明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(906)イスタンブールからの報告

2014年07月31日 12時00分00秒 | 明日に向けて(901)~(1000)
守田です。(20140731 12:00 イスタンブール時間)
 

関空からの13時間弱のフライトで昨日イスタンブールにつきました。

こちらの時間は日本時間マイナス6時間。22時15分出発だったので到着は日本時間で11時ちょうど。こちらの時間で朝5時でした。
 
入国手続きを終え、荷物を回収するなどして1時間を過ごし、地下鉄と路面電車を乗り継いで、スルタンアフメド駅で降りて予定のホテルに向かいました。時刻はそれでも7時過ぎ。まだチェックインできる時間ではないので、フロントに荷物を預け、インターネットフリーサービスでメールチェックをしてから町に出ました。
 
僕が今回イスタンブールで選んだホテルは、スルタンアフメドモスク、いわゆるブルーモスクの裏手です。世界で一番、美しいと評されているモスクです。まずはそこに見学に行きました。一般公開は8時半から。それとは別に祈りを捧げる人たちの入れる門があります。
 
モスクにはドレスコードがあります。男性も女性も足などをさらけ出していてはいけない。女性の場合、頭や二の腕なども覆われていなければいけません。しかし夏でもあることもあって、大量の欧米人の女性がタンクップにショートパンツの出で立ちで押し寄せてきていて、朝から長蛇の列をなしている。
 
「どうするんだろう」と思っていると、さすがによくできていて、入り口でショールやスカーフを大量に用意していて貸し出すのです。必要な人々はそれを身にまとってから中に入っていきます。
 
モスクの内部は、とにかく広い、大きい、空間が凄い。圧巻です。もちろん窓の配置、アーチ上のドーム天井、すべてが美しい。さすがに世界一と称される通りです。どこをみていても飽きない。特に見学コースがあるわけでもなく、人々は思い思いに見学した後、出口に向かうのですが、立ち去りがたい思いに駆られる場所でした。
 
よくみると祈りを捧げる方たち用の入り口付近では、すでに幾人もの方達が静かに座り、目を閉じ、お祈りをはじめていました。大地に頭をつけ、アラーにひれ伏している方もおられました。その前を観光客がざわざわとすぎていきます。僕もその一員である訳ですが、許されていることとはいえ、なんだか申し訳ない気がしました。
 
でもこのモスクの素晴らしさは、今なお、こうして人々の祈りが捧げられていることによって継承され続けているようにも思えました。観光客でざわついても、ここには真摯な祈りの場がある。それが僕にこの場から立ち去りがたい気持ちを与えたのではないかと思えます。
 
ここをでた後、近くにあるアラソフィア博物館に行きました。もともとアラソフィアモスクだったところ。聖なる知恵の教会と訳されてきた場です。ここはビザンティン帝国(東ローマ帝国)時代に、東方教会の大拠点として建てられたところです。そのために内部の至る所に、キリストやマリアの肖像画が残されている。細かいタイルによって描かれたものです。
 
そのころのイスタンブールはコンスタンチノープルと呼ばれていました。ここを首都とするビザンティン帝国は395年から1453年まで栄えて、往事の人々はコンスタンチノープルを絶対に陥落することのない都と考えていました。
 
ところがオスマン・トルコが15世紀中期にコンスタンチノープルを攻略。1000年通じた東方教会の大拠点の都に終止符を打ち、名前をイスタンブールに改めたのです。このときアラソフィア寺院も収容され、キリストの壁画などは漆喰によって塗り込められ、モスクへの大転換が果たされたのでした。
 
その後、オスマン・トルコは領土を大きく広げていきます。そうして現在のパレスチナの地からエジプト、イラク、シリアなどを含むアラブ諸地域、アルジェリアなどアフリカ大陸北部、ギリシャなどを含むバルカン半島、そしてクリミアを含む現在のウクライナ南部などです。
アラソフィア寺院も一時期は、この広大な地域の人々のアラーへの祈りの中心地として栄えたのでしょうが、なんだかスケールが大きすぎて、そこまで想像力を伸ばすのが難しいというのが率直に感じたことでした。
 
その後、オスマン・トルコは第一次世界大戦にドイツ側にたって参戦して敗北し、崩壊していきます。1922年のことです。そのとき領土も多くを失うのですが、そのもぎとり合戦を主導したイギリスなどによって、パレスチナ問題をはじめ、様々な矛盾が形成されていきました。
このときオスマン・トルコを終演させた第一次世界大戦におけるトルコの英雄、ケマル・パシャのもと、トルコの共和国化と世俗国家への転換が図られだし、アラソフィア寺院も漆喰で封印されていたキリストの画などが復活させら、現在のように見えるようになったとのことです。
 
このような歴史を経てきたアラソフィア寺院は現在は博物館となっていて、今は祈りの場としては機能していません。いや、ひょっとしたら何らかの形で継続しているのかもしれませんが、ブルーモスクとの違いは、入場料が取られることです。しかも30トルコリラ、2000円強で僕には高いように思えました。
館内でも復活したキリスト画の模造品が大々的に土産物として売られていて、イスラムの祈りの場とは言えない雰囲気でした。
 
博物館として歴史を公開することには大きな意義があると思うし、キリスト教の上にイスラム教が塗り重ねられてきたことを知ることも大切なことなのですが、僕には何か残念なように思われました。
お金に固執するわけではないですが、誰もがドレスコードを守れば自由に入ることができ、今でも祈りの場になっているブルーモスクの方が僕には素晴らしい場に思えました。
 
 
さて、このようにイスタンブール観光をしているのは、もちろん単純に楽しいのためでもありますが、トルコの歴史、トルコ周辺国の歴史を知り、何が大切にされてきたのか、何が否定されていたのかなどを知るためです。そこから今のパレスチナに何がどうつながっているのか、もっと言えば、今の自分のアクティブな行動に何がどうつながるのか、まだとても見えていませんが、少しでも大事な何かをつかみたいと思います。今回はそのための余裕がもてたことがありがたいです。
 
今日はこれから通訳のプナールさんが、ボスポラス海峡見学に連れて行ってくださいます。黒海から地中海に抜ける唯一の海峡で、歴史上さまざまなことが起こったところであります。今日も一日、トルコの、あるいはこの地域を行きた人々の思いに触れてこようと思います。
 
 
シノップでの企画についても書いておきます。8月3日にシノップのゲルゼ町で反原発企画があり、そこに参加することになっていますが、どんどん内容が膨らんでいます。
一つに僕がお誘いして東京から参加することになったFOE JAPANの吉田明子さんのはたらき掛けで、日本の脱原発をめざす首相会議がシノップ市長にあてた公式のレターを書いてくださいました。このこともあって、今回、シノップ市長とお会いすることができるのではないかと思います。
 
一方、ドイツから核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部の、アンゲリカ・クラウセンさんと、お連れ合いのトルコ人、アルパー・オクテムさんもシノップでの一連の行動に参加されることになりました。
アルパーさんは、3月の僕のトルコ訪問をプロモートしてくださった方でもあります。
 
さらに3月に、ヨーロッパ・アクション・ウイークを開催し、僕をトルコに派遣してくださり、この行動の反省や今後のチェルノブイリ・福島連帯のために10月にポーランドで開催される国際会議に僕を招待してくださっているIBBというドイツの大きな団体からも人が参加されることになりました。
これらの方の航空券や宿泊の手配をプナールさんが必死の努力で行ってくれていますが、いずれにせよ、シノップで大きな交流の輪が花咲きそうです。
基軸はトルコと日本の民主的交流であり、そこに再びドイツの方達の力が大きく加わることになります。素晴らしい発展です。
 
まだ何がどうなるか、細かいことはわかってない点が多いのですが、いずれにせよ、実りある交流を作り出し、シノップへの原発建設を食い止め、さらに世界の脱原発ムーブメントの促進につながる成果をつむぎ出してこようと思います。頑張ります!
 
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明日に向けて(905)本日、トルコ・シノップに向けて出国します !

2014年07月29日 21時30分00秒 | 明日に向けて(901)~(1000)

守田です。(20140729 21:30)

関西空港からです。

本日(29日)トルコに向けて出国します。いったんイスタンブールに落ち着いてから、サムソン空港を経て再びシノップを目指します。シノップのゲルゼ町が今回の訪問地です。 ここで8月3日午後6時から行われる国際パネルフォーラムに参加し、講演します。前回、イズミルでご一緒したハイレッチン・キリックさんとまたご一緒です。コーディネータをプナールさんが務めてくれます。

コメンテーターとしてアルパー・オクテムさんも参加されます。ドイツ在住のトルコ人医師で、前回の僕のトルコ訪問をプロモートしてくださった方です。お連れ合いのアンゲリカ・クラウセンさんは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部で活躍しています。 また東京のNPOのFoEJAPANの吉田明子さんも参加され、発言されます。トルコの方たちと熱い夜を共にすることなりそうです。

FACEBOOKに集会案内をステッカーを載せたのでご覧下さい。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203249200409130&set=a.3300903639751.2140616.1182740570&type=1&theater

今回の訪問はゲルゼ町からの招待によるものです。日本からトルコの往復航空運賃は僕が負担し、トルコ内の交通費・宿泊費はゲルゼ町が持ってくださることになりました。ありがたいです。 ゲルゼ町には2日、3日と訪問しますが、翌日、4日には再びシノップの中心街に行き、前回ご一緒したメチンさん、ハレさんなどと予定地に再び連れて行っていただきます。

予定地といってもまだ建設が進んでない今は、トルコの中の美しいリゾート地で、海遊びのできる場です。国内からの避暑目的で多くの観光客が訪れています。 その元気なシノップの姿を取材し、カメラに収め、人々の声と共に持ち帰るつもりです。

 

すでにお伝えしてきたことですが、安倍政権は昨年5月、トルコに赴き、独裁的なエルドアン首相との間の「トップセールス」で日本からの原発輸出を約束してしまいましたしかし私たちの国はまだ福島原発事故すら収束させることができていません。事故の原因すらはっきりと特定できていません。それどころかメルトダウンした各炉の中は放射線値が高すぎてどうなっているかもわからない状態です。それでどうして日本の原発を輸出することが許されるのでしょうか。

しかもトルコは日本と同じく有名な地震大国です。1999年にもイスタンブールからわずか70キロのイズミット市付近を震源とする大地震が発生し、なんと17000人もの方が亡くなりした。そのような大地震が発生してきたトルコに、大地震を引き金に崩壊した福島原発を抱える日本が、原発輸出するなど倫理的に許されないことです。

トルコの側の事情もあります。トルコはエルドアン政権の民衆抑圧が酷く、デモ隊にガス銃弾を浴びせかけて多数を殺害するなど、民主主義とは言えない暴政が繰り返されています。(日本も他の国のことを言える立場にあるわけではありませんが)このためトルコの100近い市民団体で構成する反原発同盟が、こんな政府の横暴が行われているトルコに原発など持ってこないでくれとアピールしています。

また今年の5月13日にトルコ西部マニサ県ソマで起こった炭坑事故では、ILOの勧告を無視した劣悪な作業環境で放置されてきたために、300名を超える死者がでてしまいました。トルコの経営者には労働者を守る安全思想が著しく欠如していることが明らかになったのです。トルコの人々は炭坑すら安全に運営できないトルコに原発を持ってきたらとても危険な爆弾になってしまうと叫んでいます。

そもそも僕は、全く地震のない理想的な民主主義国家であっても原発建設は反対です。事故を起こす可能性のない原発などあり得ないし、それどころか通常運転の過程ですら、まったく放射能漏れを起こさない原発などないからです。それだけではありません。そもそも人類は使用済み燃料の合理的な処理方法も確立できていないし、できる見込みも持っていません。原発を運転すれはわずか数年の発電のために、数万年も管理しなければならない核廃棄物を作ってしまうのです。採算がどうのこうのという以前の問題です。

トルコへの原発輸出は、こうした人類がもはや原子力開発を止めなければならないベーシックな理由の上に、地震の頻発、非民主主義的で暴力的な政府の存在、労働現場における安全思想の欠如など、より危険な理由が重なっているが故になお許されないものなのです。

さらにその上に、トルコと日本の間で結ばれた原子力協定の問題もあります。もともと原発は核兵器開発の中ででてきた副産物であるがゆえに、原発開発技術は核兵器開発技術と密接な関連があります。原子力協定は元々そこに歯止めを与え、「あなたに原子力技術を提供しますが、あなたはそれを核開発に利用してはなりません」と約束するものであり、核兵器製造にとって重要なウランの濃縮や使用済み核燃料の再処理を禁止するものなのです。

ところがトルコとの協定においては、「両国の合意があればこれらもできる」という原子力協定の趣旨にすら反する一文が書き込まれているのです。これをもってただちにトルコ政府の核開発の意図と断定することはできないかもしれませんが、しかしこの協定が、核開発向けた可能性をにじませたものになっている点も大きな問題です。

そもそもトルコの周辺では様々な紛争が起こり続けています。元々これらの地域はオスマン・トルコ帝国の領土であったところであり、1922年の帝国の崩壊過程での西欧「列強国」の領土もぎ取り合戦が、現在の対立の下地となっているとも言えるのですが、パレスチナにせよ、イラクにせよ、シリアにせよ、ウクライナのクリミアにせよ、いずれもトルコの直近で紛争が起こっているのです。

このような状態の中で、トルコが核兵器開発の可能性をも感じさせるような形で原発建設を進めれば、地域の緊張関係の不要な高まりにも直結しかねません。この点も、トルコと日本の間で結ばれた原子力協定を許してはならない理由です。

さらにもう一点。原発建設予定地とされているシノップはとても美しい町です。黒海で遊ぶこともできるため、トルコの人々のリゾート地になっています。地元ではゆったりとした漁業が営まれています。それ自身が素晴らしい価値です。どうしてこの美しいシノップを壊して原発など建てなくてはならないのか。その点からも、日本からの原発輸出は許されてはなりません。 この計画はただただトルコと日本の民衆の間の力強い連携、民衆連帯の強化の中でこそ止めることができます。トルコ現地と日本の双方から声を上げていく必要があります。今回の僕の訪問もそのための努力の一つです。僕自身、トルコと日本の架け橋になりたいし、美しいシノップを守るためにできる限りの努力を傾けたいです。そんな思いでこれからトルコに向かいます。

フライトは今宵、10時15分発です。あと30分ぐらいで搭乗が始まります。それまでの間に大急ぎでこの記事を配信します。

みなさま。行って参ります!どうかトルコでの活動にご注目ください!

