明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2497)世界的に見ても原発がいきづまっているのは明らか 一見強気の建設計画も投機(株での儲け)のためだけで破綻は必至 確信を強めて脱原発の道を歩もう

2025年01月31日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20250131 23:30)

明日2月1日に『原発からの命の守り方2024』を読む会を行います。それに向けてさらに原発の世界的な行き詰まりについて考察しました。
なお読む会については記事の一番最後に紹介しています。

世界の電源構成における原発のシェア率は1996年以降、下がりっぱなし

昨年末、朝日新聞に極めて示唆的な記事が載りました。
「原発回帰の日本、世界は? 『もうひとつのノーベル賞』受賞者が解説」というタイトル
ライフ・LIVEリッド賞を1993年に高木仁三郎さんとともに受賞したマイケル・シュナイダーさんへのインタビュー記事です。
なおシュナイダーさんは「World Nuclear Industry Status Reports」を毎年発行しています。僕も直接、送って頂いています。

記事のアドレスを記しておきます。有料記事です。なお今回貼り付けた図・写真はみなこの記事から拝借しました。
https://digital.asahi.com/articles/ASSDK32YSSDKPLBJ002M.html?iref=ogimage_rek

大事なのは以下の図です。



これをみると原発のシェアは1996年の17.5%をピークに落ちるばかりで2023年は9.15%まで落ち込んでいるのが分かります。

発電量も2006年がピークで今もそれより少し下回っている状態ですが、これは特殊、中国だけが大きく伸びての数字。中国を除くと1990年代半ばの水準にすぎないのです。


● 原発の基数も減少 中国を除けば激減 新規建設もピーク時から激減

世界の原発の基数にも言及しています。ピークは2002年の438基。福島原発事故後に落ち込み、2018年から持ち直したものの頭打ち。2024年7月現在で408基です。
このうちわけでも中国だけが突出して伸びて、他の国々では減少していることが分かります。
世界の新規原発の運転開始は2004~2023年で102基ですが、同じ期間に104基が閉鎖。このうち中国は運転開始49基、閉鎖0基。それ以外では運転開始53基、閉鎖104基なのです。

これら原発の退潮傾向は以下の建設中の原発の数にもはっきりあらわれています。
ピークは1979年で234基でしたが、2024年7月現在で59基、4分の1に減っています。しかも59基のうち中国が半分の27基も占めていて、残りの国では32基しかない。ピーク時の14%弱です。



強気の建設姿勢を示しているのはなんと投機目的! 騙されてはいけない

この記事の中で僕が「なるほど!」と非常に納得したのは以下のシュナイダーさんの言葉です。
「原発への投資は、投機的なものと、戦略的な長期的なものとを、区別する必要がある。実際にSMRに長期的に取り組んでいる企業は限られており、投機的な投資が目立っている。
投機としては動きが激しく、短期で多くのお金を生み出すことができ、魅力的なのだろう。売るものがまだなく、認証された設計もない企業が、株式上の企業価値が数十億ドルとかあるのはまさに投機としか思えない。」

本当にもうまったく「なるほど!」です。実は僕はなぜさまざまな世界企業がこの間、原発に入れ込みだしたのか、十分にその意図が解けていませんでした。「なぜまったく技術的な展望がないのに強気なのだろう?」と疑問に思っていました。
答えは単純。投機のためなのです!要するに原発に展望があるようにみせかけて投資を募る。建設を歌う企業の株価を吊り上げる。それがバブルのように膨らんだら売り抜く!それで莫大な資金を稼ごうとしているのです。
悪徳です!クリントン政権以前はできなかった経済犯罪です。そのためにあたかも新世代原発に展望があるかのように振舞い、技術的な展望のないものがばんばん宣伝されている。こんなことにけして騙されてはいけない!


マイケル・シュナイダーさん


再生エネルギーが原発を完全に越えている

では投機ではなく、実際のエネルギーへの投資はどうなのかというと、すでに風力と太陽光力だけでも原発を大きく上回っています。ほぼ10倍でこの差は開くばかり。
さらに「革新軽水炉」は建設費が増大し、酷い場合には当初予算の4倍、5倍にもなっていますが、再生可能エネルギーはコストが大きく下がりつつあり、今後もさらに下がっていきます。
実は世界で唯一、原発を推進している中国でもエネルギー投資は再生エネルギーの方が大きくなっている。この傾向はやがて強まるばかりでしょう。

そんな中、日本ではすでに太陽光発電で昼間のピーク時の電力需要を上回る電気ができてしまっていて、なんとそれを捨ててさえいる状態です。しかしそれも蓄電池が発展してきているので、解決の道が見えつつあります。
つまりコスト面でもう原発は再生可能エネルギーに太刀打ちできないのです。だからまともにエネルギーを作ろうとする投資は、原発ではなく再生可能エネルギーに向かっているのです。
繰り返しますがそれでも原発に未来があるかのように叫んでいる人々は、投機で儲けようとしている人々だけ。かつまた核技術がなくなっては困る核兵器産業がそれを後押ししているだけです。そんな人々に騙されてはいけません。



原発はオワコン!これを学び宣伝し脱原発の力を強めよう

いま大事なのは原発が完全に行きづまり、オワコンであることをしっかり学び、宣伝し、脱原発の力を強めることです。
そのためにいま『原発からの命の守り方2024』を読む会を進めています。ぜひご参加下さい。次回は明日2月1日午前10時半から。ZOOMにてです。その次は4月5日(土)開催です。
リアルタイムで参加できなくても、アーカイブ配信を受けることもできます。ぜひご参加下さい。

詳しくはイベントページをご覧下さい。
https://fb.me/e/4XMJg8WvQ
申し込みフォームは以下に
https://forms.gle/m8sgasA8GmPVtJiJ7

『原発からの命の守り方2024』は無料でダウンロードできます。冊子版申し込みフォームも示しておきます。
https://forms.gle/h4cs7qjKyTAQn4837
https://forms.gle/T8EeCkJP4d1wW6Eb9

#原発からの命の守り方 #にょきにょきプロジェクト #マイケルシュナイダー #放射線防護 #原発はオワコン #原発のシェア率は探しっぱなし #原発推進を叫ぶのは投機が目的 #再生エネルギーが原発を越えている #原発新規建設も激減

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(2391)本日10日午後6時半から「京都に福を呼ぶつどい」を行います!

