科学などを応用して行われている。そういう産業的なありかたをも見据えつつ、どうやって私たちが私たちの身体、子どもの身体を守っていくのかということが非常に重要になってきています。
ちなみにこの領域は、学問の分野でもまだほとんどカバーされていない。私たちが自力で学んで切り開いていかなくてはいけない領域です。

【危険なヤマザキのパン】
先ほど、子どもに「ヤマザキパンは食べるな」という言うことをお話しましたが、だいたいこれで会場は大騒ぎになるのですよ。多くの子どもたちが食べた経験があるからなのです。
僕は「一番食べてはいけないのはランチパックだよ」と言ってます。一番の売れ筋商品ですが、今日来たみなさんも食べていますか?ぜひ商品を手に取って添加物の項目を見て下さい。非常にたくさんのものが入っていることがわかります。
そのランチパックの中でもこれだけは止めようと言っているのがタマゴのランチパックです。
コンビニに行って見てください。およそタマゴの入ってる商品は、冷えたところに置かれていますよね。常温の棚にタマゴの入った製品が置かれているのはランチパックだけです。なんで常温の場所に置けるかのかというと、当然にも防腐剤がいっぱい入ってるからですよね。

琵琶湖のキャンプで子どもにこうした防腐剤の話したら、実験してくれた子がいました。なんと半年以上たってもマクドナルドのハンバーガーが腐らなかったそうです。恐ろしいですね。そんなものを平気でどんどん食べて、身体にいいはずがないですよね。
添加物の例では、ヤマザキの「ハムマヨネーズパン」というものの添加物をあげています。とにかくたくさんの種類の添加物が使われています。子どもたちにはとにかく全部読もうと教えています。内容が分からなくてもよいから読もうと。それで添加物がたくさん入ってるものは買わないほうがいいよと話しています。
これは第一段階です。業者の側でもこういう知識に対抗して、添加物のすべてを書かないで済む方式をとっているところもあります。たとえば醤油が使われていると書くと、その醤油の中に何が入っているかは書かなくてよくなってしまうのです。
だから必ずしも添加物の表示が少なかったら安全だということにはならないのですが、それでも添加物が多いものは避けた方がいいのは確実なので、そういうことを話しています。

僕はそういう話を福島から来る子どもたちに熱心に話しています。なぜかというと、子どもが自分の身を自分で守れる一番やりやすい方法だと思うからです。白砂糖を避ける。マクドナルドに行かない。ヤマザキのパンを避ける。こういうことは子どもにもできるし、効果が高いわけです。
これに対して例えば小学校低学年の子どもが放射能の入ってないものを市場に行って探して買ってきて食べるというのはあまりに難しい。だから食べ物のリスク全体を下げることを通じて、全体として身体を守って欲しいと思うのですが、僕はぜひともこのような情報発信を、どんどんする場に測定所が発展していって欲しいと思うのです。
こちらの方が話としても入りやすいです。食べ物の安全性全体の話をしながら、そこに放射能の話も入れていくと、僕の経験では、放射能への関心が薄い人にも、内容を聞いてもらえます。
なぜかというと、食べ物全般に関する不信は、特に子育て世代の女性たちの中ですごく高まっているからです。それ自身は良いことですよね。そのため、食べ物の安全に関する幅広い話をしながら、放射能の問題も話していくと、入りやすいし、話しやすいです。
そうした点も押さえて、ぜひ食べ物の安全性を全体として考え、人々の身体と命を守る内容をどんどん発信して行く場所になっていって欲しいです。

【その3。科学的知識を身につける場に~放射能を測るとはどういうことなのかを知り、科学を自らの手に取り戻す~】
三つ目に市民自らが科学をする場として、測定所を確立していいって欲しいですね。その中で放射能を「見える化」していって欲しい。とくに、ぜひ、多くの方に、放射線測定では、「インチキ」がいくらでもできるのだということをしっかりと教えてあげてください。
僕が忘れられない経験なのですが、京都で保育園給食の安全性を守ろうということで、頑張っているお母さんたちと一緒になって、京都大学の技官だった方を訪ね、保育園の給食を測定してもらったことがありました。
そうしたらその方がにやにやしながら「それでどうしたいの?出したいの、出したくないの?」っておっしゃるのですよ(笑)。
「えっ、どういう意味ですか」と聞くと、要するに「測定の仕方によって放射能を検出することもできるし検出しないこともできるのだよ、測定というのはそもそもそういうもんなんだよ」とおっしゃる。

測定している方はご存知ですが、チェルノブイリ原発事故の影響や、大気中の核実験などを含めれば、地球上のどこでも徹底して測定を行えば、なにがしかの放射能が出てきてしまうのが現状なのです。
だから徹底して測定して、「放射能が出た、危ない」と人に思わせたいならそのような測定ができるし、反対に「そんなに危なくない、安全だよ」と思わせたいのだったら、そういう測定もできるというのが、実際の測定の現実なわけです。
これは測定する時の時間をどれぐらいにするのか、検体の量をどれぐらいにするのか、検出限界をどれぐらいにするのかなどに左右されることです。
また測定するときの温度や検体の水分の含有量の違いなどでも、数値は大きく変わってきます。他にも機械への自然界からの放射線の遮断をどれだけ行っているかなど、さまざまな要因が測定に影響します。

だから、測定に関するそういう知識をきちんと教えて、行政が安全だと言いたいがために行っている検出限界の高い測定だとか、あるいはすごく短い時間での測定、それこそホールボディーカウンターにちょっと座っただけで、「はい大丈夫です」いかいうものに、騙されないようになってもらうことが大切なのです。
その点で、放射線測定とは何かということを体験しながら、基礎的な科学的知識をを身につける場として測定所を設定していくことが非常に大事だと思うのです。
「数値が出ました」で終わらせずに、その数値はどのような条件下でできてたものなのか、その場合、時間を延ばすとどうなるのかなどということを、ぜひわかりやすく教えてあげてください。

