守田です(20211027 20:00)
● 新自由主義の問題点を問わない「新しい資本主義」
岸田首相が26日に「新しい資本主義」の実現に向けた有識者会議の初会合を開きました。「成長と分配の好循環」などが掲げていますが、この日の会議でもう「分配より成長が先」と言い出しました。
26日の会議について報じる産経新聞
そもそもこの言葉、安倍元首相も何度も使っていたもの。「いつかあなたにも分配しますよ」と言いつつ、まったく実行しない詐欺のようなものでしかありません。
岸田首相の所信表明演説より ANN 20211008
安倍首相も何度も言っていた! MBS NEWSより 20211026
岸田首相が、是正が必要と述べた新自由主義は、それまでのあこぎで不公正な投機的儲けなどを食い止めてきたさまざまな規制を緩和=撤廃し、ひどい儲け主義を蔓延させたことに真骨頂があります。
例えばその一つが、労働者を正規に雇用せず、雇用の継続性や社会保障などからはじき出し、労働組合などに参加する団結権をも奪うことを可能にしたことなどです。
こうした「ぼったくり」構造にメスを入れずして是正などできません。この本質的な点を語らないところに、岸田首相が問題の是正など、本気で考えていないことが現れています。
自民・公明政権が続く限りこの構造は変わりません。野党共闘を少しでも伸ばすことから、変革の可能性を切り拓きましょう。
● バラ撒き政策と、グラス・スティーガル法と、規制「緩和」について知って下さい
「新しい資本主義」のやまかしをきちんとおさえるために、シリーズ4番目の動画をアップしました。
1929年にアメリカで起こった大恐慌と、そのもとで始まったバラ撒き政策(ケインズ主義)や投機的儲けに歯止めをかけたグラス・スティーガル法、そしてそれをビル・クリントンが大統領の時に「緩和」=撤廃してしまったことを述べました。
今回も5分でつかめるようにしています。ご覧下さい。
● 経済学者に騙されないために、経済学について、資本主義について学ぼう
「経済学を学ぶのは経済学者に騙されないため」・・・こういったのは、宇沢弘文先生の盟友だった経済学者のジョーン・ロビンソンさん。経済学者だけでなく政治家も繰り返し「騙し」を行っています。
岸田政権が掲げる「新しい資本主義」もその一つ。これをきちんと批判するために経済学的な知恵を学ぶ必要があります。
こうした観点からこの時期、「やさしい経済の話 社会的共通資本について」という講演内容を、単元ごとに短くまとめてアップしています。ぜひこれで見識を深めてください。
1、投資と投機について
新自由主義はあこぎな商売を横行させてきました。この点をつかむ近道として「投資」と「投機」の違いをおさえて下さい。
2、新自由主義とはなにか
新自由主義のひどさは、始祖であるミルトン・フリードマンの人となりにも表れています。この点についての宇沢弘文さんのお話を知って下さい。
3、資本主義とはなにか
新自由主義のベースとなっている現代資本主義は、「新古典派経済学」の上に依って立っています。これはどのようなものなのかおさえましょう。
4、やさしい経済の話 社会的共通資本とはなにか
より進んで、新自由主義について学び、さらに資本主義の限界と社会的共通資本のアイデアについて学ぶために、ぜひ全編をご覧下ください。
#バラ撒き政策 #グラススティーガル法 #規制緩和 #新しい資本主義 #新自由主義 #岸田首相 #新古典派経済学 #成長と分配の好循環 #社会的共通資本 #宇沢弘文
原発や放射線被曝の危険性の暴露、さらに経済や社会体制の問題、社会的共通資本に関するさまざまなことの取材・研究・執筆活動のためのカンパを訴えます。以下からお願いします。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
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守田です(20211026 09:00)
● 「特定重大事故等対処施設」はなかなか作らないのは、電力会社が「ムダ」だと分かっているから!