2024年01月10日 13時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20240110 13:00)

京都に福を呼ぶつどいにご参加を

ラストスパートへ総結集📢
1月10日(水)18:30より
みやこめっせにて集会を行います
世界的なDJの沖野修也さんが音響プロデュース

「福山さんとまだ会ったことないわぁ」という方も!
「ほんまに応援してるで!」という方も!
ぜひ友人・知人とお誘い合わせの上ご参加ください。

守田敏也もコーディネーターとして登壇します

『京都に福をよぶつどい』
日時:1月10日(水)18:30〜
場所:みやこめっせ
申込不要・参加費無料
≪保育・手話あります≫



沖野修也さんと福山さん、守田のトークにもご注目を

今回のつどい、沖野修也さんがDJと音響全体を務めてくれますが、その沖野さんとの対談動画にもご注目下さい。


福山さん、どんどん動画を配信中

福山さんの動画もどんどん出ているのでご注目を

@kazuhitofukuyama 絶対に断らない弁護士!? 市民に寄り添う 京都市役所をみんなでつくろう! 福山和人 無所属市民派・弁護士 京都市政改革に挑戦する わたくし福山和人の原点を語った  動画を作りました 弁護士としての経験を踏まえ 市民に寄り添い 市民一人ひとりの 暮らしとなりわいを   徹底的に応援します またそのためにみなさんの声を 丁寧に聞き 誰も見捨てることなく  あくまでも寄り添っていきます 一緒に市役所を変えましょう #断らない弁護士  #断らない市役所  #福山和人  #福が来る  #京都に福を ♬ オリジナル楽曲  - 弁護士福山和人

よろしくお願いします!

#京都 #京都市 #福山和人 #無所属市民派 #福が来る #京都に福を

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(2388)中止です⇒企画「元イスラエル兵ダニーと弁護士福山和人が語る平和」にご参加を!(11日月曜日午後6時半から)

2023年12月05日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20231205 11:00)(20231209 23:00更新)

残念ですが、福山さんのコロナ罹患によりこの企画を中止にしました! ご期待頂いた方、申し訳ありません。またの機会をお待ちください!

*****

ダニーさんの報復戦争反対の訴えをお聴きください

12月11日(月)18時半から20時半に「元イスラエル兵ダニーと弁護士福山和人が語る平和」というタイトルの企画を行います。ハートピア京都にてです。
ダニーさんに講演していただいたあと、福山さんにこれに応えた短めのスピーチをしていただいてから、お二人の対談で平和への思いを深めます。僕も司会と対談のコーディネーター役で参加します。


ダニーさんはこれまでも繰り返し戦争反対を訴えてきた方です。とくにイスラエルの側からのあらゆる攻撃に反対されてきました。
イスラエルで育ち、若い時には軍のパイロットになることを夢見る訓練生だったダニーさんにとって、それはとても大きな価値転換を伴うものでした。それだけにとても深く温かい説得力があります。

この間の事態でも、ダニーさんは、例えばイスラエルにいる妹さんの周りで何十人と言う死者が出でいる中で、一貫して「報復戦争反対」を叫び続けておられます。
僕はこれまで3回、ダニーさんとジョイント講演し、対談もしました。そのたびに深いところで結びついてきました。それで、イスラエル国内のこともよく知るダニーさんに、この時に京都のみんなでお話を聞きたいと思い立ちました。

ダニーさんと守田で昨年行った講演・対談をご紹介しておきます。


福山さんの平和への思いをお聴きください

そのダニーさんの訴えにコメントしていただき、その後に対談していただくのは、いま京都市政を変えようと毎日、毎日、全力疾走で走っている弁護士の福山和人さんです。ご存じのように、僕が強烈に推している方です。
なぜ僕が彼を推すのか。福山さんが弁護士としていつも一番不利な状態に置かれている人の立場にたち、味方し、多くの人々を支えて生きてこられたからです。

勝てそうになくて、他の法律事務所が断るような案件も引き受け、それを勝ちにもっていく!でも勝てなかったらその方と一緒に泣く!そんなことを繰り返してきた方だからです。福山さんはこういう。
「弁護士としてたくさんの案件を解決に導いてきた。導けない時には共に泣いてきた。でも解決しても解決しても似たような案件が起こって来る。社会を変え行政を変えないと元が断てない。だったら自分が政治家になって元を断とうと決心した」。

僕はその福山さんの思いと行動こそ、この世の深いところで平和を紡ぎ出すものだと強く思っています。そんな福山さんが市政のトップに立てば、必ずや人々は今よりもっと幸せになる。
そしてその幸せが平和を支え、強くし豊かにするのです。それが世界の平和へも繋がっていくのです。だから京都から福山さんとともに、世界に平和を発信したいと僕は思っています。

福山さんと守田で昨年行った講演・対談をご紹介しておきます。


ダニー・福山対談の場にご参加を!LIVE配信も行います

そんなダニーさんと福山さんの思いを激しく、温かく交歓する場を設けました。みなさま。ぜひお越し下さい。
こうした企画を重ねる中で、イスラエルのジェノサイドを止め、ガザに、パレスチナに、真の平和をもたらしたいです。

なお会場に来られない方、京都に来られない方、日本におられない方にもご覧いただけるようにYouTube配信も設定しました。
以下からお申し込み下さい。なお会場には申し込みなしでも入れますが、事前に申し込んでいただけるとありがたいです。
https://forms.gle/ixJcma1QX4RSyUW59

12月11日(月)18時半~20時半
ハートピア京都大会議室にて(地下鉄丸太町駅下車すぐ)
参加費1000円
主催:ダニー・福山講演と対談の集い実行委員会
連絡先:090-5015-5862 守田まで

#ダニーネフセタイ #福山和人 #イスラエルはジェノサイドを止めて #ガザに平和を #京都に福を #福が来る #祖国が襲われても報復戦争反対 #京都から即時停戦を

*****

核と原発、戦争と社会的共通資本に関する研究、取材、執筆をカンパでお支え下さい!
振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/1000

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(2285)「やさしい経済の話ー社会的共通資本とは何か」についての動画と文字起こしの連載を始めます! 1、投資と投機

2023年01月02日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20230102 23:30)

