明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(395)山本太郎・中村和雄、路上対談が実現!(1月29日京都)

2012年01月31日 10時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)

守田です。(20120131 10:30)

1月29日に、京都市長選にむけて、脱原発俳優の山本太郎さんが応援にかけ
つけてくださり、京都市三条河原町で、中村和雄さんと一緒に宣伝カーの
上にたち、路上対談を実現してくださいました。僕は自分の講演があって
駆けつけられませんでしたが、あとからネットにアップされた動画をみて
とても感動しました。

ぜひみなさんにもご覧いただきたいのですが、お時間のない方もおられる
ことも考えて、文字起こしもしましたので、どうかご参考ください。可能な
方は多くの方にこれを伝えて欲しいと思います。それにしても山本太郎さん、
本当にかっこいいです!

*********

山本太郎・中村和雄、路上対談(1月29日京都三条河原町)
http://www.youtube.com/watch?v=25zDwiSK97k&feature=youtu.be

中村 山本さんが応援に来てくださいました。一言、応援のメッセージをいた
だきます。

山本 こんにちは。山本太郎と申します。すごいですね、京都。変えられそう
な匂いがしますね。ぷんぷんしますね。このためだけに来ました今日は。本当
に。3・11以降ね、この国、日本という国がどういう国だったのかというこ
とがはっきりしたと思うんですよ。どうしてこんな国になってしまったのか。
それは、僕を含む、無関心の大人が作り上げた国なんですよね。やっぱり今、
意識していかないと、やばいですよ。

特に京都、京都がやばい話になったら、日本は本当に終わりますからね。もし
も原発にアクシデントが起こったら、国が何もしないことがはっきりしました
よね。今、不条理を押し付けられている人たち、その人たちが自分たちの姿で
すよ。明日の自分たちの姿。日本海側を見てください。十なん基ありますね、
原発が。14ですか?ありがとうございます。14基の原発が日本海側にある。
これはほんと、ただことじゃないですよ。爆弾を抱えていますよ、京都は。こ
れを一刻も早くなんとかしなければ、即、廃炉にしなければ、どうにもならな
いですよ。

電力は足りているんですよね。電力が足りているのに、どうして原子力がない
と電気がなくなるという嘘をつくのか。お金のためですよ。お金と引き換えに
みなさんの命、差し出せますか。無理ですよ。でも金の亡者は、みなさんの命
の方が軽いですからね、お金のほうを取りますよ。ぜんぜんやる気ですよ。40
年だったものを、60年まで使えるようにする?ふざけた話ですよ。大飯原発、
再稼働しそうですね。(不明)疑いのある人物が3人も入っているんですよ。そ
んな人たちが決めた委員会で一体何が再稼働ですか。福島の原因も究明できて
いない。原因もはっきりしていないのに、誰が一体、安全評価なんかくだせる
んですか。もうやめにしましょうよ。これ以上、僕たちの命を脅かす存在はい
りませんよ。

そのためには、僕たちの市民側に立ってものごとを考えてくれている、本物の
候補者を選びましょうよ。このままじゃ終わっちゃいますよ。終わらせてたま
るもんですか。この震災をステップにして、僕たちは大きくならないといけな
いんですよね。それを京都から始めましょう。よろしくお願いします!

中村 エネルギーは足りているんです。関西電力で今、動いている原子力発電
所はたった2基。宮津に火力発電所があります。75万キロワット。需要がな
いので、今、止めたまま。いざとなったらこの火力発電所を動かすことだって
できる。全国で今、4基しか動いていない。十分に今のエネルギーで、まあ、
火力が使えますが、原子力発電所を止めたって十分なんだ。3日前に、枝野さん、
経済産業大臣が、来年度の夏にすべての原子力発電所をとめても、ちゃんとやっ
ていけると言っているじゃないですか。原子力発電所がなくたってやっていけ
る。そしてこれからの京都は、もっともっと再生エネルギーを使おう。鴨川、
琵琶湖疏水、そういうものをどんどんやろう。こういうことです。ぜひみなさ
んと一緒にこういうことをはじめていきたい。山本さん、頑張っているんです
が、いろいろと圧力はありませんか。

山本 圧力ですか?なんかもう見えない圧力みたいなもんはゴロゴロしてます
よ。でもそんなん、関係ないんですよ。だってこれ、命がかかってない問題や
ったら、多分僕、今までのどおりの人生を送ってましたよ。だってそのほうが
得じゃないですか。でも今回は違うんですよね。命がかかってるんですよ。命
がかかっているからこそ、やっぱりこれは闘い抜かないと。そしてその尻拭い
をして次の世代に渡していくという意識を持たないと、むちゃくちゃなことに
なってしまいますよ、日本は。

でね、どの候補者が本物かということを、みなさんが、見極めていかなければ
いけないじゃないですか。今、目の前に中村さんがいますけど、中村さんは本
当に本物なんですかということを、僕、いろいろと質問したいと思いますよ。
もう政党で選ぶ時代じゃないんですよ。その候補者が一体、何ものなのかとい
うことが大事なんですよ。だから真横に立ちながら、中村さんにちょっと疑い
目に質問していって、中村さんがどのような政策を推し進めているのかという
ことを、ここであぶりだしていきたいと思うんですけれども、原発というもの
に対しては、どういう感じなんですか。即時廃炉にしてもOKという感じなんで
すか?

中村 もういらないよね。原発は本当に、こんなに危険だ。僕らも反省しなく
ちゃいけない。今までずっと、日本の中で原発は安全だ安全だと言われて、ご
まかされてきちゃった。でもこれが、今度の福島の事故でね、絶対にこんなも
のはやめなくちゃいけない。そのことがはっきりした。もう再稼働は認めない。
原発はなくす。そのことを京都から全国に発信しなければいけないと思います。

山本 素晴らしいですね。そんなこと、最近、いいませんよ。段階的停止とか
ね。段階的停止、もちろんそういう言葉があります。でもね、本物かどうか見
抜くためには、そこにいんちきが隠されていること、そこにいんちきが必ず、
隠れているんですよ。段階的停止、ならばいつまでだという話ですよね。即時
と言える人はなかなかいないですよ。だいたいが、2千何十年までに。ちょっ
と待ってください。あと十何年かかりますよね。その間に、今、地震の活動期
なのに、もう一度、大きな地震がこないという約束はどこにもないですもんね。
毎日、ロシアンルーレットをしながら過ごしているみたいなもんですよ。ありが
とうございます。良かったです、そのことを聞けて。それで今、放射性がれき、
放射能を含んだものを全国にばらまいて処分しようとしていますよね。大阪、
春から受け入れると言ってます。京都はどうなんですか。

中村 放射性物質というのは、移動させないのが原則なんですよ。移動させた
ら拡散するだけ。トラックで運んでどんどんどんどん全国にばらまくなんて、
とんでもない話。絶対に放射性物質、今のがれき、京都は受け入れない。もち
ろん京都は、福島のみなさんをしっかり支援していく。現地で処理すること、
そして子どもたちをもっと安全な場所に。京都に例えば夏休みとか春休みとか
ね、どんどんやってきてもらう。そういうためのしっかりとした援助をしてい
く。放射性物質を含んだがれきは絶対に受け入れない。これは京都、絶対にが
んばりましょう。

山本 嬉しいですね。もう京都市と言わずに、国政に出ていただきたい。本当
に。こういうまともな大人がどうして多くないんですか、今。本当に。希少種
ですよ。(笑)そうです。放射性物質、動かさない、閉じ込める、基本ですよ
ね。これを破って、全国で痛みを分け合う?一体何をするつもりですか。全国
にばら撒いて、全国に病気、たくさんの病気、ばら撒いてどうするんですか。
日本からきれいなところがなくなってしまう。すべて汚染されてしまうという
現実があるのにもかかわらず、バグフィルターを使えば大丈夫だとかいうよう
な、そんなインチキを使っているんですよ。結局、実証実験なんかできていな
いんですよ、放射性物質による。おかしな話ですよね、勘弁してもらいたいで
すよ。絶対に、京都を守ってくださいよ、みなさん。みなさんの一票にかかっ
ていると思うんです。京都を守れるのは、みなさん、ひとりひとりだと思うん
ですよ。

でもこんなに気持ちいい答えを返していただくと、攻めどころがだんだん、無
くなってきましたね(笑)とにかく中村さんは、命を守るということに対して、
真剣、本気ですよ。本物ですよ。原発、すぐにやめよう。放射性がれき、受け
入れない。これをいうだけでも、本当に普通の候補者だったらビビリあがりま
すよ。大きな政党からじゃ、そこまで、はっきりしたことは言えないはずです。
大したもんですね(笑)。僕ちょっと聞いたんですけれども、経済面で、ピン
はねする企業を規制していくというのを、小耳に挟んだんですけれども。その
ことをちょっと。