ここで重大な問題が浮かび上がってきます。なぜ「特定重大事故等対処施設」はただの一つの期限までに作られなかったのか。二度の猶予さえ破られたのか。
一つに考えられるのは、電力会社が黒字優先で、儲けにつながらない「安全施設」の建設をできるだけ延ばそうとしてきたこと。この際、規制委員会の「規制」などあってないようなものだと「なめきっている」こともこれを可能としました。
二つにより重要なのは、電力会社が「特定重大事故等対処施設」では「重大事故を防げない」としっかり認識していることです。だからそんなものに、労力もコストもかけたくないと思っていのです。
なぜって、まともに考察してみれば、重大事故=過酷事故とはもともと「想定外」の事故で、設計段階で設置された安全装置が次々突破された事態のこと。その「想定外を想定する」施設など、本来作りようがないからです。
そもそも福島原発事故そのものが、どんな経緯を辿ったのか、どこがどう壊れてどう放射能が漏れだしたのか、未だにほとんどつかめていません。教訓など抽出できり段階ではないのです。それで同じような事故が防げるわけがありません。
電力会社、とくに現場の人々は、十分にそのことを分かっているのです。だから「特定重大事故等対処施設」設置にまったくやる気が見られないし、現場から緊張感も失われている。「やっても無意味」なことがなされているからです。
関西電力ホームページの美浜原発に関する説明より 「テロ対策」といいつつたくさんの「過酷事故対策」を並べているが、どれも無駄だと分かっているからこそなかなか進めてこなかった
● 原発ゼロにしないと日本と世界が危ない
私たちは、「特定重大事故等対処施設」が10年近く経ってもきちんと作られて来なかったことに、電力会社が、福島原発事故の再来を防ぎようがないと熟知していることをこそ見てとらねばなりません。
この間、現場で他の社員のIDカードを使って、原発の中枢部に入る社員が出てしまったり、検知器が何年も壊れっぱなしだったり、緊急時作業員が無断で繰り返し外出していたりと、信じがたいことが頻発しているのもそのため。
現場はいま進めている対策のむなしさを熟知している。僕が繰り返し指摘していることも、当然、十二分に知っている。だからこそ、モラルも指揮も、低下しきってしまっているのです。
いやそれだけではありません。あれだけの事故を起こしながら東電に罰が与えられていない「悪い教訓」も重なっています。「どうせ深刻な事故を起こしても罰せられない」との思い込みも垣間見え、規制委もなめきっています。
だからこそ、原発ゼロに向かわないと、私たちは、日本は、世界は、大変危険です。
今回の選挙で少しでも脱原発派の力を大きくしましょう。野党議員に票を集中しましょう。
2011年3月6日に行われた愛知県豊橋市での「つながろう福島 なくそう原発 311追悼・東三河市民集会」でのパレード 日本共産党愛知県委員会HPより
● 特定重大事故等対処施設についてしっかり学ぼう
脱原発の声をさらに高めるために、マスコミが「テロ対策施設」などと報道してしまっている「特定重大事故等対処施設」についての、しっかりとした学びも深めましょう。
以下、2020年3月川内原発1号機が停まった時にリリースした解説動画をご紹介します。前回もご紹介しましたが、今回は三つのうちの一つというならこれ!というものをご紹介します。
【動画】もりもり解説 そもそもベントがある段階で原発はアウト 重大事故等対処施設などあってはならない
ご興味が沸いたら、以下の二つもご覧下さい。
【動画】もりもり解説 川内原発1号機停止について 実は新規制基準などいまだにきちんと適用されていない!
【動画】もりもり解説 特定重大事故等対処施設は「テロ対策」以前のもの できてないのは「テロ対策」以前のもの。各原発とも免震重要棟も出来ていない。
#美浜3号機 #特定重大事故等対処施設 #テロ対策施設 #新規制基準 #過酷事故 #原子力規制委員会 #規制委員会の規制は穴だらけ
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守田です(20211025 20:00)
● 美浜原発3号機停止の意味するもの
10月23時午後に、本年6月23日に人々の反対を押し切って再稼働が強行された老朽原発、美浜3号機が停まりました。
テロ対策施設=特定重大事故等対処施設の建設が、期限までに間に合わなかったらという理由です。関西電力は同施設を2022年10月までには完成させ、再稼働させたいと表明しています。
とても危険な美浜3号が止まったことで、その分、私たちの安全マージンは増えました。しかしこの日、美浜3号が停止したことに重大な意味があるのに、マスコミがまったく触れていません。残念です。
まずすぐに分かることは、6月23日の再稼働が「特定重大事故等対処施設」の完成抜きに行われていたことです。あまりに酷い。自ら唱える「安全対策」抜きに再稼働させたのです。
そもそもこの「特定重大事故等対処」を「テロ対策施設」と略するのは間違いであり、電力会社のごまかしに乗るものです。実際にはフィルターベントなど、テロ対策とはいえない重大事故(過酷事故)対策のものも含まれるからです。
福島原発事故を踏まえたとする「新規制基準」の下で、設置が義務付けられながら、あの事故から10年以上経過して、まだ設置が終わっていない。それで老朽原発が再稼働されたわけです。
美浜3号停止を報じるカンテレ 10月23日
● 原子力規制委員会の「規制」は穴だらけ
これまでも何度も述べてきましたが、「特定重大事故等対処施設」の設置期限は、規制委員会によって2013年7月とされながら、加圧水型原発に限って5年の猶予が設けられてしまったもの。大甘の規制の上に乗ったものです。