動画「やさしい経済の話」で社会的共通資本とは何かをお話しました

社会的共通資本に関する連載を始めます。まずは動画と文字起こしをお届けします。
全部で12本。毎回、6分前後ぐらいにまとめてあります。1回目はこれです。

もともとは2019年2月23日に宇治市で講演したもの。
宇治市政に挑戦し、その後、市会議員に当選された佐々木まゆみさんの応援の場でした。
「やさしい経済 うちらの暮らしと民営化」というお題をいただいて話しました。
その後、佐々木さんのYouTubeに上げていただいた後に、もりもりチャンネルにも動画を分けていただきました。

全編で約90分ですが、岸田政権が登場した時に、見やすいように僕の講演部分を細かく切ってアップしました。
「新しい資本主義」のまやかしの批判のためです。
2023年、みなさんと社会的共通資本についての論議を深めたいと考え、文字起こしを加えて連載することにしました。

ぜひご覧下さい。なお司会や佐々木さんの挨拶も入った全編(約90分)は以下からご覧になれます。
https://youtu.be/z0GM1Mv4XGA


やさしい経済のはなし (文字起こしです) 

今日は「やさしい経済のはなし」ということで、社会的共通資本についてお話します。
ここに本を示しましたが、宇沢弘文先生は有名な経済学者です。
もうお亡くなりになったのですけれども、僕はその最晩年の弟子なのです。
宇沢先生からたくさんのことを学びました。

今日は「やさしい経済」とありますが、「やさしさ」には二つあります。
一つはやさしく分かりやすく経済の話をするという意味。
もう一つは宇沢先生の経済学は人にやさしい経済学だということです。

佐々木さんもおっしゃったけれど、何か経済成長と命の問題が対立するかのように言われたりしています。
昨日も他のところで講演した時にこんな話を聞きました。
「お父さんと話すと論争になる。命が大事なのか、経済が大事なのか」みたいにと。

本来、これは一つなのですよ。経済って命のことなのですよ。
人が生きていく、そのためのものをどう豊かにすればいいのかということです。


社会を良くしようと経済学者になったけれど

それで宇沢先生はどういう方なのというと、もともと旧制一高の時にお医者さんになりたかったそうです。
お医者さんになりたい人は、ギリシャの医の聖人、ヒポクラテスと対話します。
そのヒポクラテスが「医療はアートだ」という言い方をしている。

宇沢先生は、その「アート」というのを本当の美術と勘違いしてしまった。
自分は美術の才能がないからダメだと思ってしまったのです。

それで数学者になるのですけれども、かなり天才的な力を発揮されました。
しかし戦後に人々が飢えていることを前に悩まれた。
こんな時に「数学なんて高尚な学問をやっていて良いのか」と。

それで「お医者さんは人を救うけれども、自分は経済学者になって社会を救おう」と考えた。
それで経済学者になったのだそうですが、この話の宇沢先生の「おち」はこうなのです。
「ところが社会を悪くしていたのが経済学だったんだね!」

宇沢先生の盟友でジョーン・ロビンソンさんという女性の経済学者がいました。
この方もずいぶん前に亡くなられましたが、ケインズという経済学者の高弟でした。
そのジョーン・ロビンソンさんはこう言いました。
「経済学を学ぶのはなんのためか。経済学者に騙されないためだ」。

今日のお話もそんな内容になります。
経済学(特にいまの主流派のそれ)ってかなりインチキな学問です。


投資とは何か

話のとっかかりとして、「投資と投機」の違いから見ると分かり易い。
この言葉で現代世界の矛盾をかなり説明できます。

この「投資と投機」に対し(とくに投機への)対抗概念として「社会的共通資本」を出しました。
どういうことかというと、投資というのは典型的には社会的事業、例えば鉄道建設をお金を集めて行うことです。
それを行う銀行はもともと儲けを目指してはいけないのです。

日本では古くはどういう方が担ったのかというとお坊さんでした。とくに禅宗のお坊さんでした。
鉄道はとても一人の資産では作れない。だからお金を集めてそれで事業を行う。

佐々木さんの選挙にお金を集めるのもある意味では投資ですよね。
ただし投資の場合は、「そこで儲かったらお金を返してね」ということですから、ちょっと選挙とは違いますけれど。

ともあれ鉄道を通じて社会に潤いを生み、その中で利潤を得る。
本来、これらを司るのが金融=銀行の役割なのです。

 


弁慶の勧進帳

カンパを募って社会的事業を行うことを勧進(かんじん)と言います。(仏教の言葉です)
行う人を勧進聖(かんじんひじり)といいます。
なぜお坊さんができたのかと言うと、お坊さんは自らを俗世間から絶っている人です。
だから俗世的な利益では動かないだろうということで、公共的なことはお坊さんがやる、となっていた。

これが歌舞伎で有名な弁慶の「勧進帳」の話になっています。
義経一行は、逃げていくときに山伏の格好をしていたのですよね。
ところが石川県の小松辺りの安宅関で検問にあってしまうわけです。

その時に「自分たちは勧進聖だ。燃えてしまった東大寺を再建するのだ」と語った。
「だったら勧進帳を読んでみろ」と言われて、弁慶が白紙の巻物を広げて朗々と読み上げる。
それが歌舞伎の演目「勧進帳」です。
(勧進帳に書かれていたのは寄付金をあおぐ趣旨。なおこのストーリーは後世の創作です)

この勧進は、典型的に社会的事業への投資を募る行為です。
古くから、つまり資本主義時代の前から行われていることなのです。


投機とは何か

これに対して投機はまったく逆なのです。
事業への投資とではなく、利ざやだけを目的に株を買い、上がったら売り抜いて儲ける。

例:鉄道会社の株を買う⇒経営陣にリストラを迫る⇒経営努力をしていると株価が上がる⇒売り抜いて利潤を得る⇒会社や事業が悪くなろうとおかまいなし。

これ、ばかばかしいことですが、労働組合を潰したり、正規雇用を減らすと「企業努力をしている」となる。
それで株価が上がるのです。上がったらすぐに売り抜いてしまう。
その会社がその後にどうなろうと「後は野となれ山となれ」なのです。
こんなことが今、横行しているのです。

特に優秀な社員の首を切るとその分だけお金が浮きます。そうすると一時的に利潤が上るように見える。
もちろん長期的に見たら、優秀な社員を切ってしまうわけだから、会社は地盤沈下してしまう。
でもその前に株を売ってしまえば、儲けだけが得られます。
それがアホみたいなのですが、全世界的に起こっていることです。