中村 山本さん、だいぶ、勉強してきているね。公契約条例を作ろう。京都で
今のピンハネ、許さない。下請け、孫請けが、どんどんどんどん、京都の中で
たたかれて、たたかれて、本当に、最低賃金ぎりぎりで働いているじゃないで
すか。京都が一番今、全国で非正規雇用が多くなっている。京都の若い人、20
代の6割が非正規雇用。これでは生活できない。賃金が安い上に、賃金があがら
ないんです。いつ首を切られるかわかんない。この働き方を変えていこう。そ
のために公契約条例を作って、京都の仕事は京都でまわしていく。そして京都
市の発注する事業は、最低賃金、どんなに安くとも1000円以上にする。ここか
ら全国に、この非正規雇用をなくしていく、ワーキングプアをなくしていく闘
いを、京都から始めていきたいと思います。

山本さんも、ぜひこういう若い人達の支援ということで、よろしくお願いした
いと思います。さっきもでたけど京都は1200年ですよね。一回、放射能が降っ
てきちゃったらもう京都自体がもうダメになってしまう。琵琶湖の水の問題も
大きいですよね。30キロにある。一回、琵琶湖にセシウムでばーっと汚染され
たらもうおしまい。どっかの市長が、琵琶湖は広いから希釈されるなんて、と
んでもないことを言いましたけれども、私も水俣の弁護団でずっとやってきま
した。とんでもない。海の中で一度汚染されたら、除染なんてできない。絶対
に原子力発電所をもうなくしていく、そのことが一番なんだ。そのことをぜひ
徹底させていきたい。全国多くのところで、脱原発市政、脱原発県政、京都か
ら広めていって、全国に広めて、必ず日本の原子力発電所をすべてを廃棄する
ために頑張りたいと思います。山本さんもそのために全力で頑張ってもらって
いますが、最後に、若い人達へのメッセージを。

山本 素晴らしい。素晴らしいお話を本当にありがとうございました。こうい
う一人一人の候補者の声をしっかり聞いて、本物を見極めることが一番大事な
ことだと思うんですね。それで若い人、自分に関係ないという話ではないんで
すよ。とくに若い人達に参加してもらわないと、もう変わらないです。この国
は。若い人達の方が、長く生きるんですから。そうですよね。苦しい状況で長
生きなんかしたくないでしょう。早いうちに手を打っていかないと、変えてい
けないですよね。一人一人の力は本当に小さいかもしれないけれども、本気を
出せば、みんなでつながっていけば、絶対に変えていけるんですよ。そして今、
ここ、京都にも本物の候補者がいるはずです。その人をみんなで押し上げて、
京都から日本を守るアクションをみなさんで起こしてください。よろしくお願
いします!




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明日に向けて(394)肥田舜太郎さん、大石又七さん、矢ヶ克馬さん、山本太郎さんから!

2012年01月30日 08時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120130 0830)

京都市長選に向けたビデオメッセージが届きましたので、ご紹介します。
初めは、被爆医師・肥田舜太郎さんです!続いて、元第五福竜丸乗組員で、ア
メリカのビキニ環礁における水爆実験で被曝させられてしまった大石又七さん
です。大石さんは、長年にわたって、身をもって核兵器の恐ろしさを訴え、廃
絶のために尽力されてきました。「市民と科学者の内部被曝研究会」の結成に
も参加されています。さらに我らが矢ヶ克馬さんです。

少し前に撮影された山本太郎さんのメッセージも載せました。山本さんは昨日
1月29日に京都に駆けつけてくださり、中村和雄さんとの素晴らしい路上対談も
行なってくださいました。これも後ほど、テープ起こししたいと思っています。
最後に僕のメッセージも付け加えておきます。ちなみに僕のは、選挙期間の前
に撮ったものなので、僕だけ「中村和雄さん」とはっきりと名前を語っていま
す。ともあれみなさま、それぞれのメッセージをご覧ください!

************

被爆医師・肥田舜太郎さん
http://youtu.be/W_Dm0KQG4Vo
京都は日本を変える中心になってきたところだから、あそこの市長になってね、
やっぱり今、保守が好き勝手にしているのを多少でも民主的な雰囲気がトップ
に出るように期待しています。特に東北の問題はね、東北だけじゃなくて、わ
たくしは日本全国に同じような被害がずっと広がっていると思っていますから
日本を変える、その先頭に京都がなってくださることを期待して、大いに応援
をします。

元第五福竜丸乗組員・大石又七さん
http://youtu.be/cqmYjrJWWPU
わたしは第五福竜丸の元乗組員で、被曝しているんです。今、福島で大きな事
故が起こりまして、放射能、あるいは内部被曝のことが関心をもたれてきてい
ます。ぜひそうしたことに関心を持たれている先生方に市長になり、それを推
進し力を尽くして欲しいと願っております。

物理学者・矢ヶ克馬さん
http://youtu.be/43IfRedwr4M
沖縄県の矢ヶ克馬でございます。脱原発市長の誕生を心から願っております。
今、日本には市民の力で、本当に命を守る、こういうことを自ら実施していく
ことが本当に必要になっています。だからそういう意味で脱原発市長、うんと
期待しております。

脱原発俳優・山本太郎さん
http://www.youtube.com/watch?v=hVryjWIjttY&feature=related
山本太郎です。京都、これは原発とは切っても切り離せないですよね。やはり
日本海側には原発銀座があって、それがいつ危ない状態になるかというのは、
誰にもわからないことなんですよね。明日かもしれないし10年後かもしれない。
その危機の中で毎日を過ごすというのは本当にありえないですよね。とにかく
自分たちの命を守るためにも、生活を守るためにも、脱原発を掲げている市長
さんに当選してもらうことが必要だと思うんです。ぜひみなさんのお力を下さ
い。よろしくお願いします。

守田敏也
http://www.youtube.com/watch?v=1a5jTkWkYpY&feature=related
こんにちは。フリーライターの守田敏也です。中村和雄さんは、放射線の人間
におよぼす害、危険性を非常によく知っていらっしゃる方です。その中村さん
が市長になれば、京都の子どもたちの安全がぐっとますと思います。それだけ
ではなくて、京都だけではない。多くの、日本のこの国で、今、放射能がたく
さん出ている中で、子どもたち、私たちの未来を守ることができると思います。
何としても脱原発の市長を京都から誕生させていきましょう。一緒に頑張りま
しょう。
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明日に向けて(393)脱原発に向けて、そのための京都市政誕生に向けて、いろいろな動きが

2012年01月29日 12時00分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120129 12:00)

脱原発に向けて、そのための京都市政の誕生に向けて、あるいは被災地支援に
むけていろいろ連続した企画が行われいます。僕も参加します。紹介しますの
で、お近くの方はご参加ください。

1月29日
まず今日、僕はこれから岩倉の山住神社奉賛会集会場(叡電岩倉駅より徒歩七
分)にて、午後1時から講演します。以下、この企画全体のタイムスケジュー
ルや、出店店舗を記しておきます。

【スケジュール】
10時会場
10時半 親子ヨガ HIROMI先生
11時半ランチタイム
12時半live ベートルズ
13時 守田敏也さんのお話し(気になる放射能、内部被爆のことなど)
14時 守田さんへの質疑応答
15時 楽器で遊ぼう
15時40分 かみしばい らあちゃん
16時 live COSMIX
16時半終了

【出店店舗】
padma cafe ビーガンフード・aeeen焼き菓子・畑カフェおいしい ランチ
虹色パンダ ビーガンケーキ・おおたばたけ 無肥料無農薬野菜


一方、京都市長選応援のため、俳優の山本太郎さんが京都にかけつけて
くれています。物理学者の矢ヶ克馬さんもこられています。
以下のスケジュールで街頭行動が行われます。

12:30 三条河原町アーケード前で街頭トーク(山本さん、中村さん)
13:00 四条河原町まで歩いて移動
13:10 四条河原町で街頭トーク(山本さん、中村さん、矢ヶ崎さん)
13:40 八坂神社へ移動、脱原発訴え(ここから山本さんと勝手連)
14:20 四条河原町へ移動、脱原発訴え
15:00 街頭活動終了

山本さんの話を聞いてみたいという方はぜひ!!


1月30日

明日、1月30日は、矢ヶさんと僕とで対談集会を行います。
矢ヶさんから僕があれやこれや聞き出します!

脱原発を京都から!矢ヶ克馬さん×守田敏也さん対談会
http://dream.for-kyoto.net/?eid=1#sequel

【日時】 2012年1月30日(月)10:30~12:30
【場所】 東山いきいき市民活動センター
(東山区花見小路通古門前町上る東入る南側)
(「京阪三条」or市営地下鉄「東山」より徒歩5分)
【参加費】 300円
 子どもさん連れの参加OKです(保育はありません)

【企画】 「脱原発を京都から!」
特設サイト http://dream.for-kyoto.net
ツイッター http://twitter.com/kyoto2012
最新・活動情報 http://news.for-kyoto.net⇒ チラシ見本・PDFダウンロード
【問合】 080-6121-9694
forkyoto[@]gmail.com([]を除いて送信下さい)
【共催】 放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会

午後1時から三条大橋で、京都の歌姫マーリンが京都市長選
応援ライブ決行。ドラマーで、フライングダッチマンのタイガ
君が参加、コアラのケンジ君も!
僕も矢ヶさんと駆けつけます!