猶予を設けたのは、沸騰水型の福島原発とは違う形式の加圧水型原発を先に稼働させようとしたからでしょうが、どの電力会社も設置に後ろ向きで、2018年7月にもとても間に合わないことが事前に分かってしまいました。
すると2016年1月に規制委員会は、さらに「本体施設工事認可後5年」と設置期限を伸ばしてしまったのです。大甘の上に大甘を重ねたのでした。
このため川内・高浜が2020年3、5、8、10月まで、伊方が2021年3月まで、美浜が2021年10月まで、玄海・大飯が2022年8,9月まで、再度の猶予が与えられたのですが、なんと電力会社はこれすら守りませんでした。
それで昨年、次々と原発が停止し、関西電力は一時期原発ゼロになったのでしたが、ここに見られることは、電力会社が「特定重大事故等対処施設」建設に一貫して後ろ向きだったこと、規制委員会もまともに規制を行なわなかったことでした。
危険性がより高い老朽原発美浜3号機の稼働に際してさえ、関西電力はこの施設を完成させることなしに稼働に踏み切った。あまりにひどいです。
こんな状態で再稼働が続くのはとても危険です。しかし自民公明政権が続く限り、これまで繰り返されてきたこの状態が続くばかり。それがいつしか深刻な事故に結びつきます。
目下の選挙の中で、再度「原発を止めよ」の声を高めましょう。原発ゼロに向けて、市民と野党の共闘の力を伸ばしましょう。野党候補に票を集めましょう。
繰り返されてきた設置期間の延長 守田作成
● 特定重大事故等対処施設についてしっかり学ぼう
脱原発の声をさらに高めるために、マスコミが「テロ対策施設」などと報道してしまっている「特定重大事故等対処施設」についての、しっかりとした学びも深めましょう。
以下、2020年3月川内原発1号機が停まった時にリリースした解説動画をご紹介します。この三つを見れば問題点をバッチリ把握できます。ぜひご覧下さい。
(1)実は新規制基準などいまだにきちんと適用されていない!
【動画】もりもり解説 川内原発1号機停止について
(2)できてないのは「テロ対策」以前のもの。各原発とも免震重要棟も出来ていない。
【動画】もりもり解説 特定重大事故等対処施設は「テロ対策」以前のもの
(3)そもそも新規制基準は過酷事故を前提にしている。そんな運転は認められない!
【動画】もりもり解説 そもそもベントがある段階で原発はアウト 重大事故等対処施設などあってはならない
#美浜3号機 #特定重大事故等対処施設 #テロ対策施設 #新規制基準 #過酷事故 #原子力規制委員会 #規制委員会の規制は穴だらけ #過酷事故 #総選挙 #市民と野党の共闘
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守田です(20211023 23:30)
● 「分配のための成長を」というレトリックに騙されないために 動画「資本主義について」をご覧下さい
岸田首相が掲げる「新しい資本主義」は、中間層への分配を厚くするものだけれども、そのためには成長を強めなければと語られています。
ここに「新しい資本主義」のまやかしが見てとれます。なぜなら現代資本主義が依ってたつ「新古典派経済学」が、分配の公平性を無視しているからです。
この点をしっかりつかみ、これ以上、ひどい支配を許さないために、資本主義について、新古典派経済学について、学びを進めていくことが大切です。
今回もこの点を解説した短い動画を作りました。わずか5分で新古典派経済学のことが学べます。
● 新古典派経済学の3つの問題点
今回述べたのは新古典派経済学には大きく3つの問題点があることです。
1つにすべてを市場経済のもとで考えようとすること。市場とは私有化されたものを持ち寄る場であるため、全てのものを私有化されたものとして考えたり私有化しようとします。「水の民営化」などが典型例です。
ただし「民営化」という言葉は、公共財を「官から民に移す」というウソのレトリック。実際は「私営化」です。私営化してすべてを儲けにつなけようとすることに大きな特徴があります。
もう一つは市場の「調整機能」を万能化し、資本の移動が瞬時になされるような仮想に立っている点です。
パン屋が儲かるとパン屋が増える。そうすると儲けが減るのでパン屋が減りだし「適正」な数に落ち着く・・・というのが「調整機能」ですが、実際にはパン屋とて購入した機材がありすぐに違う業種に代われません。この点が無視されています。
さらに「最大多数の最大幸福」という考え方に立っており、総量だけ問題にしていて、分配のことを考えていません。
このため社会を常に「成長」、「GDP」などで評価し、分配のことなど考慮せず、どんなに経済格差が開いていても成長さえしていればそれでよしと考えるのです。このもとで不公平な分配を強めながら「成長」してきたのが資本主義です。
● 成長と分配の好循環というウソ
ここから見えてくるのは、岸田首相が語る「成長と分配の好循環の実現のための成長」というウソです。
そもそもいま人類は、有史以来、もっとも高い生産力を持っています。世界中の人々が生きていけるだけの物資を生み出す力はもう十二分にあります。それなにの貧困があるのは、一部の人々が資産を独占しているからです。
先にも見たように、もともと新古典派経済学は分配の平等性を問題にしておらず、一部の持てるものがますます富み、まっとうに働いている多くの人に正当な対価が渡っていない社会のあり方を肯定しています。
新自由主義は、この不公平性をせめても是正しようと設けられた「規制」を「緩和」し、ぼったくりを強めたものです。ならばぼったくられたものを取り戻すこと。分配の公平性を少しでも強めることが大事。それと「成長」などまったく関係ありません!
