明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1484)玄海原発3号機が蒸気漏れで発電停止!~危険な原発を即刻停めるべきだ

2018年03月31日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180331 09:00)

昨夜(30日)夜に、23日に再稼働を強行した玄海原発3号機が、蒸気発生器に水を送る配管の一部から蒸気漏れを起こし発電が停止されました。
またも再稼働直後の事故の発生です。点検を何度も繰り返し、細心の注意を払って再稼働させても、極めて高い確率で故障事故が起こってしまう。それが原発なのです。構造的欠陥物なのです。

原発でひとたび事故が起これば膨大な放射能が飛び出してきてしまう。だから原発はほかのあらゆるプラント以上に故障事故が起きてはいけないのに、再稼働後のトラブルがかわせない。
今回は今のところ深刻な放射能漏れにはいたっていないようですが、しかしこれほどに危険な原発は、この段階で即刻停めるべきです!
もうはっきりとしていることは、原発は未確立なテクノロジーだということです。安全性の確保に抜本的に失敗しているのです。だからやめるべきです!再度の大事故が起きる前に!

もう少し詳しく見ていきましょう。今回蒸気漏れが発生したのは二次系の配管の中にある「脱気器空気抜き管」という機器だそうです。
九州電力が行ったプレスリリースのうち、蒸気漏れを起こした箇所を図示した「系統図」をご紹介しておきます。

玄海原子力発電所3号機概略系統図
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0125/2053/bti4y7z3.pdf

以降、この図を参考に説明を続けますが、この原子炉は「加圧水型」と呼ばれます。現在稼働している川内2号機、高浜3,4号機、大飯原発3号機、そして定期点検中に裁判で停止を命じられた伊方原発3号機のいずれも同じ型で、三菱重工製です。
そもそもこの型の原発は「蒸気発生器」に致命的な欠陥を抱えており、これに付随して二次系、三次系の配管で繰り返しトラブルを起こしています。同じ型の美浜原発ではメルトダウン寸前の事故や、悲惨な死亡事故も起こしています。

この原子炉が「加圧水型」と呼ばれるのは一次系冷却水(九電の図では桃色の部分)を循環させる配管の中に加圧器が設置されていて圧力が加えられているからです。どれぐらいかというと150気圧にされています。
水に圧力を加えると沸点が高くなります。この型の原発の中では300度でもまだ沸騰しない。このため150気圧300度の熱水が一次系配管の中を循環しているのです。
なぜこんなことをするのかというとよりたくさんの熱を運ぶためです。これを「蒸気発生器」に送り込み、ここで二次系冷却水(九電の図では青色の部分)と配管を介して接することで熱を移行させ、蒸気を発生させてタービンを回すのです。

しかしこんなに高圧の熱水を回せばさまざまな負担が発生してしまう。このためこれまで深刻な事故が繰り返されてきました。
最も大きな弱点は「蒸気発生器」にあります。この中には一次系の細い配管がたくさん配置されていて二次系の冷却水と接しているわけですが、抜本的に矛盾した役割が与えられています。
一つには150気圧300度の熱水をしっかりと閉じ込めること。もう一つには300度の熱を効率よく二次系に伝えること。しかし前者のためには配管を厚くした方がいいし後者のためには薄くした方がいい。

このため配管を絶対に壊れないように厚くすることができず、150度300気圧に耐えられなくなった配管にしばしば穴=ピンホールが生じてしまうのです。しかもピンホールはできはじめるとどんどん増えていく。配管が急速に劣化していくのです。
これに対してどうしているのかというとなんと定期点検のときにピンホールが生じた配管に栓をするという信じがたい対処が続けられています。
この点だけでも蒸気発生器が技術的に未確立であることがわかりますが、恐ろしいのは穴があくのではすまずに配管が破断してしまうことで、実際にこうした過酷事故が美浜原発2号機で発生しました。1991年のことでした。

配管の一部が破断したことで、なんと55トンの熱水が二次系統に流れ出してしまって原子炉が緊急停止。この国の原発ではじめて「緊急炉心冷却装置」が作動しました。
これは大変深刻な事故でした。1次冷却水は150気圧で回っていますから、配管破断によりものすごい勢いで冷却水が無くなっていき、メルトダウンに向かってしまったからです。このときは寸前で事故の進展が止まったもののまさに危機一髪でした。

加圧水型原子炉を設計した三菱重工は、さすがに「蒸気発生器」が未確立な部品であることを明らかにし、なんとその後に劣化したのちの蒸気発生器本体の交換を始めました。
しかしこの部品はもともと交換など想定していないがゆえに、九電の図を見ても明らかにように、堅牢に作られた原子炉格納容器の中に収められています。このため交換のためには、格納容器を切断して大きな穴をあけて行わなければならないのです。
格納容器の役目は過酷事故が起こった時に放射能を閉じ込めること。だから堅牢に作られているのにそこに巨大な切断面を作ってしまう。

このため当時から心臓移植手術などと言われましたが、こんなことをすること自体がすでにして設計の破たんなのです。
そもそも蒸気発生器が劣化した時点でもうこの原発の寿命は尽きていたのです。なぜって原発を廃炉にするまで交換など考えずに設計されたのがもともとの加圧水型原子炉なのだからです。

美浜原発はその後、2004年も深刻な事故を起こしました。しかもこの時は5名が死亡し6名が重傷を負いました。
事故が起きたのは蒸気発生器ではなくて、二次系配管で低圧給水加熱器と脱気器の間の配管でした。今回、玄海で故障事故を起こした脱気器のすぐそばでした。(九電の図で確認してください)
この配管が定期点検中で作業員が下にいる状態で突然破断。140度の蒸気が人々を襲い、4名が即死されました。この方たちは体中の水分が無くなってしまっていたそうです。その後、さらに1名が死亡。あまりに痛ましい重大事故でした。

この時に明らかになったのは、一次系冷却水系統や蒸気発生器でトラブルが繰り返されてきたため、一次系の「安全管理」に労力を奪われて、二次系統の点検があまりにおろそかになっていたことでした。
このため設計上は10ミリとされている配管の内側が腐食によって減肉し、事故当時は肉厚が1.4ミリにまで減ってしまっていることが見過ごされていたのです。なんとこの配管は1976年の稼働以後、一度も交換されていませんでした。
もともとはこの配管は、関西電力の内規で4.7ミリまで減肉したら交換すべきことになっていており、1989年に検査し1991年に取り替えることになっていたのに見過ごされていたのでした。

加圧水型原発のトラブルはそれだけではありません。現在、停まっている伊方原発3号機が再稼働に向かう過程で1次冷却水ポンプの故障が起こりました。九電の図で桃色の部分の下部にあるものです。
慎重に再稼働を進めようとする最中に起こった事故だけに注目して分析してみたところ、実はこのポンプも繰り返し水漏れ事故を起こしていることが分かりました。
当然、四国電力もその点を熟知していて再稼働の前に新型に交換していました。ところがその新品でたちまち故障が起こってしまう。要するにこの部品もまた技術的に未確立なのです。

九電では2015年の川内原発1号機の再稼働の際にも、わずか9日目に2次系冷却装置の細管に穴が空くトラブルも起こしています。再稼働にあたって慎重を極めているはずなのにこうしたトラブル続き。ここに原発の構造的な欠陥性、危険性が現れています!

今回、深刻な放射能漏れが起こってないから良いのではありません。この段階で停めるべきなのです。それこそが「人類の英知」です!
この国はすでに悲惨な福島第一原発事故を経験したのだから、もう二度と大事故を起こさせてはならないのです。

原発の稼働をやめよ!安全性を確保できない原発から即刻撤退せよとの声を強めましょう!