1月31日、2月1日

京都市内各地で行われる中村和雄個人演説会に、僕も弁士として
参加します。

2月3日

「関東・東北の旅」報告と今後の支援についてのお話会

守田敏也さんが今月の13日から18日まで関東・東北へお出かけになり、講演
会やお話会をこなしながら、放射能と向き合って暮らし始めている現地の
方々と交流されてきました。

ほっこり通信では、できるだけ実情に合った情報を発信していきたいと考え、
放射能被害のある場所に行かれた方や、そちらにお住まいの方からお話を聞く
機会をなるべく多く持ちたいと思っておりますが、今回も早速、旅の報告会を
開催させていただくことになりました。

何かとご多忙中とは思いますが、ぜひご参加いただき、明日の関東・東北、
明日の日本をみなさんと一緒に考えられたらと思っています。

日時:2012年2月3日(金)10~12時(報告1時間、お話会1時間)
場所:ひとまち交流館和室
参加費:カンパ代(500円くらい)
主催:ほっこり通信 from Kyoto みやぎチーム
連絡先:杉浦陽子 yoko405s@gmail.com

*会場の都合上、20名ちょっとを定員と考えております。お早めにご連絡いた
だけると助かります。

2月4日

2月4日(土)15時~17時頃
堺町画廊
http://www.h2.dion.ne.jp/~garow/event.html

冬カフェ

どうする?若狭の原発群で事故が起こったら!
13基の原発ともんじゅのある若狭から京都市内はわずか60キロ。私達は福
島の事故で、政府も電力会社も情報を出さない人を逃さないということを目の
当たりにしました。

原発は止まっていても重大な事故は起こります。耐用年数を超えた老朽原発も
あります。プルトニウムが入ったもんじゅは破局的事故がどういう態様で起こ
るか不明な上、冷却材にナトリウムを使っているので常に爆発と火災の危険と
背中合わせです。

大きな地震が起こったなら13基の原発ともんじゅはどうなるのか?
明日起こるかもわからない事態にどう備えればいいか?
被曝を避け迅速に逃げるためにはどうすればいいか?
日本一の原発密集地域から60キロという地に住む私達の心構えとして知って
おかなくてはいけないことを学びまょう。

お話:守田敏也さん
参加費カンパ500円以上 カフェ代は別




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明日に向けて(392)肥田舜太郎医師は訴える!(内部被曝研記者会見より・・・その1)

2012年01月29日 08時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120129 08:30)

すでにお伝えしたように、1月27日に東京で、「市民と科学者による内部被曝
問題研究会」が立ち上がり、記者会見が行われましたが、今回はこのときお話
された、内部被曝研名誉会長の肥田舜太郎さんの発言をご紹介します。岩上さ
んたちが記録してくれた下記の映像の55分頃からお話されています。
http://www.ustream.tv/recorded/20030116

何はともあれ肥田さんの言葉に触れてください。今回はコメントをとくに
付けずに全文をみなさんにご紹介します。

*******

被爆医師 肥田舜太郎さんの発言(20120127)

肥田舜太郎と申します。広島の原爆を受けて、当時から被爆者の診療をやって
きた医師は、現在、日本で生き残っているのは、わたくし一人になりました。
ですから、実際に原爆を浴びた人間の外部被曝と内部被曝について、それを
ずっと診療して事実を見てきた人間は、わたくし一人になったわけです。

66年間、ずっと被爆者と付き合い続けてきました。わたくしは被団協という団
体のたったひとりの医師で、中にいまして、日本全国の被爆者の相談を一手に
引き受けてきました。そんなわけでわたくしが現在まで、顔を知っている被爆
者で、わたくしが聴診器をあて、相談をした人間は、少なく見て6000人おりま
す。

その中には外部被爆を受けて大変な思いをして今日まで生き延びてきたものも
いますし、内部被曝で、説明のできない非常に困難な症状を持ちながら、世間
からは被爆者としては認められなくて、というのは外から見て何もないからで
すが、そういうために社会から差別を受け、一人前の人間として生きていけな
くなった。そういう患者もたくさん診てきました。


最近、外国の人から、広島と長崎の経験をした日本が、なんで地震の多い国で
海岸に53基も原爆を作ったのか、こんなことどうしておこるのかというお話が
たくさんあります。また日本のテレビで話される専門家の方々もそういうお話
をされます。これは事実です。でもなぜそうなったのかということをお話され
る方は誰もおられません。

わたくしは、現地からずっと見てきて、この原因は、たったひとつ、占領した
アメリカ軍が、被爆者の病気すらも、アメリカの軍事機密だという声明をだし
たことにあると思います。被爆者に一切、被害をしゃべってもいかん、書いて
もいかんといい、医師はその職業柄、被爆者がくれば診療はしてもよろしい、
しかしその結果を書き残したり、それを論文にして論議をしたりしてはいかん
といました。

このように日本の医学界が、放射線のことを研究することを一切禁じ、これに
反するものは占領軍として重罪に処すという声明を発表して以来、被爆者は沈
黙を守り、医師は自分の診察した症状を、記録しなくなったのです。ですから、
当時の被爆者が、前後、ずっと経験してきた放射線の被害の実情は、どこにも
正確に記録されていないのです。だから今の政府も今のお医者さんも、あの当
時のことを正確に学ぶ資料が、まったくありません。

わたくしは、30ヵ国ぐらい歩いて、向こうの医師や学者に、内部被曝のことを
話してきました。「そんな大事なことを、あなたという医師がなぜ個人でここ
に来て話すのか。政府が発表した資料はないのか」と聞かれます。これにまっ
たくありませんと答えました。

「なぜそんなことになったのか。アメリカの占領が7年間続き、そのあとを受け
た日本の政府が、安保条約を結んで軍事条約の手前、アメリカの核兵器のこと
を一切、記録をしないということになっているために、できないのです」と、
こういう話をして歩きます。


わたくしが福島の事故の話を聞いた時、一番、初めに思ったのは、これは大変
なことになったな、あそこの子どもも親も、あそこで放射能の影響を受けた人
は、放射線そのものが、広島・長崎で使われたウラニウムとプルトニウムを混
ぜ合わせた(ものから出てくる)放射線ですから、あそこの人たちに、広島・
長崎の人が経験したのと同じことが、そのまま起こってくると考えたほうが、
常識なのです。

これがいつ起こるのか。広島と長崎の経験から言うと、内部被曝をたくさん診
て、どうしようもなくて、症状がわからなくて困ったのは、ちょうど、一年ぐ
らい経ってからでした。最初に現れだしたのは半年後です。ですからおそらく
この3月頃から、彼らの中に、医師が診ても診断のつかない、非常に不思議な
症状で、いろいろと苦しむ人が出てくると思います。

残念ながら、今の日本の医療界には、この患者を診て、親切に相手のできる医
師は一人もおりません。おそらくは診ても、「あなたは病気ではないよ」と
言って、おっぽりだす。ちょうど、広島と長崎の患者さんは、どのお医者さん
にかかっても、大学の医学部にいっても、「あなたは病気ではない」といって
追い出され、しかし本人は働けない。「ぶらぶら病」という名前で社会から抹
殺されました。それと同じことが起こるのではないかと、わたくしは心配して
います。


日本は上から下まで、あの大きな被害を受けた原爆の放射線被害について、全
くの無知です。なんにも知らない。今、広島と長崎の原爆の被害にあったこと
は、それはなんとか知っているでしょうけれども、あのキノコ雲の下で、人間
がどのように殺され、また内部被曝で、身体の中に放射能を取り入れたものが、
その後、66年間、どんな苦しい生活をしてきたか。このことを誰も知りません。
これは全部、わたくしは、アメリカの責任だと思っています。

わたくしは当時からアメリカの憲兵や、日本の警察に追い回されながら、広島
の現地で寝ている被爆者を助けてきました。わたくしは、はっきり申し上げて、
別にアメリカの国民を憎いとは思っていません。しかしあの爆弾を作り、あの
爆弾で最初に殺人を考えた、この連中は許すことができない。

そういう意味で日本は、福島の原発だけで終わるわけがはない。必ず事故が
起ってきます。だからもう二つ、三つ、事故が起これば、日本はおそらく滅亡
するでしょう。そういう非常に危険な状態なのだということを、為政者は誰ひ
とり考えない。のんきにあそこにでてきて「大丈夫です」などと言っている専
門家などは、わたしは本当に軽蔑したくなります。

どうか、マスコミのみなさんは、放射線の被害というものが、下手をすれば、
人類が生き延びることができない大変な代物だということを、お腹に持って、
どんな小さな情報でも大事に扱っていっていただきたいということをお願い
して、私の話を終えます。

*****

注 話し言葉を書き言葉に変えるため、多少の文字を補っています。
その際、肥田さんは広島・長崎原爆について書かれる場合、外部「被爆」、
内部「被曝」という使い分けをされていますので、ここでもそれに従いました。





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明日に向けて(391)「市民と科学者の内部被曝問題研究会」が立ち上がった!!

