守田です。(20150624 12:30)
当面する講演のお知らせです。
まずこの間、僕が力を注いできた原発災害対策について、6月28日に京都市龍谷大学深草キャンパスでお話します。
13時開場、13時半開会です。以下、Facbookのイベントページをご紹介しておきます。
福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」
https://www.facebook.com/events/839804416103316
今回は篠山市での原子力災害対策の進展を踏まえてお話したいと思います。
これまでもお伝えしてきたように、僕は兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会に参加し、他の委員のみなさんとともに原発事故が起こった時に篠山市民がどのように身を守るのかの対策を練ってきました。
その中で6月17日に篠山市の酒井市長に委員会の総意として提言書を提出しました。
前々から準備されてきたことですが、これを受けて篠山市は今秋から独自に安定ヨウ素剤を事前配布することを決めるとともに、事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策をさらに積み上げていくことを決めました。
安定ヨウ素剤の事前配布が行われれば、原子力規制庁が求めている5キロ圏内以外で全国初の試みになります。
ぜひこの動きが他の市町村にも拡大していけばいいなと思っています。
この日の様子を記した市長日記と神戸新聞の記事をご覧下さい。
安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
篠山市ホームページ 2015年06月18日
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/…/may…/diary/post-826.html
安定ヨウ素剤、今秋から事前配布へ 篠山市
神戸新聞 2015/6/17 20:45
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008131412.shtml
安全を確保するためには原発を再稼働させないことがもちろん大事です。
しかし原発は止まっていても燃料プールがある限り、過酷事故を起こす可能性があり続けます。
プールが損傷し、水が抜けて冷却ができなくなれば、燃料が溶けだしてもの凄い放射能が飛び出してきます。
また全国の燃料プールがつめつめの猛烈に危険な状態になっているので、地震などの大きな揺れで燃料が接近した場合に、臨界爆発が発生する可能性もあります。
その意味で、原子力災害対策は全国に17000トンもある燃料棒のすべてが安全な状態に移されるまで必須のものです。
そのために篠山市での取り組みを含めてこの間考察してきたことをお話しますのでぜひご参加下さい。
これと共に6月27日に京都府向日市で、7月4日に大阪府の新大阪で世界の原発の動向とトルコへの原発輸出問題についてお話します。
向日市では午前9時半より、寺戸公民館にてお話します。阪急向日駅から300メートルです。
新大阪では市民交流センターひがしよどがわ403号室でお話します。JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分だそうです。新大阪の企画についてのFacebookのイベントページをご紹介します。
日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―
https://www.facebook.com/events/370108883191877/
原発産業は世界的にも斜陽を深めています。
今、世界の原発の「平均年齢」はなんと30歳!
国によっては30年が使用期限とされてきたところもあります。多くが老朽化していて廃炉に向かいつつあるのです。
なぜこれほど「平均年齢」が高いのか。
答えは明白。スリーマイル島、チェルノブイリと続いた深刻な原発事故以降、世界各地で原発建設を許さない市民の力が増して、建設がストップされてきたからです。
このため原子力産業は風前の灯火となっています。
それでは困る、なんとか生き延びたいと思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けています。その大きな柱が原発輸出です。
日本では今、すべての原発が停まっています。停まっていながら電力の不足などまったく起こっていない。私たちも日常生活で何も困っていません。なぜでしょうか。
この答えも明白です。実は原発などもともといらなかったからです。むしろ電気は余っているのです。それをどう過剰に使わせるかが課題となってきたのです。
だから今、リニア新幹線などというものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上しています。電気の使い先を見つけないと原発に未来がないからです。
それだけではありません。日本の原発は今、平均で4年1カ月も停まっているのです。
世界で最大の出力を誇っていた柏崎刈羽原発3号機、4号機などは7年10カ月も。さらに2号機は7年11カ月も停まっています。確実に8年を越えます。8年も停めていたプラントに未来はありません。
この事実こそが世界の原子力村にとって強烈な脅威なのです。
一つにウランがまったく売れない。二つに、経済大国日本がこんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまうからです。
この状況を打開するために行われようとしているのが原発輸出です。