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明日に向けて(904)ガザ紛争を正しく理解するために・・・一問一答

2014年07月27日 07時00分00秒 | 明日に向けて(901)~(1000)

守田です。(20140727 07:00)

ガザで戦闘が再開されたようです。27日4時58分発信の時事通信は次のように報じています。
「パレスチナ自治区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは26日、同日朝に発効した12時間の停戦が終わった後、イスラエル領内に向けたロケット弾攻撃を再開した。」

まだ情報が少なくて、戦闘がどのように再開されたのかはよく分かりませんが、これだけでは「なぜハマースは停戦をしようとしないのか」と、何か悪いのはハマースであるかのような言辞が流れるように思えます。
これまでも指摘してきたように、こうした事態の本質を見ない言辞の横行は、今回の紛争の大前提にあるイスラエルの国際法を無視した犯罪的なガザの封鎖や構造的暴力が無視されていることに大きな根拠があります。
その上に今回の事態そのものについてもさまざまな「誤解」が流布しています。
京都の岡真理さんが、この点についてのガザでのインタビューを紹介してくれているので、今回はこれを掲載しようと思います。ぜひお読み下さい。

なお朝日新聞が27日00時35分に発した報道によると、ガザのパレスチナ人の死者はとうとう1000人を越え、1011人になってしまったそうです。
停戦の間に一気に増えたのは、がれきの下に埋もれていた100人あまりの遺体回収ができたからだそうです。戦闘中は近づくことができなかったのでした。中には重傷を負って倒れ、助けがなくて亡くなった方も相当いたと思われます。

これに対してイスラエルの側の死者は兵士40人と市民3人です。兵士の死者地上侵攻中の戦闘で起こったものです。市民のうちの1人は、ハマースが放った迫撃砲弾がイスラエル軍の駐屯地付近に落下した際、差し入れにきていた男性に破片があたって生じたものです。
そうした死の一つ一つももう増えないで欲しいですが、ただここにはハマースの発射しているロケット弾が、実際には殺傷能力や破壊力がほとんどないことが現れてもいます。にもかかわらずイスラエルは1000人以上殺しているのです。

またそうしたイスラエルの攻撃が、ロケット弾への報復として行われているというのも正しくない。
イスラエル人少年3人の誘拐・殺害事件のあったあと、イスラエルはすでに犯人が特定されている事実を隠したまま、西岸のパレスチナ人を襲撃。数百人を容疑者として逮捕する一方、10人を殺害しました。うち3人は子どもでした。
その後にイスラエルはガザに空襲を開始し、子ども2人を殺害しました。これらはすべてハマースのロケット弾が発射される前のことです。明らかに戦端を開いたのはイスラエルなのです。

以下、これらの点を詳述している岡さん紹介のインタビューをお伝えします。

*****

京都の岡真理です。

ガザ紛争に関してさまざまな「誤解」が流布しています。
たとえば、イスラエル人少年3人の殺害が、今回の攻撃の発端となったとか、これは、イスラエルの自衛戦争であるとか…。
これらガザ紛争にまつわる「誤解」について、3人の識者が事実や法的根拠を提示しながら、それが誤解であることを詳しく説明しています。ぜひ、お読みください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガザ紛争をめぐる誤解
http://imeu.org/article/faq-misperceptions-about-the-conflict-in-gaza

回答者:
ダイアナ・ブット 
人権弁護士、ラーマッラーを拠点に活動するアナリスト。PLOアッバース議長の顧問も務めた。アル=シャバカ:パレスチナ政治ネットワークの政治アドヴァイザー。

ジョージ・ビシャーラート 
カリフォルニア大学サンフランシスコ校ヘイスティングス法律カレッジ教授。パレスチナ研究所上級フェロー、パレスチナ法評議会もと法律コンサルタント。

ナディア・ヒジャーブ
アル=シャバカ:パレスチナ政治ネットワーク代表、パレスチナ研究所上級フェロー

ーーーーーーーーーーーーーー
Q-何が、今回の暴力の爆発を引き起こしたのでしょうか?

ダイアナ・ブット(以下DB) 
4月に、[ファタハとハマースによる]パレスチナ民族統一政府の発足が発表されるや、イスラエルはそれを破壊することに照準を定めました。
まず、政府を孤立化させようと圧力をかけ、それがうまくいかないとなると、3人のイスラエル人の少年たち(彼らはイスラエルの完全支配下にある西岸地区で誘拐されたのですが)の死を利用して、ガザのハマースを悪魔化しました。
少年たちが行方不明だった18日間のあいだに、イスラエルは西岸の、何百人ものパレスチナ人を逮捕しました。
その中には、11名の議員と、3年前、捕虜交換で釈放された59名のもと囚人たちが含まれます。これらの人々は、3人のイスラエル人少年の死に何等かのかかわりがあるという証拠などまったくなしに逮捕されたのです。

さらに、イスラエルは、西岸の10人のパレスチナ人を殺害しました。うち3人が子どもです。そして3軒の家を破壊しました。
イスラエルはガザ地区に空襲をおこない、国連が報告しているように、10歳の子どもを含む2人を殺害しました。これらはすべてハマースのロケット弾がガザから一発も撃ち込まれていない段階で起きています。
イスラエルは、パレスチナ統一政府を外交的に解体することに失敗したとき、残忍な軍事攻撃に訴えることにしたのです。明らかなことは、既成事実が「正解」ではない、ということです。
2012年の停戦段階に戻るということは、[今回は]機能しません。[2012年の停戦を]イスラエルはいとも容易に侵犯にしているからです。

ジョージ・ビシャーラート(GB)
イスラエルは、6月12日に誘拐され殺された、3人のイスラエル人の若者たちの悲劇的な死を、西岸のハマースを攻撃し、パレスチナの民族的和解を阻害するための道具として利用しました。外交的に、民族的和解を阻止しようとして失敗していたからです。
イスラエルは400人以上を逮捕し、2200軒もの家を家宅捜査し、捜査の過程で少なくとも9人のパレスチナ人を殺害しています。
若者たちは、誘拐された直後に殺されたという証拠があがっていたにもかかわらず、イスラエル政府はそれを隠匿して、イスラエルの世論を狂乱状態に煽り、それが、ムマンマド・アブー・フデイルを焼き殺すというむごたらしい事態に直結しました。
これらのシニカルな行動が、ガザの境界線に沿って暴力のエスカレーションを招きました。

ナディア・ヒジャーブ(NH)
イスラエルは、6月12日に3人のイスラエル人の10代の入植者が誘拐され殺されたことを利用して、西岸と東エルサレムに対する残忍な大弾圧を行いました。
人権団体は、これを集団懲罰として非難しています。イスラエルはとりわけ、ハマースのメンバーを標的にしました。[少年たちの誘拐と殺害について]ハマースの犯行という証拠もなければ、ハマースも責任を否定しているにもかかわらず、です。真の標的は、ハマースが実現した民族的統一の合意でした。

しかし、事実を言えば、イスラエルによるガザに対する総力を挙げての攻撃は、遅かれ早かれ起きていたはずです。
イスラエルは、ガザに対する自分たちのアプローチを「芝を刈る」と呼んでいます。つまり、2年か3年に一度は必ず、ハマースを攻撃し、弱体化しなければならない、ということです。
ハマースが停戦に積極的であり、停戦を尊重しているということが証明されているのに、です。これが、イスラエルが、西岸と東エルサレムの占領と植民地化、そして、ガザの占領と封鎖を「経営する」やり方の一つです。

Q-イスラエルは自衛のために行動しているのですか?

DB いいえ、ガザに対する攻撃を最初に始めたのはイスラエルであり、ガザ地区(および西岸)に対して過酷な軍事占領を続けているという事実ゆえに、イスラエルは自衛を主張することはできません。
それどころか、イスラエルは、その軍事支配下で生きるパレスチナ人を庇護するという国際法上の義務があるのです。

GB 自衛とは、暴力を最初に行使した国家が主張しうるものではないでしょう。イスラエルが西岸のハマースに対して暴力的な攻撃を行ったのですから。

NH いいえ。戦争に関する規定を尊重すると誓う国際条約に署名した国連加盟国に、民間人や民間のインフラを無差別に攻撃する権利などありません。
男性、女性、子供を問わず、実に大勢のパレスチナ人民間人が死傷しているという事実が、イスラエルの「自衛」の主張が嘘偽りであることを示しています。ハマースが停戦を維持することに積極的であったという事実によってもです。
さらに、イスラエルは、何十年にもわたって軍事占領し、植民地化している土地の住民たち、しかも封鎖下においている住民に対して「自衛」を主張することはできません。
停戦だけがパレスチナ人とイスラエル人を同じように守り、そして、占領と封鎖の終結こそが、恒常的平和への道を整えます。
ハマースもまた、民間施設を標的にするのをやめなければなりませんが、ハマースは国連加盟国ではなく、国際法の順守を誓う条約に署名していません。

Q-イスラエルは、ハマースを標的にして攻撃しているのですか?

DB いいえ。イスラエルは民間人の住宅や民間のインフラを攻撃していると思われます。
今日までに、国連の算定によれば、殺された者たちの80%が民間人で、150人が子どもです。イスラエルは病院や学校、モスクも爆撃しています。これらはすべて、国際法で、標的にするのが違法とされているものです。
2000軒以上の家とその近隣の地区がイスラエルの攻撃で破壊されました。このようなことは、国際法とは矛盾します。住宅など民間の構造物が標的として合法の標的とされるのは、軍事目的に使用された場合だけです。
戦争に関する規定に関するジュネーブ条約追加議定書のⅠは、「信仰の場や、家その他の住居、学校といた通常、民間の目的のために使用される対象が、軍事行動のために効果的に使用されているかどうかが疑わしい場合には、軍事目的には使用されていないと推定しなければならない」。
イスラエルは、パレスチナ人の家々が司令センターとなっていると主張していますが、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、こうした主張を退けています。
民間人と戦闘員を区別しない攻撃は違法です。イスラエルの論理を使えば、過去あるいは現在、イスラエルの兵士や警察官がいるいかなる家も合法的標的と言うことになります。軍が存在するところ、たとえば、テル・アヴィヴの防衛相も、合法的標的です。明らかに、このような論理は受け入れがたいものです。
これはヴィデオゲームではありません。イスラエル軍は、ハマースに関係している者なら誰であろうと攻撃しています。戦闘員であるかどうかなどおかまいなしに、民間の基盤施設であろうと一顧だにせずに。

GB イスラエルはどうやら、ハマースの幹部なら誰でも、「戦闘員」に分類しているようです。実際にどんな仕事をしているかなど関係なしに。たとえばガザの警察庁長官のタイシール・アル=バトシュは、彼が従兄の家を訪ねているときをわざわざ狙ってイスラエルは攻撃し、タイシールは負傷、彼の親族18人が殺されました。
国際法上、警察は民間人です。そして、これは、一見したところ、明らかな戦争犯罪です。個人の住宅に対してなされるその他、多数の攻撃も同様に戦争犯罪です。もちろん、最終的な結論を下すには、さらに調査してみる必要がありますが。

イスラエルは、病院や、浄水施設、下水道、その他、ハマースとは何の関係もない民間の基盤インフラも攻撃しています。実際のところ、イスラエルは、軍事目標と民間人を区別するという国際的な法的要請を尊重していると主張していますが、イスラエル自身の行動が、ハマースを政治的に弱体化させるために故意に民間人を殺すという政策をとっているということを物語っています。

NH いいえ、民間人の死傷者の数が、イスラエルの主張を切り崩しています。国連の数字によれば7月22日までに殺された、640人を超えるパレスチナ人の死者の中で民間人は433人。一方、イスラエル側で殺された民間人は2人です。この数字を比べてみてください。

Q-ハマースはなぜ、停戦を受け入れるのを拒否したのですか?

DB ハマースにしてもその他の党派にしても、エジプトが提案した停戦案について相談されませんでした。エジプトはパレスチナやパレスチナ人を代表などしません。パレスチナ人を代表するのはパレスチナ人だけです。
提案された合意の場に主要な当事者がいないのに、事態が前進するなど考える方が愚かです。さらに、イスラエルは最近、必要物資をガザ地区に入れ、同時に、パレスチナ人が亡くなった者たちの遺体を埋葬できるようにするための人道的停戦を拒否しました。

GB ハマースは停戦の申し出を受け入れるのを拒否しましたが、この申し出について事前に相談されておらず、公平さという点で基本的な要件を満たせていませんでした。
しかし、それから24時間以内にハマースその他のパレスチナのグループはイスラエルに対して10年間の休戦協定を申し出ました。この協定でイスラエルはガザ地区の封鎖をやめていただろうし、その結果、長期にわたりこの地域の安定も保証されていたでしょう。
しかし、イスラエルはこの申し出に応えませんでした。[長期的安定よりも]イスラエルにとっては、定期的に「芝を刈る」ことの方が都合が良いようです。

NH ハマースは停戦を受け入れたいと思っていますが、しかし、それは、イスラエルが尊重し遵守する停戦であり、ガザに対する封鎖を解除する停戦です。
ガザのパレスチナ人は、圧倒的多数を占める民間人もハマースその他の党派のメンバーも、2007年以来、[封鎖下で]緩慢に殺されるか、[攻撃で]一瞬で殺されるか、という二者択一を迫られています。
イスラエルがガザに課し、エジプトもその維持に協力している厳格な封鎖の結果、飲料水もなく、栄養も不十分で、医療も十分ではないせいで、病気や疾病で死ぬのか、イスラエルが、そろそろ「芝を刈る」頃だと決めたとき、あっという間に死ぬかのどちらかだ、ということです。
「国境の検問所が開放されて、人々や物資が自由に移動できるようにならないかぎり、ガザのパレスチナ人は、もっとも基本的な権利のないまま、これからも生きることを強いられることになります。」

Q-ハマースはパレスチナ人を人間の楯に使っているのですか?