2012年01月28日 09時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120128 9:30)

みなさま。表題のように、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」
(通称内部被曝研)がついに正式に立ち上がりました!昨日、2回にわた
る記者会見を行い、被曝医師で名誉会長の肥田舜太郎さん、医師の松井
英介さん、被爆者で物理学者の澤田昭二さん、物理学者の矢ヶ克馬さ
ん、歴史学者の高橋博子さん、福島市民放射能測定所の岩田渉さん、
ビキニ環礁の水爆実験で被爆した元第五福竜丸乗組員の大石又七さんら
が登壇して、内部被曝研結成の意義を切々と訴えました。

内部被曝研のメンバーの一人の岩上安身さんのチームが、自由報道協会
での記者会見をユーチューブにアップしてくださったので、ぜひご覧く
ださい。圧巻は肥田舜太郎さんの発言です。55分ぐらいから話していま
す。2~3分でということでしたが10分近く熱弁してくださいました。
肥田さんは質疑応答にも答えて話しています。こちらは1時間21分20秒
ぐらいから。実際に被曝したらどうするのかという問いに答えたもので
必見です。
http://www.ustream.tv/recorded/20030116

また会を代表して矢ヶさんが、この日、政府に対して打ち出した内部
被曝研の「提言」を朗読しています。この文章は矢ヶさんが書いたた
たき台をもとに、前日、大変な時間をかけてみなさんで煮詰めていった
もの。おかげで会議が予定時間を大幅にうわ待ってしまい、会場で午後
11時半ごろまで討論の後、宿泊組(同じホテルをとっていました)が
ホテルの一室に集まって討論を続行。結局、草案がまとまったのが午前
2時でした。

その後、矢ヶさんが自室に戻って、文章を推敲。午前3時までかかって
修正し、翌朝、朝8時に起きて、生物学者でメンバーの生井兵治さんと僕
が加わって文章を再度推敲。9時にようやく印刷をしてくれる方のところ
に送って、記者会見に間に合わせることができました。

この討論の過程がとても充実していました。提言内容の吟味のあらゆる
場面で、それぞれのメンバーの深い見識が披露され、僕自身、学ぶもの
がとても多かったです。ともあれこうして紡ぎ出された宣言文を貼り付
けますので、ぜひお読みください。

内部被曝研の結成が、多くのみなさんの放射線防護の努力に何がしかの
プラスをおよぼすことにつながるように、僕も可能な限りの力を尽くそ
うと思います。みなさま、どうか内部被曝研をよろしくお願いします!

**********

2012年1月27日

内部被曝の拡大と健康被害を防ぐ為に政府がとるべき安全対策(提言)

市民と科学者の内部被曝問題研究会

東日本大震災にさいして起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故
(東電事故)は深刻な被害をもたらしています。広範な地域が汚染され、
多くの人々が被曝して、いのちと暮らしを脅かされています。これに対
して私たち「市民と科学者の内部被曝問題研究会」は、日本政府に対し
て、「人間は核=原子力とともに生きていける」との考えを根本的に改
め、汚染地域には住み得ず、農林水産業はできない、との前提で、国家
100年の計を策定することを求め、緊急にいくつかの提言を行いたいと思
います。

原発事故による放射線被曝の主要なものは、呼吸や飲食を通しての内部被
曝です。政府や政府に助言する専門家は、被曝影響の評価を主として測定
しやすいガンマ線に頼っています。しかし、内部被曝では、ベータ線やア
ルファ線がガンマ線よりもはるかに大きな影響を与えます。政府と東電は、
ベータ線を放出するストロンチウム90や、アルファ線を放出するプルトニ
ウム239などの測定をほとんど行っていません。内部被曝の特性とその健康
影響を意図的に無視し続けているのです。

その背景には、アメリカの核戦略や原発推進政策があります。これらの政
策の影響下で組織された国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関
(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)などの機関は、広島・長崎原爆の放射性
降下物による被曝影響を無視した放射線影響研究所の研究に依存していま
す。日本政府は福島原発事故の被曝に関しても、「100mSv以下では病気を
引き起こす有意な証拠はない」とするなど、事実を覆い隠し、被曝限度に
高い線量値を設定して、市民のいのちを守ろうとはしていません。また、
世界保健機構(WHO)はIAEAと放射線被曝問題を除外する協定を結んでいます。

東電事故以来、政府はICRPの勧告を受けて、被曝限度値を通常の年間1mSv
のところを突如20mSvにつり上げました。事故があったからといって、人間
の放射線に対する抵抗力が20倍になるというようなことは金輪際ありません。
本来は事故を引き起こした東電と原発推進を図ってきた政府の責任で、住民
の被曝回避にあたらねばならなりません。逆に、この措置は住民の保護を放
棄し、住民を長期にわたり被曝さるにまかせて、事故を起こした者の責任と
負担を軽くするためのものです。住民のいのちを犠牲にする棄民政策です。
日本国憲法第二十五条には、主権者として保障されるべき権利として、「す
べて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と明記さ
れ、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生
の向上及び増進に努めなければならない。」と記述されているのです。

事故後10ヶ月を経過し、事故の被害は全住民に広がろうとし、今なお拡大の
一途をたどっています。放射能汚染は福島に留まらず、日本全域に広がって
います。陸だけでなく海の放射能汚染も深刻です。放射能汚染は、長期間続
き、被曝の被害はますます深刻になることが予測されます。中でも深刻なの
は、放射性物質を含んだ食物が、全国に流通していることです。原則的な考
え方、根本的な方法で、食物をとおしての被曝回避を図らねば、全住民が深
刻な被曝を受け続けることとなります。子どもの「安全な環境で成長し教育
を受ける権利」は侵され続けます。

野田佳彦首相は「原子炉が冷温停止状態に達し発電所の事故そのものは収束
に至ったと判断」し、「事故収束に向けた道筋のステップ2が完了した」と
宣言しました(2011・12・16)。しかし、圧力容器の下部にはメルトスルー
で生じた穴が空いており、核燃料の状態も把握されていません。四号機の倒
壊も懸念されています。汚染水を垂れ流しながら「安定冷却できている」と
するにはあまりにも不安定な状態です。いつまた核分裂などの暴走が起こる
かわかりません。今、幕引きができるような状態では全く無いのです。

私たちは次のような提言を行い、政府が速やかに実施することを求めます。

1.住民の安全を保障できる体制確立 原発を安全神話で進めてきた「原子
力村」による委員組織ではなく、公正な立場から客観的に判断できる委員会
を構成し、原子炉の破壊状況と原因を究明するとともに、住民の安全を最優
先する立場から情報の迅速な全面公開を行うことを求める。

2.子どもと被曝弱者を守る 少なくとも、法定の年間1mSv以上の、放射能
汚染が高い地域に在住する子どもを、即刻集団疎開させる。乳幼児、妊産婦、
病人等の被曝弱者を即刻安全地域に移すこと。全ての保育園、幼稚園、学校
の給食食材の安全を確保するために、産地を選び、きめ細かく精度の高い放
射能測定を行う。

3.安全な食品確保と汚染の無い食糧大増産 住民に放射能汚染の無い食糧
を提供すること。「健康を維持できる限度値」(現在の限度値の100分の1程
度)を設定して限度値以上の汚染食品は市場に出さない。東電、政府の責任
で生産者にも消費者にも生活保障と健康保障を行う。これからずっと続く食
糧汚染を避けるために、休耕地を利用するなどして、非汚染地域で食糧大増
産を行う。高汚染地の生産者には移住して生産の担い手になる権利を保障す
る。水産物の汚染も非常に危険な状態に入っている。全ての漁港・市場に放
射線計測器を設置し、汚染されたものが流通しない体制をつくる。漁業者に
は補償を行う。

4.除染、がれきなどの汚染物処理 ずさんな除染は非常に危険であり、効
果も期待できない。一般住民に、除染作業による被曝をさせてはならない。
放射能拡散を防ぐため、汚染がれきなどは、放射性物質を放出した東電の責
任において収集し、原発敷地内に戻す。

5.精度の高い検診・医療体制の確立 内部被曝を軽視するICRP等により、
現状の医学・医療現場は放射線の影響を過少評価している。からだのあらゆ
る部位にあらゆる疾病の出現が懸念される。これらを丁寧に治療できる医療
体制を即刻実現する。保障対象の疾病を制限することなしに、放射能被害者
の無料の検診・医療制度を確立する。
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明日に向けて(390)放射能の危機の中の京都市長選の意義