*****

参考のため、朝日新聞の記事を貼り付けておきます。

玄海3号機、蒸気漏れで発電停止 再稼働一週間で 九電
朝日新聞 高橋尚之 2018年3月30日23時42分
https://www.asahi.com/articles/ASL3Z7JBLL3ZTIPE03J.html

九州電力は30日夜、23日に再稼働した玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)で、蒸気発生器に水を送る配管の一部から、微少な蒸気漏れを確認したと発表した。点検のためタービンを止め、送電と発電を停止する。
原子炉の出力も下げるが、停止するかどうかは未定。九電は、周囲への放射性物質の漏れはないとしている。

九電によると30日午後7時ごろ、パトロールしていた作業員が蒸気漏れを目視で確認した。報道への発表は午後10時半過ぎだった。
蒸気漏れがあったのは「脱気器空気抜き管」と呼ばれる部分。2次系の配管の一部で、蒸気発生器に送る水の中から余計なガスを取り除く設備だという。

蒸気漏れがあった部分を冷ますため、約75%まで達していた電気出力を同日深夜から少しずつ下げ、31日朝にもタービンを停止する見込み。タービンを止めても熱が十分下がらなければ、原子炉を停止する可能性もあるという。
玄海原発は23日に再稼働し、25日から発送電を始め、出力を徐々に上げていた。当初は4月5日に出力100%に達し、24日にも通常の営業運転に移る予定だったが、遅れることになる。

 九電の原発では、2015年に再稼働した川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)でも、再稼働から9日後に、2次系の冷却装置の細管に穴があくトラブルが発生している。この時は発電は止めなかった。(高橋尚之)

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明日に向けて(1483)京都府知事選に勝って原発を停め、政治に愛と思いやりを取り戻したい!

2018年03月23日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180323 23:30)

京都府知事選が22日に告示されました。
僕は福山和人候補をバリバリに推しています!とにかくめちゃくちゃにキャラがいいからです。
ぜひまずは以下の講演をご覧になって下さい。その上で共感できたらこの動画を広げて応援してください。

出馬表明直後の2月21日に京都市の「みやこめっせ」で行われた4000人集会での発言で、会場中が泣いた、伝説となりつつある演説です。
僕もこの後に応援演説をさせていただいたのですが、この発言に心を鷲掴みにされ、かつてないぐらいドキドキしながら登壇しました。
ともあれご覧ください。直後にFacebookでアップされたものとYouTubeのものを貼り付けます。

2018府知事選/2・21府民大集会 福山和人さんの訴え(動画)
https://www.facebook.com/kobayashi.higashiyama/videos/1873117812763631/
https://www.youtube.com/watch?v=Vi6tRY46y78

京都民報(2018年2月22日)による文字起こし
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2018/02/22/post-21675.php

福山さんは原発再稼働にも断固反対されています。
そもそも弁護士として大飯原発差し止め訴訟や原発賠償京都訴訟の弁護団にも参加されていました。
京都府は関西電力の大株主ですからこの方が知事になれば、福井の原発群の稼働も停めることができる!

3月17日には三条河原での「つなぐプロジェクト」でのパフォーマンスの場でこんな風に発言されました。
後半で森友問題での国会の大混乱にも言及されています。8分のものですがすでに3400回再生されています。

原発再稼働反対!政治に大切なのはうそをつかないこと! 福山和人さんの訴え 3月18日
https://www.facebook.com/toshiya.morita.90/videos/10213327566121974/

この日の行動を2分弱にまとめたものもご紹介します。
福山和人 つながるプロジェクト(3月18日)
https://www.youtube.com/watch?v=Pwe_v4hCdvc&sns=fb

なおこのパフォーマンスをプロモートしてくださったのは、丹下紘希さんや、つなぐ京都の西郷南海子さん、中村あゆみさんなどの仲間たちだそうです!

さて福山さん、告示日の22日には京都市役所前でこんな風に第一声を発して下さいました。10分の動画ですが、これもわずか1日で1400回再生されています。

告示日 福山和人さん第一声 3月22日 
https://www.facebook.com/toshiya.morita.90/videos/10213361262524363/

みなさま。これらをご覧になってどう思われたでしょうか???
京都府民でなくてもかまいません。共感されたらぜひ拡散してください。この訴えを広げてください。

国会はいま森友問題で大揺れしていますが、問題の核心にあることは、僕は政治から誠実さや愛、温かさ、思いやりが欠けてしまっていることにあると思っています。
自分の意見に従うものだけをえこひいきしたり、矛盾をすべて部下に押し付けたり、嘘をつきとおして逃げ切るようなことが繰り返し行われている。
誰もがそんな状態を変えていきたいと思っていると思いますが、僕は今回それを京都という地方から行っていきたいと思います。そのためにこの府知事選になんとしても勝ちたいです。
みなさん。ぜひ力を貸してください。全国から応援してください。

なお相手候補たる西脇隆俊氏は国土交通省の元お役人です。森友問題にも絡んでいる官庁から安倍政権が認めた人物ですから、まさに忖度政治の中枢からの落下傘候補です。
しかもこれまで復興庁事務次官を務め、危険な被曝地帯に、いやがる避難者を帰還させんとあまりに無慈悲なことを行ってきた方。
ご本人も自分のウリは「国との太いパイプ」だと言われていますが、いまの安倍政権下で「太いパイプ」があるとは、いかに忖度を繰り返し、おべっかをつかってきたかを物語るものでしかありません。
そうやって官僚の方たちにひざまづくことを強い、心ある人々を排除してきたのが安倍政権なのですから。

その点で今回の福山和人さんを中心にした知事選は、地方行政までも意のままにしようとする自公政権に対する京都府民の抵抗戦です。
ぜひその点からも力を貸して欲しいです。

なお最後に選挙のためのものではないですが、京都市で行われた安倍内閣総辞職を求めるデモの動画もご紹介しておきます。これは5800回も再生されています。
多くの方がこういうデモを求めていて、こういう映像をみたいからなのでしょうね。

安倍内閣総辞職を求めるデモ 3月17日https://www.facebook.com/toshiya.morita.90/videos/10213318651259108/

みなさま。投票日は4月8日です!
ぜひお力をお貸しください!

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明日に向けて(1482)米原市で進む原子力災害対策・・・ゆっくりマルシェでお話します(21日)

2018年03月19日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180319 11:00)

森友問題が揺れています。多くの正義を愛する人々が全国で安倍内閣総辞職を求めて立ち上がっています。内閣支持率も急落中です!
京都ではこれに府知事選にむけた運動が重なり、僕も連日、イベントで動き回っています。

同時に全国各地で原子力防災の充実化を求める動きが強まっています。
僕はこの流れを強めるためにもあちこちに走り回っていますが、この21日には米原市を訪れ、午前10時から午後3時まで行われる「ゆっくりマルシェ」の場で「いのちのまもりかた」と題したお話をさせていただきます。
この日は米原市防災危機管理課も来てくださり、出前講座「日頃の備えを大切に」(仮題)の講演を行ってくださいます。これとタイアップして僕もお話します。

実は米原市では原子力災害対策への取り組みの着実な一歩として、篠山市原子力災害対策検討委員会のような委員会を作ることが決められ、このための予算が2018年度に計上されています。
今回の危機管理課の方とタイアップした講演もこうした中で設定されたのですが、ここに来るまでさまざまな滋賀のみなさんの奮闘がありました。
大きくは嘉田県政の継承を訴えた三日月さんを知事にと押し上げた運動や、各地で取り組まれてきた「くらしとせいじカフェ」などですが、米原市との関係そのものは僕の知る限り2016年9月の小出裕章さんと僕のタイアップ講演に始まっています。