DB ガザは縦40キロ、横が最長でも12キロの土地です。そこに180万近くのパレスチナ人がいます。ガザ地区は、世界でももっとも人口過密な地域です。
さらに、この攻撃の以前から、ガザ地区の35%の地域がパレスチナ人立ち入り禁止――進入は死の危険を伴います――になっており、イスラエルは、これらの地域を立ち入り禁止区域として維持しています。
つまり、ハマースがこの小さな地区の内部で闘うとき、パレスチナ人の民間人を援護には使いません。

[ハマースが民間人を人間の盾に使っていると]イスラエルはずっと主張していますが、今日まで、国際的な調査によっても、これらの長期にわたる主張を裏付ける証拠は何もありません。
にもかかわらず、この主張が、多くの者に受け入れられ、まかり通っているのです。皮肉なことに、その逆こそ、確証されています。イスラエルは、軍事作戦を行うとき、パレスチナ人の民間人を人間の楯として使っています。

GB ハマースは、居住区の内部から闘います。人口過密なガザ地区です。しかし、ハマースが攻撃避けに、故意に民間人を危険にさらしているという主張は、ほとんど実証されていません。
この主張は、「犠牲者を非難する」ためのものです。確かに、パレスチナ人にとっては、パレスチナ人の血を流しているのはイスラエルだといういことは、疑う余地もなく明らかです。

NH イスラエルは、ニューヨークの半分以下しかないガザ地区の44%を軍事的な「バッファ・ゾーン[進入禁止区域]」にしています。誰が誰を人間の盾に使っているのでしょう?

Q-イスラエル軍は、民間人の死傷を避けるために、可能なあらゆる注意を払っていますか。

DB いいえ。「屋根をノックする」方式で、つまり、家を爆破するに先立ってまずミサイルを家の上に落とすということですが、死をもたらしています。
アムネスティ・インターナショナルのフィリップ・ルーサーによれば、「民間人の家に向けてミサイルを発射することは、効果的な「警告」を構成するなどということはありえない。
アムネスティ・インターナショナルは、ガザ地区に対するイスラエルのこれまでの軍事作戦において、このようなミサイルによって殺害された、あるいは負傷した民間人の事例をまとめている」と彼は語っています。

加えて、イスラエルは[攻撃を警告し、退避を勧告する]リーフレットを撒いていると主張しますが、これらのリーフレットには、人々がどこに行けば安全かということは書かれていません。
イスラエルの人権団体が書いているように、「リーフレットを撒くことでは、その地域に民間人は一人も残っていないと見なして、民間の用地を攻撃してよい、という許可を軍に与えはしない。
軍は、すべての住民がほんとうに自宅を後にした、と仮定してはいけない」
さらにイスラエルは、鉄のドーム・システムが、イスラエルの民間人の死を防ぐのに効果を発揮していると主張しています。
この主張を踏まえ、また、イスラエルの民間人の死者が2名(パレスチナ人の死者数は650名)であることを踏まえると、民間人を傷つけずに、イスラエルに向けて発射されるロケットを問題にする別の方法があることは明らかです。

GB これまでの回答のいくつかが示唆しているように、もちろん、違います。民間人に対して、効果的な避難場所などどこにもない状況下で家を離れろと警告することは無意味です。
シュハイバル家の3人の少年を含む多数のパレスチナ人が、イスラエルの「屋根をノックする」というやり方で――つまり、より破壊力のある兵器を使う前に、警告用とされているミサイルを発射することで――殺されています。

NH ガザは地球上でもっとも人口過密なところの一つです。空から、陸から、海から攻撃しておいて、何百人もの民間人を殺さないでいることなど不可能です。
ガザの民間人の殺傷を防ぐ唯一の道は、停戦しかありません。ハマースは過去の停戦を遵守してきました。そして、平和を実現する唯一の道は、西岸と東エルサレムの占領と植民地化、およびガザの封鎖を終結し、長期にわたり否定されてきたパレスチナ人のその他の権利を尊重するという合意を結ぶことです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上

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明日に向けて(903)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月23日より)

2014年07月26日 22時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140726 22:00)

ガザでは停戦が続いています。現地時間午後8時、日本時間の明日午前2時が期限です。
NHKが26日18時57分に発したニュースによると、ガザの死者はとうとう900人を越えてしまったとのことです。
なおNHKは停戦化のガザ市民の様子についても次のように伝えています。

「イスラエル軍は、攻撃を中断する間も避難している住民に対して自宅に戻らないよう警告していますが、住民たちは自宅の様子を確認しに戻り、がれきの下から必要な服などを探し出していました。
ガザにいるNHKのスタッフは、「シュジャイヤ地区ではほぼすべてのものが破壊され、無傷で残っている建物はなかった。住民は服もお金も生活の場もすべてががれきと化したのを目の当たりにしてことばを失っている」と話しています。」

またなぜ停戦が成立しないのかという問いを立てた上で、ハマースの立場を次のように説明しています。

「ガザ地区は、境界線がフェンスで囲まれ、その実態から「屋根の無いろう獄」とも呼ばれています。
この封鎖によって、生活必需品がガザ地区に十分に入らず、経済活動も停滞し、住民の暮らしが困窮を極めていて、ハマスとしては、封鎖の解除が確約されないかぎり停戦には応じられないという立場です。」

一定の妥当性のある伝え方だと思いますが、イスラエルによるガザの封鎖が国際法違反のまったく不当な行為であり、即刻やめるべきものである点も伝えて欲しいです。
これがある限り、住民はいわば緩慢に殺し続けられるわけで、まるでガザの住民の首を絞め続けるような封鎖の解除をハマースが求め続けていることを私たちは受け止めなければいけないと思います。

以下、3回にわたってお届けしてきたネナ・ニュースの23日分をお届けします。一緒に時代の証人になってください!

なおこのニュースを精力的に翻訳し伝えてきてくださっている石山奈緒さんは、イタリヤのペーザロ市在住ですが、そこでもガザへの支援行動を行っておられます。
ネナ・ニュース23日分の後に、FACEBOOKに投稿のあったペーザロ市の人々の活動もご紹介しておきます。
僕はこうした活動の積み重ねこそが、ガザを救い、パレスチナを救い、大多数の心あるユダヤの人々を救い、そうして私たちを救うと思うのです。共に努力を続けて行きましょう!

*****

2014年7月23日
ネナ・ニュース通信
(10時40分〜21時40分)

ガザからの現地報告。2週間で600名を超える死者。外交チャンネルは難航。
昨日少なくともパレスチナ人死者は50名に達する。イスラエル軍による空爆および砲兵隊の攻撃は止むことなく続けられる。国連人権問題調整事務所「ガザには人々が避難できる安全な場所は全く存在しない。」しかし停戦の実現はほど遠い。

10時40分:ガザの保健省はハーン・ユニス地区で砲撃によって5名のパレスチナ人が殺害されたと発表。そのうちの2名は子どもたちである。一方、日曜日にパレスチナ人市民の虐殺が行なわれたとしてニュース上で名を知られたシュジャイヤ地区では未だに戦闘が続いている。
イスラエル政府はジャーナリストに対してエレズ検問所を閉鎖すると発表。従って、現時点でガザ地区から出入りができない状態となっている。

11時30分:アル=マヤディーンTV「軍事攻撃開始以来、パレスチナ人死者は651名に達する。」今日だけでもすでに18名の死者を数える。
シャバック(編集者注:イスラエル諜報機関)の元長官アヴィ・ディクテルは「パレスチナ側から発射されるミサイルの威力を我々は非常に懸念している」

11時45分:ビデオ:イスラエル軍の爆撃下に置かれるガザのシュジャイヤ地区(Media Town撮影)
 
11時55分:パレスチナ人死者数は654名に達する。負傷者は4250名を数える。

13時00分:イスラエル外相が国連事務総長バン・キ・ムーンと会談。

13時15分:国連難民高等弁務官事務所のイスラエル大使「ユダヤ国家は国際法に従って対応している。」

14時25分:イスラエル法務大臣ツィピ・リヴニ「現在国連人権理事会(編集者註:ジュネーブ)で行なわれている会合によって、我々のガザに対する軍事作戦が阻止されることはない。同理事会へのいかなる協力もガザに置ける停戦実現の可能性をさらに遠ざけるものとなるだろう。」

14時40分:タイ人の労働者が死亡。イスラエル国内で3人目の死者。

14時55分:ガザのアル=ワファ病院が爆撃される。

16時00分:イスラエル砲兵隊によってクザ・ア地区で大量の死者が出る。

16時25分:ベツレヘムで抗議行動の最中にパレスチナ人1名がイスラエル兵士らによって殺害される。

17時00分:パレスチナ人死者数は678名に達し、負傷者は4250名に上る。イスラエル「29名のイスラエル兵士が死亡」 

17時15分:国際赤十字社(ICR)はAFP通信に対し、今日ガザの複数の地域における短期間の戦闘中断によって、同社の救急車がシュジャイヤ地区に対する爆撃の負傷者の救助に駆けつけることができたと発表した。

17時40分:ヤッセル・アベッド・ラブー「パレスチナ解放機構(PLO)は停戦に関してハマスの姿勢を支持する」ピレイ国連人権高等弁務官 「イスラエルが戦争犯罪に手を染めた可能性が充分あり得る。」

18時20分:イスラエル「今日新たに3名のイスラエル兵士が死亡し、計32名の兵士が命を落とす。」

18時30分:ガザでは毎時1人の子どもが命を落としている。

18時40分:米国務長官ケリーおよびネタニヤフ首相が停戦について議論。イスラエルはアメリカ合衆国に対しアイロン・ドーム用の資金を要請する。

18時45分:国連人権理事会はガザに対する戦争犯罪に関する調査委員会の設置を支持。29カ国賛成、17カ国棄権、アメリカ合衆国が反対。

20時00分:ネタニヤフは国連の調査委員会に対し「茶番劇だ」と発言。シン・ベット「イスラム聖戦の幹部にあたる戦闘員数名を殺害した。」

21時40分:ロシア大統領プーチンが仲介役を引き受けることを提案。ハマス「人道的停戦協定に応じる。」ガザでは多数の逮捕者が出る。

(出典:ネナ・ニュース通信、文責:石山奈緒)

- See more at: http://nena-news.it/diretta-gaza-oltre-600-vittime-due-settimane-e-la-diplomazia-stenta/#sthash.LiCKds03.dpuf

*****

Abbiamo veramente bisogno di fare qualcosa per Gaza, come una citta gemmellata concretamente.

私の住むペーザロ市はガザのラファと姉妹提携を結んでいます。
すでに20日近いガザへの軍事攻撃で今や900人以上の死者と6000人を超える負傷者、その多くは封鎖によって入手不可能な医薬品によって救えるはずの命です。それが今できない状況に置かれています。
私達市民はペーザロ市議会に対して何らかの行動を起こすよう要請しています。それでなければ名だけの姉妹提携となり、今まで築いてきた、そして市民の税金を使って友好関係を築いてきた歴史に泥を塗ることになります。
私達はその思いを公開状にしたためました。市議会からの返答及び対応を待つ間にも、抗議集会、情報共有を進めて行きます。
インフォポイント「ヴィットリオ・アッリゴーニ」と名前を付けた場所で、この非人道的な軍事攻撃ー虐殺について、またパレスチナの歴史、今もパレスチナ人がこうむっている悲劇について可能な限り説明できる場所,そしてイベントを企画し,市民と関連情報を共有して行きたいと思っています。
こちらの市民の動きは「パレスチナのためのペーザロ調整会議」として様々な動き、県及びイタリア国内、そして日本を含む世界の動きと連動していきます。

http://www.viverepesaro.it/index.php?page=articolo&articolo_id=485458

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明日に向けて(902)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月22日より)

2014年07月26日 14時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140726 14:00)

イスラエルの攻撃による戦争状態が依然続いています。26日午前9時13分に発せられたNHKニュースによると、ガザの保健当局はこれまでの死者が839人にのぼったと報告しているとのことです。
こうした中でようやく停戦の動きが出てきました。イスラエル軍とハマースの双方が、現地時間で26日の午前8時から12時間の停戦に合意したとのことです。
このまま戦闘が止まることを祈るばかりですが、ガザの人々にとって封鎖状態の継続は、生活をぎりぎりと抑圧しつつ、なおかついつ何時、イスラエルの軍事戦闘が始まるか分からない状態であることを私たちが知ることが重要です。
停戦が実現したならば、続けて戦争状態そのものである封鎖を解除せよという声を全世界で上げる必要があります。

構造的暴力は一見、直接的暴力よりも「まし」に見えるかも知れません。確かに子どもたちは今すぐ殺される危険性を免れるだろうし、免れて欲しいと心から思います。
しかしその暴力下に置かれた人々にとってはこうした暴力の継続もまた地獄の苦しみです。その意味でイスラエルの戦争犯罪をまったく裁くことをしない停戦調停は、ガザの人々により「まし」な暴力を受け入れろと言っているのと同じことです。
圧倒的な軍事力の差がありながら、ハマースが抵抗を試み、多くのパレスチナの人々が支持しているのはそのためであることを知る必要があります。
ハマースが掲げた「10年間の休戦協定のための10の条件」の実現こそが求められています。以下をご参照ください。

明日に向けて(898)戦争の責任は全面的にイスラエルにある。ハマースは真の休戦(封鎖解除)を求めている
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f60427de5d98c8749891c8d6595a5056

以下、これまでご紹介してきたイタリアの「ネナ・ニュース通信」の7月22日の分をお届けします。
時系列に沿って、ガザに起こったことを見ていくと、ガザの人々にとってこの事態がどれほどに過酷なものであるかが見えてきます。同時にイスラエルがあまりにひどい戦争犯罪を繰り返していることをもです。
イスラエルに攻撃される可能性がまったくないところにいる私たちこそが、この戦争犯罪の目撃証人になり、イスラエルによる構造的暴力を止めさせていく必要があります。

*****

2014年7月22日
ネナ・ニュース通信

2週間で600名を超える死者が出ており、モスクおよび住宅にも爆撃が行なわれている。
一晩中絶え間なく爆撃が行なわれ、死者数は増加し続けている。一方で人道的停戦についての議論がなされている。エルサレム東部ではイスラエル軍との衝突で若者が一人死亡した。