そんなことだから世界の名だたるブランド企業が、データの偽造をしたり、ごまかしをしたりするわけです。
かつてだったらあり得ないようなことが横行しているのです。

続く

#やさしい経済の話 #社会的共通資本 #宇沢弘文 #投資と投機 #勧進聖 #勧進帳 #ジョーンロビンソン #経済学を学ぶのは経済学者に騙されないため #佐々木まゆみ

*****

核と戦争と社会的共通資本の研究、取材、執筆のためカンパをお願いします
振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/1000

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(2258)長崎を再訪します!学習会「被爆者のあゆみを学ぼう 長崎にあって哲学する~三つの出会いを中心に」に参加してきます

2022年10月24日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20221024 22:00)

10月29日の学習会に参加します

この夏、8月8日から11日まで長崎を訪問しましたが、10月末に再訪します!
目的は学習会「被爆者のあゆみを学ぼう 長崎にあって哲学する~三つの出会いを中心に」に参加するため。

10月29日(土)午後2時から4時。長崎県原爆被災者協議会地下講堂にてです。
講師は高橋眞司さん。『長崎にあって哲学する』三巻本の著者です。

どなたにも参加できる学習会だそうです。長崎の方、近県の方、ご参加下さい。
https://hisaikyo.jp/1658/

チラシをご案内しておきます。
「柔らかいチラシ」と「硬いチラシ」の二つのチラシが出ています!
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/4b109ed12400164648f8ac0e0716fef1




被爆者のあゆみを学ぶことの中に、未来の可能性がある

今回の訪問は28日から31日まで。三泊四日です。とにかく学びに行きます。
被爆者のあゆみ、広島・長崎原爆の実相にもっともっと学ぶ中にこそ、大きな可能性があると確信しているからです。


長崎の被爆者のあゆみは原爆乙女ー渡辺千恵子さんたちから始まった

とくにいま、世界中で原子力マフィアの大きな巻き返しが起こっています。
「気候変動」対策などを存分に利用する形で、原発を再び推進しようとしており、核産業もまた進捗しようとしている。

福島イノベーションコースト構想で、福島の浜通りを核と軍事開発の町にしようとすることなどその典型です。
一見、ものすごい圧力に思えます。とても抵抗できないような・・・。

しかし大きな絶望の淵から立ちあがり、世界に平和の可能性、希望を与え続けてきたのが、被爆者のあゆみでした。
そこにはしっかりと受け取って、もっともっと育てるべき要素がたくさんある。それをしっかりつかんで多くの人に伝えたい。

この一点で今回も旅をしてきます!
現地からまたLIVE配信なども行います。
ぜひ長崎訪問に力をお貸しください!


前回、うっかり横を通り過ぎてしまったこの碑にも行ってきます

#被爆者のあゆみを学ぼう #長崎にあって哲学する #高橋眞司 #長崎県原爆被災者協議会 #被災協 #長崎原爆 #原爆死とは何か #被爆者をどうとらえるか

注目動画


*****

核と戦争に関する取材をカンパでお支え下さい。
振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/500

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

被爆問題の深掘りの中でこそ現代資本主義の矛盾を越えていく可能性が開ける(6月5日のZOOM公開講座へのお誘いとして)-その1 明日に向けて(2210)

2022年05月29日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20220529 11:00 0610 23:30改訂)

6月5日のZOOM企画をご視聴ください!

すでに企画を終えました。以下から録画がご覧になれます!


zoom公開講座のお誘いの再掲です。6月5日日曜日、午後1:30から4:00までです。
タイトルは「被爆二世健診…43年目の真実~データが語る遺伝的影響と「ほしょう」を考える~」です。

一つに、1982年、厚生省が「遺伝的影響は認められない」と公表しようとした「健診結果集計データ」が、むしろ遺伝的影響をしっかり示していた衝撃的な事実を森川聖詩さんから明らかにします。
本邦初公開のとても重要な内容です。厚生省が1979年から行ってきた「被爆二世健康診断調査(被爆二世健診)」とは何かについてもしっかり解き明かします。

二つに、森川さんの発表に応える形で、京都「被爆二世・三世の会」が2019年から取り組んできた「被爆二世・三世健康アンケート調査」の中間的とりまとめ報告を守田敏也が行います。
このため京都「被爆二世・三世の会」のみなさんと、アンケート100通余りの読み解きを行っていますが、深い内容をご提示できるとの熱い思いを持っています。ご期待下さい。

参加費無料ですが、可能な方は投げ銭を以下の口座にお願いします。
ゆうちょ銀行 記号14440 番号35292631 名前 タイラ ノブユキ 




被爆問題の深掘りこそ、資本主義の矛盾を越えるために重要

表題に書いたように、僕は資本主義の矛盾をコアに、核兵器の問題、被爆の問題があると強く思っています。この点を6月5日に向けて、連載でうちだそうと思います。

現代資本主義を特徴づけるのは、基幹産業として軍需産業があることです。この下でこそ、戦争そのものが、巨大な変貌を遂げてきました。
誰もが異論がないとは思うのですが、しかし、実は資本主義を批判する人々、とくに社会主義の側に立つ人々が、この点を十分におさえてこれたとは言えないのではないでしょうか?

そもそも戦争と産業の一体化は、19世紀にプロイセン軍参謀総長ヘルムート・フォン・モルトケが、発達しつつあった鉄道と通信を軍事戦略に採用したことで始まりました。
モルトケは鉄道を使って、兵力の分散した大量動員と戦場での一挙集中を可能にし、1870年から71年のフランスとの戦争に勝利しましたが、その後、各国で戦争と産業の結びつきが強められだしました。

20世紀には、自動車と航空産業の発達の成果を各国が戦争に投入。1937年4月には、ドイツ軍がバスク地方のゲルニカを空から襲いました。人類初の「戦略爆撃」=都市の無差別爆撃でした。
すぐに無差別爆撃を真似たのは日本軍。1938年9月から重慶爆撃を繰り返しましたが、その後、わずか6年の間にアメリカがB29戦略爆撃機を開発し、焼夷弾(ナパーム弾)を使った無差別空襲で日本全土の主要都市が焼き尽くされました。