特に科学の深い知識のある方は、往々にしてその知識が市民の方への説明に邪魔になってしまうことがありますので、いかに科学の深い知識を、生活的な言葉に翻訳し、相手にわかりやすく伝えるかという点に心を砕いてみてください。そこは市民が科学と取り戻していくうえで、とても大事なポイントだと思います。
奥森さんなどは、きっと説明が上手だと思うのですが、科学の深い知識を持たれている方の中には、質問すればするだけ、より答えが分からなくなっていくという傾向がある方もあります(笑)
僕も最初、ずいぶん苦労しました。科学者で喜んで協力してくれる方は多いのですけれども、例えば「セシウム」とか言ってくれない。ぜんぶアルファベットで言う。あとは、何十万ベクレルとか言ってくれない。ぜんぶ10の何乗とか言う。13乗とか15乗とか、それが皮膚感覚のようになっているのですが、こっちはぜんぜんその感覚がわからないのですね。
だからかえって市民感覚を持っている人がそばにいて、どうすればより人に理解してもらえるかを一緒になって考えていくと良いと思うし、そういう会話の中で思わぬ発見をすることもあります。
僕も矢ヶ崎さんとの対話の中で結構、大きなことを発見したのですが、そういうことを重ねながら、市民が科学的知識を身に付けて行こうとする過程そのものが、私たちが政府や御用学者から私たちの手に科学を取り戻していく過程になると思うのです。ぜひその実践的な場として測定所を育てて下さい。

以上三つ言いました。
一つは、もっと低線量被曝の危険性そのものをきっちりと出していく場に測定所が発展していくこと。
もう一つは、食べ物全体の安全性、健康全体を考える場に測定所が発展していくこと。
三つ目は、科学をみんなで取り戻し、放射線とは何かを学んでいく場として測定所が発展していくことです。

この三つのうちでウェイトとしては特に二番目を厚くするとより多くの拡がりができると思います。
多くの方々が、今、感じている食べ物への不信感、何をこどもに食べさせたらいいのだろう、どうしたらわが子をアトピーの苦しみから救うことができるんだろう、そういうことで悩み、苦しんでいる方もたくさんいますから、この領域は間口がすごく広いのです。
その中で、放射線の危険性のことをきちんと入れていけば、今はまだ対象にならないような方たちを仲間にしていくことが可能だし、僕はそこに新たな発展の道があるのではないかなと思うのです。
以上そんなことをみなさんに提案したいと思います。

続く

 

 

 

 

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Yarına bakarken (832) NÜKLEER ANLAŞMAYA "HAYIR" DE.

2014年04月22日 18時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

Yarına bakarken (832) Türkiye ve  Birleşik Arap Emirlikleri ile Nükleer Santral İşbirliği Sözleşmesinin Kabul edilmesini kınıyoruz!

by Tohiya MORITA (20140418 21:30) 

The time of the Turkish version creation date is 20140422 18:30.

(これは「明日に向けて(828) トルコ・UAEとの原子力協定締結の国会承認を批判する!」のトルコ語版です。トルコ語の分かる友人がおられる方はぜひおまわしください!)

Günlerdir  Japonya’nın yapmış olduğu işbirliği anlaşmasının Meclisimizden geçmemesi için size sesleniyordum, fakat maalesef anlaşma onaylandı. Bu duruma üzülmemek, bu durumdan utanç duymamak mümkün değil
Büyük yalanlar söylemeye devam ederek nükleer enerjinin ihraç edilmesi sürecinde ilerlemeye çalışan Başbakan Abe  “Nükleer kazadan aldığımız dersle nükleer enerjiyi ihraç edeceğiz” demektedir, henüz ne kazanın sonucu ne de  sebepleri tam olarak aydınlatılmamışken nasıl  bir ders alınmış olabilir?
「Kazadan ders çıkarmak」ifadesinin, en azından kazanın sonuçların bilinmesine(henüz bir son yok ,her gün 400 ton radyoaktif su denize,okyanusa aktığı için sonucu tanımsız buluyor Morita) sebeplerinin anlaşılmasına  kadar nükleer santrallerin gerek ülkemizde yeniden işletilmesine karar verilmesi gerek başka ülkelere ihraç edilmesinin ne kadar anlamsız olduğunu düşünmeyi biraz becerebilen herkesçe kolaylıkla idrak edilebilir. 

Biz Abe siyasetinin bir ülkeyi mahvolmaya götürdüğünü lütfen artık görelim. Bu kazadan sonra, Japonya’nın yarattığı hezeyanlar unutulması kontamine suyun dünyaya dağılmasına ve insanların radyasyon maruziyetine karşı bir aksiyon alınmaması sizce 「vatanseverlik」hali midir?
Abe siyaseti,ilaveten ilk olarak Türkiye’ye sonra dünyaya,nükleer santral kazasının yarattığı felaketleri adeta çağırmaktadır. Kazanın ne sonucu ne sebebi belliyken   「kazadan çıkardığımız dersleri kullanarak」diye yalan söylemek… bu adamın hali 「yalan söylemeden duramayan 」etik anlayıştan yoksun bir haldir.

Bu gerçeği görmezden gelmenin  bizim Meclisimizde önlenemeyeceğini çok net olarak anladım.  Fakat en önemlisi insanların harekete geçmesdir. Ülke sınırlarını da aşan  dünyadaki insanlarla birlik olup harekete geçmektir.
Özellikle başta Türkiye olmak üzereJaponya’nın nükleer santrali satmaya çalıştığı ülkelerin insanlarıyla dayanışma içinde olmak gerekir. Bir dayanışma eylemi, anti nükleer, nükleer santrallerin durdurulması gibi dünyada değişim başlatacak  olup ülkemize nükleer santrallerin sayısının “0” olması ihtimaline doğru ilerlememizi sağlar.
Bunun yanısıra,bu kapsamda ,ülkemizde radyasyon maruziyetinden korunma  olanaklarının da yükseltilmesi mümkünolur. Şimdi ,hep birlikte harekete geçme zamanıdır!
Aşağıda nükleer santrallere dair bu meclisten çıkan kararı sizinle paylaşmak istiyorum.  
Önce NHK haberlerini paylaşıyorum .Bu haberler bir süre sonra internetten silindiği için buraya kopyalıyorum.

Diye sözlerini bağlayarak NHK’de yayınlana haberi(ingilizce)

 

Diet approves nuclear pacts with Turkey, UAE
NHK world Apr. 18, 2014 - Updated 07:44 UTC
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/english/news/20140418_25.html

 

Ve bizim siyah çelenk eylemimizle Medyayı sallayan Japon arkadaşımızın videosunu paylaşmış .

Japon Konsolosluğu önündeki siyah çelenk eylemimiz İMC TV'de...
https://www.facebook.com/photo.php?v=686948068035741&set=vb.108779359185951&type=2&theater

 

Bizim siyah çelenkli eylemimizi kendisiyle Japonca olarak da paylaşmıştım,onu da yayınlamış .