2012年01月27日 08時00分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120127 08:00)

東京のホテルにいます。「市民と科学者の内部被曝問題研究会」の記者会見に
参加するためです。昨日はこのための打ち合わせが午後2時から、実質的に今日
の午前2時まで行われました。記者発表内容をみなさんで心を込めて作りました。
記者会見は、午前11時半~午後1時に自由報道協会にて、午後2時から3時半に
日比谷プレスセンター・日本記者クラブにて行われます。

この内容はまた詳しくお伝えしたいと思いますが、今はこの東京の地から、京
都で行われている市長選の意義について述べたいと思います。これまで繰り返
し触れてきたように、京都では2月5日投票の市長選が行われています。すでに
公示期間に入っており、公職選挙法の規制で自由に書けないことが多いのです
が、この選挙では、京都から明確な脱原発市政を登場させることができるか否
かが大きな争点になっています。

今、私たちの国は放射線に対する大変、甘い基準を採用しており、チェルノブ
イリでは避難区域、ないし避難の権利がある区域にあたる多くの地帯が、その
ままに放置されています。とくに福島には大変、線量の高いところが多くあり
ますが、避難権利がないために多くの人が、生活上の心配を抱えながら、経済
上の理由から動けずにいます。

無論、人々が動かないのはそれだけの理由ではありません。愛着のある土地と
人のつながりを捨てなければならないのはそもそも大変理不尽なことであり、
人にはそれぞれにその土地を離れたくない理由があって、それもまた尊重され
るべきことがらです。しかし政府はその上に乗っかる形で、避難を押しとどめ
ているのであり、この状態をなんとか変えていく必要があります。

そのためには、地方地自体が、どんどん放射線に対する独自の厳しい基準を定
め、そのことで政府を規制していくとともに、独自に被災地から避難してきた
人々を手厚く迎える体制を整え、避難したい人の落ち着き先を作り出していく
必要があります。つまり私たちの身の回りから変えるべきものを変えていく。
そのことで政府を動かしていくということです。

そうしたことを考えるとき、京都市で放射線被曝に対する極めて厳しい視点を
もった市政を登場させることは、日本全体に波及する大きな位置をもつことだ
と僕は思っています。福島市でも、京都で脱原発市政が登場することは、福
島のためになる。ぜひ頑張って欲しいというエールをもらいました。

そこでみなさん。とくに京都市民以外のみなさんにお願いです。ぜひこの京都
市長選の位置を多くの人に伝えてください。今、この時期、それぞれの行政が
どのような方向を向くのかということは、その行政地区の人々以外にも大きな
影響を与えます。だからそれぞれの首長選挙に相互に関心を持ち、意見を述べ、
影響を与え合っていくことが大事だと思うのです。

以下、これまで僕が京都市長選に向けての集会発言と、昨年に書いた一文などを
紹介します。集会案内も貼り付けます。ご参考ください。

1月18日1万人集会にて
http://www.youtube.com/watch?v=-eJBC9wCTQo&feature=plcp&context=C345a811UDOEgsToPDskIoeZpyCQeflcUbG_sCF-QV

「脱原発」市長誕生は、京都を越え、日本のため、世界のために画期的
http://www.youtube.com/watch?v=-eJBC9wCTQo&feature=plcp&context=C345a811UDOEgsToPDskIoeZpyCQeflcUbG_sCF-QV

中村和雄・フライングダッチマン対談
http://for-kyoto.net/video/fryingdutchman-2.html

******

講演会のご案内

3月11日に東日本を襲った大地震は、地震・津波による被害にとどまらず、福島
第一原発の事故という未曾有の恐ろしい被害を引き起こすにいたりました。放
射能の危険を逃れて、多くの人々が故郷を離れることを余儀なくされ、小さな
子どもたちのいのちに及ぼす影響を心配して不安の日々をすごす人たちも数え
きれません。

さまざまに科学・技術を発展させてきた人間の力ですが、その力が何のために
用いられてきたのか、はたして尊いいのち、調和ある美しい自然を守るために
用いられてきたのか、謙虚に反省すべきことを教えられたように思います。
引き起こされた現実の中で、放射能とともにどのように前向きに生きることが
可能なのか、平和問題、環境問題など、鋭く暖かい感性をもって取り組んでお
られる守田敏也さんをお招きして、お話を伺いたいと思います。ぜひ多くの
方々にお話を聞いていただきたく、ご案内申し上げます。


放射能の時代を前向きに生きる

日時:2012年1月28日(土)午後2時~4時
場所:京都ノートルダム女子大学 ユニソン会館 社会学習センター
講師:守田敏也氏
同志社大学社会的共通資本研究センターを客員フェローを経て、現在
フリーライターとして、原子力政策についても独自の研究を続けてい
る。震災後のデータ収集と鋭い分析力により、各地で講演活動中。

主催:ノートルダム教育修道女会 シャローム委員会

********

なおカソリックの方たちにお招きを受けるのは3度目になります。
最初にカトリック三条教会に呼んでいただきたときに書いた文章を
下記にはりつけておきます。

明日に向けて(135) カトリックと正義と平和と社会的共通資本
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3d224921a0eb57e19cddc1e2374b2c36

******

●たのしい日曜日●

守田敏也さんを招いて保育園給食を考えようという趣旨のイベントです。
ふんばろう東日本支援プロジェクト京都支部も出店します。
皆様のお越しをお待ちしています。

日時:1月29日(日曜日)
   10時から16時半

場所:岩倉奉賛会集会場 叡電岩倉駅より徒歩七分
   入場料500円(震災で避難された方は無料)

【スケジュール】
10時会場
10時半 親子ヨガ HIROMI先生
11時半ランチタイム
12時半live ベートルズ
13時 守田敏也さんのお話し(気になる放射能、内部被爆のことなど)
14時 守田さんへの質疑応答
15時 楽器で遊ぼう
15時40分 かみしばい らあちゃん
16時 live COSMIX
16時半終了

【出店店舗】
padma cafe ビーガンフード・aeeen焼き菓子・畑カフェおいしい ランチ
虹色パンダ ビーガンケーキ・おおたばたけ 無肥料無農薬野菜

おためし小児鍼ブース 鍼灸師木口裕香さん

********

脱原発を京都から!矢ヶ克馬さん×守田敏也さん対談会
http://dream.for-kyoto.net/?eid=1#sequel

【日時】 2012年1月30日(月)10:30~12:30
【場所】 東山いきいき市民活動センター
(東山区花見小路通古門前町上る東入る南側)
(「京阪三条」or市営地下鉄「東山」より徒歩5分)
【参加費】 300円
 子どもさん連れの参加OKです(保育はありません)

【企画】 「脱原発を京都から!」
特設サイト http://dream.for-kyoto.net
ツイッター http://twitter.com/kyoto2012
最新・活動情報 http://news.for-kyoto.net
⇒ チラシ見本・PDFダウンロード
【問合】 080-6121-9694
forkyoto[@]gmail.com([]を除いて送信下さい)
【共催】 放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会


--------------------------------------------------------------------------------

放射能から子どもを守るために、
いま何をすればいいのだろうか。
私たちのこれからの暮らしのために、
内部被曝について もっと知りたい。

--------------------------------------------------------------------------------

講師プロフィール

矢ヶ克馬さん(琉球大学名誉教授)

1943年生まれ。
広島大学大学院理学研究科で物性物理学を専攻。理学博士。
2009年3月、琉球大学理学部教授を定年退職し名誉教授に。
2003年から国を相手取った原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」
について証言を行い、連続20回勝訴の礎となる。3・11原発事
故後は、放射能汚染=被曝の深刻さを訴え、全国で熱い講演
を続けていらっしゃいます。

守田敏也さん(フリーライター)

1959年生まれ。京都市在住。同志社大学社会的共通資本研究
センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとし
て取材活動を続けながら、社会的共通資本に関する研究を進
めている。原子力政策についても独自の研究を続けている。
震災後のデーター収集と鋭い分析力により、震災後、講演会
などに駆け回り、多忙な毎日を送られています。



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明日に向けて(389)4号機が倒壊したら、半径250キロまで避難の必要が・・・

2012年01月25日 13時00分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)

守田です。(20120125 13:00)

年始より、書かなければならないと思いつつ、手がまわっていなかった4号機問題についてまとめを行いたいと思います。

まず注目していただきたいのが、1月22日に共同通信によって配信された「【最悪シナリオを封印】 菅政権「なかったことに 」大量放出1年と想定 民間原発事故調が追及」という記事です。記事にはこう書かれています。