アメリカは原爆開発も進め、1944年末までには対日戦争の勝利が確実となっていたのに、あえて沖縄上陸戦を敢行するとともに、広島・長崎での虐殺を強行しました。核実験でもあった原爆による大量虐殺まで、戦争を長引かせたのでした。
この歴史をきちんと捉え返すことが資本主義を批判する上で重要です。繰り返しますが、そのコアに、核兵器の問題、被爆の問題があります。
ゲルニカ空襲に対し、ピカソが渾身の抗議の思いを込めて「ゲルニカ」を作成 「週刊NY生活」より
https://www.nyseikatsu.com/featured-article/12/2019/27848/

続く

#被爆問題 #被爆二世問題 #被爆影響 #遺伝的影響 #被爆二世健診 #京都被爆二世三世の会 #神奈川県原爆被災者の会二世三世支部 #森川聖詩 #守田敏也

注目動画
ウクライナについて戦争について 群馬玉村町にて 20220514

*****

連載2200回越えに際し、戦争と原発から命を守るための取材・執筆活動のためのカンパを訴えます。どうか支えて下さい。よろしくお願いします。
振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/500

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1703)地震予測はあまりに難しい・・・過去記事の訂正も含めて

2019年06月19日 15時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190619 15:00)

昨日18日夜半に、新潟・山形で震度6強・弱の大きな揺れがありました。幸いにも死者は出ていませんが、20数名のけが人がでているそうです。屋根瓦に被害が出た家屋もたくさん出ています。


毎日新聞 2019年6月19日より

このことから地震に対する関心が高まっています。とくに地震の予測を期待する声が高いですが、しかし現状では「ほとんど予測できたことがない」というのが実情です。このため「予測を防災対策に反映させない方がよい」という意見すら出てきています。
しかしこの間、この点に関し誤解を与える記事も出ており、そのうちの一つを「明日に向けて」でも無批判的に掲載してしまいました。この点の捉え返しを含めて地震予測について整理しておきたいと思います。

東洋経済に載った地震予測批判図は間違い!

ここで問題にしておく必要があるのは東洋経済onlineに掲載された以下の記事の中の図です。

「地震保険は損だ」という考えが危ない理由 
日本は地震国「安全な地域はない」と心得よ 東洋経済オンライン 20160529 https://toyokeizai.net/articles/-/118566?page=4

ここでは2014年に地震調査研究推進本部が出した今後30年の予測図の上に、現にこの間あった大きな地震をマッピングし、「予測があたってない」ことを示しています。これを僕も過去の記事で紹介しています。
しかしこれは大きな誤解の上に立っていることをある方がネット上で指摘しました。地震調査研究推進本部が出した予測は2014年から今後30年間のことなのに、書きこまれたのは2016年の熊本地震以外は以前のものだという点です。
2014年時点での予測なのですからやはりこれは間違いです。僕もこの単純なミスに気が付かずにそのまま「地震予測が難しい」ことの証左として紹介してしまいました。この点を訂正し真摯にお詫びしたいと思います。


東洋経済online掲載の図 2014年以降の予測にそれ以前の地震を書きこんでいるのであやまり

地震予測図そのものはやはり大きく外れている!

それではこの2014年の予測図は信用があるのかというと、やはり僕にはそうは思えないし、その証左と言えるものもあります。 なぜならこの図は2005年に初めて作られたものを更新してきたものなのですが、その2005年版を見るならばやはりその後の多くの地震が「大きな地震の起きる確率の高い」とされた地域にほとんど入ってないことが分かるからです。 まずは以下の報告書をご覧ください。

「全国を概観した地震動予測地図」報告書 平成17年3月23日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2005/

図3.3.1-1 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図PDF https://jishin.go.jp/main/chousa/05mar_yosokuchizu/f331-1.pdf


2005年版の地震予測図 なお色が何%を示すかの記述はないが2014年版に近い色分けと考えてよいと考える

この図と東洋経済が近年の大地震を記した図を重ね合わせてみると、1993年北海道南西沖地震、1994年北海道東方沖地震、1995年阪神・淡路大震災、2004年新潟県中越地震などはやはり2005年版以前ですから除外すべきではあるものの、それ以外の地震がみな確率の低い地域で起こっていることが分かります。いやさらに続いた2018年の大阪北部地震も、北海道胆振東部地震も入っていませんし。
(なおこの報告書は現在アクセス数が多いためか非常に閲覧しにくい。すぐにパソコン画面が固まってしまいます。閲覧のときは注意してください)

地震の予知そのものがまだ始まったばかりの学問

この報告書を読んでこんなことも分かりました。冒頭にこう記されています。 「地震調査研究推進本部は、「地震調査研究の推進について-地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策-」(平成11年4月23日)を決定し、この中において当面推進すべき地震調査研究の主要な課題として、全国を概観した地震動予測地図の作成を挙げている。」

つまり予測図の作成は平成11年=1999年に始まっており、最初の版がやっとできたのが平成17年=2005年であったということです。 それ以前は予測図など作ることもできていなかったのです。それほどに地震学は新しい学問なのです。 それでいま予知精度はあがったのかというとまったくあがっていない。「予知失敗は100回中99回」なのだそうです。

予知失敗、100回中99回 南海トラフ地震で学者回答 実用化の難しさ浮き彫り
日経新聞 2019年5月24日 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45208760U9A520C1CR0000/ 


日経新聞の記事から

防災に生煮えの地震学の知見を持ち込むのは危険

こうした点はこの発表以前から明らかになっていたことも踏まえて地震学を防災に持ち込むことそのものへの批判も行われています。
「(地震学は)大きな地震が起きるたびに、新しい知見が積み重なり続けている段階だ。生煮えの地震研究の成果は学問の範囲にとどめ、防災に持ち込むべきではない」という主張です。

防災に地震学の最新成果を持ち込むな 研究を役立たせることを優先させるより、住民視点での減災策からスタートせよ
黒沢大陸 朝日新聞大阪本社科学医療部長
論座 2017年9月22日
https://webronza.asahi.com/science/articles/2017091800001.html
(なお途中から有料記事になります)

予測はあまりに困難です。なのに予測を取り入れてしまうと、かえって予測に示されていないところでの油断や慢心が生まれやすい。そうではなくて地震はどこでも起こりうることを前提に対策を重ねるべきなのです。
その点では原発を動かし続けてはならないことはあまりに明白です。地震が来ないなどという保障はまったくないのです。
しかも元福井地裁裁判長の樋口英明さんが繰り返し指摘しているように、すべての原発がハウスメーカーが建てている家よりもはるかに耐震性が低いのです。それでこれ以上、動かしていていいはずがない!