9時15分:イスラエル空軍の爆撃によって少なくとも25カ所の医療施設ならびに救急車が攻撃を受ける。
ガザの保健省の官僚の発表によれば、イスラエル軍は15日間にわたる軍事攻撃で25カ所以上の医療施設及び救急車を爆撃したという。
「医療施設を爆撃することは、国際レベルで非難されるべき犯罪行為であり、越えてはいけない一線である。昨日、デイル・アル=バラーのアル=アクサ殉教者病院への爆撃で4名のパレスチナ人が命を落とし、また多数の救急車がミサイル攻撃の対象となった。また爆撃を受けた地区に残された負傷者のもとへ医師らが駆けつけることも阻止された。

9時40分:ハマス「長期的な停戦の可能性はない」 
ハマスの指導者の一人ムハマド・ナッザルは今日、停戦協定は未だに達していないと発表した。「制限付き人道的停戦については応じるが、長期的停戦については応じる準備はできていない。」
 
9時45分:イスラエル兵士1名が行方不明。イスラエル軍は死亡したと見ているが、ハマスは拘束したと発表。
軍関係者の情報筋によれば、先週の日曜日に戦車に対する攻撃で他の6名と一緒に同兵士も死亡したと見られているが、発見また身元確認のとれた遺体の中に同兵士のものはないという。
同じ日にハマスは同兵士の登録番号と同じものを有する兵士を拘束したと発表した。ハマスのスポークスマン、アブ・ウバイダによれば、アル=カッサム旅団が日曜日、ガザ国境付近で起きた戦闘の後に兵士1名を捕虜として拘束したという。

10時00分:イスラエル「国連が提案した停戦協定には応じない」
イスラエル官僚の発表によれば、占領区の政策活動コーディネーターであるヨアヴ・モルデチャイは国連大使ロバート・セッリーに対し、イスラエルは国連によって提案された停戦協定には応じないと公式に申し入れた。

10時40分:アル=ジャジーラ「我々のガザ支局が爆撃を受けた」
昨日イスラエル外務大臣リーベルマンによる警告(「イスラエル国内でアル=ジャジーラが報道活動を行うことを阻止する方策を取る」)が発表された後、カタールを拠点とするアル=ジャジーラTVは今日同ガザ支局がイスラエルによる爆撃を受けたと発表した。

11時00分:国連パレスチナ難民救済事業機関の学校が爆撃を受ける。
マガジ地区にある国連パレスチナ難民救済事業機関が管理する学校が爆撃を受けた。同地区はこの二日間にわたってイスラエル軍による激しい爆撃を受けた場所である。ガザから発射されたロケット弾がテルアヴィヴにある一軒家の中庭に落下した。

11時15分:ヨルダン川西岸地区で昨夜16名が逮捕される。
昨晩、イスラエル軍は16名のパレスチナ人を逮捕した。ヘブロン東部にあるバニ・ナイン村のフサム・アル=カワスメ(彼は6月から拘束されている)の家に奇襲をかけ、彼の父親、妻、そして息子一人を逮捕した。同軍の発表によれば、彼らはハマースのメンバーであるという。

11時30分:アメリカ合衆国がガザ支援に4700万ドルを寄付。
アメリカ合衆国はガザ地区に対する人道支援金として4700万ドルを寄付することを発表した。カイロから同国務長官ジョン・ケリーが発表した。
「アメリカ政府はイスラエルの自衛行為という正当で適切な軍事行動による影響を非常に懸念している。どの国もミサイル弾による攻撃を受けながら無抵抗でいるわけにはいかないが、いかなる紛争においても一般市民、女性、および子どもたちへの被害についての懸念が生じる。」
ガザに対する支援金は供出するものの、進行中の大量虐殺を阻止するためにイスラエルに対する圧力は全く加えていない。

12時00分:ガザ連帯のデモが行なわれる中、ナザレで衝突が起こる。16名が逮捕される。
昨夜ナザレ(現在イスラエル領内のパレスチナの都市)で3千人近くの住民がガザの人々に対する連帯を表明するために広場に繰り出した。
「イスラエルは集団殺戮(ジェノサイド)を行なっている」と書かれたプラカードが多く掲げられた。イスラエル警察は警官と衝突を起こした200名近くのパレスチナ人群衆を分散させるため放水車と衝撃音波弾を用いて介入した。16名が逮捕された。

12時20分:エジプトがイスラエルとパレスチナ自治政府との間の交渉再開を提案。
カイロでアメリカ国務長官ケリーと会談中のエジプト外相サメー・シュクリは今日、ガザにおける停戦協定の一環として、イスラエルとパレスチナ自治政府との間で和平交渉の再開を行なうよう提案した。

13時05分:ガザに対する軍事攻撃による死者は600名以上に達し、今日で15日目を迎える。
保健省のスポークスマン、アシュラフ・アル=キドラによれば、イスラエル空軍によって爆撃された住宅の瓦礫から新たな遺体が救助隊によって収容され、死者数は604名に上るという。新たな死者は四歳のムナ・ラミ・アル=ハラウットで彼女はガザ北部で息を引き取った。 
国連事務総長バン・キ・ムーンは停戦協定を実現させるために再びイスラエルを訪れる予定である。明日パレスチナ自治政府議長マフムッド・アッバ スと会談をラマッラーで行い、その後イスラエル官僚らとの会談に参加する予定である。

13時15分:シェイク・ザイード地区およびテル・アル=ザタール地区から数千人単位の人々が避難。
この数時間でガザ北部に位置するシェイク・ザイード地区およびテル・ザタール地区の住宅街がイスラエル軍による壮絶な爆撃に遭い、同地区の住民たちは避難を行なった。
一方でイスラエル軍とパレスチナ人民兵らの戦闘はジャバリヤ難民キャンプ(7万人が住む)付近へと移動している。住民達はパニック状態に陥りながら逃げ惑い、国連パレスチナ難民救済事業機関(Unrwa)が経営する学校へと向かっている。
地元の報道機関の情報によれば、ガザの避難民の数は13万5千人に上り、そのうちの9万人が同機関の学校に身を寄せていると推定される。この数時間で同機関から支援の要請が発表された。同機関はこの数日間で受け入れた大勢のパレスチナ人たちの飢えを満たすことがこれ以上できないと発表した。6000万ドルの資金が緊急に必要とされているという。

14時00分:イスラエル軍は行方不明になった兵士の身元を発表する。ハマスによって発表された兵士の名前と一致。
イスラエル軍は行方不明になった兵士の身元を確認した。彼の名前はオロン・シャウルで、日曜日にハマスが拘束したと発表した兵士と同じ名前である。イスラエル陸軍の発表では、彼は死亡したとされているが、彼の遺体は発見されていない。
 
14時10分:イスラエル陸軍「今日187カ所を攻撃し、23カ所のトンネルの66カ所の入り口を発見した。」
イスラエル陸軍の情報によれば、今日ガザ地区で爆撃された標的は187カ所に上り、そのうち100カ所はシュジャイヤ地区だという。
23カ所のトンネル、ならびにそれらの入り口66カ所が発見された。パレスチナ関係者の情報によれば、今日だけで少なくとも27名の死者が出ており、そこには4歳の少女と妊婦1人が含まれているという。軍事攻撃開始以来、負傷者の数は3700名に上っている。
 
15時15分:パレスチナ人犠牲者の数は増加する一方。609名の死者ならびに3720名の負傷者を記録。

15時45分:アメリカ国務長官ケリーがカイロに到着「エジプト政府によって提案された停戦協定を実現させるために来ている。」
エジプト外相シュクリと同席したアメリカ国務長官ジョン・ケリーは記者会見で、カイロに赴いた理由を「エジプトによって提案された停戦協定を実現させるために同大統領オバマから要請された」と話した。
そしてケリー米国務長官は「何度もネタニヤフ首相およびアッバス議長に電話をかけた。まだまだやらなければならない作業が残っている(編集註:両者を歩み寄らせるために)」と発言した。
その後、同国務長官はエジプト首都カイロに赴いた理由を、ガザに関する議論を展開するだけではなく、同地域におけるテロリズム問題への対処を図るためだと話した。また彼はアメリカ合衆国が「昨日ガザに対する支援金4700万ドルを寄付して事態の対処に努めている」と強調し、国際社会に対して「さらなる努力を展開すべきだ」と要請した。

16時10分:パレスチナ人死者数は611名に達する。イスラエル2チャンネル放送「トンネルの大半を破壊するには1週間から2週間を要する」
「境界防護」軍事作戦が始まって以来、パレスチナ人死者数は611名に達している。負傷者の数は3475名に上る。これらの死者数および負傷者数は常に増加を続けており、ガザ地区での戦闘およびイスラエル空軍による爆撃は一時も止むことなく続いている。
イスラエル2チャンネル放送では同軍からの重要な情報として「イスラエル軍はトンネルの大半を破壊するのに1週間から2週間の日数を要する」と発表した。
  
16時40分:パレスチナ人死者数は616名に上る。3750名の負傷者が出ている。新たに2名のイスラエル兵士の死亡が確認された。
イスラエル軍事攻撃開始以来、殺害されたパレスチナ人死者数は増加を続けている。現時点で616名の死者が出ており(今日だけでも66名の死者を記録している)、負傷者は3750名を数える。現在イスラエル空軍による空爆はガザのアシュ・シュジャイヤ地区、ザイトゥーン地区(ガザ市東 部)、そしてハーン・ユニス地区に集中している。
ガザ地区中心部に位置するアル=バリジ難民キャンプに対するイスラエル軍による爆撃で3名のパレスチナ人が殺害された。ラファでは75歳と85 歳の高齢女性2名が殺害された。先ほど瓦礫の下から21歳と22歳の若者2名の遺体が回収された。
一方イスラエル10チャンネルでは「行方不明になっているオロン・シャウル兵士の登録番号が日曜日にハマスによって発表されたものと一致している」と放送。
イスラエル陸軍ナハル部隊長は新たに2名のイスラエル兵士が死亡し、多数の負傷者が出ていると発表する。

17時45分:パレスチナ人死者数は626名に上る。3750名を超える負傷者が出ている。アッバス議長はラマッラーに急遽戻る。
アル=バリジ地区へのイスラエル軍による爆撃によって1名が死亡、4名が負傷した。汎アラブ主義を掲げるアル=マヤディーンTVによれば、ガザ のアル=シュジャイヤ地区のバグダッド通りには複数の遺体が放置されているという。
政治レベルにおいては、アッバス議長がカイロでの会談を終えた後、サウジ・アラビアへの旅程をキャンセルしてラマッラーに戻っている。カイロでの会談ではパレスチナ自治政府の方針と抵抗を進める政党(主にハマス勢力)との方針の違いが明らかになり、会談は失敗に終わった。
ガザ地区ではイスラエル軍による空爆と占領行為が続いている中、パレスチナ武装勢力はイスラエルに向けてロケット弾を発射し続けている。いくつかのロケット弾がネゲヴ地区に落下した。負傷者ならびに損傷については何も報告されていない。

18時05分:アメリカの四つの航空会社がイスラエル発着便を見合わせる。

18時45分:4名のパレスチナ人が殺害される。国連人道問題調整事務所「ガザには避難することのできる安全な場所はない」

19時00分:国連パレスチナ難民救済事業機関「避難民を受け入れている学校がイスラエル軍のミサイル攻撃を受けた」

19時15分:イスラエル法務大臣リヴニ「トンネルがすべて破壊されるまではいかなる停戦もありえない。」

19時20分:アメリカ交通省はテルアヴィヴにあるベングリオン空港発着便を「24時間にわたって」見合わせるよう勧告した。事前にアメリカの 四つの航空会社が自社便の飛行を見合わせていた。また欧州議会の外相28名はガザにいる全てのテロリスト団体に対し武力解除を要請する共同声明を発表した。

19時40分:アメリカによる航空便の方針が明らかになった後、ドイツの航空会社ルフトハンザはイスラエル発着の便を36時間にわたって見合わせた。一方、エアーフランスは期間を定めずに便を見合わせると発表し、オランダのKLMは今日の便を全てキャンセルした。 

20時00分:イスラエル交通省は同国行きの便をキャンセルした航空会社に対し、ベングリオン空港は「安全」であり、また警備体制も充分だとして、彼らの決断を考え直すよう要請した。

20時30分:国連パレスチナ難民救済事業機関「我々の施設に敬意を払ってほしい、我々の管理する学校にロケット弾が隠されていた。」

20時45分:カナダ航空がイスラエル行きの便をキャンセル。
 
21時00分:フランス「虐殺を阻止すべき」、アメリカ「イスラエルはガザの市民を守るために何かすべきである」

21時15分:パレスチナ国連大使が国連安全保障理事会に対し停戦決議を採決するよう要請する。

21時30分:昨日イスラエル空軍の爆撃によって一家全員死亡したアブ・ジャーメ家の系図(B'Tselem)

21時55分:アリタリア航空が明日まで便をキャンセル。明朝の便が19時まで遅延する。今晩イスタンブールからテルアヴィヴ行きのトルコ航空の便が航路を変え、トルコ領内に戻る。同様に他のトルコの航空会社も24時間にわたって便をキャンセルする。

22時00分:ガザに対するイスラエル軍の爆撃が続いている。ハーン・ユニス地区にあるハマス軍事部隊長モハメド・デイフの自宅が攻撃される。 ガザ南部では2名のパレスチナ人戦闘員がイスラエル兵士に向かって発砲する。
パレスチナ人戦闘員1名が死亡する。イスラエル南部ではサイレンの音が けたたましく鳴り響く。保健省によれば死者数は625名に上り、負傷者数は4000名に達している。

23時00分:明日開かれる国連人権理事会でイスラエルが非難される可能性。

22時30分:アッバス議長がイスラエルに警告「パレスチナ人に対して罪を犯した者たちを全員起訴するつもりだ。」

22時40分:サメル・ハレール・シャマリの家族が国際連帯運動(ISM)によって配信されたビデオを通じて同青年の死を知る。

(出典:ネナ・ニュース通信、文責:石山奈緒)
- See more at: http://nena-news.it/diretta-gaza-oltre-580-vittime-due-settimane-bombe-moschee-abitazioni/#sthash.8920NAGw.dpuf