***

文書は菅氏の要請で内閣府の原子力委員会の近藤駿介(こんどう・しゅんすけ)委員長が作成した昨年3月25日付の「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」。水素爆発で1号機の原子炉格納容器が壊れ、放射線量が上昇して作業員全員が撤退したと想定。注水による冷却ができなくなった2号機、3号機の原子炉や1~4号機の使用済み燃料プールから放射性物質が放出され、強制移転区域は半径170キロ以上、希望者の移転を認める区域が東京都を含む半径250キロに及ぶ可能性があるとしている。

***

しかし政府は、あまりの内容にショックを受け、この文章を「なかったことにしてしまおう」と相談。国民・住民に明らかにすることなく封印してしまいました。1月6日に、細野豪志大臣は、「実際にそうなったとしても逃げる時間は十分あるので発表しないことにした」と述べていますが、全くのいい逃れでしかないことは明らかです。同じ時期、政府はSPEEDYの情報も握りつぶし、原発近郊から避難を開始していた人々に、情報公開すれば避けられた被曝を負わせてしまいました。同じように最悪の事態が生じても、情報はなかなか伝えられず、膨大な数の人々が深刻な被曝をしてしまったでしょう。

問題はこれが過去のこと、終わったことにはなっていないことです。とくに最も懸念されているのが、4号機の問題です。4号機のプールには1500本を超える新旧の核燃料棒が入っています。燃料プールは原子炉の蓋に近い4階部分にありますが、4号機ではその下で初期に爆発が起こっており、建物全体が傾むいてしまっています。何度か補強が試みられていますが、高線量のため、十分な手当がなされてきたとは言えません。

さらに原発サイトはこれまで何度も余震に襲われており、4号機にもダメージがかなり蓄積しています。ここを大きな地震が襲った場合、4号機全体が倒壊してしまう可能性がある。そうなるとどうなるか。1500本もの燃料棒が、外に飛び出してしまいます。まったく冷却できない状態になるので、崩壊による熱が高まり、高温化し、高い線量の放射線を発しながら、どろどろになって地中に潜り始めます。

そうなると付近一体はとても近づくことができなくなり、他の原発で行なっている冷却などの措置も放棄せざるをえなくなります。そうなれば、最悪のシナリオで書かれていたのと同じことが必要になる。半径170キロからの避難、希望者の移転を認める区域が東京都を含む半径250キロ圏内に及ぶということです。ただしこれは政府の試算ですから、ここでも影響を小さく見積もっていることは確実。実際には250キロ圏内ぐらいまで、ただちに避難しなければならない事態になるのではないかと思われます。450キロ圏内が避難の必要ありという見解もあります。それが私たちの前に現に今ある危機です。


この危機がにわかにクローズアップされたのが、1月1日に原発の近くで起こった震度4の地震でした。このとき福島県内のセシウム値が異常に上がり出した。何があったのでしょうか。東電は4号機プールの水位が急激に下降していることを発表しました。その後の調査により、「地震の影響により、プールからタンクに流れ込む水が一時的に止まっていた」と東電が発表したことを東京新聞が1月8日に報じていますが、セシウム値は15日ごろにも再び上昇しており、何が起こっているのか十分に明らかにされているとは言えません。

ただ確実に言えるのは、死活をなす冷却系が、震度4の地震でも壊れて動かなくなってしまう状態に4号機があるのが現実だということです。ネット上では9日ごろに小規模な爆発があったのではないかという推論も流れていますが、4号機がまだまだ大変危険な状態にあること自体は確かです。

関東・東北の方々は、地震に警戒し、常に原発の状態をチェックするようにしてください。万が一、大規模な地震が再び原発を襲った場合、ただしに避難を開始することが賢明です。政府の発表を待っていたら、確実に逃げ遅れます。その意味でいざというときの準備、持ち出すものや、家族の落ち合う場所、逃げるルートの選定、ガソリンをつねに満タンにしておく習慣を保つなどの対処をしておくことが有効です。

その意味で、仮想の避難訓練を行うことが大事です。災害心理学では人々が最悪の事態に直面したときに、それを無視することで心理的安定を保とうとする「正常性バイアス」が働き、心がロックされてしまうことが指摘されています。そうなると有効な避難行動に移れなくなってしまいます。この正常性バイアスに陥らないために最も有効なのは、事前の避難訓練であり、原発事故に対しては、最悪の事態に陥った場合を想定し、どう行動するかを決めておくことです。これまでのさまざまな災害でも避難のための事前訓練がなされていたかどうかが生死を分けています。

こうした点からも「パニック」を恐れて、今、現にある危機を国民・住民に伝えないのは、重大な誤りであることも指摘しておきたいと思います。政府は「災害心理学」の常識すら踏まえていません。最悪の場合を想定し、それへの対処の準備を進めてこそ、いざとなったときに対応できるのです。「逃げる時間が十分あるから伝えなかった」という細野大臣の言い訳は、それ自身、災害対策への知見がまったくないことを自ら明らかにしているものに他なりません。

大きな危機がまだ私たちの前に存在しています。それに対して、腹を決め、覚悟を固め、開き直って向かい合っていくことが大切です。最悪の事態を想定していれば、それ以下の小規模な事態にも対応できます。最も危険なのは、危機に対して、心理的に逃げてしまうこと、警戒心を解除してしまうことです。今ある現にある危機に、正面から向かい合い続けましょう。

*****************

【最悪シナリオを封印】 菅政権「なかったことに 」大量放出1年と想定
  民間原発事故調が追及」


公文書として扱われず

東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。

民間の立場で事故を調べている福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一(きたざわ・こういち)前科学技術振興機構理事長)も、菅氏や当時の首相補佐官だった細野豪志原発事故担当相らの聞き取りを進め経緯を究明。危機時の情報管理として問題があり、情報操作の事実がなかったか追及する方針だ。

文書は菅氏の要請で内閣府の原子力委員会の近藤駿介(こんどう・しゅんすけ)委員長が作成した昨年3月25日付の「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」。水素爆発で1号機の原子炉格納容器が壊れ、放射線量が上昇して作業員全員が撤退したと想定。注水による冷却ができなくなった2号機、3号機の原子炉や1~4号機の使用済み燃料プールから放射性物質が放出され、強制移転区域は半径170キロ以上、希望者の移転を認める区域が東京都を含む半径250キロに及ぶ可能性があるとしている。

政府高官の一人は「ものすごい内容だったので、文書はなかったことにした」と言明。別の政府関係者は「文書が示された際、文書の存在自体を秘匿する選択肢が論じられた」と語った。

最悪シナリオの存在は昨年9月に菅氏が認めたほか、12月に一部内容が報じられたのを受け、初めて内閣府の公文書として扱うことにした。情報公開請求にも応じることに決めたという。

細野氏は今月6日の会見で「(シナリオ通りになっても)十分に避難する時間があるということだったので、公表することで必要のない心配を及ぼす可能性があり、公表を控えた」と説明した。

政府の事故調査・検証委員会が昨年12月に公表した中間報告は、この文書に一切触れていない。
http://www.47news.jp/47topics/e/224789.php





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明日に向けて(388)京都から東北へ(本日、京都弁護士会館でお話します)

2012年01月21日 11時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120121 11:30)

「京都から東北へ」・・・これは今日、僕が京都弁護士会館でお話しするタイ
トルです。副題に「地震・津波・原発事故」とあります。僕自身が参加した
京都から東北へのかかわり、現地の被害と復旧の様子。そして原発事故による
放射能汚染の実態についてお話しますが、その準備をしていて、深い感慨にと
られられました。

そもそも僕の「京都から東北へ」の関わりの大事なきっかけを提供してくだ
さったのが、京都弁護士会に所属する島崎哲朗弁護士と、そのご友人なのでし
た。ことは、友人でサクセスランニングというランニングクラブを運営してい
る森拓哉さんの発案から始まります。ナラ枯れ問題で知り合った森さん、当初
から「明日に向けて」を読んでくれているのですが、はじめは被害の甚大さ、
漏れ出てしまった放射能の量に圧倒されて打ちひしがれてしまった。

しかし次第に自分にできることは何かと考え始め、自分はトライアスロンを
行ってきた。だから自転車に詳しい。それなら中古自転車を集めて、被災地に
送ろうと動き出しました。それで僕に京都市内で、自転車を集められるところ、
仮置き場にできるところはないかと相談してきたのです。4月のことでした。

森さんの動きに共感した僕の頭にすぐに浮かんだのは、京都大学の岡真理さん
の名前。広大な京大のキャンパスを岡さんの力で何とかしてもらおうとすぐに
電話をしました。しかし「ぜひ何とかしたいけれど、新入生が入ってくる時期
だから難しい。ごめんなさい」という返事が返ってきました。それは無理から
ぬこととあきらめ、他を探しているときに、再度、岡さんから電話が。「や
はり思い直していろいろあたってみたら、何とかなる可能性が出てきました」
と。これで自転車集めが具体化しだしました。

しかも岡さん、京都弁護士会の方たちとのML?に被災地向けの自転車募集の
お願いを投稿してくれました。すると島崎弁護士を経て、ある方から、「すい
ません。自転車はないのですが、自動車ならあるのですが・・・」というメー
ルが。すぐに岡さんから僕に電話があり、連絡をとってみて、車がイギリス製
のランドローバーという4輪駆動車であることが分かりました!