地震はとてもではないけれど予測できません。
この前提にたってすべての災害対策を進めるべきです。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1702)地震は突然やってくる!あなたの備えは大丈夫?

2019年06月18日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190619 01:30)

新潟県・山形県で震度6強・弱の地震発生!

6月18日22時22分ごろ、山形県沖で震度6強の地震がありました。震度6強が新潟県村上市、6弱が山形県鶴岡市と発表されています。山形県、新潟県、石川県各沿岸部に津波注意報が出ました。(19日午前1時過ぎにすべて解除)
これを書いている19日午前1時段階で数名のけがや土砂崩れの発生が入ってきていますが、いずれも命にかかわるような事態ではないようです。
事態がこのまま穏やかに推移すればと思いますが、ともあれ暗い夜のこと。心配が募ります。震源地の近隣のみなさま、どうか安全に過ごされてください。心からご無事をお祈りしています。

朝日新聞は名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)の以下のコメントをすぐに掲載しました。「今後さらに大きな地震が起こる可能性は否定できない。数日間は警戒しておく必要がある」。
実際、2016年の熊本地震では1回目の大きな地震が4月14日夜に起こり、2回目のさらにとても大きな地震が4月16日に未明に起こりました。
このようなこともありうるので震源地に近いみなさんは十分に警戒していただきたいです。

新潟震度6強「数日間は警戒を」 未知の断層の可能性も
朝日新聞 2019年6月18日23時57分
https://digital.asahi.com/articles/ASM6L7SBYM6LULBJ02G.html?ref=yahoo


朝日新聞 20190619より

地震に逞しく備えよう!

世界的に見ても国内的に見ても、この間、大きな地震が連続しています。ぜひとも対策を重ねましょう。
とりあえずは家の中の安全性を増しましょう。高い所にある重いものを降ろし家具の固定を進めて下さい。テレビなども動かないようにした方が良いです。
食器棚なども開かないようにロックできるようにしましょう。

さらに大事なのは地震に対する見識を深めておくことですが、実はちょうどそのための企画を京都市左京区で21日に行う準備をしていました!
この企画をご紹介しますが、地震への関心の多くの方の関心が高まっている時に開催することになるので、可能ならば中継したいと思い、いま依頼を行っているところです。無理でも録画をアップできるようにしたいです。
お近くの方はぜひお越しください。遠方の方も可能なら中継を、無理でも事後に報告を行いますのでぜひご注目ください!

災害対策の輪を政治信条の違いを超えて広げていこう!

企画のタイトルは以下の如しです。案内の文も貼り付けます。

達人に聞くシリーズ3 「地質の達人から命の守り方を教わろう!京都の地質から見る地震 あなたの備えは大丈夫?
https://www.facebook.com/events/510275466177556/

私たちは、防災問題が政治信条の違いを超えて力をあわせ解決すべき重要問題と位置づけ、この間、各界の方にお話を聞いてきました。「達人に聞く」シリーズとして「森の達人」「川の達人」「防災の達人」に聞く会を開いてきました。
今回、地質が専門の紺谷氏をお迎えし、突然やってくる地震にどう備えるのか、お話をお聞きします。多くのみなさんの参加を呼びかけます。

6月21日(金) 午後6時30分~ 京都教育文化センター103号室

お話 紺谷 吉弘さん(国土問題研究所運営理事、宇治・城陽・久御山の防災を考える市民の会事務局長)
コーディネーター 守田敏也さん(ジャーナリスト)
主催 左京・まちの交流ひろば 世話人 守田敏也 蒔田直子 佐々木佳継 光永敦彦 
連絡先 075-706-7265

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1701)川内原発が停められます!他の原発も次々と。当然、止まった方が良いけれどしかし・・・・

2019年06月16日 10時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190616 10:30)

九州電力川内原発1号機と2号機が来年3月18日、5月22日に止まる見通しとなりました。理由は「テロ対策が間に合わないからだ」と報道されています。 川内原発ばかりでなく、いま動いている他の7基、伊方、大飯、高浜も同じように期限が来たら止まる見通しです。 何はともあれ危険な原発が止まる見通してあるのはそうでないよりは良いことです。しかし、ここでもまた大嘘がまかり通っている。いつものことですがマスコミがこれときちんと報道していません。

原発が次々と止まる見通し

今回の原発の停止の見通しは新規制基準の中で設置を義務付けた「特定重大事故等対処施設」が期限までに建設ができないことを理由とするものです。 川内原発の期限はすでに見た通りですが、この他では伊方原発が期限が2021年3月で工事が約1年延びる見込み、同じく高浜3号機が期限が2020年8月で約1年、4号機が2020年10月で約1年、大飯3,4号機が2022年8月で約1年です。 すべての電力会社が「期限までには間に合わない」「これ以上の工期短縮は無理」と公言しているため、このスケジュールで止まっていく可能性が高いです。


日経新聞 2019年6月14日より

このことは電力会社にとって原発がますます大きな経営リスクとなっていることを意味します。 そもそもこの困難の上に、いつまたどこでどんな事故が起きるか分からない。小さな事故でも停まってしまえばその分赤字になります。経営判断として原発を抱えることのリスクがどんどん大きくなっているのは間違いない。 私たちはこれ自身が民衆運動の成果であることをしっかりと確認しておきましょう。私たちが金曜行動などで繰り返し原発反対を唱え続けているからこそ、原子力規制委員会も「期限切れなら停止」と言い出さざるをえないのです。

原発、テロ対策重く 川内原発が初の停止へ  残る再稼働6基に波及も 日経新聞 20190614
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46120630U9A610C1EA4000/

進んでいないのは「テロ対策」の前段の「重大事故対策」!騙されてはいけない!