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明日に向けて(901)連載900回を越えて

2014年07月26日 09時30分00秒 | 連載の節目に・・・カンパのお願い

守田です。(20140726 09:30)

「明日に向けて」が連載900回を越えました。
「明日に向けて」の前に「地震情報」という名で46回の配信を行っているので通巻では946回を越えたことになります。

連載801回目を記録したのは、本年2月22日、ドイツ・ベラルーシ・トルコへの旅に出発する直前でした。
2011年3月11日以降、この日までの講演回数は総計で320回でした。この2月末から7月末までの5か月は海外での講演8回を含む31回でしたので総合計では351回の講演を行わせていただいたことになります。
僕の講演は30名~50名ぐらいのことが多いですが、かりに毎回40人としてのべで14000人の方にお話を聞いていただけたことになります。本当にありがたいです。

また何の社会的肩書を持たない僕の発言でも大事に聞いて下さり、熱心に学びを深めようとする方が本当にたくさんいること、増え続けていることがこの数字に表れています。
僕はこうしたところにも、私たちの国の中で大変な規模で進行している「覚醒」を感じます。
僕の仕事はこの覚醒をさらに進めること、そのために有益な情報を配信しつつ、考え方のヒントを提供していくことです。

今年はさらに年頭より"Power to the People!"とことあるごとに叫んできました。
そのために必要なのは、世界大での民衆的連帯を促進することと考え、海外に展開できるチャンスを自ら引き寄せ、2月から3月にベラルーシ・ドイツ・トルコを訪問してくることができました。
現地で何度か講演を行い、たくさん知人・仲間を作り、核のない世の中を共に作るためのエールを交換してきました。

連載900回を越えたこれからもますますこうした活動を強化したいと思います。
さしあたってこの7月29日から再びトルコに赴きます。8月3日シノップのゲルゼ町で講演します。その後、再びシノップの建設予定地を見学し、地元の方と前回よりももっと深い話をしてくるつもりです。
さらに10月にポーランドで国際会議に参加することになりました。今年3月のトルコ訪問は、ヨーロッパ・アクション・ウィークの中の一環として行われましたが、その催しの総括が話し合われます。
また2016年、チェルノブイリ30年、福島5年に大きな企画を行うことが計画されており、そのための討論も行われます。このポーランドの会議への参加を通じて、さらに世界へのつながりを強めたいと思います。

ちなみに今回の8月のトルコ訪問は、ゲルゼ町の招待で国内旅行費はもっていただけますが、日本とトルコの往復は途中で「高すぎてチケットを買えない」ということになり、自腹で行くことになりました。
いきなり15万円強の出費が必要となりましたが、しかし日本が原発を輸出しようとしているのですから、トルコからのお招きを断ってしまうわけにはいかないと考え、行ってくることにしました。日本に住まうものとしての「義」の行為だと思っています。

この夏から秋は、一方で原発災害対策も一層強化しようと思っています。
川内原発再稼働への動きを見据えつつ、原発災害が起こったらどうなるのかのリアリティをさまざまな角度から伝えながら、より広範な人々と原発があることの矛盾について共に考え、行動していきたいと思います。
もちろん僕が唱える原発災害対策は、原発再稼働を容認するものでは断じてありません。災害対策上、原発を動かさないことがもっとも上策であることを踏まえつつ、しかし使用済み燃料プールの存在から、原発は稼働してなくても重大事故を起こしうることを踏まえた対応です。
これは全原発の廃炉と燃料棒の安全管理の実現まで必要なことです。

その上、世界には国内よりももっとたくさんの原発があります。それらの事故の影響が日本列島に及ぶこともありうるし、また海外渡航中、あるいは海外への移住の中でその地域の事故に遭遇することもあり得ます。
それらを考えるならば、現代に生きる私たち誰もが真剣に原発災害対策に取り組む必要があるのです。現代人の必須の課題です。
このため、災害対策を兵庫県篠山市の方たちと具体的に推し進めつつ、それらの経験をまとめた書籍も作りたいと思います。そのためにさらに取材を強化したいです。

放射線防護の側面では、チェルノブイリ原発事故後の経験にさらに学問的に学ぶとともに、とくに甲状腺の病気を中心に、さまざまな疾病への見識を深めつつ、対策をひねり出していきたいと思います。
やるべきことはチェルノブイリのデータを誰にも分かりやすい形にまとめ直していくこと、その中で今、何が課題になっているかをみなさんともっと共有できるようにすることです。
また現在、私たちの国の中で進行してい病の実情を、甲状腺を軸に掴み、可能な限りのデータ化を行っていくことです。

これら放射線防護・原子力災害対策・脱原発を大きな柱としつつ、集団的自衛権行使や秘密保護法の施行に反対する行動も強化していきたいです。
またパレスチナに連帯し、戦争をとめるための行動、旧日本軍性奴隷問題の解決を求めつつ、アジアの真の意味での友好を作り上げることなど、可能な限りの行動を行います。

これらに向けてみなさまに連載の節目でのカンパをお願いしたいと思います。
総じて民衆の力をより高めていくための活動に使わせていただきます。どうかよろしくお願いします。心を込めて一生懸命に働きます!

以下、振込先を記しておきます。

振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金
口座番号 2266615

*****

連載801回~900回の間の講演、取材等の記録

2月28日 ベラルーシ・ミンスク医師協議会にて講演
3月6日  ドイツ・フランクフルト医師協議会にて講演
3月7日  ドイツ・ドルトムント ヨーロッパ・アクション・ウィーク オープニングセッションにて発言
3月9日  トルコ・イスタンブールにて講演
3月11日 トルコ・シノップにて講演
3月13日 トルコ・イズミルにて講演
3月16日 ドイツ・ヘアフォートにて講演
3月18日 ドイツ・ベルリンにて講演
海外展開中、講演8回

3月30日 奈良市民測定所開設1周年記念企画で講演

4月12日 環境市民チャンネルに出演
4月12日 子ども検診医療基金関西一周年企画に参加
4月15日 キッチンハリーナにおいてドイツ・ベラルーシ・トルコ訪問報告会
4月18日 同
4月20日 岡山県瀬戸内市 せとうち交流プロジェクト企画で講演
4月27日 京都府亀岡市 市民まちづくり風の会の企画で講演

3月末から4月 講演6回

4月26日より入院。28日手術を受ける。5月3日退院。

5月7日  東京都 FoE JAPANの企画で講演
5月8日  東京都 台湾のおばあさんたちの映画「蘆葦の歌」上映会参加。来日したおばあさんと過ごす。
5月9日  兵庫県篠山市 原発災害対策市民緊急集会に参加
5月11日 京都市 避難者こども健康相談会きょうとの企画で講演
5月17日 大阪市 シスターセブン(映画館)にて『遺言』鑑賞
5月18日 京都市三条大橋で集団自衛権に反対するピーススタンディングに参加
5月22日 京都市 新日本婦人の会の企画で講演(当日2回)
5月24日 京都市 脱原発をめざす首長会議の企画に参加
5月25日 大阪市西成区 西成青い空カンパの企画で講演 長谷川健一さんと対談
5月31日 京都市 京都緑の党の企画で長谷川羽衣子さん、児玉正人さんと鼎談

5月講演6回

6月5日  京都市伏見区 あゆみ助産院 のびの会にて講演
6月6日  兵庫県篠山市・丹波市消防団合同幹部会研修会にて講演
6月8日  京都市 堺町画廊の企画に参加
6月11日 京都市 京都被爆2世3世の会例会に参加
6月14日 京都市 伏見原発ゼロパレードに参加
6月17日 京都府宮津市 NORTH KYOTO PARTYの企画で講演2回
6月19日 同志社大学にて会津の片岡輝美さん講演会に参加
6月21日 京都 環境市民研究所・中地重晴さん講演会に参加
6月22日 京都 三田茂医師 木下黄太さん対談に参加
6月22日 京都 集団的自衛権に反対するピーススタンディングに参加
6月25日 兵庫県篠山市 原子力災害対策検討委員会会議に参加
6月29日 京都 伏見原発ゼロパレードの会の企画で講演 豊田直巳さんと対談

6月講演5回

7月1~4日 集団的自衛権に反対する街宣、デモなどに連続参加
7月5日  京都市 恵光寺さんの企画で子どもたちに講演
7月6日  京都市 台湾のおばあさんたちの映画「蘆葦の歌」上映会で発言
7月10日  兵庫県篠山市 ヨウ素剤服用に関する自治会長会へのレクチャーに参加
7月11日 篠山市 防火安全協会総会にて講演
7月12日 兵庫県加古川市 脱原発はりまアクションの企画で講演
7月13日 京都府亀岡市 市民まちづくり風の会の企画で講演
7月16日 京都市 京都被爆2世3世の会例会に参加
7月19日 京都 イスラエル軍のガザ攻撃に抗議し犠牲者を追悼するピーススタンディングビジルに参加
7月20日 大阪市 関西医療問題研究会会議に参加
7月22日 岡山県岡山市 あゆみ保育園にて講演
7月23日 岡山県瀬戸内市 せとうち交流プロジェクトにて講演

7月講演6回

海外講演8回
国内講演23回

この他、毎月第一水曜日に京都で旧日本軍性奴隷問題での水曜行動(街宣)に参加。
月2回 平賀緑さんの食に関する学習会を主宰・参加

 

 


 

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明日に向けて(900)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月21日より)

2014年07月25日 22時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140725 22:30)

連投ご容赦下さい。というかこれだけ情報が多いと、パンクしてしまいがちだと思います。
どうかそれぞれでうまく情報をお使いいただければと思います。時系列に沿った現地情報は、時間の空いたときに一気にまとめて読んでいただくのも良いかもしれません。

ともあれネナ・ニュース7月21日の配信分を続けてお届けします。

*****

2014年7月21日
Nena New通信より
昨日、ガザ市東部が壊滅的な打撃を受け、シュジャイヤ地区だけでも72名の死者が出た。パレスチナ人報道レポーター1名が殺害され、イスラエル 軍は記者団に対し「安全は保証しない」と発表。ハーン・ユニス地区では倒壊した建物の下敷きになった遺体を収容しようと人々は瓦礫を取り除く作業 を行っている。すでに20名の犠牲者が出ている。

9時30分:ガザの民兵がトンネルを通じてイスラエル領内に侵入。イスラエル国内およびヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人によるゼネストが 今日決行される予定。
ガザの民兵数名が2つのトンネルを通じてイスラエル領内に侵入することに成功した、とイスラエル軍が発表した。彼らによれば、地上戦開始以来 40カ所のトンネルの場所を特定し、そのうち14カ所は未だ特定できていないとしている。
ニル・アム・キブツおよびエレズ地区の住民は屋内に退避 するように命じられ、また近隣地域の道路はすべて封鎖された。民兵が殺害されたかどうかについては明らかではない。
イスラエル領内に住むパレスチナ人共同体は「今日は喪に服する日であり、またガザに対するイスラエルの軍事攻撃に抗議するゼネストを決行する」 と発表した。

9時45分:パレスチナ人死者数は508名に上り、負傷者は3150名に達する。この4日間で避難民の数は400%増加し、国連パレスチナ難民 救済事業機関(UNRWA)は6000万ドルの資金を集めるための呼びかけを行なう。
ガザの保健省によれば、パレスチナ人死者数は508名に上り、負傷者は3150名に達している。国連パレスチナ難民救済事業機関(Unrwa) は8万3000人の避難民が同機関が経営する施設60カ所に身を寄せており、この4日間で避難民の数は400%増加したと発表。
また同機関はガザ支援のために6000万ドルの資金を集めるための呼びかけを行なった。これらの資金は家屋の修理ならびに市民、とりわけ子どもたちに対する精神的 なケアサービス等、3ヶ月から6ヶ月間にわたる緊急活動およびそれに続く救助活動に使われる予定である。

10時10分:ガザ地区東部、シュジャイヤおよびトゥッファー地区で激しい爆撃が行なわれる。
イスラエルはトンネル出口でガザの民兵10名を殺害したと発表。
 
11時00分:ビデオ:ナブルスでパレスチナ警察が群衆を分散させるために空に向けて発砲する。
昨晩、イスラエルによるガザへの軍事攻撃に反対する大規模な抗議デモがナブルスで行なわれた。パレスチナ警察は同自治政府の命令に従い、参加していた数千人もの群衆を分散させるために空に向けて発砲した。

11時10分:国連安全保障理事会「即時停戦を」アメリカ国務長官ケリーおよび国連事務総長バン・キ・ムーンがエジプトのカイロへ到着予定。

11時40分:ヒズボッラー「ハマスの闘争を支持する準備はできている」
ヒズボッラーの指導者であるナスラッラーはハマスの政治的指導者メシャールそしてイスラム聖戦の指導者であるシャラーに電話をかけ、レバノン運動であるヒズボッラーはイスラエルの占領に対する闘争を支持する用意ができていると話した。

12時00分:学校、官公庁および商店街においてゼネストが決行される。ヨルダン川西岸地区全域で衝突が起こる。数十人もの負傷者が出る。ヨルダン川西岸地区ならびにエルサレムではガザ連帯のデモンストレーションが行なわれた。
一方、イスラエルによる占領下に置かれている地区では今日、学校ならびに官公庁は閉鎖され、進行中の無差別殺戮に対するゼネストを決行し、ヨルダン川西岸地区ならびに1948年当時はパレスチナ領 だった地区(現在はイスラエル領となっている)内の商店等は複数のパレスチナ政党によって呼びかけられた行動に応じた。
ベイト・ウンマール、ヘブロン、ベツレヘム、ラマッラー、ナブルス、ハルフル、アル=ファウワール等の街では昨晩多くのデモが行なわれた。
医療筋によれば、ヘブロンだけでも20名の負傷者が出たという。エルサレム東部ではイスラエル警察との衝突が起きた。昨晩行なわれた数多くのデモ会場では、イスラエル兵士1名を拘束したというニュースに、参加者たちは将来の交渉における一つの有力な要素だとして歓喜の声を上げた。