とくに原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ運転員も含めた技術の維持ができないからこそ海外で原発を作り、運転したいのです。ウランの需要をこじ開けるようにして作るためでもあります。
しかし一方で、日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、また原発輸出を進めるためにも、なんとか一つの原発でも再稼働させたい。
それが今、安倍政権が遮二無二進めていることですが、これは本質的には、滅びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだということをしっかりとみておく必要があります。
その上で私たちが押さえるべきことは、自国でも危険性が明らかであるがゆえに動かすことのできない危険な原発をこの国から輸出することなどけして道義的に許されることではないということです。
僕はとくにトルコに関わっていますが、日本から原発を輸出しようとしているシノップという町はとても美しい漁場です。同時にトルコの方たちのリゾート地でもあり、多くの方に憩いを提供してきている素晴らしい町です。こんなところにけして原発など作らせてはなりません。
さらにエルドアン政権はとても暴力的です。デモに対して警官隊にガス銃を乱射させ、2013年には10人近い人々が殺されてすらいます。その一人は買い物に来ていただけの10代の少年でした。
ぜひ講演を通じてこうしたトルコの事情を知ってください。マスコミではなかなか流れない貴重な情報です。
トルコの方たちは原発建設を止めるために懸命に行動しています。この4月27日にもチェルノブイリ原発事故29年に際して、シノップに4万4千人もの人が集まりました。
トルコの方たちの奮闘はトルコに原発を作らせないためだけでなく、世界の原子力村の延命策に立ちふさがる行為でもあります。その意味で、トルコの方たちの奮闘は私たちの未来をも照らしてくれる行動です。
だからこそ、トルコと日本の民衆の強い結びつきで、なんとしても原発輸出を止め、延命策にふたをし、原子力の灯を消していきたいと思います。核のない未来の展望がそこにあります。
なお私たちがもう一つ踏まえなくてはならないのは、原子力の灯が消えても、膨大な放射性廃棄物が残ってしまうことです。
この核のゴミをどうするのかもこれからの私たちの大きな課題です。私たちが警戒しなければならないのは、とんでもない無法で酷い処理が行われつつあることです。
この点で注目すべき学習会が27日の午後に岡山で行われるので、僕も向日市での講演を終え次第、かけつけて参加するつもりです。その情報も記しておきます。
-「核のゴミ」について考える市民勉強会- HKB47勉強会IN岡山 「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」講師は沢田嵐さんです。13時から岡山コンベンションセンター407会議室にてです。
以下、詳細な案内を記しておきます。
ぜひそれぞれの企画にご参加下さい!
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6月27日 京都府向日市
「世界の原発の動向と健康問題」
6月27日午前9時半~12時ごろ
講演会・意見交流の後、第4回総会を開催
場所 向日市寺戸公民館
講師 守田敏也
主催 原発をなくす向日市民の会
連絡先 事務局筒井 075-931-3788
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6月27日 岡山市
-「核のゴミ」について考える市民勉強会-
HKB47勉強会IN岡山
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」
日時:2015年6月27日(土)13:30~17:00(開場13:00)
会場:岡山コンベンションセンター 407会議室(定員50名)
岡山市北区駅元町14-1 ?086-214-1000(代表)
講師:沢田嵐氏(ブログ”あざらしサラダ”管理人&「市民放射能測定センター」(Cラボ)ボランティアスタッフ)
※「HKB47」は沢田氏が管理人を務める情報共有コミュニティの名称です
ゲスト:庭山由紀氏(元群馬県桐生市市議)
参加費:500円(施設、機器使用料)(当日受付)
【資料】
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」(沢田嵐著、旬報社)
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6月28日 京都市 龍谷大学深草キャンパス
福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」
日時:2015年6月28日(日曜日)
13:00 開場 / 13:30 開会 / 16:30 終了
場所:龍谷大学深草キャンパス22号館2階201教室
主催:原発を考える伏見フォーラム
連絡先:ふしみ原発ゼロパレードの会事務局
TEL:075-604-2133 [ 京都南法律事務所 ・溝江 ]
講師:守田敏也 氏(フリーライター)
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7月4日 大阪府 新大阪
日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―
2015年7月4日 14:30 - 16:30
市民交流センターひがしよどがわ 403号室 JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分
講師 守田敏也さん (フリー・ジャーナリスト)
参加費700円、14時開場
主催: No Nukes Asia Forum Japan <連絡先>080-6174-8358
協力:COA-NET