Japonya'dan Türkçe uyarı: Nükleer felaket olacak!
http://youtu.be/Fj9RjJ9Lxz8

 

Türk vatandaşlarına

Merhaba, Ben Japonum

Ben, Türkler için duyduğumuz endişeyi anlatabilmek için Türkçe öğrendim

 

Japon Başbakanı Türkıy'ye Nükleer santral sattı.

Bundan dolayı Japonlar utanç içindeler.

Çünkü biz, 2buçuk yıl önce FUKUSHIMA Nükleer santralinde büyük bir kaza yaşadik.

 

Ben FUKUSHIMA Nükleer santralinden 20kilometre içerdeki şehri ziyaret ettim.

Kaza yaşamiş o şehirler, 2buçuk yıl geçtiği halde hala aynı şekilde duruyordu.

 

Hala daha, kazanın olduğu Nükleer santralin içi ne durumda, bılınmıyor.

Çok tehlikeli olduğu için kimse kesin bilemıyor.

Ve her gün, 300ton radyoaktif kirli su denize akıyor.

 

Radyoaktif bulaşan toprak, sıyrılıp bile nereye atılacağı belli değil.

Nükleer santralde kullanılan malzeme 100,000yıl boyunca takip edilmesi gereken çok tehlikeli bir maddedir.

 

Eğer ileride bizim sattıgımız Nükleer santralde bir kaza olursa, gerçekten ne olacak?

Düşüncesi bile korkunç.

Bir Japon olarak, ne kadar özür dilesek yeterli değil.

 

Ben, Türker için endişeleniyorum.

Biz, sizin ve ülkenizin geleceği için endişe ediyoruz.

 

Nükleer santral büyük bir enerjidir ama aynı zamanda çok büyük bir para kaynağıdır.

Japonyada, bu hakkı kullanma hususunda insanlar yanlış karar vermekte, görüş ayrılıkları olmaktadır.

Aynı ülkenin insanları birbirine düşebilir.

 

Nükleer santral artık güvenli değil.

Japonya, ekonomisi için geleceğini kurban etmiş bir ülkedir.

 

Lütfen, kimseye güvenmeyin.

Lütfen, bir Nüleer santral fıkrine lişmayin.

Her zaman etrafınızı koruyup, dikkatli olmak önemlidir.

 

Ben Türkiye'yi otobüs ile gezdim.

Çok güzel bir ülke olduğunu gördüm.

Gelecekte, o güzelliği kaybetmemesini arzu ediyorum.

 

Bütün Türklere ve geleceğin çocuklarına.

Japonya'dan Sevgilerle.

 

cast & written & Directed by KOUKI TANGE

 

*****

Diet approves nuclear pacts with Turkey, UAE

NHKWorld Apr. 18, 2014 - Updated 07:44 UTC

 

Japan's Upper House has approved bills on nuclear cooperation agreements with Turkey and the United Arab Emirates.

The Upper House passed the bills on Friday with majority support from the governing coalition of the Liberal Democratic and New Komeito parties as well as the main opposition Democratic Party.

The agreements allow Japan to export nuclear power-related technologies to Turkey and the UAE, but only for peaceful purposes. The recipients must also accept inspections by the International Atomic Energy Agency.

The Abe administration regards exports of nuclear technology and other types of infrastructure as one of the pillars of its growth strategy.

A consortium of Japanese and French companies is expected to receive an order to construct a nuclear power plant in Turkey. The UAE is likely to build nuclear plants to meet its growing demand for electricity.

A Democratic Party lawmaker, Teruhiko Mashiko, defied his party's decision to support the bills and abstained from the vote. He said it would be irresponsible to agree to export nuclear plants after the 2011 accident at Fukushima Daiichi.



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明日に向けて(831)トルコのあなたを心配する手紙・・・日本より愛を込めて

2014年04月21日 23時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140421 23:30) 

すでに一度、紹介しましたが「あなたを心配する手紙」と題するビデオレターが、ある日本人の手によって作られ、トルコの人々の間で大きな反響を呼んでいます。
作ったのは丹下紘希さんです。
これを、僕がトルコにいったときに素晴らしい通訳をしてくださり、今も日本とトルコの原子力協定に反対して懸命に行動しているプナールさんが多くの方に伝えてくれています!

丹下さんは、このビデオについて次のように書かれています。
http://vimeo.com/92443743

*****

あなたを心配する手紙” Director TANGE KOUKI

マスメディアではなくパーソナルメディアとして映像で「手紙」を書きました。
僕の想いを自分の言葉で言う。
1年前も今もそれが最も難しいと感じています。

反対の意見の人もいるし、批判も怖い。
正義の違いで争いになるかもしれない。
僕も誰かを知らないうちに傷付けてしまうかもしれない。

それを恐れて、口をつぐんでしまう。
もしも自分の意見を言う自由を失ったら、
取り返しのつかないことになるかもしれないと、
僕は会ったこともない国の人達のことを考えて悶絶する。

原発事故を起こしてしまった僕たちが
その人達の未来を心配して眠れない夜を過ごしている。
せめてそのことを伝えようと愚直に進むことにしました。

それは同時に僕自身に対しての覚悟でもあります。
原発輸出対象国の人々を心配するプロジェクトとしてトルコの人たちへ。
心配する、
ただひたすらに心配をする、
という行動は国境を越えて伝わるのだろうか?

僕は心配する、
あなたのこの先を考えて想いを馳せる。
あなたの家族のこの先を考えてみる。
あなたの友人や先生や仲間やその子ども達のこの先を心配する。

言葉も習慣も違うけれど。
会ったこともない人達だけれども。
僕は自分の先祖にも、未来の人に会ったことがないのと同じように、
同じ人として会ったことのないあなたを心配する。

そんな手紙です。
(とうとう4月2日に日トルコ原子力協定が僅か5時間の審議で可決されてしまいました。)

*****

丹下さんが悩まれながらこのビデオを作られたことに深く感動しました。また語られている内容に、本当に心の底から共感しました。
日本の中にこうした思いでいるものがいることをよくぞ伝えてくださったと思います。とてもありがたいです。

僕はこのビデオで発せられた言葉は丹下さんの言葉であることを越えて、多くの、原発事故を憂い、原発輸出に反対している人の思いに昇華していると思います。
そしてその言葉をトルコの多くの人々がしっかりと受け止めてくれています。
みなさん。ぜひ丹下さんのこのビデオを見て下さい。そしてトルコの人々への思いをシェアしてください。トルコで美しい町を守ろうとしている人々の思いをシェアしてください。

ビデオを紹介するとともに、テロップの内容を書き起こし、トルコ語・日本語の両方で記しておきます!ぜひ多くの方に、とくにトルコのご友人がいる方はその方にお広めください!

*****

「あなたを心配する手紙」

 

Japonya'dan Türkçe uyarı: Nükleer felaket olacak!
http://youtu.be/Fj9RjJ9Lxz8

 

Türk vatandaşlarına

トルコの人へ

 

Merhaba, Ben Japonum

こんにちは。わたしは日本人です。

 

Ben, Türkler için duyduğumuz endişeyi anlatabilmek için Türkçe öğrendim

わたしは今、「トルコの人たちのことを心配している」と伝えたくてトルコ語を教えてもらいました。

 

Japon Başbakanı Türkıy'ye Nükleer santral sattı.

日本の首相はトルコに原発を売りました。

 

Bundan dolayı Japonlar utanç içindeler.

その事をとても恥ずかしく思っている日本人はたくさんいます。

 

Çünkü biz, 2buçuk yıl önce FUKUSHIMA Nükleer santralinde büyük bir kaza yaşadik.

なぜなら私たちの国は2年半前にフクシマの原発事故を経験したからです。

 

Ben FUKUSHIMA Nükleer santralinden 20kilometre içerdeki şehri ziyaret ettim.

わたしはフクシマの原発20キロ圏内の街を訪れました。

 

Kaza yaşamiş o şehirler, 2buçuk yıl geçtiği halde hala aynı şekilde duruyordu.

事故があった街は2年半経っても、あの日のままです。

 

Hala daha, kazanın olduğu Nükleer santralin içi ne durumda, bılınmıyor.

今でも誰も事故のあった原発の中がどうなってるか?

 

Çok tehlikeli olduğu için kimse kesin bilemıyor.

危険すぎて誰も確認できていません。

 

Ve her gün, 300ton radyoaktif kirli su denize akıyor.

そして毎日、300トンもの放射能汚染水が、海に流れ出ています。

 

Radyoaktif bulaşan toprak, sıyrılıp bile nereye atılacağı belli değil.

汚れた大地を大量に削りとってもそのゴミ処分は決まっていません。

 

Nükleer santralde kullanılan malzeme 100,000yıl boyunca takip edilmesi gereken çok tehlikeli bir maddedir.

原発の使用済み燃料は10万年管理をし続けなければいけない大変危険な物質です。

 

Eğer ileride bizim sattıgımız Nükleer santralde bir kaza olursa, gerçekten ne olacak?

もしも未来に私たちが打った原発があなたの国で事故を起こしたら一体どんなことが起きるか?

 

Düşüncesi bile korkunç.

想像すると私たちはとても恐ろしい。

 

Bir Japon olarak, ne kadar özür dilesek yeterli değil.

日本人として謝っても謝りきれない。

 

Ben, Türker için endişeleniyorum.

わたしはトルコの人たちをとても心配しています。

 

Biz, sizin ve ülkenizin geleceği için endişe ediyoruz.

私たちはあなたと、あなたの国の未来を心配しています。

 

Nükleer santral büyük bir enerjidir ama aynı zamanda çok büyük bir para kaynağıdır.

原発派エネルギーですが、同時にとても大きなお金を生み出すシステムでもあります。

 

Japonyada, bu hakkı kullanma hususunda insanlar yanlış karar vermekte, görüş ayrılıkları olmaktadır.

日本がそうであるようにその利権によって、人々は判断を間違い、意見が分かれます。

 

Aynı ülkenin insanları birbirine düşebilir.

同じ国の中で同じトルコ人同士、争うことになるかもしれないのです。

 

Nükleer santral artık güvenli değil.

原発はもはや安全ではありません。

 

Japonya, ekonomisi için geleceğini kurban etmiş bir ülkedir.

日本は経済の為に未来を犠牲にしてしまった国です。

 

Lütfen, kimseye güvenmeyin.

決して誰も信用しないでください。

 

Lütfen, bir Nüleer santral fıkrine lişmayin.

原発があることに慣れないでください。

 

Her zaman etrafınızı koruyup, dikkatli olmak önemlidir.

いつでも見守り、注意し続けることが重要です。

 

Ben Türkiye'yi otobüs ile gezdim.

わたしはトルコをバスで旅したこともあります。

 

Çok güzel bir ülke olduğunu gördüm.

とても美しい国だと感じました。

 

Gelecekte, o güzelliği kaybetmemesini arzu ediyorum.

未来にその美しさを失うことのないよう祈ります。

 

Bütün Türklere ve geleceğin çocuklarına.

トルコの人へ、その未来の子どもたちへ

 

Japonya'dan Sevgilerle.

日本より愛を込めて

 

cast & written & Directed by KOUKI TANGE


 

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明日に向けて(830)市民放射能測定所の意義と新たな役割を考える(4)・・・奈良測定所講演録から

2014年04月20日 09時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140420 09:30)

加古川市にいます。昨日は脱原発播磨アクションの方たちのミーティングに参加させていただき、旅の報告をしたり、今後の企画の相談に乗らせていただいたりしました。
そのままメンバーの方のご自宅にお世話になり、交流の夕食会を開いていただき、泊めていただきました。

今日はこれから播磨の方と一緒に、瀬戸内市を目指します。午後2時から講演会ですが、各地の運動体の方が集まってくださるそうです。
僕が聞いている限りでは、瀬戸内市、播磨の他に、岡山市、赤磐市、美作市の方が集って下さるそうです。僕をよく呼んでくださる尾道市の方も参加されます。
今日の会合も一つのきっかけにしながら、山陽道と中国道のタテヨコの糸がつながり、脱原発の声が大きくつながっていくといいなと思っています。
そんなことも考えながら、講演を頑張らせていただくつもりです。


さて、今回の「明日に向けて」も3月30日に奈良市民放射能測定所の開設1周年記念企画でお話した内容の続きをお送りします。起こしの6回目です。
今回も市民測定所の役割についての考察ですが、前回で測定所に「食の安全全般を目指すセンターに」飛躍して欲しいと提案したことを踏まえて、今、食の世界で何が起こっているのかをお話しました。
最初の小見出しは「激太りに向かっている世界」という恐ろしい!ものです。「マクドナルドの恐ろしさ」についてもお話しました。
身体を守るために日常生活ですぐにも応用できる知識を語りましたので、ぜひお読みください。

なおこの講演録は、奈良市民放射能測定所のブログにも掲載されています。前半後半10回ずつ分割し、読みやすく工夫して一括掲載してくださっています。
作業をしてくださった方の適切で温かいコメント載っています。ぜひこちらもご覧下さい。