13時30分:イスラエル国内でパレスチナ人によるストライキが決行。イスラエル外相リーベルマン「アラブ人の商店で商品を購入しないように」 と勧告。
ハアレツ誌によれば、アラブ・モニター高等委員会の呼びかけに応じて非常に多くのパレスチナ人たちがイスラエル国内のアラブ人街(ナザレ、ウン ム・アル=ファヒム、サキニン)で、またパレスチナ人住民が多数を占める地域においてストライキを決行したという。
イスラエル外務大臣アヴィグド ル・リーベルマンはフェイスブックを通じてイスラエル市民に対し、アラブ系住民が経営する商店はストライキで閉まっているので買い物に行かないように勧告した。
イスラエル国内に住むパレスチナ人の大多数はこのゼネストの呼びかけに応じ、ナザレ、ウンム・アル=ファヘム、サキニンを始め、より小規模な地区に至るまでストを決行した。
 
13時35分:ガザ地区北部で爆撃があり、5名が死亡。
15時00分:パレスチナ情報筋「デイール・アル=バラーの病院が爆撃され、15名の負傷者が出る。」

15時15分:デイール・アル=バラー地区にあるアル=アクサ病院に対する爆撃によって4名が死亡、50名が負傷した。イスラエル軍は病院から 退避するよう警告。
イスラエル軍戦車がデイール・アル=バラー地区にあるアル=アクサ病院の3階部分を砲撃した。保健省によれば、医療従事者ならびに患者の間で4名の死者と50名の負傷者が出たという。
同病院の3階部分には複数の手術室や集中治療室が入っていた。その他のミサイル弾によって病院の近隣地域が打撃を受けた。
 
16時00分:シュジャイヤ地区で狙撃兵によって殺害された救急隊員のビデオ
このビデオはパレスチナ人によって撮影され、国際連帯運動によって配信されたもので、昨日の停戦中にシュジャイヤ地区で行なわれた救助活動を捉えたものである。
瓦礫の間を負傷者がいないかどうか探していた若者1人がイスラエル狙撃兵によって銃撃された。負傷した若者は2発目の銃弾を浴びて死亡した。

16時10分:イスラエル軍「地上戦開始以来、160名のテロリストを殺害。昨晩24時以降、ガザ地区に存在するテロリスト標的を130カ所攻撃した。」
 
16時30分:イスラエル10チャンネル「地上戦開始以来、107名のイスラエル兵士が負傷した。」

16時40分:マアーン・ニュース「明日よりラファの検問所が負傷者と外国人の脱出のために開放される。」

17時05分:「境界防護」軍事作戦開始以来、548名のパレスチナ人が殺害される。3300名を超える負傷者が出ている。またもや一家族に対する虐殺行為が行なわれる。
 
今日一日だけでもパレスチナ人犠牲者の数は78名に達している。暫定的な統計数であるのは、未だ止むことなくイスラエル軍による空爆および砲兵隊による攻撃が続いているからである。
またもや一家族に対する虐殺行為が行なわれた。ガザのアル=カッサス一家である。イスラエル空軍による爆撃で同家族のうち9名(そのうち5名は子ども)が命を落とした。また同じ爆撃によって4名が負傷した。

17時40分:ハマスの指導者マシュアル「ガザはその抵抗勢力と共に占領および封鎖に終止符を打つことを決めた」と発言。

18時10分:イスラエル人大学教授による衝撃的な発言「パレスチナ人戦闘員らの妻や母親を暴行することによって攻撃を止める事ができる」。
今朝、イスラエルのラジオ放送局ベットのハコル・ディブリム番組を通じてインタビューを受けたバル・イラン大学アラブ文学教授であるイスラエル人モルデチャイ・ケダールは「パレスチナ人戦闘員らの妻や母親を暴行することによって攻撃を阻止することができる」と発言した。
さらに彼は「自爆攻撃を行なおうとする容疑者を阻止できる唯一の方法は、彼が拘束された場合に自身の姉妹もしくは母親が暴行を受けることを知っているかどうかである。」
司会者ヨッシ・ハダールの「それはいけない。明らかにそのような行動を我々はとるべきではない。」というコメントに唖然としたケダールは激昂 し、「私は何をして、何をしないかを話しているのではない。私は現実問題として話しているのだ。
自爆攻撃を行なおうとする犯人を思いとどまらせるのは、引き金を引けば姉妹が暴行されるということを知っているかどうかだ。」
ケダールはイスラエル国内のパレスチナ人に関する研究の専門家である。25年間にわたって軍の情報局で働き、そこでイスラムグループに関する研究を深めていた。「ベギン・サダット戦略研究センター」の研究員である。
バル・イランはイスラエル国内でも重要な宗教大学であり、テル・アヴィヴからそれほど遠く離れていない場所に位置する。1995年11月に同大学生であったイガル・アミールが当時首相だったイザック・ラビンを暗殺した。

18時15分:アッバース議長ならびにメシャールがカタールで会談。
パレスチナ自治政府議長アッバースがカタールでハマス政治的指導者メシャールと会談。メシャールはエジプト政府によって提案された停戦条件に対して不満があることを強調しながらも、両者は停戦の必要性およびエジプトを仲介役とすることを合意した。

18時30分:パレスチナ人死者数は548名に上る。そのうちの数名は未だ身元確認がとれていない。

18時50分:イスラエル外相リーベルマン「イスラエル国内でアル=ジャジーラが報道活動を行うことを阻止する方策を取る」

19時00分:イスラエル軍「この24時間以内に7名のイスラエル兵士が死亡した」。ハマスの発表では10名のイスラエル兵士が死亡。
イスラエル軍はこの24時間以内にガザで死亡した兵士の数は7名に上り、合計で25名の死者が出たと発表した。3名の兵士が軽傷を負い、8名の兵士が重傷を負っている。
ハマスの発表によれば、死亡した兵士の数は少なくとも10名に上っているという。

20時00分:パレスチナ人死者数が未だに増加、558名に達する。

(出典:ネナ・ニュース。文責:石山奈緒)

- See more at: http://nena-news.it/gaza-domenica-di-sangue-oltre-110-morti-piu-di-500-vittime-palestinesi-13-giorni-20-quelle-israeliane/#sthash.wPqfFhZJ.dpuf

 

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明日に向けて(899)ガザの痛みを共にし真の平和を求めて行動しよう!(ネナ・ニュース7月20日より)

2014年07月25日 20時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140725 20:00)

ガザに関する記事の連投をお許しください。

ガザの事態はますます悪化するばかりですが、私たちは同時代を生きるものとしてしっかりとその過程を追いつづけ、イスラエルの戦争犯罪の生き証人となる必要があります。
そのためには現地で起こっているできるだけ詳しい情報が必要ですが、うってつけのニュースをイタリア在住の石山奈緒さんが送ってきてくれています。

彼女のニュースソースは「ネナ・ニュース(Nena News)」です。石山さんによれば同ニュースは、「イタリアのイル・マニフェスト(Il Manifesto)紙の特派員であり長年中東での取材活動を精力的に展開しているミケーレ・ジョルジョ(Michele Giorgio)氏によって共同通信社として設立されました。
彼の他に2名のメンバーとボランティアベースで中東に関するニュースをオンラインで配信しています」とのことです。
この「ネナ・ニュース」に7月20日以降、現地で起こっていることが時間刻みで報告されてきており、石山さんが精力的に日本語訳をしてくださっていますので、この場に転載することにしました。
今回は20日分を掲載します。なお表記されている時間は現地、ガザでの時間です。イタリア語原文は、リンク先のみ示しておきます。

ぜひガザで起こっていることをリアルにとらえ、痛みを共有してください。その中から真の平和を求める行動を起こしましょう!
ちなみに本日25日19時35分発信のNHKニュースでは、ガザの犠牲者がとうとう800人を越えて815人になったと報じています・・・。

*****

2014年7月20日
Nena New通信より
http://nena-news.it/gaza-e-linferno-shajaiye-decine-morti-palestinesi-uccisi-numerosi-soldati-israeliani/

ガザ:シュジャイヤの地獄絵。何十人にもおよぶパレスチナ人犠牲者。イスラエル兵士らも多数死亡。イスラエル軍による爆撃は非常に激しさを増し、一晩中止むことなく続いた。
しかし現在は地上戦が激しさを増している。イスラエル防衛軍によれば、ガザ地区には数千人単位の兵士が投入されているという。
新たに2名の兵士の死亡が確認され、現在までに少なくとも9名の兵士が死亡している。しかし現地の情報によれば、戦闘中に命を落とした兵士の数は発表された数よりもはるかに多いはずだとしている。
 
9時30分:シファー病院の状況が非常に困難なものに:何十人もの負傷者および死者が運ばれてきている。
同通信社の記者であるミケーレ・ジョルジョからのガザ市シファー病院からの報告:「状況は筆舌しがたいものとなっており、まるで地獄絵のようだ。現在、何十人もの負傷者ならびに爆弾によって体をバラバラに引き裂かれた死者の遺体が多数運ばれてきている。
新たな情報が次々に入ってきている。何百人単位の負傷者が発生していると言われており、救急車はひっきりなしに現場に向かっている。2名の消防隊員が市民に救援物資を配布している途中で攻撃を受け負傷している。
死者の中には2名の医療従事者も含まれている。また3名のハマス戦闘員の死亡も確認され、私自身も制服姿の3名の遺体をこの目で見た。」

9時45分:イスラエル陸軍による発表:夜間の攻撃によってパレスチナ人60名が死亡、地上戦開始以来、死者数は130名に達する。
イスラエル陸軍の発表によれば、地上戦が開始されて以来、この3日間でパレスチナ人死者数は少なくとも130名に上り、昨晩だけでも60名の死者が出たとしている。しかしパレスチナ医療関係者によれば、死者数はそれよりもはるかに多いとしている。

10時15分:保健省による発表:シュジャイヤ地区の一軒家の瓦礫の中から40名の遺体を収容。
 
10時30分:ガザからのビデオ映像「シファ病院の死者と負傷者の模様」(イル・マニフェスト紙およびネナ・ニュースの記者ミケーレ・ジョルジョ撮影)

10時40分:ハマスがシュジャイヤ地区の負傷者を収容するために2時間の停戦を求める。イスラエルはそれに応じず。
イスラエル情報サイト「YnetNews」および「ハアレツ誌」によれば、ハマスが赤十字社を通じてイスラエルに対し、シュジャイヤ地区の何十人もしくは何百人にも及ぶ負傷者を収容するため、また同地区の犠牲者の遺体を収容するために2時間の停戦を要求したという。
イスラエルはそういった要求があったことを認めたが、未だにそれに応じていない。犠牲者の中には報道レポーターKhalid Hamid、そして医療従事者Fuad Jabirが含まれている。

11時40分:世界中でデモが行なわれる。ロンドンでは2万人がデモに参加。イスラエル国内では許可無しにデモをすることを禁じている。
国際的な外交交渉において成果が何一つ出ない中、世界中の市民社会によってガザ支援デモが行なわれている。
ヨーロッパ各国ならびにアメリカ合衆国内において多数の市民が広場に繰り出し、無差別殺戮を止めるよう呼びかけている。ロンドンだけでも昨日2万人の市民がDowing Streetにある首相官邸前に集まり、そこからイスラエル大使館に向かって行進した。
一方でイスラエル警察は許可無しのデモを禁じると発表。これはイスラエルの市民社会において少数派の意見を抑圧する方針である。
 
11時50分:ハマスによる発表「イスラエルは国際赤十字社によって提案された3時間の停戦を拒否した。」
ハマスのスポークスマンであるサミ・アブー・ズフリによれば、ガザ北部にいる負傷者および公道に放置されている犠牲者らの遺体を収容するために、イスラム運動および赤十字社がイスラエルに対し3時間の停戦を提案したものの、イスラエルはそれを拒否したという。
また彼は空爆下にある地域 へ救急車が立ち入ることをイスラエル陸軍が阻止していると付け加えた。
「イスラエルの占領政策はまさに戦争犯罪であることを示しており、その事実を彼らは国際社会に隠そうとしている。」イスラエル陸軍はコメントを発表していない。
 
12時20分:NGO《ヴェント・ディ・テッラ》「ベドゥインの子どもたちの学校《Umm Al Nasser》が壊滅的な打撃を被った。」
イタリアのNGO《ヴェント・ディ・テッラ》によれば、当団体およびArCoに所属する建築士らが2010年ガザ地区北部に設立したベドゥイン の子どもたちのための学校《Umm Al Nasser》にイスラエル軍が爆撃を加えたという。
当学校の建物は壊滅的な打撃を受けた。(リンク先にこちらの学校の爆撃を受ける前の写真が掲載されています)

12時30分:イスラエル陸軍がエレズ検問所付近に野戦病院を設置。
イスラエル陸軍の発表によれば、エレズ検問所付近にパレスチナ人負傷者のための野戦病院を開設するとしている。しかしこれらの負傷者がどういった経緯で傷を負ったのか、また無差別爆撃が続く中、負傷者達がどのようにして当病院に向かうことができるのかについての説明はない。

12時40分:イスラエルがシュジャイヤ地区に対する二時間の戦闘中断を受け入れる。
イスラエルは赤十字によって提案されたシュジャイヤ地区に対する二時間の戦闘中断に応じた。この停戦はイタリア時間12時30分から14時30分まで。

13時25分:同通信社記者ミケーレ・ジョルジョ「シュジャイヤ地区は地獄絵のようだ。救急車ならびにジャーナリストに対して怒りがぶつけられる。イスラエル軍ミサイルがそれほど離れてない場所に投下している。」
同通信ならびにマニフェスト誌の記者であるミケーレ・ジョルジョが「ここシュジャイヤ地区は地獄絵の様相を見せている。救急車はひっきりなしに行き交かっている。大勢の人々が白い布に包まれた遺体を外に運び出している。
人々はジャーナリストや救急車に対し怒りを表している。なぜなら、現場にすぐに駆けつけることができなかったからだ。一人の男性が空に向けて銃声を響かせている。何十軒もの住宅が破壊され、人々は2時間の停戦を利用して避難している。
ここからそれほど遠くは慣れていない場所でイスラエル軍による爆撃が聞こえた。パニック状態となり、人々は叫びながら逃げて行った。」

13時35分:イスラエルはハマスがロケット弾を発射したと非難し、停戦発効後からわずか一時間経った時点で爆撃を再開する。
イスラエル軍は二時間の停戦発効からわずか一時間しか経っていない時点で、ハマスが停戦を破りイスラエル軍に対して発砲したと非難して、シュジャイヤ地区に対する爆撃を再開する。
 
14時00分:アル=ブレイジ難民キャンプで4名の死者。

14時20分:ハマスのスポークスマン「抵抗する以外に我々には選択肢がない。」
ハマスのスポークスマンであるファウジ・バルホウムはアル=ジャジーラのインタビューに対し、イスラム運動はこのような状況下において抵抗する以外、他に選択肢を持たない。
我々はシュジャイヤ地区やガザだけを守っているのではなく、占領下におかれたすべての地区を守っているのだ。」
  
14時25分:イタリア時間夜8時にイスラエルの安全保障に関する会議が開かれる。
イスラエル首相ネタニヤフはガザに対する軍事作戦について議論するため、イタリア時間夜20時に安全保障に関する会議を新たに招集した。

14時30分:イスラエル軍による攻撃を受けた赤新月社の救急車の写真。パレスチナ保健省による情報:少なくとも410名が死亡。ハマスは「戦争犯罪」と非難する。

15時:イスラエル1チャンネル放送「地上戦開始以来、ベエール・シェヴァのソロカ病院に50名のイスラエル兵士が収容された。」

15時05分:カタールがハマスの要求を国際社会へ提示する。
カタール情報筋がロイターに語った内容によれば、「カタールはハマスからの要求を国際社会に向けて紹介した。カタール政府は連絡役としてのみ役割を果たすつもりであり、ハマスによる要求を変更するようイスラム運動に対して働きかけることはしない。」

15時30分:フィガロ誌「シュジャイヤ地区での戦闘でイスラエル兵士15名が死亡」と発表。
フランスの日刊紙「フィガロ」によれば、ガザのシュジャイヤ地区でパレスチナ人武装勢力との戦闘によって15名のイスラエル兵士が死亡したという。
ガザ地区に対するイスラエル空軍による爆撃が続いている。つい先ほど、ガザ市中心部にあるブルジ・フィラスティン地区が攻撃を受けた。
ラマッラーおよびジェニンではガザ地区に対するイスラエル軍による攻撃に反対するデモが行なわれている。エジプトのカイロでもガザ連帯の抗議集会が開かれ、参加者達は報道労働組合のある建物の外に集まった。

15時45分:イスラエル10チャンネル「イスラエル南部の都市から住民が退避している」と放送。
イスラエル10チャンネル放送によれば、ガザ地区との国境付近にあるイスラエルの都市は地上戦のために大半の住民が避難しているという。
アメリカ国務長官ジョン・ケリーは先ほど同大統領オバマから、中東に向かいエジプトによって提案された停戦を実現させるよう要請を受けたと発表した。「重要なのは、停戦が人々の命を救うことになるとハマスが理解することである。」

16時20分:アル=マヤディーンTV「今朝以降、殺害されたパレスチナ人の数は62名に上る。」と発表。
 
16時40分:死者数は425名に達し、そのうち子どもの犠牲者数は112名、負傷者は3008名に上っている。
ガザ地区保健省は先ほど、イスラエル軍事作戦「境界防護」開始以来、殺害されたパレスチナ人の数は425名に上ると発表。そのうち、112名が子どもたちで、41名が女性、25名が高齢者である。
そして負傷者は3008名に達している。今日だけでも犠牲者の数は89名に上り、そのうち60名がガザ地区東部のシュジャイヤ地区の犠牲者である。
イスラエルの10チャンネル放送によれば、今朝からイスラエル領内に向けて発射されたロケット弾の数は70発に上るという。そのうちの9発はベエル・シェーバ地区(5発)およびネティヴォット地区(4発)に向けて発射された。
ガザのシュジャイヤ地区で起きた虐殺に関して、アブー・アリ・ムスタファ旅団(パレスチナ解放を求める人民戦線の武装勢力)のスポークスマンであるアブー・ジャマルは「敵であるシオニストは大量虐殺によって我々を脅かそうとするが、それは不可能である。」と語った。

17時00分:ユーロ・ミッド人権オブサーバー「避難民は13万5000人に上り、《キャスト・レッド作戦》の時よりも劣悪な状況である」と発表。
ジュネーブにあるユーロ・ミッド人権オブザーバーによれば、13日間におよぶイスラエル軍事作戦によって、13万5000人を超えるパレスチナ人が自宅 を離れることを余儀なくされた。これらの人々の半数は国連パレスチナ難民救済事業機関(Unrwa)が維持する複数の学校に避難しており、その他の多くの人々は親戚や友人の家に身を寄せている。昨日だけでもイスラエル軍は756回にわたる空爆を行ない、6589回におよぶ爆撃を繰り広げ、そのうち 3121 回は空軍によるもの、1545回は海軍、1923回は砲兵隊による攻撃である。
  
17時30分:今晩ガザで13名のイスラエル兵士が死亡。
イスラエル軍は今朝から流布していた情報が事実であることを認めた。昨晩ハマス民兵とゴラニ旅団の兵士達との間で戦闘があり、同旅団の兵士13 名が死亡したという情報である。これは長年において、一日当たりのイスラエル兵士犠牲者数の中で最も多い数字である。地上戦が開始されて以来、イスラエル兵士の死者数は18名に上っている。

18時30分:イスラエル軍が「トンネルを破壊した。そのうちの3つはイスラエル領内に入り込んでいた」と発表。参謀長官は「今のところ満足のいく結果を得ている」と発言。
「ガザの幾つかの地域での戦闘行為は複雑であり、困難を伴っている。」とイスラエル参謀長官のベンニー・ガンツがガザとの国境沿いで開かれた記者会見で発言した。
「しかし兵士たちは作戦を遂行するための強い意志を持っている。勿論、戦場では犠牲者が出ているが、我々は使命を有しているのだ。現在までの成果は非常に満足の行くものとなっている。我々の最終的な目的を果たすまで作戦を続行するつもりである。」
非常に多くのパレスチナ人犠牲者が出ていることに関して質問を受けたガンツは「シュジャイヤ地区の住民達は自分達がハマスによる犠牲者なのだと知るべきである。負傷した女性や子どもたちの姿を目にするのは残念だ。」と答えた。

18時45分:アラブ連合が「シュジャイヤ地区に対する攻撃は戦争犯罪である」と発表。

19時:レマル地区でパレスチナ人8名が死亡。死者数は435名に達する。
ガザ市西部のレマル地区の住宅に向けて発射されたイスラエル軍ミサイルによって8名のパレスチナ人が死亡する。殺害されたパレスチナ人の数は435名に達し(今日だけで97名が死亡)、3000人を超える負傷者が出ている。

19時30分:死亡したイスラエル兵士13名のうち、2名はアメリカ市民権所有者。ネタニヤフ「正当な攻撃である。私達が続行するつもりだ」と発言。
イスラエル軍が先ほど発表した内容によれば、この数時間ガザで死亡したイスラエル兵士13名のうち、2名はアメリカ市民権所有者だという。ネタニヤフ首相は官房会議の直前、ガザに対する攻撃は「正当なもの」であり、「必要がある限り」続行すると発言した。
 
20時30分:国連事務総長バン・キ・ムーン「イスラエルは戦闘行為を自制するべきである。」イスラエル軍はガザ地区北部の住民に対し「壊滅的な爆撃を加えるため一帯から避難するように」と警告する。
ガザの紛争について議論するためカタールを訪れていた国連事務総長はこの紛争の「残忍さ」を避難し、またイスラエルに対し「自制するよう」求めた。
一方、イスラエル軍はアタトラ、ベイト・ハヌーン、イズバット・アベッド・ラッボー地区の住民に対し、「壊滅的な爆撃を加えるため自宅から即刻避難するように」という警告を発した。

21時:今日だけで100名のパレスチナ人死者、そのうち66名はシュジャイヤ地区への空爆による犠牲者。死者数は437名に上り、ガザ地区の複数の病院は虚脱状態に陥っている。 

21時45分:アッバス議長「私達の統一を今一度強く宣言する。イスラエルによる犯罪行為を止める時がやって来た。」
オバマ米大統領からネタニヤフ・イスラエル首相へ「ガザ市民の犠牲者数が非常に多いこと、ならびにイスラエル兵士の間に犠牲者が出たことに懸念を抱いている。」
ドーハで国連事務総長バン・キ・ムーンと会談を終えたパレスチナ自治政府アッバス議長は「停戦および検問所の開放、シャリット兵士の解放に伴って釈放された政治的囚人らの解放(編集註:3名のイスラエル入植者の失踪後、これらの囚人達は再び逮捕されている)を強く求める。私達の統一を今一度強く宣言する。イスラエルによる犯罪行為を止める時がやって来た。」と話した。
さらにアッバス議長はシュジャイヤ地区で起きた虐殺に関する緊急会議を国連安全保障理事会内で行なうよう求めた。
一方、トルコ首相レチェップ・ タイップ・エルドガンは今日国連に対し、「イスラエルによる攻撃を非難せず、またイスラエルと共にガザ市民の流血の惨事の責任を負っている」と批判し、 「イスラエルによる犯罪とヒトラーによる犯罪」との違いは全く見られないと発表した。
その後エルドガン首相は国連安全保障理事会が「再編成されるべきであり、また 一部の勢力による支配権から解放されるべきだ」と発言した。
(出典:ネナ・ニュース、文責:石山奈緒)
- See more at: http://nena-news.it/gaza-e-linferno-shajaiye-decine-morti-palestinesi-uccisi-numerosi-soldati-israeliani/#sthash.HMdN0ZjI.dpuf

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明日に向けて(898)戦争の責任は全面的にイスラエルにある。ハマースは真の休戦(封鎖解除)を求めている

2014年07月25日 18時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140725 18:00)

イスラエルによる蛮行が依然続いています。本日25日午前5時50分発のNHKの報道では、これまでのガザ地区の死者は784人におよび、ユニセフが少なくとも181人の子どもが含まれると指摘していると伝えています。
イスラエル軍は「タガ」が外れたように攻撃を激化させており、24日には住民の避難所となっていた国連機関の学校を攻撃し、16人を殺害、200人にけがを負わせています。
NHKのインタビューに応じた国連で人道問題を担当するエイモス事務次長は「ガザ地区ではこの2日間、1時間に1人のペースで子どもが犠牲になっていて悲惨な状況にある」と述べたそうです。
一刻も早く、イスラエル軍の攻撃を止めさせる必要があります。

ただしこの攻撃には現在のようなむき出しの暴力と、ガザの封鎖による強烈な締め付けと言う見えにくい暴力の2つがあります。後者が構造的暴力です。この双方の暴力をイスラエルがやめることが必要です。国際法上も人道上もけして許されないことだからです。
この点で、イスラエル寄りのエジプトが示した停戦案をはマースが飲み込まないのは当然ですが、よりしっかりと押さえておきたいのは、より妥当な停戦案を示しているのはハマースの方だということです。ガザの封鎖という構造的暴力の停止をも求めているのです。
イスラエルはこれを拒否しています。にもかかわらずマスメディアでは何かしらハマースが停戦を拒んでいるかのような報道が繰り返されています。大きな間違いです。

京都の岡真理さんが、この重要ポイントにまつわる情報を繰り返し提供してくれています。大事な内容ですのでみなさんでシェアするために転載したいと思います。

*****

岡真理です。

ケリー国務長官がエジプト入りし、エジプトが提案した停戦案(封鎖緩和については停戦後に協議)を受け入れるよう、ハマースに迫っています。
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2014/07/kerry-urges-hamas-accept-gaza
-truce-offer-2014722144142289653.html

日本の主流メディアの報道ぶりを見ていると、ハマースが停戦を受け入れないことが、パレスチナ人・イスラエル人双方の死者の拡大を招いており、700人を超えるパレスチナ人が犠牲になっているのはハマースの責任であるかのような印象を抱いてしまいます。
問題の根源には、ガザの封鎖と占領という問題があるわけですが、日本の主流メディアは、ガザが47年にわたり国際法上違法な占領下にあり、また8年にわたり国際法上違法な封鎖下にあり、占領と封鎖により住民がその基本的人権をことごとく否定されているという事実をほとんどまったく報道していません。
そのため、ハマースが封鎖の解除を停戦の絶対的な条件として掲げ、これが受け入れられない限り、停戦を受託しないという姿勢を、ハマースが身勝手な要求を掲げて妥協しないために、パレスチナ人市民が犠牲になっているかのような誤った印象を広めることに貢献しています。
しかし、ハマースは先のエジプトによる停戦案を拒否した直後、10年間の休戦協定をイスラエルに提案しています。以下の10の条件をイスラエルが受け入れるならば、10年間の休戦協定を結ぶと提案しているのです。

10年間の休戦協定のための10の条件
http://mondoweiss.net/2014/07/report-israel-conditions.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1)ガザとの境界からイスラエルの戦車が撤退すること。
境界線に沿って内側300メートルから1,5キロに及ぶ区域(ガザ全土の35%、全可耕地の85%)をイスラエルはパレスチナ人のアクセス禁止区域としており、立ち入った者は発砲されます。
戦車の撤退は、ガザのパレスチナ人が自分たちの領土内で、命の危険を伴わずに安全に農業を行うために必要なことです。

2)3人の少年殺害後に逮捕された囚人すべてを釈放すること。
6月、イスラエル人少年3人が誘拐されたあと、イスラエル政府は、少年らが誘拐直後に殺害され、その容疑者も特定できていたにもかかわらず、その情報を隠匿し、少年たちを捜索するための軍事作戦を展開し、数百名を逮捕、その過程で9名を殺害しています。これは、西岸のハマース・メンバーを再逮捕することが目的でした。

3)封鎖を解除し、境界の検問所を商業および人間に開放すること。
物資の自由な搬入・搬出、人間の自由な移動が禁じられているために、ガザの人々は「生きながらの死」をこの8年間、生きています。

4)国連の監督のもと、国際用の港と国際空港を創り機能させること。
日本のODAで建設されたガザ空港は破壊され、ローマの遺跡のような廃墟となっています。

5)出漁範囲を10キロまで認めること。
オスロ合意で認められたガザの領海は20海里でありながら、出漁は3~6海里に制限され、それを超える出漁は発砲や拿捕、漁船の没収に遭います。そのため、ガザの漁師の多くが漁をすることができません。

6)ラファ検問所を国際化し、国連およびアラブ諸国の監督下におくこと。
現在、エジプト側の時の権力のご都合しだいで、ラファハは閉鎖されています。

7)境界に国際軍をおくこと。

8)アル=アクサーモスクでの礼拝許可の条件緩和。

9)ファタハとハマースの和解合意にイスラエルが介入することの禁止
今回のイスラエルによる攻撃の目的は、ファタハとハマースが和解に合意し、統一政府を発足させたことを脅威とするイスラエルが、これを切り崩すことでした。

10)工業地区の再建およびガザ地区における経済開発の改善。
ガザは占領が始まった直後から一貫して、その経済開発を妨げる、「反開発(Dedevelopment)」政策がイスラエルによってとられてきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10の条件とは一言で言えば「封鎖の解除」です。
社会が社会としてまっとうに機能し、そこで、住民が人間らしく暮らすために必要なものです。
「封鎖」自体が国際法上違法な暴力であり、私たちの人権概念に照らして、許されるものではありません。先にお送りした、ガザ市民社会の知識人らによる世界へのメッセージの中にもありましたように、封鎖とは「生きながらの死」であり、封鎖の解除は、ガザの人々すべての願いです。
ハマースの要求は、ガザのパレスチナ人にも人間らしく生きる権利を認めよ、人間としての尊厳を認めよ、平等な人間性を認めよ、という当然の要求です。

しかし、イスラエルはこれを無視しました。封鎖が解除され、10年間の休戦が実現することが、この地域の安定に大きく貢献することが明らかであるにもかかわらず、です。
ハマースの休戦協定案を報道せず、犠牲者の拡大は、エジプトの停戦案を受け入れようとしないハマースに責任があるかのような報道ぶりは、まったく偏っているとしか言いようがありません。
これ以上の死者を出さないためにエジプト提案の停戦(封鎖解除については停戦後協議)を受け入れろと迫るのは、一見、犠牲になる命を大切にしているように見えて、実は、すさまじく殺しておいて、これ以上、殺されたくなければ、封鎖の解除など四の五の言わずに、さっさと降参しろ、というヤクザの恫喝のように聞こえます。
(2012年の攻撃のときの停戦は封鎖緩和が条件でした。しかし、イスラエルはそれを履行しませんでした。停戦の条件ですら履行しない者が、いったん停戦した後に協議して実効性ある答えが得られるわけがないとハマースが考えるのは、無理からぬことです。)

PLOがハマース提案に対する支持を表明しましたので、封鎖の解除を条件とする停戦が前進するかもしれません。しかし、この停戦案をイスラエルが受け入れることは政治的敗北です。
地上戦にまで踏み込み、イスラエル兵側にも大きな犠牲を出した挙句、封鎖解除という政治的勝利まで勝ち取られたとあっては、ネタニヤフ首相の大失策になります。
そのため力でますますねじ伏せようとして、攻撃が激化するのではないかと心配です。

イスラエルに対し、「一刻も早く攻撃をやめろ」だけではなく、封鎖の解除、そして、ハマース提案の休戦協定案を受け入れろ、ということを、国際社会が――私たちのことです――声を大にして訴え、
もし、イスラエルがガザの違法な封鎖の継続を望み、ガザの人々を「生きながらの死」「緩慢な死」の状態にとどめおくことを臨んで、この休戦案を蹴るならば、そのようなイスラエルこそを弾劾し、制裁する必要があるのだと思います。

参考 http://mondoweiss.net/2014/07/deafening-silence-proposal.html


 

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明日に向けて(897)ガザ侵攻の背後にあるイスラエルの構造的暴力支配をこそやめさせなければ

2014年07月24日 23時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140724 23:00)

ここ数日、岡山県を周り、岡山市のあゆみ保育園と、瀬戸内市前島で行われている「せとうち交流プロジェクト」による福島の子どもたちの保養キャンプで講演してきました。
途中で10年来の友人宅にも泊めていただき、濃密で素晴らしい時間を過ごしてきました。
とくに前島ではたくさんの子どもたちと接することができました。講演会のあとには前島から瀬戸内を周遊するクルージングにも子どもたちや地域の方たちと一緒にいきました。
また夜には福島県の幾つかの地域から来ているお母さんたちと語りあうこともできて、感慨深い時間を過ごしてきました。

これらの報告はまた後日したいと思いますが、一方でパレスチナの地では、その間にもイスラエル軍によるガザ侵攻が続き、犠牲者が増えるばかりで心がざわつきっぱなしでもありました。
岡山でパソコンがうまくネットにつながらなかったため、iPhoneで情報収集はできるものの「明日に向けて」の発信ができず、伝えるべきことを伝えていないのではとやきもきもする思いも募りました。
そんな状態でしたから、クルージングの時も、目の前にいる福島の子どもたちを守りたい、子どもたちの心にこの夕日や島々の美しさが残って、何かの支えになってくれれば良いと思いつつ、
しかし「ああ、パレスチナで死んだ子はもう夕陽の美しさを見ることもできないのだ。ああ、パレスチナの子どもたちをあの戦場からこのクルージングに連れ出してあげられたら」と思えてきて心が乱れて困りました。

イスラエルは私たちの心の中にまで侵攻してきて、爆撃をしてきます。これに対抗し、心を守りつつ、戦場から遠く離れた私たちの場でこそできることを重ねていかなくてはなりません。
そのために今は、情報の把握、整理、発信や、この問題をいかにとらえるべきかの観点の整理を行いたいと思います。

まず私たちが行ってきたことについて記録を残しておきます。
遅い報告になってしまってすみませんが、先週の土曜日、19日、イスラエルの蛮行をなんとか止めたいと、ピースウオーク京都とつばめクラブの友人たちと京都市三条大橋の上でのピーススタンディングビジルを呼びかけたところ、わずか2日間の告知だったにもかかわらず、およそ120名もの人が集まってくださいました。
途中からの参加や途中までの参加もあり、また通りがかりの人がしばらく参加してくれる場合もありました。集団で歩いていた青年たちがプラカードをもって一緒に立ってくれることも。海外の方の飛び込みもありました。
正確な人数は把握しきれていません。ともあれ多くの胸を痛める人との共同行動ができました。ご参加いただいた方、ありがとうございました。

19日の行動が京都新聞に掲載されたのでご紹介します。

イスラエル軍のガザ攻撃に抗議 京都で犠牲者追悼
京都新聞 2014年7月20日
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140719000103

僕が現場からFacebookにあげたものも紹介しておきます。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203205981688689&set=pcb.10203205989288879&type=1&theater
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10203207199399131&set=pcb.10203207207839342&type=1&theater

イタリアでも紹介されました。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=10152630812710452&id=290463280451
7月24日22時34分現在で「いいね」1062人、「シェア」444件となっています。京都の声が各地に伝わったのだと思います。

またこのビジルを受けて、福島から京都に避難移住された宇野朗子さんが、イスラエル政府への手紙を起草し、1230名の連名で出してくださいました。僕も参加させていただきました。
この素晴らしい企画を「明日に向けて」でお知らせしたかったのですができませんでした。すみません。
https://www.facebook.com/events/674561272638171/?ref_notif_type=plan_mall_activity&source=29

世界の多くの国でこうした私たちの努力を何倍もするような素晴らしいデモも起こっています。

にもかかわらず先ほども述べたようにイスラエルの軍事侵攻は続いており、犠牲者は地上戦闘の始まったこの19日前ぐらいからむしろ急激に拡大しだしました。
侵攻を開始した17日には240人ぐらいだった死者がその後の7日間で3倍近くになり、本日24日14時58分投稿のAFP通信Nの報道では718人にもなってしまったと伝えられています。
急速な拡大です。その大半は市民です。子どももかなりの数が含まれています。

イスラエル首相のナタニヤフは20日夜のテレビ演説で「イスラエルがこの戦争を選んだのではない。ハマースに責任がある。長期戦になる可能性がある」と述べたそうですが、まったくの嘘です。
にもかかわらず、この点できちんとイスラエルを批判した報道があまりに少ない。そのことがあれほどのひどい行為を行っているイスラエルを有利にしています。この報道のもとでは、イスラエルがどんなにひどい殺戮を行おうと、その責任の一端が、ハマースの側にあるかのように見えてしまうからです。

19日の京都での行動では、事前に出町柳の「かぜのね」で岡真理さんの緊急講演会が行われ、岡さん作成のチラシを持ち込んで行ったのですが、この点も重要なことだったと思えます。
僕もこの講演に参加し、少し早めに会場を抜け出して三条大橋に向かいビジルの準備をしましたが、その分、より内容的に意味の深い行動ができたように思います。
岡さんのこの日の講演、とてもわかりやすかったのです。というより、これまで聞いてきたどの講演よりもストンと胸に落ちてきた。今更ながら「分かった」などということは申し訳ないのですが、何が問題の核心でかつ何が報道されていないのかがよく見えました。
重要な内容だったのでまとめたいと思うのですが、今日のところはポイントをまとめておきます。

私たちがふまえなければいけなのは、今、パレスチナで起こっていることは、1948年にヨーロッパのユダヤ人問題の解決のためにパレスチナの地にイスラエルの強制入植が始まって以来の構造的暴力の上にあるのだということです。
特にここ何年もガザの違法な封鎖が行われており、監獄化が強制される中で起こっていることです。パレスチナ全体がまったく違法、不当に占領され占拠され続けてきたのです。
人々の暮らしは目に見えない暴力によって圧迫され、危機にさらされ、抑圧され続けてきたのです。その中でハマースなどのやむにやまれぬ反撃も起こっているのであって、先に構造的に暴力を振るい続けているのはイスラエルなのです。
しかしこれまで世界の多くの国々がこの日常化された暴力を傍観してきました。イスラエルは国連の決議も繰り返し無視し、パレスチナへの軍事的支配を続けてきたのに、それをみすごすことでイスラエルの暴力に消極的にせよ加担してきたのです。
このことを見据えずに、ハマースのロケット弾攻撃をイスラエル軍の攻撃と対等な暴力であるかのようにとりあげるのはまったく正しくありません。それは戦争犯罪を繰り返すイスラエルを助けることにしかなりません。

にもかかわらず、この根本問題があまりに焦点化されず、報道もされていない。前提としてあるイスラエルによる構造的な暴力支配が、いわゆる「国際社会」から批判されないままに、パレスチナの人々が痛められ続けてきている。
パレスチナの人々からすれば継続的に暴力を受けているのに誰も助けてくれない理不尽さが長く続いているわけです。
岡さんは、だからパレスチナのことは、今回のようにイスラエル軍が大量殺戮をしたときだけ取り上げられるのではいけないのだと強調しました。今までも聞いてきた言葉ですが、今回はよりはっとくるものがありました。
そうです。私たちは今、イスラエル軍の侵攻と殺戮行為をやめさせるために努力していますが、それが止まれば終わりではないのです。
パレスチナの人々が構造的な暴力にさらされているありかたそのものに、終止符をうつべく努力しなければならない。そこまで私たちは歩まなくてはなりません。

今回このことが深く胸に落ちてきたのは、僕が福島原発事故以降、まさに日本政府による私たちへの構造的暴力と対決してきたからです。
今、私たちの国の中では、福島の人々、いや東日本の広範な人々が被曝生活を強制されています。レントゲン室の基準である放射線管理区域に相当し、どう考えたってそこで生活して安全などとは言えない多くの地域、地点に今なお人々が住まわされている。
そうして人々は、自国政府によって、ゆっくりと、時間をかけて殺されつつすらあるのです。しかしほとんどのメディアが、あるいは政党が、このことをきちんと取り上げてくれない。
こうした構造的暴力がまかり通っていることへの憤り、嘆き、呻きに囚われるとき、人は孤独を感じるのだと思います。このはっきりと可視化されてはいないけれど、しかし筋道を立てて考えれば分かることがどうして大勢に理解されないのかと身悶えしてしまいます。

パレスチナは、ようするにそういう状態におかれ続けてきたのです。そのことに触れないで、事態をイスラエル軍とハマースによる戦闘とだけ描くことは、イスラエルの不法占領に手を貸すことにしかならない。
繰り返しますが、非合法な状態を長らく続け、非人道的な行為を繰り返してきたのがイスラエルであり、その上に今回のような空襲や地上侵攻など、直接的な暴力が重ねられているのです。
こういう暴力が目の前にある限り、私たちは幸せになれません。こういう構造的暴力の存在を許していれば、いつしか私たちも同じ暴力を受けます。
いやすでに私たちはそれを受けています。パレスチナの人々があんなにひどい暴力をうけながら、助けることができない状態にこうして立ち会わさせられていること事態、私たちへの暴力でもあります。しかも黙っていたら共犯者にすらされてしまう。

その意味でイスラエルの暴力は私たち全体に向いています。パレスチナの問題を捉えるにはこの視点がとても重要です。
この世界は一握りの支配者による構造的暴力をもっての支配があちこちで行われています。そのもとで呻く全ての人々が手をつなぎあい、痛みをシェアしあい、そうして共に立ち上がり、支配者に立ち向かってこそ、暴力の連鎖を断ち切って、未来を切り開く可能性が生まれます。
だから今、私たちはイスラエルによる構造的暴力と同時に、大国やマスメディアによるその容認ともたたかなわなくてはならないし、何よりもそれが私たち自身に向けられている暴力でもあることを自覚して抵抗していかなくてはいけません。

パレスチナに真の解放を。正義と公正を。そして愛を。
それは私たちを解放し、正義と公正を各地に押し広げ、この世を愛でみたしていく道です。
私たちは私たちに振り向けられた暴力を跳ね除けるためにパレスチナを救わないといけない。
・・・思いつくことをなんでも重ねていきましょう。

 


 

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