しかし私たちはここに大きなウソが介在していることもしっかりと把握しておく必要があります。電力各社が「間に合わない」と言っているのは、「テロ対策」だけでなく、重大事故の際に放射能の飛散量を抑制するためのフィルターベント設置などなのです。 もう少し詳しく言うと、今回、規制委員会が新規制基準(2013年)から5年といい、その後工事計画の審査を終えてから5年と猶予を伸ばしてきたのは「特定重大事故等対処施設」と言われるものです。 メインは原子炉から100m以上は離れた場所に緊急制御室を設置するなど。ここに「フィルターベント」が組み込まれているのですが、それが「テロ対策施設」かのようにごまかされている点が大問題なのです。

規制委員会発行の「実用発電所原子炉に係る新規制基準について」という文章を見ても分かります。(特に6ページ) ここでは、かつては「共通要因による安全機能の喪失を防止(シビアアクシデントの防止)」までしかなかったが新規制基準では「万一シビアアクシデントが発生しても対処できる設備・手順の整理」を足したとされています。 その中に「格納容器の閉じ込め機能の維持」がありベントの設置が含まれ、その次にやっと「テロや航空機衝突への対応」として「原子炉建屋外設備が破損した場合等への対応」が出てきますが、現状ではこの重大事故対策もなされていないのです。

「実用発電所原子炉に係る新規制基準について」 原子力規制委員会 http://www.nsr.go.jp/data/000070101.pdf


「実用発電所原子炉に係る新規制基準について」6ページ

規制委員会は「重大事故対策」を「テロ対策」と偽ってきた!

規制委員会は本来、「テロ対策」ではなくて「重大事故対策」であるフィルターベント設置に、加圧水型原発に限って5年以上の猶予を与えました。 東電などの沸騰水型原発に比べて格納容器が大きくすぐには崩壊には至らないからだなどと説明されていますが、これもまったくの嘘。福島とタイプが違い、西日本に多い加圧水型なら批判は少なかろうと先に動かしたかったから猶予を与えたのです。 その際、沸騰水型では再稼働の条件である「重大事故対処施設」に組み込まれたフィルターベントの設置が、加圧水型では「特定重大事故等対処施設」に組み込まれ、全体として猶予が与えられたのでした。

ようするに新規制基準の大きな軸の一つがないまま稼働している事実を言い逃れるために「テロ対策」にフィルターベントを組み込んで、マスコミや人々を欺いたのです。 ところが資金難から電力会社がこれをも嫌がり、先延ばしにしていて、新規制基準が適用されていない状態が続いているので、先に「テロ対策の再度の延期は許さない」と言い出し、むしろ再度、それまでの猶予を確認したのが今回の真相です。 だとするならば、問題にしなければいけないのは、新規制基準を満たしていない稼働中の原発をすぐに停めることだということがすぐにも分かります。そもそも「期限」を付けてきたことの中にも偽りがあるのです。


九州電力ホームページより 「テロ対策」となっているのは⑮のみ!

原子力災害対策の早急な見直しが必要だ!

これは原子力災害対策にも直結する事態です。 規制委員会は「新基準によって事故で放出される放射能量は福島の時の100分の1以下になる」と公言し「事故に際しては5キロ以遠は自宅待機した方が安全」などとも言って、原子力防災を抑圧すらしてきたからです。 しかし実際にはそんな新規制基準など適用されてないのです。福島原発事故が起こった時とほとんど変わらないような状態でいま原発は動いているのです。

それなら最低でも福島原発と同レベル以上の放射能が流れることを前提とした原子力災害対策を全国で進めねばなりません。 兵庫県丹波篠山市はだからこそすでに市民に「いざというときはとっとと逃げて下さい」と伝え、安定ヨウ素剤を事前配布しましたが、これは兵庫県が旧規制基準で試算したところ、兵庫県の過半の都市に大量の放射性ヨウ素の飛来が分かったからです。 ところがこの試算結果を兵庫県はHPから削除してしまいました。理由は「新規制基準ではそこまで飛ばないから」というのです。しかしそんな基準、適用なんかされていないのです。だから兵庫県もせめて旧規制基準対応にあらためるべきです。

もちろんそんな事故など起こさせないのが良いに決まっています。国がなすべきことは新規制基準など適用されていない現状をかんがみて、ただちにすべての原発を停めることです。 あくまでもみんなでこれをも止め続けなくてはなりません。しかしそれでも稼働しているので災害対策を進めなければならない。そのときに新規制基準の考え方など絶対にとってはいけない。だって適用されていないのですから。 それらから国に対しては全原発をすぐに停めよ!と突きつけましょう。同時に各自治体には「新規制基準は適用されていません。旧規制基準に対応する原子力災害対策を策定してください」と要請していきましょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日に向けて(1700)「しえんほうシネマ」でお話します。被曝のこと、命を守ること、未来のこと 思いつくままに・・・(6月16日日曜日 吹田市モモの家にて)

2019年06月13日 10時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190613 10:30)

表題に書いたように6月16日日曜日に吹田市「モモの家」で行われる「しえんほう」シネマに参加します。
すでに4日と11日ラジオ出演していただいて内容の一部を話しました。
そうしたらパーソナリティーで16日も一緒に担う池田麻矢さんが素敵な紹介をフェイスブックに書いてくださったので案内がてらそれをご紹介させていただきます。 みなさま。ぜひお越しください!!

******

池田麻矢さんより

昨日放送のラジオで守田 敏也 (Toshiya Morita)さんと貴史 冨田 (Takafumi Tomita)さんからご紹介のあった『しえんほうシネマ』のイベントページです。 しえんほうとは…2012年6月に全国会議員の賛成を受けて制定された「原発事故子ども・被災者支援法」のこと。

今回は、降り注いできた放射能と向き合い市民測定所を立ち上げたり、被ばくと向き合う親子を支える取り組む人たちを描いた、鎌仲ひとみさんの映像上映と、保養活動に関わる冨田タカさんのお話、それぞれの現場を知る守田敏也さんのお話、そして会場に集ま

るみんなで話し合う時間をとります。美味しくてやさしいカフェや、安全安心なお野菜販売もあります。 私は放射能のことまだよく知らない(これから勉強していきます)という立ち位置から”みんなで話そう”コーナーのお手伝いさせてもらいます。なので、福島のこと、放射能のことまだよく知らないという方も気軽にのぞきに来てみてください。大歓迎です♡