そのころ僕は、気仙沼のアビスさんという方と、メール・電話でつながってい
たのですが、「4駆自動車はいりますか」と連絡すると「ぜひ、ぜひ、ぜひ」と
いう答え。それで車を気仙沼被災地に送って役立ててもらうことにしました。
でもどうやって送るのか。そうだ、どうせなら自分が乗っていこう。乗って
いって、被災地の取材もしてこようと思い立ちました。5月のことでした。

そこでアビスさんと連絡して、敦賀港からフェリーで秋田に向かい、そこから
気仙沼をめざすルートを選択。僕としては意地でも福島原発で被曝したくなか
ったので、大きく迂回路をとることにしたのです。また一人で行くので、運転
期間を短くするための選択でした。しかし実際には、僕が敦賀港から出航した
まさにそのときに、敦賀原発が事故をおこして放射能が漏れ出し、その直近を
緩やかに航行していった僕もきっと被曝してしまったのに違いないのでした。
日本に安全なところなどないことを痛感しました・・・。


それはともあれ、そんなわけで僕は秋田に上陸し、アビスさんと合流しました。
実は秋田にはアビスさんの友人がたくさんいて、気仙沼に物資を送り込む基地
のようになっていました。僕もそこで秋田の方たちと合流。秋田大学で講演さ
せてもらいました。そのときに知り合ったのが、ネコさんこと、村上東さんら、
秋田で行動している方たち。後にこの方たちを中心に秋田で初めての脱原発
デモが行われました。村上さんは、僕の情報発信を繰り返し繰り返し、ツイッ
ター上でリツイートしてくださるので、たぶん、僕の発信は、一番、秋田
の地に届いているのではないかと思います!

その後、アビスさんと僕は、宮城県大崎市・仙台市を経由して、気仙沼市へ。
それぞれの地で講演を行い、たくさんの知り合いを増やし、ようやく気仙沼に
ついて、震災当初から被災者救援を始め、救援物資を細やかに配っていた
渡辺道徳さんと出合い、ランドローバーをお渡しできました。気仙沼ではたく
さんの方からの聞き取りも行いました。渡辺さん自身が、被災者からたくさん
のお話を聞いている方でした。聞くことが少しでも心の負担を減らすことに
なるのです。反対に聞いた側に負担が溜まる。だからそれをみんなでシェア
して分け合っていくことの大切さをしみじみと感じました。

ここでランドローバーとはお別れして、さらに僕とアビスさんが向かったのが
宮城県角田市のピースファームという農場でした。ここを経営しているのは
しょんつぁんと姫ちゃん!素敵なカップルです。有機農業を営んでいました。
そこに近郊の有機農家の方たちが集まってきた。双葉町から避難されている
ご夫婦や、南相馬から避難されているご夫婦も参加されていました。


ここでの出会いは僕にとって大変、思い出深いものになりました。角田市は
福島原発から60キロあまりの距離にあり、とても悲しいことに土壌が汚染さ
れていました。車で現地に着くと、もうみなさんが集まっていた。手に手に
ガイガーカウンターを持っていました。これまでの各地の訪問よりも、放射能
汚染と直面している緊迫感がありました。

僕はいきなり「守田さん。俺らここで農業を続けていっていいだべか」と
聞かれた。僕は思わず「うっ」と言葉に詰まってしまった。そうしたらみんな
「あ、つまってる、つまってる」と言って笑いました。僕は言葉を飲み込んで
から、「とにかく汚染の実態を測って知りましょう」とこたえました。

さらにしょんつぁん・ひめちゃんの素敵な家の中に入って、講演をさせても
らいました。その質疑応答のときのこと、双葉町から来てくださった大工の
棟梁、目黒さんのお連れ合いのとみ子さんが、次のように言われました。
「私は故郷に帰れる割合が5割。帰れない割合が5割だと思っています。どうな
りますか。守田さん、はっきりおっしゃってください・・・」

「きた!」と僕は思いました。いかにお答えするか、僕自身が問われている。
僕はこう答えました。「大変申し訳ないですが、僕は帰れないと思います」。
60歳を越えているであろう、とみ子さんは、こうおっしゃいました。「そう
やって、はっきりと言ってくだされば、私たちも気持ちに踏ん切りをつけて
次に向かうことができます。ありがとうございました」。

僕の気持ちの中になんともいえない感情が沸き起こりました。とみ子さんの
強い気持が、真実を伝えようとする勇気をしっかりと受け止めて下さったこと
を感じ、とてもありがたい気持ちがしました。同時に、どうしようもなく、
悲しい気持ちに襲われました。僕にとってこのときのことは、その後の自分の
行動を支える一つの原点になっています。

ちなみにとみ子さんとはその後の8月のピースファームの訪問のときにもお会い
することができました。僕が来ると知ってわざわざ来てくださったのです。
暑いさなかにテント生活をされていると聞いていたので、開口一番、「お体の
調子はいかがですか」と聞いたのですが、とみ子さん、「もう数ヶ月が経ちま
した。この年になってまあ・・・」とそこでいったん言葉を区切られた。

僕は「この年になってまあ、こんなに苦労するとは」と言う言葉が続くのだと
思って、奥歯をかみ締めて次の言葉を待ちました。するととみ子さんはこう
続けられました。「この年になってまあ・・・こんなにたくさんの人の温かい
気持ちに触れようとは思ってもいませんでした。素晴らしい体験をさせても
らいました」・・・また泣きたくなってしまいました。今度はとみ子さんの
温かくしなやかで強い気持ちに感動して、涙腺が破れそうになってしまった
のです。

さて5月のピースファームでの討論に話を戻します。放射能の危険性を討論
の中でこれまでにも増してきちんとつかんだみなさんと話をしたのは、とに
かく放射線測定を進めましょうということでした。「よし、百姓がそこいら
中を測ってやるべか」「凄いことになるな」なんて声も飛び出してきました。

そうして実際にこの方たちは、その後、土壌の調査などを推し進め、やがて
自ら高価な計測器を購入して市民放射線測定室を立ち上げていくことを決定
していきます。こうしてこの輪の中から、「みんなの市民放射線測定室てと
てと」と「小さき花市民の放射能測定室」が生まれました。
今回の僕の東北への旅でも、この二箇所を訪れましたが、みなさん、さらに
着実に歩みを進めておられました。この点、詳しい記事をまた書きます。


このように振り返ってみると、京都から東北への僕の関わりは、不思議な縁の
連鎖の中でつながってきました。しかも驚いたことは、行く先々の方が、度々、
古くからの知り合いを共有していたり、何かで事前につながっていたりした
ことでした。だから何か懐かしい旧友との出会いのような体験をたくさんしま
した。

そしてそこに共通に流れる思いは、もうここいらで、本当に、この世の流れを
変えていこう、人間的で温かい何か、本当の豊かさといえるものをつむぎだし
ていこうという思いでした。僕は今、どこにいっても、その思いをともに抱け
る実感、ある種の安心感のようなものを感じます。それが今、私たちの国を確
かに覆いだしていることを僕は感じます。

その意味で、「京都から東北へ」僕は「支援」や「援助」に赴いているのでは
ありません。世の中を温かい方向に向けかえる事業をともにするために赴いて
いるのです。そしてその流れを作り出すことに、一歩も二歩も進んでいるかの
地の方々に学ぶために、僕は通い続けています。今日の講演でも、僕はその
ことを訴えようと思います。お時間のある方はお越しください!

以下、22日、23日の企画を含めて、本日の企画をご紹介します。

*****************

◇1月21日 京都弁護士会館地階大ホール◇

当会の「人権救済基金制度」という法律援助事業を、もっと多くの市民に知っ
て頂くため、「第16回 法律援助を広げる市民のつどい」を開催します。
内容は以下のとおりです。制度説明や事例報告の他に、フリーライターの守田
敏也氏に「京都から東北へ‐地震、津波、原発事故‐」をテーマとした講演を
行って頂きます。また、中国琵琶親子演奏のミニコンサートも予定しています。
事前予約や参加費は不要ですので、皆さんどうぞお気軽にお越し下さい。
http://www.kyotoben.or.jp/event.cfm

● 日 時
2012年(平成24年)1月21日(土)
開場:午後1時  開演:午後1時30分

● 場 所
京都弁護士会
京都市中京区富小路通丸太町下ル

● 内 容
◆人権救済基金等についての説明
◆人権救済基金利用者からの報告
◆ミニコンサート(中国琵琶親子演奏)
◆講演 守田敏也氏 「京都から東北へ‐地震、津波、原発事故‐」

★☆★参加無料★☆★

問い合わせ
京都市弁護士会館
075-231-2378

***

いただきますカフェ

次回のカフェトークでは、内部被爆のエキスパート守田敏也さんに来ていただ
ます。とても分かりやすく放射能問題や内部被爆について話してくださる守田
さんは、東日本大震災以降、原発事故問題をおいかけ、現地に行ったり呼ばれ
た先でお話ししたりと、とても精力的に活動しておられます。気さくなお人柄
で今回私たちのカフェにも来ていただけることになりました!