守田敏也さん帰国後初講演録(奈良市民放射能測定所ブログより)
http://naracrms.wordpress.com/2014/04/08/%e3%81%8a%e5%be%85%e3%81%9f%e3%81%9b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81%e5%ae%88%e7%94%b0%e6%95%8f%e4%b9%9f%e3%81%95%e3%82%93%e5%b8%b0%e5%9b%bd%e5%be%8c%e5%88%9d%e8%ac%9b%e6%bc%94%e3%81%ae/

*****

「原発事故から3年  広がる放射能被害と市民測定所の役割  チェルノブイリとフクシマをむすんで」
(奈良市民放射能測定所講演録 2014年3月30日―その6)

Ⅱ.市民放射能測定所に求められることとは? ~提案として~

【激太りに向かっている世界】
WHOの2013年の世界各国の肥満に関する発表を見ると、1位アメリカ、2位メキシコに続いてシリア、ベネズエラ、トリニダード・トバゴ、イラク、トルコ、チリなどが続いています。
OECD加盟国でない国がたくさん出てきます。それでもアメリカとメキシコは飛びぬけていて、世界の1位と2位にあります。
OECDで3番目に太っているイギリスは、OECD非加盟国を含めた統計ではやっと19位で出てきますね。
全体としてより貧しい国のほうがどんどん肥満率が上がっている。今や肥満は金持ちになるとなるものなのではないのですよ。むしろ、金持ちになればお金をかけてダイエットをしたり、より身体に良いものを食べるとかして、むしろ肥満率が下がっていく傾向にあります。

子どもたちに見せている怖い写真をお見せします。病的に太ってしまった人たちの写真です。極度に肥満して自力で移動できなくなり、小さなカートのようなものに乗っている男性の写真などがありますが、実はこれでもまだ、穏やかな写真を持ってきているのですよ。正視に耐えない写真もいっぱいあります。
当然これだけ太っていると心臓に大きな負担がかかりますから、アメリカでは心臓病で倒れる人が激増しています。心臓病で倒れた人のところに、救急車が来る。そうすると救急隊員がその場で唖然とする。なぜかと言うと建物から出せないのです。体重がどのくらいあるのかというと450キロもあったなどということがあった。
最近では救急隊もだんだん学習を深めてきていて、どうもかなりの肥満の人が倒れたらしいというときは、救急車の後ろからクレーン車がついていくのだそうです。アメリカの家は構造が簡単なものが多いので、上から屋根を取って、ベッドごと吊り出して病院に運んだのだそうです。そんなことが増えています。

【食べ物産業の歪んだありかたと私たちは闘っていかなくてはならない!】
今、世界的に、売られている食べ物が非常に悪くなっています。「食べ物が悪い」と聞くと、添加物など、化学物質のことを考えると思うのですね。
もちろんその面もあります。化学物質が非常に悪い影響を与えていることは間違いないのですが、もっと単純に、白砂糖を多くすることで身体に悪くなっている例が多いです。
砂糖は食べ物をおいしくする魔法の粉です。しかし砂糖、とくに精製された白砂糖がたくさん入ったものが増えることによって、人間の満腹中枢を壊してしまって、どんどん際限なく人々がものを食べる方向に、食べ物産業が人々をリードしている現実があるのです。
子どもたちには、具体的に「こういうものは食べないようにしよう」と話をするのですが、そのとき一番に挙げるのはコーラですね。スライドでコーラの瓶の横に、そこに入っている分量の角砂糖が積みあげてある写真を見せるのですが、本当にギョッとするぐらい入っいます。

500CCの瓶で16個ぐらい。65グラムぐらいになります。
僕は広島県の三次市で二回講演したのですけれど、一回目の講演の話を聞いてコーラを飲むのを止めたという方が二回目に来てくださいました。その方は体重がもともと116キロだったそうです。二回目の講演に来てくださったときは96キロになっていた。20キロ減だったのです。
話を聞いたら、以前は毎日500CCのものか1リットルのものか分かりませんが、とにかくコーラを5本飲んでいたそうです。で、それをぴったりやめてわずか4ヶ月で20キロ落としたというのです。それだけでですよ。
逆に言うと、コーラをどんどん売ることがどれだけ罪なことかが分かります。明らかに人間の身体を悪くするものを、どんどん売っているのですよね。

【マクドナルドの恐ろしさ】
次に子どもたちに行ってはいけないというのはマクドナルドです。子どもにはこの話が一番分かりやすい。あと「ヤマザキパンを食べるな」とも言ってます。
スライドで「マクドナルドの恐ろしさ」を幾つかにまとめてあるのですけれども、マクドナルドはいかに人にものをより多く食べさせるかのかということを研究をしてきた会社なのです。
アメリカはご存知のようにクリスチャンの方が多い国ですよね。キリスト教には「七つの大罪」、犯してはならない罪があるそうで、その4番目が実は大食いなのです。
大食いを恥とする文化の社会の中で、マクドナルドは人々にどうすればよりたくさんの製品を食べさせることができるのかを研究した。

この研究は、「マックフライポテト」で行われたそうです。研究の仕方はわりとシンプルでした。マックフライポテトを食べている人を遠くから双眼鏡で観察するのです。
そうすると、食べ終わったあとに多くの人が箱の中に手を突っ込んで塩を舐めているのだそうです。
「要するに連中はまだ食べたいんだ。食べたいのにどうして食べないんだ?」とマクドナルドは考えた。出した結論、「大食いが恥だから2個買えない」ということでした。2個買えないのだったらどうするか。答えはポテトの入れもののサイズを大きくすることでした。
単純なのです。その後、同じ発想が他の商品にも適用された。コーラもハンバーガーも大きくなって、ハンバーガーは「ビッグマック」とか「メガマック」になっていった。あとはセット販売です。一つのセットで値段的にもお得感を出して、よりたくさん食べさせる。

ちなみに、ハンバーガー、ポテト、コーラの三つの中で一番もうかるのはどれだかわかりますか?
答えはコーラです。原液はほとんどただに近いからです。それをどんどん飲ませる。今は1リットルサイズのカップがあるそうですが、それに合わせてアメリカの車の缶ホルダーが変わってるらしいです。
バケツみたいなものを運転席の横においてガブガブ飲む。角砂糖が30個以上も入ったバケツです。ブッシュ・ジュニア元大統領も、会見や晩餐会のときにコーラを飲んでいたそうですね。
多くの人が完全にそういう生活スタイルにはまっているのでしょうが、ともあれマクドナルドにしろコーラ会社にしろ、自社製品が明らかに身体に悪いことが分かっていながらどんどん売っているわけですね。

【中国・インドがとくに狙われている】
そういう産業が世界の中で大きくなっています。今、世界の国々の中でも一番狙われているのが中国とインドだと言われています。このままでは間違いなくこれから中国とインドの方たちは激太りしていきます。
中国ではもう始まってもいます。中国が経済的に豊かになったからではありません。ひどい食べ物を平気で売る産業がどんどん進出していく中で、そういうことが起こっているのです。だから、僕らは、このようなひどい食べ物の流布と闘っていかなくてはいけない。
放射能のことで一生懸命に頑張って、汚染物を除去しても、極端な肥満が嵩じれば、放射線被曝がなくても命が縮んでしまいますよ。
そのような最終的には人の命を奪うようなものをを平気で売っている産業が野放しになっているのが、私たちの世界のありかたなのです。だから、この状況と本気になって闘っていくことが問われています。

【ドナルドに引退勧告!】
マクドナルドのキャラクターに「ドナルド」というピエロがいますね。アメリカでは「ロナルド」なのかな?それはともあれ、アメリカではようやくマクドナルドへの規制が始まって、このドナルドに引退勧告が出されています。
とくに学校からの排除が進められている。最近ニューヨークから来た友人に聞いたら、もうニューヨークではマクドナルドは姿を消しているらしいですね。ではどこに行くのかというと、世界各国にどんどん進出しているのです。ニューヨークから消えたものがそれこそ北京とかに入っていってるのです。
もちろんマクドナルドハンバーガーは、使っている肉自身も悪いことが指摘されています。添加物も非常に多い。マックフライポテトは16種類もの添加物を使っているそうです。ジャンキーな味覚を刺激する味わいになっているのでしょうね。
こういうこと全般と対決して、食べ物の安全を守りましょう。

続く

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明日に向けて(829)市民放射能測定所の意義と新たな役割を考える(3)・・・奈良測定所講演録から

2014年04月19日 09時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140419 09:30)

3月30日に奈良市民放射能測定所の開設1周年記念企画でお話した内容の起こしの5回目です。
今回も市民測定所の役割についての考察ですが、前回を引き継いで、「シーベルトのまやかし」と闘うセンターになって欲しいということと、「食の安全全般を目指すセンターに」ということを提案しました。
現代の食品産業の歪んだ状態の分析を、肥満の問題から論じています。この内容はまだ連載を継続します。

なおこの講演録は、奈良市民放射能測定所のブログにも掲載されています。前半後半10回ずつ分割し、読みやすく工夫して一括掲載してくださっています。
作業をしてくださった方の適切で温かいコメント載っています。ぜひこちらもご覧下さい。

守田敏也さん帰国後初講演録(奈良市民放射能測定所ブログより)
http://naracrms.wordpress.com/2014/04/08/%e3%81%8a%e5%be%85%e3%81%9f%e3%81%9b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81%e5%ae%88%e7%94%b0%e6%95%8f%e4%b9%9f%e3%81%95%e3%82%93%e5%b8%b0%e5%9b%bd%e5%be%8c%e5%88%9d%e8%ac%9b%e6%bc%94%e3%81%ae/

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「原発事故から3年  広がる放射能被害と市民測定所の役割  チェルノブイリとフクシマをむすんで」
(奈良市民放射能測定所講演録 2014年3月30日―その5)

 Ⅱ.市民放射能測定所に求められることとは? ~提案として~

【シーベルトのまやかし】
一番大きなポイントになるのは、ベクレルBqとシーベルトSvの換算式のまやかし性です。というか、「シーベルト」と言う単位に潜む誤りをもっと語っていかなければいけないと思うのです。
シーベルトというのはみなさんご存知のように、放射線を浴びた場合に人間にどれくらいのダメージがあるのかを表した数値で、放射線の被曝管理に使われている値ですが、もともとは「ジュール」という、ある一定の水の温度をどれだけあげることができるのかという数値を基礎にして成り立っているものです。
ではどれぐらいのものが被曝の許容基準になっているのかというと、1ミリシーベルトmSv/年間が多くの国で採用されています。これ以上は一般の民衆には浴びせてはならないとしようという国際的合意ができており、被曝をめぐる一つの攻防ラインであるとも言えます。
もちろん1ミリシーベルトだって安全値ではない。どれほど小さな値であっても被曝にはリスクがあるという観点もまた国際的な合意になっています。その意味では1ミリでも浴びない方がいいのですが、一つの攻防線として最低、この基準は国に守らせようと、多くの国で考えられているわけです。

しかしこのシーベルトによる被曝管理は、基本的には外部被曝に対してのみ有効なのです。身体の外から飛んでくる、主にγ線による放射線被曝の人体への影響を数値化するときにのみ、シーベルトは有効性を持ちます。
先ほども述べたように、基本的に熱量として1グラムの水の温度をどのくらい上げられるか、その熱量に換算した力が人間に加わっていると考えて計測するわけですが、内部被曝はこの外からのγ線の被曝を中心とした被曝の計量の仕方では危険性を計量できないのです。
これは非常に重要な点です。今日は公言してしまいますが、ECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会)の計算式も、僕は間違っていると思います。なぜかというと内部被曝によって人体が受けるダメージは、線量が同じでも、放射線を受ける場所によってぜんぜん違う結果をもたらすからです。
身体の中のどこに放射性物質が入って、どこの器官がどのように被曝で損傷したのかによってぜんぜん結果が違ってくる。

ぜんぜん違うというのは、私たち人間が手にしている医療が、どこの部位だったら手術ができるとかできないとか、そういうことまでをも含みます。被曝による現実的なリスクが場所によって大きく変わってくるわけです。
ところがベクレルとシーベルトの換算式というものがあって、何ベクレルだと何シーベルトに値するという具合に、数値の置き換えが可能だとされているのです。
ICRP(国際放射線防護委員会)が作っている計算式ですが、これで計算するとシーベルトでの値が非常に小さく出てきてしまいます。つまり1キログラム当たり10万ベクレルぐらいのものを食べないと1ミリシーベルトなどになることなどありえません。
事故のあと1年間、私たちの国は1キログラムあたり500ベクレルまで政府によって許容されてしまったわけですが、この場合でも、500ベクレルを食べても0.0065ミリシーベルトにしかならないのだとされてしまう。そのために多くの汚染された食材が「危険性は非常に少ないので食べて大丈夫」とされてしまったのです。

僕も多少の関わりがある生協で一所懸命に食材の放射線地を測ってくれているところがあるのですが、ある日ここの発表を見てみたらこの換算式を載せてしまっているのです。それで計算すると「1キログラムあたり5~10ベクレルのものなど、心配しないで大丈夫」ということにされてしまうわけです。
そうではなくてまずその計算式自身が誤りであること、そのように内部被曝は単純かして測ることはできないのだということを語っていって欲しい。その上で、やはり内部被曝はできるだけ減らすのが理想だということを強調して欲しいのです。
東大のアイソトープ研究所の所長で、長年にわたってがんと格闘してきた児玉龍彦さんは、膀胱がんの場合、膀胱における10ベクレルぐらいの被曝からも影響が出た例があると語っています。そのぐらいのレベルでもう影響が出てきている。
そうした実例をたくさん積み上げて、積極的に低線量内部被曝の危険性を主張していくことが、僕は非常に大切だと思うのですね。

【『低線量・内部被曝の危険性  ーその医学的根拠ー』】
「関西医療研究会」の高松先生や、山本先生、入江先生たちが出している内部被曝に関する本があります。『低線量・内部被曝の危険性  ーその医学的根拠ー』というタイトルで、耕文社から出ていますが、僕は素晴らしい本だと思っています。
この中でもECRRの考え方に対しての疑問符が出されていましたが、それらの内容を積極的に語っていただきたいなと思います。
同時に今、入江先生たちが本当に熱を込めて、福島の子どもたちに甲状腺がんがアウトブレイクしていることを語ってくださっています。「ものすごく大量の放射線を浴びないと病気にならないなどと政府や原子力村が語っていることは真っ赤な嘘だ」という主張につながる提言です。
この測定所にはせっかく入江先生が関わってくださっているのですから、この貴重な提言をぜひとも積極的に活用して欲しいです。

低線量の被曝の重なりの中で、実際にこれだけの甲状腺がんが発症しているのだということを説得力を持って語り、だから少しの被曝でも避けるようにすることが大事なのだと、繰り返し、繰り返し、多くの方に伝えていただきたい。
そのことを測定に来た方に説得力をもって伝えていく場に、測定所を飛躍させていって欲しいと僕は思います。
本当に全国にたくさんの市民測定所がありますけれども、中にはICRP的な計算式で危険性を換算しているところもあります。
この点は国際的な論争にもなっているところですから、手に負えないと考えているところもあると思います。だけれども奈良の測定所は「関西医療問題研究会」と親しくしてきているのですから、説得する材料もたくさんあると思うのでぜひそこに踏み込んで下さい。


【その2。~食の安全全般を目指すセンターに~】
もうひとつは、総会資料中の「一年間やってきたこと」の中に、すでにこれから述べる領域がいっぱいあるのですが、ぜひ、食の安全全般を目ざすセンターへと測定所を飛躍させていって欲しいですね。
ここに紹介されていた「天然・自然農法の高島さん※との交流」など、とてもいいなあと思うのですが、こういう経験を測定に来られた方と共有することが、僕はとても大切だと思うのです。

※高島佐和さん。奈良市北部にて「田原ナチュラルファーム」を経営、農薬を使わない自然農法を実践。奈良・市民放射能測定所のスタッフ。

【肥満と貧困についての講演活動から】
最近、子どもたちを相手に行っている講演の内容についてお話ししたいと思います。スライドをお見せしますが、タイトルに「食べものと健康の話  ―何を食べてはいけないか    ゲキ太りする世界を考える」とつけています。福島や関東から子どもたちを招いた保養キャンプで話したことが出発点となったものです。
初めに「世界の主な国の肥満率」の話をするのですが、みなさんはご存知ですか?子どもたちが相手なので、「世界の主な国」と言っていますが、OECD(Organization for Economic Cooperation and Development,  経済協力開発機構)加盟国のことです。
2012年の統計で、世界で一番太っていた国がどこだかわかりますか?肥満の人が多い国。答えはわりと簡単だと思うのですが・・・。そうです、アメリカです。

ところが、今やアメリカは2位になりました。1位はどこでしょう。
「インド」
違います。ヒントはTPPです。
「メキシコ」
ピンポーン、正解です。

なぜかというと、ヒントはTPPといいましたが、TPPような条約で一番最初にできたのはNAFTA(North American Free Trade Agreement,  北米自由貿易協定)です。1994年にカナダとアメリカとメキシコで結ばれた自由貿易協定です。
その結果どういうことが起こったのかというと、アメリカの安い農産物が洪水のようにメキシコに入ってきて小さな農家が軒並み潰れていきました。農家が潰れて人々が都市に流入するとともに、、アメリカのジャンクフードが大々的に押し寄せていったのです。恐ろしいことに貧困と肥満がセットで押し寄せました。
もう一度OECDのデータをみると、平均で国民のうち16%が危険な肥満領域にあります。アメリカは34%。
逆に、OECDの中で一番スリムな国はどこなのかというと、実は日本なのです。二番が韓国です。

この要因をどうとらえるのかについては、いろいろな分析が必要です。
日本では肥満としては表現されない他の問題もあることを押さえていかなくてはならないのですけれども、それでもざっくり言うと、やはり海産物とか、穀物や野菜を主体にしている日本の食べ方のほうが体にいいと言えるのではないかと僕は思っています。ところがそのいい食事もどんどん崩れてつつあるのが今の状況です。
アメリカに話を戻すと、アメリカは肥満の人だけではなくて、肥満予備軍に分類される人を加えると、もう7割くらいの人が健康な状態にないことが分かっています。
しかも貧困な人のほうが肥満率が高くて、アメリカ黒人女性は今、肥満率5割です。さらに3割が肥満予備軍です。健康な身体を維持できている人は2割しかいないのです。どんどん太ってしまって、命の危険にすらさらされているような状態です。

続く

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明日に向けて(828)トルコ・UAEとの原子力協定締結の国会承認を批判する!

2014年04月18日 21時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140418 21:30)

このところ連日、衆参両院での原子力協定締結承認を止めるために奔走し、みなさんにもご協力を呼び掛けてきましたが、とうどう本日の参議院本会議で、同協定が承認されてしまいました。
非常に腹立たしく、かつ恥ずかしくてなりません。

大嘘を繰り返しつき続けながら、原発輸出を推進しつつある安倍首相は、「原発事故の教訓を生かして原発輸出を進める」とまで述べています。教訓どころか、まだ事故の収束すらできていないのに。原因すらもつかめていないのに。
「事故を教訓化する」というのなら、最低でも事故の収束と原因把握がなされるまで、原発の再稼働や輸出など絶対に行うべきではないことは誰にだって少しまともに考えれば分かることです。
私たちは安倍政権が亡国の政権であることをしっかりと見つめましょう。事故に向き合わないことで、日本の破滅の可能性を放置し、広がる汚染と被曝への対処もしないこの政権のどこに「愛国心」があるというのでしょうか。
安倍政権は、さらにトルコをはじめ、世界をも原発事故の破局の中へと誘おうとしています。事故の収束も原因解明もできていないのに「事故の教訓を生かす」と平気でうそぶきながら。この方には「うそをついてはいけない」という倫理観の基礎が完全に欠落しています。

この暴走は国会議員ではまったく止められないことがはっきりしました。大事なのは民衆が行動すること。国境を越えた世界の人々との連携のもとに動くことです。
とくにトルコをはじめ、日本が原発を押し付けようとしている国々の人々との連携はとても大事です。連帯した行動で、反原発、脱原発のムーブメントを世界化する中でこそ、私たちの国を原発ゼロに向けていくことも可能になります。
なおかつ、その中でこそ、私たちの国の中での被曝防護のレベルをあげていくことも可能になります。今こそ、一層の努力で行動していきましょう!


今回の国会での承認をめぐる幾つかの情報をシェアしたいと思います。
まず国会承認を報じるNHKのニュースを紹介しておきます。これらのニュースは一定期間がすぎるとネット上から消えてしまうため、末尾に文面をコピーして貼り付けておきます。
日本語放送に続いて英語放送も案内しておきます。

原子力協定締結を承認 技術輸出可能に
NHK NWESweb 4月18日 12時25分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140418/k10013843371000.html

Diet approves nuclear pacts with Turkey, UAE
NHK world Apr. 18, 2014 - Updated 07:44 UTC
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/english/news/20140418_25.html


続いてこの承認を報じたトルコのニュースの動画です。イスタンブールの日本領事館前での抗議行動です。
リンクが切れないうちにぜひ見て下さい!

Japon Konsolosluğu önündeki siyah çelenk eylemimiz İMC TV'de...
https://www.facebook.com/photo.php?v=686948068035741&set=vb.108779359185951&type=2&theater

ここでトルコの女性が読み上げている声明の日本語訳を以下に貼り付けます!

*****

トルコと日本の間で、原発をトルコに作る協定が2013年5月3日に締結されました。その後、2013年10月29日にイスタンブールで両国の首相によって同協定へのサインがなされました。
この協定は今年になって日本の国会で討議されました。4月4日に日本の衆議院は本会議でトルコとUAEに原発技術の輸出が出来るかどうかと討議し、同協定を承認することによって輸出を認めました。
4月15日には参議院外交防衛委員会で、専門家を招致して意見聴取を行ったうえで17日に承認の採決を行いました。
参議院本会議での採決は4月18日になされますが、私たちが日本の議会の今までの様子を見た限り、残念ながら原発輸出が否決されるような希望はありません。日本の議員たちは福島事故があったのに、まだ原発の再稼動を話題にしているからです。

トルコ人は未だにチェルノブイリ原発事故の影響を受けて大勢の人がガンやさまざまな病気で苦しみ、悩んできたことを覚えています。ちょうどそのチェルノブイリ原発事故の日が近付いているこの時に、さらに日本が私たちの国へ原発を売ろうとすることは許されないです。
日本の議員たちの態度は、まるでチェルノブイリや福島の原発事故は大した意味がない、避難者がいてもいい、人が死んでも、ガンになっても構わない、健康よりも幸せよりも原発を手にしたいというものです。

トルコと日本の間で締結されたこの協定にサインする側の一方として、日本は福島原発事故を経験し、環境に、そしてまた日本人の健康に、何十年も消えない傷をつけました。
そして私たちのトルコは原子力に関する専門家や教育のレベルがまったく足りない国です。というのはトルコではルールが守られないことが多く、基礎的な技術もまだまだ十分ではありません。人々は色々な面で困っています。

一昨日から日本からのビデオに人気が集まっています。そのビデオは福島原発事故後に、原発に反対する意識が高まった日本の方が個人で作ったビデオだそうです。彼はそのビデオで「これは恥です」と言っています。
福島原発事故を経験した日本が、トルコに原発を売ろうとしてしていることに恥を感じていることを伝えてくれました。トルコの多くの人々が彼の声を聴き、彼の言っていることを心で感じました。

明日(18日)、日本の参議院の議員が、トルコに原発を作るための原子力協定に可決する可能性が高いために、私たちは、未来のために悲しく、心配が募るばかりです。
そのため、今日、日本総領事官の前に集まり、黒い花を供えてきました。

さらに私たちは4月26日土曜日、チェルノブイリ原発事故記念日に、トルコの多くの方たちを、原発建設予定地のシノップ市に招待します。

翻訳 Pinar Demircan 守田が若干の修正

*****

この声明の中で紹介されている日本人が作ったビデオを紹介します。
僕は深く共感しました!

あなたを心配する手紙
Japonya'dan Türkçe uyarı: Nükleer felaket olacak!
http://youtu.be/Fj9RjJ9Lxz8


以下、NHKのニュースを貼り付けます。長くなるので日本語ニュースのみとします。英文は僕のFACEBOOKページをご覧下さい。

*****

原子力協定締結を承認 技術輸出可能に
NHK NWESweb 4月18日 12時25分

日本の原子力関連技術をトルコとUAE=アラブ首長国連邦に輸出できるようにする原子力協定締結の承認案は、18日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と民主党などの賛成多数で可決され、承認されました。

安倍政権は、原子力発電所などのインフラの輸出を成長戦略の柱に掲げていて、トルコで計画されている原発の建設を日本企業が受注する見通しとなっているほか、UAE=アラブ首長国連邦では、将来的な原発の増設が見込まれています。
両国との原子力協定は、核物質などの利用を平和目的に限ることや、IAEA=国際原子力機関の査察を受け入れることなどを条件に、日本の原子力関連技術を輸出できるようにするとしています。
原子力協定締結の承認案は、18日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と民主党などの賛成多数で可決され、承認されました。
一方、採決では民主党の増子輝彦副代表が東京電力福島第一原子力発電所の事故後も原発を輸出しようとするのは無責任で賛成できないとして、党の賛成方針に従わず、棄権しました。
増子氏は本会議終了後、記者団に対し「反対の意思を込めて棄権した。福島県の現状を考えれば到底、賛成できない」と述べました。

 

 

 

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