このタイアップ講演はもともとは長浜市在住でくらしとせいじカフェなどに取り組んできた村山さおりさんが、小出さんに送ったメールに始まりました。
村山さんが小出さんに講演を頼んだのですが、ずいぶんしてから来てくださることになり、そのときに村山さんが声をかけたのが、近江八幡で「ひとつぶてんとう園」という自主保育を担い、「くらしとせいじカフェ」にも関わっている西村静恵さんでした。
そして二人で相談して僕に小出さんとタイアップして話すことを要請してくださったのですが、小出さんは僕にとって、昔からとても尊敬してきた方なので、「ぜひに」とお受けしました。
そのあとにできた、村山さんと一緒に企画を担ってくださることになった会のみなさんの発案で、長浜、米原市長にメッセージを頼みにいったのでしたが、その際、西村さんが原子力防災への取り組みの強化を訴えつつ、そのための参考文献として僕の著書『原発からの命の守り方』を両市長にプレゼントしてくださいました。

そんな中で実現したのが2016年9月24日の「原発のうそ・ほんと」という企画です。
当日、中継してくださったIWJのアーカイブがありますので、興味のある方はご覧ください。

「原発のうそ・ほんと」小出裕章氏・守田敏也氏講演会(滋賀県長浜市) 2016.9.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/333689

この動画の冒頭でも紹介されているのですが、米原市長・平尾道雄さんは以下のようなメッセージを送ってくださったのでした。

「原発のうそ・ほんと」講演会のご盛会を心からお祝い申し上げます。本講演会を企画されました関係者のみなさまには原発に対する正しい知識の普及活動など、日ごろからさまざまな行動や取り組みを実践いただいておりますことに深く敬意を表します。
さて甚大な被害をもたらし、多くの尊い命を奪った東日本大震災、その爪あとは深く、今なお震災避難者は14万人余りとなっています。
また福島第一原発事故の収束のめどもたたず、この事故より5年が経過した今もなお、帰りたいところに帰れず、会いたい人にも会えない毎日をおくられている福島県内外への避難住民が約9万人おられます。
一方で2011年3月11日に内閣総理大臣により公示された原子力緊急事態宣言は継続していますが、2016年9月現在、国内には川内原発1号機、2号機と伊方原発3号機の3基が稼働しています。
福島第一原発事故後の教訓は「原発は事故が起きる」「人間は原発をコントロールできない」「原発に依存しないエネルギー政策への転換」であります。
いま日本で予期せぬ地震、災害が多発している中、最も迅速な対応が求められていることは、現在も稼働中である原発事故への備えであります。
まずは私たち市民一人一人が、原発や放射能、放射線等に関する正しい知識を持ち、原発事故が起きた場合にどのように行動するかについて日ごろから考えておく必要があります。
米原市におきましても、原発事故への備えを進めるとともに、市民のみなさんに対しましても、原発や放射能、放射線に対する正しい知識を持って、冷静な判断のもと、行動していただけるよう啓発して参りたいと考えています。
むすびに本講演が参加者のみなさまにとって有意義な講演となりますとともに、ご参集のみなさまの、今後ますますのご健勝とご活躍を心から祈念申し上げ、メッセージとさせていただきます。
平成28年9月24日 米原市長 平尾道雄

実は今回、記憶を辿りなおしつつ、IWJのアーカイブで市長のこのメッセージをあらためて拝聴したのですが、率直にいって市長がこの時点ですでに、とても優れた原子力防災の意識をお持ちであったことが分かりました。
ちょっとうがった言い方になって恐縮ですが、あるいはこの時すでに僕の著書を読んでくださっていたのかもしれないなとも思いました。
短いメッセージですが、大事なことが幾つも述べられていたからです。

さてそんな中で事態がさらに前に動いたのは、関西の原子力防災を考えて行政交渉などを重ねている方たちが米原市を訪れたときでした。
このときはびわこ123キャンプの主催者グループに長いこと参加している井野文さんなどが西村さんとともに、原子力防災の強化、とくにヨウ素剤の事前配布を求めて訪れてくれたのでした。
すると平尾市長が「ヨウ素剤の事前配布をやりたい」と回答書により名言してくださったのです。

この滋賀での動きをさらに促進してくださったのが、この間の流れにすべて参加してきた西村さんによる滋賀の各市の議員さんに対する原子力防災の啓発でした。
西村さんは2017年6月5日に「くらしとせいじカフェ@原子力災害~備えておきたい知識と心構え【議員さん向け勉強会】」を草津市で企画してくださり、僕が講演。このときは参加者約50人の半分以上が議員さんでした。
このときは福島原発事故の年から、信楽でいろんなことを一緒に共有してきた玉崎洋子さんなども主催者として加わってくださいました。玉崎さんももちろん「くらしとせいじカフェ」に関わり続けています。
そしてそこに参加していた高島市議の是永宙さんや、びわこ123キャンプを担ってきた青谷真由美さんに西村さんが声掛けして「この企画をぜひ高島市で」となり、9月29日に「くらしとせいじカフェ@たかしまの防災」がやはり僕を講師として企画されました。

しかもこの時は高島市と高島市教育委員会が後援してくださるとともに、高島市原子力防災対策課が参加し、原子力防災計画について報告してくださいました。
これはマキノ町の「一二三館」を保養キャンプの場に何回も提供してきた青谷真由美さん、五和雄さんご夫妻による地域への地道な関わり、行政との信頼関係の構築のもとに実現できたことでもありました。
高島市原子力防災対策課はすでに数年前に一二三館の保養キャンプの際の大人向け講演の時にも参加して下さり、僕とジョイントで講演してくださっていました。
この流れを受けて、昨年9月も、僕はまず原子力防災対策課の話を受け、水害対策を含む防災課の取り組みの積極面を評価させていただく形で講演しましたが、この時に米原市もこれまた西村さんの要請に応えて、防災危機管理課の方を二人派遣してくださったのでした。

このように関わりを進める中で、今度は米原市役所を「くらしとせいじカフェ」や「議員さん向け勉強会」などに参加してくれてきていた米原市議の中川雅史さんと西村さん、僕で訪問することになりました。
中川さんとの縁を作りだしてくれたのは、彦根市在住(いまは一年だけ海外へ)の中野和子さんや、大津市在住の岡田由布紀さん、草津市在住の北岡七夏さん、野洲市在住の畑佐よしみさんなどがはじめた「くらしとせいじカフェ」の湖東・湖北版?でした。
彦根・長浜・米原で2月に1回のペースで持ち回りで行われてきました。僕はここで民進党の国会議員だった田島一成さんとも知り合いになり、およそ3年近く参加を続け、その中でこの地域の方とどんどん親しくなっていきました。

米原での開催は、毎回、醒ヶ井の「渡部建具店」をお借りしていました。いつも優さん・秀夫さん夫妻で出迎えてくれるのですが、参加者がなんだかとてもほっこりできる素敵な場でした。
お二人は今回のお話の場である「ゆっくりマルシェ」の立ち上げも担ってくださっています。Facebookのイベントページの素敵な挿絵を書いてくださっているのも渡部優さんです。
僕にとってもここが米原市の中で、定期的に通えるようになった初めての場となりました。

そんな中で縁のできた中川さん。民進党議員が一方で希望の党へ他方で立憲民主党へという昨秋の厳しい条件の中でこの時期に再度の米原市議会選挙があったのですが、なんと2位で当選!そのまま原子力防災の強化にも力を注いでくださっています。
それやこれやの中で3人でまずは市役所危機管理課の方とお話してから市長室を訪ねました。市長は僕の本だけでなく、篠山市原子力災害対策検討委員会の議事録にも目を通していると語ってくださいました。とてもありがたく感じました。
それで「篠山市のようなことを進めて欲しい。ただしまだまだ米原市は市民も市役所も理解が十分ではない。ここを充実させていきたい」とおっしゃいました。
これに対して西村さんや渡部さんたちが考えてくださったのが今回のマルシェでした。僕も企画の組み立てに積極的に関わる中で危機管理課の方とのジョイント講演が決まりました。

このよう振り返った時に、滋賀の方たちの「くらしとせいじカフェ」というとても豊かな取り組みの上に、西村静恵さんが様々な動きの中で原子力災害対策の広がりのアプローチを重ねてきてくださったことが分かります。
これに中川雅史議員をはじめ、まるで同じ山のてっぺんを目指して、様々な角度からアプローチするかのように多数の方が時々にジョイントしてくださる中で、今日の一歩が作りだされてきたのです。
だからそれはみんなで積み上げてきたものです。市民による地道な努力の積み重ねの大切さをあらためて感じます。

21日はみんなで積み上げられてきた大事な成果をさらに前に発展させるために心を込めてお話します!
ぜひお越しください。

一緒にさらに逞しく民衆の力を育てていきましょう!
Power to the people!

******

ゆっくりマルシェ#9
https://www.facebook.com/events/1480767532042797/?active_tab=about

日時:2018.3.21 (水・祝) 10:00~15:00
会場:ルッチプラザ(米原市長岡1050-1、JR近江長岡駅徒歩10分)

内容:
☆マルシェ
10:00 - 15:00

マルシェで知る防災
https://www.facebook.com/events/391288451341645/?active_tab=discussion

10:00 - 10:30 防災危機管理課 出前講座「日頃の備えを大切に」(仮題)担当:防災危機管理課 石河さん
10:30 - 11:30 守田敏也氏のお話「いのちのまもりかた」
『プロフィール』 守田敏也氏 1959年生まれ。同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て現在はフリーライター。各地で放射線防護の講演を行っている。2012年より兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会委員に就任

12:00 - 15:00 かえっこばざーる@ゆっくりマルシェ
また、滋賀・岐阜で「冒険遊び場」「子ども食堂」「森のようちえん」等の活動をされている皆さんに出店やワークショップなどもしてもらいます

☆企画展
いのちのまもりかた展
期間:3/11 - 3/21
場所:ルッチプラザ2階 図書館前

「ていねい・てづくり・オーガニック」なこだわりのお店がたくさん!
オーガニックなごはん&おやつ/フェアトレードコーヒー /農薬不使用の新鮮野菜/手づくり&自然素材の雑貨/ボディケア/手づくり体験ワークショップ/空き家相談/冒険あそび場 などなど

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明日に向けて(1481)京都府に原発反対の知事、同時に愛と温かさにあふれる知事を登場させたい!力を貸してください!

2018年03月17日 06時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180317 06:00)

この14日に大飯原発が再稼働を強行されました。
中央構造線沿いに不気味な動きが続き、2011年に東日本大震災の発生と連動した新燃岳の爆発的な噴火が続いていて、しかも草津白根山がまた噴火警戒状態になるなど、大地が鳴動し、巨大地震の可能性が高まっている中でです。
政府の地震調査委員会も、南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率を、すでに昨年末に従来の「70%程度」から「70~80%」に引き上げているほどです。

30年以内発生確率「70~80%」に
毎日新聞2017年12月28日
https://mainichi.jp/articles/20171229/k00/00m/040/034000c

巨大地震が迫りつつある中での大飯原発の再稼働はまったくもっての愚行です。
なんとしても停めたい!たくさんの人の命を守るためにです。

そんな中で京都府は府知事選を迎えようとしています。4月8日が投票日です。
現知事の後継者として自民党が担ぎ出したのは中央官庁のエリート官僚。しかも財務省と並んでさまざまにいわくつきの金権官庁である国土交通省からの候補予定者です。
しかもこの間は復興庁で福島原発事故による放射能被曝の危険性から逃げ出した避難者に放射能被曝地域への帰還を強いてきたいわくつきの人物です。当然、原発の再稼働にもまったくもって肯定的です。

これをみて京都の心ある多くの人々が「誰かいないのか」と焦りの眼であたりを見回していたのですが、そうしたらまさに今の京都府にとって、いやこの政治から愛と誠実さが欠けきったこの国にとって、うってつけの人物が出馬表明してくださいました。
弁護士の福山和人さんです。福山さんはもちろん原発には絶対反対。また切れ者弁護士としての力を十二分に持っている上に、とにかく誠実で優しい。愛に溢れています。
この方が知事になれば関西電力に強い影響をもたらし、福井の原発銀座の稼働を止めることができる。同時に確実に幸せになる人を増やせる!温かい府政が実現する!そう確信して僕はばんばん彼を推しています。

みなさん。まずは以下の動画をご覧ください!そして「いいな」と思ったらできるだけ多くの人に「これを見て」と伝えてください。
京都民報による文字起こしもご紹介しておきます。

2018府知事選/2・21府民大集会 福山和人さんの訴え(動画)
https://www.facebook.com/kobayashi.higashiyama/videos/1873117812763631/
https://www.youtube.com/watch?v=Vi6tRY46y78

京都民報(2018年2月22日)による文字起こし
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2018/02/22/post-21675.php

ぜひ京都府以外の方にも見ていただきたいです。
福井原発銀座の目と鼻の先にある京都府知事にどういう人物がなるのかは、この国全体に大きな影響を及ぼすことでもあるからです。

ご覧になった上で「力を貸そう」と思っていただけた方はさらにこちらをクリックして下さい。

つなぐ京都
http://www.fukuyamakazuhito.jp/

ここからどんどん情報拡散にご協力ください。

今日は僕は今から舞鶴市に向かいます。稼働している高浜原発からも大飯原発からもすぐそばの都市です。
午後には少し南の福知山市に向かいます。実は福知山市は篠山市に隣接していてより高浜原発に近い町。篠山で実現してきたことを福山さんと一緒に福知山で実現することを訴えたいです。
どちらも福山さんが発話されますが、僕も応援で発言させていただきます!

18日にも京都市左京区で午前11時から福山さんを囲むタウンミーティングに参加して発言し、午後5時からは三条大橋での福山さんのアピール現場にかけつけそこからデモにでます。
デモでは好きなプラカードなどを持ってきて欲しいとのことです。

全国のみなさん。京都の奮闘にご注目ください!
京都のみなさん。ぜひ合流を!

あなたの力で世直しを進めましょう!

*****

3月17日舞鶴市 午前10時から
福ちゃんとつながるミーティング(舞鶴市)
https://www.facebook.com/events/207124013214183/
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1365494670264096&set=pcb.1365510106929219&type=3&theater

3月17日福知山市 午後1時半から
「いのちの寄りそい憲法をいかす317北部大集会」
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10213312922075882&set=a.3300903639751.2140616.1182740570&type=3&theater

3月18日京都市左京区 午前11時から
左京区つなぐ京都ミーティング
http://www.fukuyamakazuhito.jp/activity/168/

3月18日京都市中京区 午後5時から
318つながるプロジェクト・デモ
https://www.facebook.com/events/503604070095913/

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明日に向けて(1480)京都・東京地裁が国と東電の賠償責任を相次いで認定!―原発賠償訴訟判決に思う(1)

2018年03月16日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180316 23:00)

昨日15日、本日16日、京都地裁と東京地裁であいついで、福島第一原発事故に伴って避難を決行した人々が国と東電を訴えた裁判において、それぞれの責任を認め、賠償を命じる判決が下されました。
この判決は東日本の広範な地域からの避難の権利を、避難者自らの力でその正当性を立証することで勝ち取った極めて意義の高いものです。
家族の命と私たちの未来を守るために避難を決行し、その後の不自由で困難な生活に耐え、しかもその中で国と東電という巨大な権力者を相手取って裁判を闘い抜いてこられたすべての避難者のみなさんの奮闘に心から拍手を送りたいと思います。

国と東電はこの重い判決を受け止め、ただちに避難者への謝罪と賠償を行うべきです。
福島原発事故からこの判決にいたるまですでに7年以上もの歳月が流れています。これ以上、原告たち、避難者に労苦を強いずに誠意をみせるべきです。

同時に私たちが踏まえておかなければならないのは、裁判所は一部の人々の訴えを退けており、避難の権利を十全に認めたわけではないことです。
このことが「国と東電の責任を認めて欲しい、避難の正当性を認めて欲しい」と訴えてきた避難者全体の心に素直に喜べない影を落としてしまっています。
私たちは今後の奮闘でこの限界を越えていく必要性があります。

さらにもう一点、ぜひとも付け加えておきたいのは、裁判所は「避難の相当性を認める」だけでは足りなかったということです。
そのようにどこか上から目線で「認可」を与えるのではなく、むしろ困難な避難を決行し、その後も被曝の危険性を訴えて裁判を担ってきた原告たちの奮闘をもっと高く評価し、多くの人々がリスペクトすべきものであることを高らかに打ち出すべきでした。

なぜなら福島原発事故で危険な地域から飛び出したこれらの人々こそ「率先避難者」にあたるからです。
災害時に私たちの避難行動を阻むものに「正常性バイアス」というものがあります。現代人は日常生活で命の危機に直面することがほとんどないので、その時の心構えがなく、いざとなると事態を直視できなくなってしまうことを指した言葉です。
このため危機が迫ってきていることを認めず、有効な避難に移れないことが多いのですが、このとき人々を助けるのが「率先避難者」なのです。誰かが率先して避難行動に移ることで他の人々の心理的ロックがはずれ、避難が促進されるからです。

放射線被曝の影響は五感では感受しにくい。敏感な人にはさまざまな形で察知されてもいますが、それこそ津波のように視認できるわけではないので、より「正常性バイアス」がかかりやすい。
そして政府や電力会社、権力者サイドから流される「安全論」がこれに拍車をかけ続けているため、福島原発事故以前には明確に「危険」とされていた地域から、人々が逃げ出さない、逃げだせないことがいまでも横行しています。
これに対して避難者のみなさんがとった行動は、人々に被曝への注意喚起を訴え、あるいは避難すべきことを問うものでもあったのであって、多くの人々の命を守ることに直結する英雄的な行為だったのです。

だから裁判所は、いや裁判所だけでなく私たちの社会は、この行為に対してもっと尊敬を込めた拍手を送り、感謝を表明し、サポートを行うべきなのであって、本来ならば判決にもこの点が書きこまれるべきであったと僕は思います。
またこうした観点を裁判所がきちんと持っていれば、一部の人々の避難の権利を棄却してしまうこともなかったのではないかと悔やまれます。
これらから僕は、自らの行動の正当性を自らの力で証明した避難者のみなさんの大奮闘に拍手を送るとともに、率先避難を敢行し、いまなお避難の正当性を訴え続けることで、被曝への警戒心を喚起し続けている行為により大きな拍手を送りたいと思います。

そもそも避難者が守らんとしたのは直接的にはご本人とご家族の命でしょうが、それはまた私たちの未来そのものでもあります。
考えてもみて下さい。私たちの周りに被曝で苦しむ人々が、子どもたちがどんどん増えたら私たちの未来はどんなに暗くなってしまうことでしょう。いや、いま実際にそうしたことが東日本を中心に拡大中なのです!

僕自身、つい最近も群馬県の高崎市を訪れ、三田茂医師の言われる「能力減退症」に苦しむ多くの人々、子どもたちと出会って来ました。それどころかたくさんの方が心筋梗塞や大動脈解離などによって突然死してしまったことも聴いてきました。
こうした事実と向かい合い続けてきている僕であっても、人々が被曝で苦しんでいるさまはとても心にこたえます。悲しいです。もうこんな悲劇を見聞きしたくないです。
だから僕は被曝の危険性をもっと訴え、人々に命を守りぬくことを呼びかけ続けたいと思うのです。

原発賠償訴訟の意義は原告のみなさんの当然の権利の保全とともに、もっと拡張されたものでもあると僕は思います。
この裁判そのものが「率先避難」の延長線上にあるのです。まさにこれは原告だけでなく、多くの人々の命、私たちの未来そのものを守る裁判なのです。

こうした観点を踏まえて、今後、これらの判決の分析を連載したいと思います。
今回は裁判の内容を報じた毎日新聞の記事を貼り付けておきます。
(なお資料価値が高く、さきざき読みかえすことにもなると思うので、有料記事で大変ごめんなさいですが全文を引用させていただきます。どうかご寛恕ください。)

*****

国と東電の賠償責任認める 京都地裁
毎日新聞2018年3月15日 10時26分(最終更新 3月15日 23時49分)
https://mainichi.jp/articles/20180315/k00/00e/040/219000c

国の責任認定は前橋地裁、福島地裁判決に続いて3件目

東京電力福島第1原発事故に伴い、福島、茨城、千葉各県などから京都府に自主避難するなどした57世帯174人が国と東電に計約8億5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁(浅見宣義裁判長)は15日、国と東電に対し、賠償するよう命じた。

原発避難者の集団訴訟で国の責任を認めたのは、昨年3月の前橋地裁、同10月の福島地裁判決に続いて3件目。
原発避難者の集団訴訟は、全国で約1万2000人が約30件起こしている。判決は前橋地裁を皮切りに、千葉、福島、東京各地裁に続いて5件目(東京地裁は被告が東電のみ)。千葉地裁は国の責任を認めていなかった。

京都訴訟原告の事故当時の居住地は、福島市やいわき市など東電が賠償対象とする福島県内の「自主的避難区域」が143人で、同区域外の福島県や茨城、千葉など他県が29人。他の2人は国の避難指示などが出た福島県内の区域に住んでいた。
いずれも平穏な日常生活を奪われ、二重生活に伴う負担増を強いられたなどと訴え、原則1人550万円の賠償を求めていた。

政府の地震調査研究推進本部は2002年、福島沖で巨大津波地震が起き得るとした「長期評価」を公表している。原告側は国の責任について「津波の危険性を予見できたのに有効な安全対策を怠った」と主張。
一方、国は「長期評価からは地震を予見できず、規制権限の行使義務もなかった」と反論していた。

16日に東京地裁、22日には福島地裁いわき支部でも集団訴訟の判決が予定されている。【飼手勇介】

国の責任、司法判断として定着しつつある 淡路剛久・立教大名誉教授(民法・環境法)の話 
判決は、自主避難をせざるをえなかった原告の個別事情を踏まえ、避難の相当性を認めた。被害実態に必ずしも即していない中間指針に基づく賠償を司法的に是正する内容で、重要な判断だ。
一方、東電からの賠償額で十分として請求を棄却された人がかなりおり、裁判所の損害認定額が低かったと感じる。国の責任は前橋、福島両地裁に続き、京都地裁でも認められ、司法判断として定着しつつある。
国は賠償の基準や期間、さらには地域復興についても、政策のあり方を見直す必要があるのではないか。

避難の判断基準、司法がより具体的に示す 除本理史(よけもとまさふみ)・大阪市立大大学院教授(環境政策論)の話 
避難が合理的かどうかの判断基準を、司法がより具体的に示した。中間指針で賠償対象となった区域の外でも、司法が独自に賠償を認定する流れが定着してきた点も注目すべきだ。
ただ、放射性物質の汚染による不安が長く続いていることを考えると、避難の時期を12年4月1日までで区切ったのは短すぎる。

***

福島第1原発事故 原発避難者訴訟 自主避難、賠償拡大 家族離別「時戻らず」 京都地裁判決
毎日新聞2018年3月16日 大阪朝刊
https://mainichi.jp/articles/20180316/ddn/041/040/009000c

東京電力福島第1原発事故の避難者集団訴訟で、京都地裁は15日、国と東電の責任を認めて賠償を命じた。原告の事故当時の居住地は、福島県内の「自主的避難区域」(福島市など)が141人、茨城や千葉など同区域外が31人と自主避難者がほとんど。
判決は子供の有無など独自基準を示し、原告の8割超の149人の避難を相当として賠償金の大幅上積み(最大457万円)を認めた。同種訴訟に影響を与えそうだ。

「離ればなれになった時間は取り戻せない」。福島市の吉野裕之さん(52)は判決後の記者会見で言った。事故後、妻(51)と一人娘の長女(10)を京都市山科区に避難させた。別居生活は7年に及ぶ。
福島第1原発までは自宅から約65キロ。事故当時、娘は3歳だった。低線量被ばくが心配で妻子を避難させることを決めたが、自身は仕事のため福島市に残った。現在は福島市内のNPO法人に勤め、放射線測定をしている。娘と会えるのは月1回程度。
「もう一度赤ちゃんに戻ってくれない?」。つい、そんな言葉が口をつく。
一家は賠償を認められたが、40歳を過ぎて授かった愛娘と別れた月日を考えると少なすぎると感じる。「東電や国の責任をもっと明確にすべきだ。ここからが踏ん張りどころ」と先を見据えた。

今回の判決は、国の「中間指針」で賠償の対象外だった福島県外の避難者にも扉を開いた。原発から約70キロ離れた茨城県北茨城市から京都市伏見区に母子避難した川崎安弥子さん(50)も、賠償が認められた一人だ。
健康被害への不安から2012年1月、夫を残して子供3人と京都に移った。ただ、明るかった長男はふさぎ込み、その後1人で茨城に戻った。自分の決断が正しかったのかずっと揺れていたという。
「避難を認める判決を書いてもらえたよと、あの時の自分に言ってあげたい」と声を詰まらせた。【野口由紀、宮川佐知子】

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明日に向けて(1479)2011年3月11日を振り返る・・・津波被害もまた政府の災害対策のあやまりの中で拡大した!

2018年03月14日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180314 23:30)

2011年3月11日からまる7年間が過ぎました。
この8回目になる3月11日を前後してさまざまなことが起こりました。
僕なりに注目すべきものをピックアップすると第一にあげなければと思うのが3月6日の霧島連山・新燃岳の爆発的噴火です。
この噴火、まだ継続中で、場合によっては数か月にも及ぶと予測されています。

ちなみに新燃岳の前回の爆発的噴火は2011年1月26日でした。その1月半後に起こったのが東日本大震災でした。
霧島連山の噴火は歴史的にも日本列島各地の大地震と連動しています。
僕には因果関係などは把握できていませんが、しかし東日本大震災など、歴史上、実際に霧島連山と大地震が近接して起こっていることには注意が必要です。
これに関して論じているHPを紹介しておきます。

【緊急警告】新燃岳噴火→数カ月以内にM8巨大地震や富士山噴火の法則! 11のデータが証明する“恐怖の連鎖”、3.11とも完全一致!
http://tocana.jp/2018/03/post_16226_entry_2.html

これ以外にももちろん本日14日の大飯原発3号機の再稼働強行も大きな問題です。
同時にこの時期に森友問題が再度燃え上がり、安倍政権が末期を迎えようとしていることが重なっています。あるいは何かの因果かもしれないなどとも思えます。

さて今回、問題にしたいのは7年前の2011年3月の大震災の被害です。今一度振り返りたいと思います。
まず人的被害は以下の通りでした。(2018年3月9日時点)
死亡15,895人 行方不明2,539人 負傷6,156人。
都道府県での内訳は、宮城県9,540人、岩手県4,674人、福島県1,614人、茨城県24人、千葉県21人、東京都7人、栃木・神奈川県4人、青森県3人、山形県2人、群馬県・北海道1人でした。
亡くなられた方の90.64%は溺死でした。津波被害が圧倒的だったことが分かります。

一方で震災関連死も起こっています。津波の時は命からがら避難できたけれども、その後に亡くなった事例です。(2017年9月末)
総数で3,647人。内訳は福島県2,202人、宮城県926人、岩手県464人など。
大震災の被害と逆転して福島県が最も被害が多いのは、福島県では津波被害と無関係に、原発事故からの避難の途中で亡くなった方が多かったことです。
これに対して「無理な避難をしたからいけなかった」というとんでもない言い方がまかり通っていますが、そうではありません。
大事故の起こる可能性を否定したまま原発の無謀な運転を続けた東電と、それを認めてきた歴代政府のためにこれらの人々は命を奪われたのです。

あらためて、この圧倒的な数の方が亡くなられたことを前に、ひたすら手を合わせ、鎮魂の祈りを捧げたいと思います。
またご家族や大切な方を亡くされた方の痛みが少しでも和らぐ日の来ることを心から願ってやみません。
同時にあの大災害はたとえ犠牲者に近親者や知人がいない方でも心に多くの傷をもたらました。そのすべての傷が癒されることもまた心から願います。

一方で建造物の損壊では全壊121,176戸、半壊280,923戸でした。
全壊は宮城県83,003戸、岩手県19,508戸、福島県15,224戸などでここでも最も過酷な津波の被害を受けたのが県別であれば宮城県であったことが分かります。
「壊滅的」とも言えるこれらの被害はいまなお十分にカバーされていません。僕は東京オリンピックなど今からでもやめてその予算のすべてを東北・関東の被害の癒しに使うべきだと思います。

さて福島原発事故に対してはその責任をめぐってまだしも裁判が起こされていることに対し、多くの方が津波にさらわれ、溺死した津波被害は「天災」の言葉でくくられたまま、十分な問題の捉え返しがなされていないように思えます。
しかしそんなことはけしてありません。私たちはこの点でも津波対策を怠り、実効性のある避難計画を作ってこなかった政府に大きな責任があることをしっかりと認識する必要性があります。

にもかかわらずこの点はいわば福島原発事故の背後に隠れてしまってきたのではないでしょうか。そしてそうであるがゆえに同じ過ちが繰り返されようとしているのではないでしょうか。
あれほどの災害に見舞われながらこの国は、有効な対策を重ねないままにまた次の自然災害や、それと連動した人工災害に見舞われようとしているのではないか。いや「そんなことがあってはいけない」という思いでこの一文を書いています。

こう書くのは2010年12月17日に初版が出されている岩波新書『津波被害』河田惠昭著の「はじめに」を読んで大きな衝撃を受けたからです。
多くの方に知っていただきたいので引用したいと思います。

「この本の出版は、2010年2月27日に発生したチリ沖地震津波がきっかけとなっている。わが国では、約16万人に達する住民を対象に、避難指示・避難勧告が出されたが、実際に避難した人は3.8パーセントの約6.4万人に過ぎなかった。
とくに、津波常襲地帯の北海道、青森、岩手、宮城、三重、和歌山、徳島、高知の各県の沿岸市町村でも、対象人口74万人中、5.1パーセントの約3.8万人が避難したに過ぎない。
このように極めて低い避難率であった。近年の津波被害では、住民の避難率が大変低いことはすでに問題となっていた。しかも、年々これが低くなっているのである。
『こんなことではとんでもないことになる』というのが長年、津波防災・減災を研究してきた私の正直な感想であり、一気に危機感を募らせてしまった。
沿岸の住民がすぐに避難しなければ、近い将来確実に起こると予想されている、東海・東南海・南海地震津波や三陸津波の来襲に際して、万を超える犠牲者を出しかねない、という心配である」(pⅰ)

いかがでしょうか。
僕にはこの時の河田さんの訴えが社会に浸透していればと悔やまれてなりません。「こんなことではとんでもないことになる」「万を超える犠牲者を出しかねない」という河田さんの思いは残念ながらまったく正確に的中してしまったからです。
そしていま、同じことが進行中なのではないでしょうか?いや確かに進行していると僕は思います。
その元凶が政府が原発にしがみつき、いままた再稼働しようとしていることにあると僕は考えています。

これは原発そのものの危険性のことだけを指しているのではありません。原発の再稼働のために、実は再度の地震や津波がこの国を襲うリアリティからも目をそらそうとするさまざまなことがらが繰り返されてきているからです。
なぜかと言えば、地震や津波の被害の可能性をしかるべく強調し、人々に備えを訴えれば、おのずから原発の再稼働などとんでもないことが鮮明化してしまうからです。

この間はその上にJアラートでのミサイル発射情報の伝達という愚行が繰り返されてきました。
もともとJアラートは自然災害などの情報を瞬時に流すためのものでもありますが、これに朝鮮からの弾道ミサイルが日本に落下する可能性が付け加えられ、この間、何度となく鳴らされました。
そのいずれも日本の上空かなたの通過であって、落ちてくる心配などまったくなかったことが事後的に明らかになりましたが、これは災害対策上の最悪の行いなのです。
なぜならこうしたことを一回でも行うと、それでもう本当に避難しなければならないようなアラートのときに、それを信じず、退避行動に移らない人々が出てきてしまうからです。
ようするに河田さんがあの3月11日の直前に「これではたいへんなことになる」と胸を痛められていたことが何ら継承されていないばかりか、むしろこうした犯罪的な愚行によって危険性が拡大されてしまっているのです。

原発の再稼働にあたっても、火山の動きや地震の影響の過小評価ばかりが繰り返されています。
中でもひどいのは火山の噴火が何年も前に予知できるというあまりに非科学的な暴言が横行していることです。これは活火山に囲まれた川内原発を稼働させるために飛び出してきたものですが、それは火山噴火の危険性の過小評価と密接に絡まっています。
そんな中で2016年に起こった熊本を震源として大分県や鹿児島県までもが著しく揺れた地震に際しても、政府はけして「九州地震」とは言わずに「熊本地震」と言い続けました。
「九州地震」と呼ぶと、鹿児島県にある川内原発や、大分県から海を隔ててすぐの佐多岬にある伊方原発が危険地域にあることが際立ってしまうからでした。

このようにそもそも2011年3月の大津波による犠牲も、災害への備え、とくに「とっとと逃げる」意識の形成が不十分であったことによって拡大したわけですがそのあやまりは何ら克服されていません。
原発の危険性から目をそらしたい政府のもとで、災害全体の捉え返しもまた十分に深められず、おざなりなままなのです。いまなお「このままではたいへんなことになる」状態が放置されているのです。

もちろん何もなされてきていないわけではありません。民間での必死の捉え返しや、地方行政による災害対策の積み上げなどはなされてはきているのです。
しかし肝心の政府がちっとも災害対策に本気になっていないのがこの国の現状なのです。この点では僕はどの野党もまた十分な災害対策指針を打ち出せていないように思えます。

私たちはこの状態をただし、原発だけでなく中央構造線という巨大な断層帯の揺れや、いずれも30年内に7割以上の確率で起こると予測されている東南海トラフ地震や関東大震災などに備えなくてはなりません。
そもそも南海トラフ地震については政府の地震調査委員会は、30年内の確率を7割から7~8割にあらためています。にもかかわらず意識喚起がなされていない。
いや地震だけでなくて、富士山を初めとする活火山の大規模噴火にも備えなくてはいけない。やらなければならないことは本当にたくさんあります。

そのリアリティを突き詰めるならば、自衛隊を災害救助隊へと抜本的に改編することこそもっとも合理的であることも見えてくると僕は思います。
「とっとと逃げる」意識づけの強化だけでなく、本格的な救助隊の創出まで進まなければ、この国を襲う巨大災害への備えをなせたとは言えない。こうした意識改革こそがいまこそ必要なのです。

2011年3月11日から7年を越え、亡くなられた多くの命に手を合わせて、私たちはいまある命、これから生まれてくる命を守ることにもっともっと心を傾けましょう。
そのことを僕はこの日、この時に誓わなければならないと思うのです。

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明日に向けて(1478)福島事故から7年、原発ゼロと被曝防護強化の声を響きわたらせよう!

2018年03月09日 13時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です(20180309 13:30)

もうすぐ東日本大震災と福島原発事故から7年が過ぎようとしています。
あらためてこの大震災と大事故で亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、被災され、避難を強いられ、いまなお苦しまれているすべてのみなさんにお見舞い申し上げます。
3月11日を前後して全国でさまざまな催しが行われます。ぜひそれぞれの場に参加し、原発ゼロと被曝防護強化の声を響きわたらせましょう。

僕はこの間3月3日静岡県焼津市、4日静岡市、5日神奈川県茅ヶ崎市、6日群馬県高崎市でお話してきましたが、とくに高崎市で、群馬県に深刻に広がる健康被害を耳にして、十分に予想できたことではありながらとても胸が痛い思いをして帰ってきました。
その報告はおいおいするとして、ともあれもう二度と原発事故を起こさせないために原発をなくせという声を一層高めること、また現に原発が動き、核燃料が危険な形で存在していることを見据えた原子力防災を進めること、そしてすでに起こってしまった深刻極まる被曝影響に対処し、もうこれ以上、被曝を重ねないための防護を徹底化すべきことなどを、この週末に全国のみなさんと一緒に訴えたいと思います。
しかもこんな中で関西電力と九州電力が、この3月にも大飯原発と玄海原発を再稼働させようとしていますので、一層大きな声を出していかねばです。

全国各地のイベントを紹介できないので自分がかかわっている企画をご紹介しておきます。
まずは京都市で開催予定の「バイバイ原発3・11京都」です。僕も呼びかけ人に加わらせていただいています。
京都市近辺のみなさん。ぜひご参加下さい。

バイバイ原発3.11きょうと
http://nonukeskyoto.com/

ただし大変申し訳ないのですが、この日、僕はこの京都市の企画には参加せず、静岡県富士宮市で講演させていただきます。
富士宮市では市長の決断のもと、来春に安定ヨウ素剤の備蓄を積極的に開始します。積極的にとは、できるだけたくさんのところに備蓄し、市民に安定ヨウ素剤配布の意義を徹底化させるということです。
この動きに合わせて、3月11日に市民集会が開かれ僕が講演させていただくことになりました。

3.11を忘れない 第2回 原発災害からのいのちの守り方
https://www.facebook.com/events/1924424551201752/

一方で関電による大飯原発稼働の強行に対して、小浜市の中嶌哲演さんが、12日~14日に大阪の関西電力本社前で断食をされるそうです。
午前10時から午後6時までとのことです。可能な方はぜひとも応援に駆けつけてください。僕も何とかして馳せ参じたいと思っています。

京都市では今日9日にも関西電力京都支店前での抗議行動(キンカン行動)が午後5時から7時まで行われます。
今回は午後6時45分から大飯原発稼働の動きへの抗議の関電包囲デモも行うそうです。
なおこの後に僕が参加する「ヨウ素剤を配ってよ@京都」第1回参加者ミーティングをキャンパスプラザにて行います。

明日10日には午後2時よりエルコープのお招きでしんらん会館にて「原発からの命の守り方」等々のお話をします。
可能な方にはこちらにもご参加下さい。

***

3月9日(金) 京都市キャンパスプラザ

「ヨウ素剤を配ってよ@京都」第1回参加者ミーティング
https://www.facebook.com/events/732132140323287/

昨年末に立ち上げた「ヨウ素剤を配ってよ@京都」の第1回参加者ミーティングを行います。
はじめに守田敏也さんから全国各地のヨウ素剤配布運動や原子力災害対策の進展についてお話を30分ほど受けてから自由な意見交換を行います。ぜひご参加下さい!

3月9日(金)午後7時ごろから
実質的にはキンカン行動の後、みなさんが集まってから始めます。
参加費無料(可能な方はカンパをお願いします)

***

3月10日(土)京都市しんらん会館

守田さん、おしえて~  原発・ぼうさい 今どーなってるの?
https://www.facebook.com/events/208727266371739/

原子力防災で全国を飛び回る守田敏也さんのお話です。
ドイツ反核キャンプで見てきたことや篠山市の災害対策検討委員で関わって起こった変化や今日再びやってくるかもしれない震災への準備についてたくさんお話していただきます。
(著書に『原発からの命の守り方』)

主催 生活協同組合 生活クラブ京都エル・コープ
参加費  100円
締め切り 3月2日
問い合わせ エル・コープ西センター 075-934-7371

***

3月11日(日) 静岡県富士宮市

3・11を忘れない 第2回原発災害からの命の守り方https://www.facebook.com/events/1924424551201752/

東日本大震災から7年近くが経とうとしています。
原発災害は数年経っても復興が叶わないことを経験しています。
また避難時に混乱の中正しい対処が出来なかったこともあります。
それらの反省を込めて今後起きる災害に対し、どう対処すればいいのか、どうしたら命を守れるのか皆さんと学びたいと思います。
是非ご参加下さい。

講師
守田敏也さん
東日本大震災体験者のお話
小笠原明日香さん

2018年3月11日(日)
午後1時30分〜
富士宮駅前交流センター きらら
2階 集会室
参加費500円

主催:防災を考えるみんなの会
連絡先:090-9133-9030(山田)
 

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明日に向けて(1477)この夏、南仏反核サマーキャンプ2018に集まろう!(8月6日~12日)

2018年03月02日 21時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(201800302 21:30)

僕が参加しているNuclear Heritage Networkの仲間たちより、この夏、南仏ナルボンヌで行われる反核国際サマーキャンプへの招待状が発せられました。8月6日から12日の開催です。
原文は英語で僕が翻訳し、宮崎寛さんにproofreading(原文と訳文の対照)をしてもらいました。

この日時の設定は僕の提案によるものです。広島・長崎の日を繰り込んでもらいました。もちろん原爆のことも話し合うためにです。
みなさん。ぜひこのキャンプに一緒に行きましょう!
あるいはここに日本からのチームを作って参加しますのでサポートしてください。
ご参加やサポートにあたっては、英語ができる方は直接、ここに書かれたアドレスにご連絡いただいてもかまいませんが、そうでない場合は、この記事への返信の形で僕(守田)に連絡をください。

世界の人々との連帯で核なき世界の可能性を開きましょう!

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反核サマーキャンプ 2018へのご招待

親愛なるご友人のみなさん

私たちはあなたを2018年8月6日から12日にかけてフランスナルボンヌ近郊で行われる反核国際サマーキャンプにご招待し、あなたの知識、経験、そして悪政に抗う熱い思いを分かち合いたいと思います。

私たちのグループは世界中の独立した反核アクティビストの集まりです。私たちの目的は、国際的なネットワークを作りだし、反核の問題に関する知識と経験を分かち合うことにあります。また、みなさまと共に過ごす時間に、サマーキャンプならではの面白さや刺激的な雰囲気を組み込みたいと思っています。

サマーキャンプは二つのメイントピックスによって成り立つ予定です。
一つはナルボンヌのマルベシにあるオラノ社(旧アレバ社)のウラン転換工場についてです。私たちはこの問題に取り組んでいる地域グループをサポートしつつ、放射性廃棄物の処分にもつながるウラン転換プロセスの現状に関する知恵を分かち合うことが重要だと思っています。キャンプ期間中、少なくとも1日はナルボンヌまたは近郊の核関連工場への抗議行動を行います。

もう一つはウランおよび燃料生成過程で生じる副産物の輸送の安全性についてです。この副産物には放射性廃棄物も含まれます。

プログラムの中では、参加者の知識と経験シェアしたり、さまざまなプロジェクトやキャンペーンの準備にあてる時間を設けたいと思っています。
加えて、気軽な交流会や、芸術と文化の触れ合い、シエスタやフェスタの場なども設けます。ミュージックバンドの演奏を楽しむ一夜も入れたいと願っています。
夕刻にはみなさんがこの間関わっている反核行動に関する映画・映像を上映する機会も設けたいです(キャンプに映像を持ってきてください)。

私たちのキャンプは8月6日、9日、広島と長崎への原爆投下の日に合わせて設定されています。このため、この場を、原爆で非常に多くの人々が亡くなったことに思いを馳せるとともに、核戦争の危険性を強く訴える機会にもしたいと考えています。

私たちは反核のワークショップ、レクチャー、ディスカッションのためのサポートを必要としています。核の問題に関するどなたのワークショップやプレゼンの申し出も歓迎します。
私たちはたくさんの参加者が反核の闘いやそれぞれの地域の核政策について語ってくださることを望んでいます。加えて、共同抗議行動の日(みんなで核関連工場へ抗議行動を行う日)を成功させるためのサポートも求めています。

キャンプ生活を送る上で必要なインフラとして、オリーブ畑の中にコンポストトイレ、ソーラーシャワー、キッチンなどを作ります。ワークショップやプレゼンでは、スペイン語、フランス語、英語などでのウィスパリング通訳(ノンプロでの)を準備したいと思っています。そのためにはあなたの力が必要です。

キャンプサイトは地中海のナルボンヌからわずか10キロ内の愛らしいフィールドです。しかしながらこの場所では小さな樹がわずかに日光を遮るだけなので、暑さと乾燥状態が懸念材料であり、山火事の危険性も大きくあります。このため私たちは責任をもって行動し火事の危険性を最小限にする必要があります。日除けの傘や、もし可能であれば消火器を持ってきてもらうことも、キャンプ準備をサポートする方法の一つです。

参加費について:サマーキャンプ参加者には毎日の食事、水、その他の費用がかかります。一日当たりの額については、今後の招待状でお知らせします。財政的に困難な場合は、費用の減額を申し出ることができます。もしヨーロッパの国々から来られるのであれば、飛行機を使用しないことをお勧めします。

テント、寝袋、音楽、楽器、あなたの持ち芸などをキャンプに持ってきてください。大きなテントやタープなどを持っている場合は、その旨お知らせいただければ幸いです。下記の連絡先をご覧ください。

より快適な宿泊をお望みの場合は、以下のナルボンヌの観光情報サイトで調べてみてください。この地域は夏には観光客がたくさん押し寄せますので、こうした宿泊施設に宿泊したい場合は、早めに予約しましょう。後日、宿泊可能な施設のリストをご提供できると思います。

どうかあなたのネットワークに反核国際サマーキャンプ2018をつなげてください。

これは最初のお知らせです。より具体的なプログラムや諸注意、周辺情報などをこれからの数か月のうちにお知らせします。

キャンプにご興味がある場合、もしくはサポートいただける場合は、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
camp2018 AT nuclear-heritage DOT net(「AT」を「@」に、「DOT」を「.」に変えて下さい)

キャンプへの参加登録をされる場合は、参加者と参加期日を記して以下のメールアドレスにお送りください。
camp-registration AT nuclear-heritage DOT net(「AT」を「@」に、「DOT」を「.」に変えて下さい) 

反核サマーキャンプ主催者から連帯を込めて!

【ナルボンヌ―マルベシのオラノ社(旧アレバ社)について】
ナルボンヌ―マルベシにあるウラン転換工場(ナルボンヌ市街地から 3 キロ)は今後何年にもわたって、21,000トン/年のウランを四フッ化ウラン(UF4)に処理・転換することになっています。いわゆるイエローケーキ(ウラン鉱石の濃縮物)の精製です。
オラノ社は放射性廃液を「クリーン」な処理で気化して大気中に放出することでもお金を稼ごうとしています。この処理技術を他社にも売りつけようとしています。オラノ社は今後40年、あるいはそれ以上に渡って350,000立法メートルの放射性廃液からなる放射性ガスを放出する許可を得ています。動植物や人類の生態へのリスクは大変深刻です。

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