福島から遠いと思っていても、食物の流通によって関西圏に住む私達も内部被
爆の危険にさらされています。そして、放射能汚染された震災ガレキの受け入
れを自治体が決定したら外部被爆の問題も・・・
また、原発銀座 若狭湾の原発が事故を起こさないと断言できますか?
琵琶湖も京都も大飯原発から80km圏内にすっぽり入ってしまいます。

放射能に関する色々な情報が錯綜する中、正しい知識で身を守りたいですね。

守田敏也(もりたとしや):
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリー
ライター。社会的共通資本の研究を進める一方、311以降は原発事故問題をおい
かけている。

日時:1月22日(日) 14:00-17:00
(14:00-15:30お話 15:30-17:00 お茶しながらの交流タイム)
場所: 京都市白川児童館横 コミュニティスペース
参加費(カンパ):投げ銭(500円ぐらい)

お問合せ:岡田喜美子 tel:090-6060-3674, mail: inokimi699@k.vodafone.ne.jp
主催:給食の安全を考える三錦父母の会

小学生以上は隣の学童、小さいお子さんは横で遊ばすことができるので、子連れ
でも参加できます♪みんなで楽しく学びましょう。
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明日に向けて(387)humanERROR100万人パレードへに参加しよう!

2012年01月20日 13時00分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120120 13:00)

先日、中村和雄さんと対談をしてくれた京都のロックバンド、
FRYING DUTCHMANが、「humanERROR100万人パレード」をよびか
けています。311から1年目の今年の3月11日、ないし10日に、
全国各地で、humanERRORをかけながら、一緒に反原発、脱原発
の声をあげよう、思いを重ねようとの提案です。僕も賛同しま
した。

以下のサイトに、呼びかけ文、フライヤー、参加登録フォーム
があるので、ぜひご覧ください。
http://fryingdutchman.jp/parade/

なおここには京都三条大橋下の河川敷でライブする彼らの姿も
写っています。リー君が歌っている姿が見れます。なんとも
かっこいいです。ちなみにこの場は、京都市内を歩くさまざま
なデモ・ウォークの出発点として繰り返し使われてきた場。
またさまざまな大道芸やミュージックが演じられてきた場でも
あります。三条河川敷ライブをぜひご覧ください。

以下、呼びかけ文を貼り付けます。

*************

2012.3.10( 土) ~ 3.11( 日)
「humanERROR 100万人パレード」
全世界+日本全国47 都道府県一斉決行・参加者大募集!!

FRYING DUTCHMAN は311以降、国政に対して福島原発
の収束どころか放射能汚染を助長し、被災者切り捨てとも思
われる政策に憤りを感じています。8月22日にシングル
CD「Human ERROR」をリリースし、僕達は切実な思いを訴
えてきました。youtube にアップした「Human ERROR」は
皆さんの応援のおかげで、1ヶ月に30万件を超えるアクセ
スを記録し、全国各地でこの曲が流れるようになりました。
僕達は、今、音楽の力をあらためて実感し、そして「今こそ」
みんなが一つになれるチャンスだと感じています。
この取り返しもつかない大人災が3月11日で1年を迎える
にあたり、全国的に反原発・脱原発・被災地支援等の大きな
うねりが形成されると思います。僕達は、デモに参加される
方・集会に参加される方・仲間と行動する方・家族で訴える
方・自宅で一人祈る方等、そんな全ての人々と音楽を通じて
繋がりたいと考え、「全世界+日本全国 Human ERROR10
0万人パレード」を提案したいと思います。皆さん、是非ご
参加ください。

デモを行う団体はもちろん、集会や講演会等イベントを企画
されておられる方、又はそれらに参加しないけれど、街角や
お店や車や自宅で流したり、友達と一緒に集まって聞く等誰
かと共有出来たら更に素晴らしいし、各々が独自のアイデア
を盛り込んでパレードを盛り上げてくれれば良いと思いま
す。100万人集まれば海外メディアも注目するでしょう。
その時、いったい日本のメディアはどう動くのでしょう…?
 皆で動かしましょう!

この国は国民の命よりお金や経済を優先し、この期に及んで
まだ国民を欺いて真実を隠し、東電を擁護する姿勢を崩しま
せん。大きな地震と津波による甚大な被害の後、 福島原発事
故という「人災」とも言うべき大災難が起こりました。事故
の収束も進まない状態で被災地切り捨てとも思われる政策を
とり、瓦礫拡散・食品汚染による被ばくの全国的広がりが懸
念される事態となっています。今、ひとりひとりが心を開い
て様々な情報を知りそれを精査し、「どんな意見を持つのか」
が大切です。そしてみんなが勇気をもって発信し共有し行動
する、そうして未来をしっかり形成していくことが重要だと
思います。このパレードによって「無関心」という壁を破壊
することが出来れば、僕たちはきっと日本の未来を子供たち
に繋ぐことが出来るでしょう。これがこのパレードに込める
僕たちの願いです。

今、この時代を共に生きている皆さんとの必然的な出逢いに
愛と感謝を込めて、僕たちFRYING DUTCHMAN は、皆さん
と共に、大きく立ち上がってゆこうと思います。
是非「HumanERROR100万人パレード」にご参加くださる
ようお願い申し上げます。

【参加方法】
● 3月10日、11日は全国的に様々なイベントや集いが
催されます。「Human ERROR100万人パレード」は10日
の正午より全国一斉スタートです。「 Human ERROR」を流す
ことで重なる思いをさらに多くの人々にひろげてください。
皆さんのひとりひとりがこの2日間、パレードをしているイ
メージで「Human ERROR」をかけまくって下さい。そして
安全で平和な世界と日本を願う未だ知らぬ仲間達と繋がりま
しょう。
● 僕達FRYING DUTCHMAN は3月11日(日)15:30 ~、
沖縄の「ティダノワ祭」から日本全国に向け、魂をこめて
「Human ERROR」を発信します。ユーストリームで中継され
ますので是非家族やお友達とご覧ください。この時間、世界
中の仲間達と思いをシンクロさせましょう。
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明日に向けて(386)明日21日から連続で講演会、演説会に参加します。

2012年01月20日 12時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120120 12:30)

関東・東北の旅から18日夕方に帰ってきました。途中で体調不良になり多くの
方に心配をかけてしまいました。申し訳ありません。放射能との共存時代を
どう生き抜くのか、被爆医師の肥田舜太郎さんに尋ねたときに、「腹を決め、
開きなおり、覚悟を決める。そして免疫力を最大限に高めて、病の発症と闘う
ことが肝心」というコメントをいただき、そのメッセンジャーたらんと考えて
きたので、これではいけないと猛反省しています。

そこで自分の内側のことですが、「明日に向けて」の夜以降の投稿を自粛し、
早寝早起きを習慣化し、投稿を朝にもってくること、また311以降、非常に少な
くなってしまっていたトレイルランニング(大文字山がフィールドです)を
復活させ、心身ともに健康であることをもっと明確に目的意識化して歩みを進
めたいと思います。お気遣いをいただいた方、どうもありがとうございました。


さて福島市・仙台市・気仙沼などで見てきたこと、伝えたいことがまだまだた
くさんあるのですが、先に、今後のスケジュールをお伝えしておきます。講演
では今回撮ってきた写真や動画で、最新情報をお伝えします。

1月21日京都市弁護士会館で講演。午後1時半より開演。

1月22日いただきますカフェ第2回目。北白川児童館わきのコミュニティスペー
スにて。午後2時より5時まで。

1月23日美容室ママネで講演(京都市中京区西夷川町560中島ビル1F)
午前10時半より。

1月23日夕方、風の子保育園で講演。クローズドな企画です。

1月24日京都市長選演説会で弁士として話します。午後7時よりルミノ堀川+他1箇所。

1月25日同じく市長選演説会でお話します。(詳細未定)

1月27日東京で内部被曝問題研究会立ち上げ記者会見に参加。

1月28日京都ノートルダム女子大学で講演。午後2時より。

1月29日岩倉奉賛会集会場で講演。午後1時より。

1月30日矢ヶ克馬・守田敏也との対談会でお話します。東山いきいきセンター
で午前10時半より。

1月31日京都市長選演説会で弁士として話します。午後7時より室町小学校+他1箇所。

2月4日堺町画廊冬カフェで講演。午後3時より。

・・・なお以下に案内を貼り付けたものを作ったのですが、なぜか繰り返し作業をしても
アップができません。
とりあえずこの文面だけ投稿し、あとでまた具体的な案内を掲載します。
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