直接被ばくの体験ありなしに関わらず、”命を健やかに先の世代につないでいくため”に、現実を共有し手を取り合うことがいままさに必須だと感じます。 知って考えて話し合ってつながりあって、「支援法」の法律に書かれているすばらしき”支援”を私たちひとりひとりの手で現実にしていきましょう!!! たくさんの人に知ってもらいたいので、イベントページのシェアや拡散での応援ありがたしです〜。

麻矢さん、タカさんと愉快な収録でした・・・

*****

● 『第一回 しえんほうシネマ』のご案内 ・・・モモの家にて https://www.facebook.com/events/392619308008066/

「しえんほう」とは、 2012年6月に全国会議員の賛成を受けて制定された 「原発事故子ども・被災者支援法」のことです。

ここに書かれている 「すべての原発事故被災者が十分な支援を受けられる状況づくり」を みなで現実のものにしていくために、知って、考えて、話をすることができる場として「しえんほうシネマ」というイベントをはじめることにしました。

今回は、 降り注いできた放射能と向き合い市民測定所を立ち上げたり、 被ばくと向き合う親子を支える取り組みを続ける人たちを描いた、 鎌仲ひとみさんによる映像の上映と、 それぞれの現場を知る守田敏也さんのお話、 そして会場に集まるみなさんとゆっくり語らう時間をとりたいと思います。 おいしくてやさしいカフェや、安全安心なお野菜の販売もあります。 お気軽にご参加ください。

□会場   モモの家
吹田市泉町5-1-18 (阪急吹田駅から歩いて5分 JR吹田駅から歩いて12分)
06-6337-8330 office@momo-family.org

□参加費 2000円+カンパ 学生以下 無料 福島第一原発事故からの避難者さん 1000円 (カンパは「しえんほうシネマ」の運営費になります)

□お問い合わせ・お申込み先 まつむらしほ
メール sihomura@gmail.com
電話  080-1522-9817
※お申込みがなくても、参加できます。

□タイムテーブル

12:00 オープン(カフェタイム) 13:00~13:15 あいさつ  13:15~13:30 「カマレポno.10」上映(12分) 13:30~14:00 冨田貴史のお話  「つながりあって生きていく~保養活動に関わって思うこと~」 14:00~14:30 みんなで話そう 14:30~14:45 休憩 14:45~15:00 「カマレポno.9」上映(11分)

15:00~15:30 守田俊也さんのお話 「守田さん、俺らここに住んで農業やってて良いだべか」 あの日、石森少年や自然農、有機農、炭焼の方たちがそう僕に聞いた‥。 「守田さん、危険なのはどこまでですか?ここはギリギリ大丈夫?」 あの日、被曝地の若いお母さんが僕にそう聞いた‥。

15:30~16:00 みんなで話そう 16:00~16:30 お知らせ~クロージング

■上映作品案内

□カマレポ 鎌仲ひとみさんによる映像レポート。 今回はDVD「カノンだよりvol.03」から2本の映像を上映します。 http://kamanaka.com/works/

□「カマレポno.10」 ~ 市民の思いと力 新潟県阿賀野市で年2回行われている"いのちキラキラ希望の風フェスタin笹神"。このイベントは、親子で受診出来る甲状腺検査などがプログラムに組み込まれた、1泊2日の保養イベント。ストレスを抱えた母子達を支える市民の思い。そして、今の子ども達の健康は!?

□カマレポno.9 ~ 「小さき花」が広がるように!  宮城県仙台市にある「小さき花 市民測定室」。山の惠みを受けながら、豊かな暮らしをしてきた百姓の石森さん。放射能に県境は無く、福島県外の農家の暮らしを一変させた。

□出店

・へちまやカフェ モモの家のメインカフェ。 安全な食材使用の自家製ケーキやドリンクを提供します。

・野菜屋はじめ ミネラルたっぷり元気いっぱいのお野菜とつながりの加工品

□守田敏也 〇1959 年生まれ。京都市在住。
〇東日本大震災以降は、連日、ブログ「明日に向けて」で原発情報を発信。 各地で講演を繰り返しつつ、放射線被曝の恐ろしさを明らかにし防護を訴えている。
〇兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会委員を 2012 年秋より務め、原発災害対策に重点を置き、リアリティのある避難計画を作成しつつ篠山市で度々講演。 また消防団との連携を強め団員約 1200 人に原子力災害対策の講演を行ってきた。 2016 年 1 月末より同市の安定ヨウ素剤事前配布にも関わり、2017 年には原子力防災ハンドブックも作成。
〇チェルノブイリと福島の問題で海外との連携の強化を 2014 年より始めドイツ・フランス・ベラルーシ・トルコ・ポーランド・台湾で講演。 日本からの原発輸出予定地トルコ・シノップへは 4 回訪問。 各地で講演を行い多数のトルコメディアに取り上げられている。 台湾でも原発からの避難訓練について考察したドキュメント映画に出演。 2017 年夏より国際組織の Nuclear heritage network に参加しさらに国際連帯の輪を広げている。
〇著作として矢ヶ﨑克馬琉球大学名誉教授との共著『内部被曝』(岩波ブックレット)、被爆医師肥田舜太郎さんインタビュー「放射能との共存時代を前向きに生きる」(『世界』2011 年 9 月号)、原発災害対策を述べた『原発からの命の守り方』(海象社)がある。

[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

□冨田貴史 大阪中津にて養生のための衣食(茜染め、麻褌、味噌、鉄火味噌など)を自給する冨貴工房を営みながら、各地で ワークショップを開催している。
ワークショップのテーマは暦、養生、手仕事など。 保養プロジェクト「海旅Camp」共同代表。2016年からは新潟で行われている保養イベント「風フェス」の運営に関わっている。
著書『わたしにつながるいのちのために』(2006年/自主出版)『春夏秋冬 土用で暮らす』(2016年/主婦と生活社・共著)『いのちとみそ』(2018年 / 冨貴書房)など

□「しえんほう」とは? 2012年6月21日に、すべての国会議員が賛成して成立した「原発事故子ども・被災者支援法」のこと。 福島原発事故によりたくさんの放射能が広い地域に降り注いでしまった中で、「 被災者一人一人が、もともと住んでいた場所でそのまま暮らすことも、他の地域へ移住することも、帰還することも、自由に決めることができ、どのような選択しても、その暮らしを支援する」ことが決められました。 「しえんほうシネマ」は、この法律に書かれている支援を、私達ひとりひとりの手で現実にしていけるようにという思いを込めて開催します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする