守田です(20221130 16:00)
● 原発の最大限活用へ経産省が行動計画案 政府方針明確に転換
このタイトルは11月28日に配信されたNHKの記事に使われたもの。事態を端的に表しているので借用しました。中身は以下のように書かれています。
「次世代型の原子炉の開発を、廃炉となる原発の建て替えを念頭に進めることや、最長60年と定められている運転期間から、審査などによる停止期間を除外する」。
原発の最大限活用へ経産省が行動計画案 政府方針明確に転換
NHK NEWSWEB 2022年11月28日 18時50分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221128/k10013905691000.html
福島原発事故後に政府が国民・住民との約束の下に執ってきた方針の全面転換です。
原発推進策への転換を報じるNHK 20221128
● この転換は日本社会滅びへの道!
「原発の最大限活用」は日本社会の滅びへの道です。
福島原発事故の時も、日本は「東日本壊滅」の寸前にありました。メルトダウンし、ベントに失敗した2号機格納容器が爆発しても、4号機の燃料プールが干上がって火災が起こっても、広範な避難が必要でした。
4号機崩壊の危機に際し、政府は半径170キロ圏内の強制移住、250キロ圏内の希望者の移住を想定しましたが、それとて最悪とは言えません。4号機以外にも周辺に大量の放射性物質があったからです。
日本社会は、東日本壊滅どころか、もっと深刻な事態ー日本社会の滅びへと向かっていたのです。アジアをはじめ多くの国々、いや地球環境そのものへも破滅的なダメージを与えしまう寸前でした。
その福島原発事故は、今も原因究明の途上にあります。もちろん信頼できる対策など施されていない。そんな中で「原発の最大限活用」を続ければ、必ず第二、第三の過酷事故が起きます。
● 命を守り未来を救うためいま頑張ろう!
本当に愚かな選択です。福島原発事故以降、何か新しい知見や技術、対策が生まれたわけではないのです。
「次世代型原子炉」で、メルトダウンした核燃料を受け止める「コアキャッチャー」をつけると言っているのはその象徴。メルトダウンー破局的な事態を確実に避ける手立てなどないのです。
しかもいま、稼働可能とされている原子炉は一つもコアキャッチャーをつけていません。その上、多くが老朽化しています。
それらを運転期間を延ばして「活用」すると言う。メルトダウンを起こしうる原発を、古びているのに対策抜きに動かすと言っているのです。
明らかに原子力を推進する人々は、今後、さらなる過酷事故が起こることがあることも承知で、原発推進に舵を切り直しています。
ここにこそ「核の思想」があります。多数の人が被害を受けても一部のものが儲かればいいという発想です。
そんなの絶対に許してはなりません。私たちの命を守るためにも、未来世代への責任にかけても、いま、頑張りましょう。
新型原子炉でのコアキャッチャーの新設方針を報じるABEMA TV
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