これ以上、成長しなくたって、貧困はなくせます。ぼったくられて独占された資産を分配するだけで、社会の多くの人々の困難が解決できます。
そのために民衆が政治的な力を持つことが大事。新しい資本主義のまやかしをしっかりと見破れる力も磨いていきましょう。
● 経済についての学びを深めよう
経済学を学ぶのは何のためか。かつてわが恩師・宇沢弘文先生の盟友だったジョーン・ロビンソンさんという経済学者がこう言いました。
「経済学を学ぶ目的は、経済学者に騙されないようにするため」。その通り。ぜひこの観点に立って一緒に学びを深め、「新しい資本主義」という岸田政権のまやかしを打ち破りましょう。
以下、バックナンバーをご紹介しておきます。
1、投資と投機について
新自由主義はあこぎな商売を横行させてきました。この点をつかむ近道として「投資」と「投機」の違いをおさえて下さい。
2、新自由主義とはなにか
新自由主義のひどさは、始祖であるミルトン・フリードマンの人となりにも表れています。この点についての宇沢弘文さんのお話を知って下さい。
3、やさしい経済の話 社会的共通資本とはなにか
より進んで、新自由主義について学び、さらに資本主義の限界と社会的共通資本のアイデアについて学ぶために、ぜひ全編をご覧下ください。
#新しい資本主義 #新自由主義 #岸田首相 #新古典派経済学 #成長と分配の好循環 #総選挙 #社会的共通資本 #ミルトンフリードマン #宇沢弘文 #民営化
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守田です(20211021 19:00)
● 「新しい資本主義」というまやかしを許さないために
総選挙に向けて資本主義をどう変えていくのかが一つの争点になっています。
岸田首相と自公与党は経済のあり方を「新しい資本主義」に変え、所得格差の拡大を是正して、中間層の所得を膨らませると言っています。しかしこれでは問題のはぐらかしにしかなりません。
新自由主義が作りだしてきたものは、格差拡大ばかりではありません。むしろあこぎな商売が横行してきたことこそ問題です。
なかでも新自由主義が強めてきたのは、投機的儲けを増やすことです。だから「カジノ資本主義」などとも呼ばれています。
でもそんなひどい商売が横行すると、市場が乱れ、恐慌などが起こります。だから1929年の世界恐慌のあと、さまざまな規制が作られたのですが、新自由主義それをどんどん解除してきました。「規制緩和」の名の下にです。
このもとでリーマンショックが起こり、世界経済が大打撃を受けました。その点で新自由主義の問題は、貧富の格差の拡大以上に、あこぎな商売が野放しにされている点にあります。
あらためなくてはならないのは、新自由主義の反道徳性、非人間性です。さしあたっては、解除されてきたさまざまな規制を戻さなくてはいけない。まっさきに多くの雇用を「正規雇用」に復活させることが必要です。
ただそれを進めれば良い社会になるのかというと、それだけでは足りない。
新自由主義のあまりの反道徳性を止めることが大事ですが、その上で、資本主義のもつ限界そのものの克服が目指されなければなりません。
● 投資と投機の違いに着目を
では新自由主義はどのようにあこぎなのか。この点を理解する近道は、「投資」と「投機」の違いを踏まえることです。
この点を分かりやすく解説した動画をご紹介します。
投資とは社会的事業のためにお金を投じること。たくさんのお金を集めて個人ではできない社会的に有用な事業を行うわけです。それで社会を潤ったら利益も得ていく。
これに対して投機は利ザヤだけを目的としています。株を買い、値が上がったらすぐに売って差額を儲けるのですが、この行為が横行すると、短期的に株価を上げることがだけが目指されるようになります。
事業の長期的展望など、顧みられなくなる。そもそも事業がどうなるかに関心などないのです。ただ利ザヤで儲けることだけが目的なのですから。
このような投機が強まるとひどい商売が横行します。リーマンショックのときには、本来元手がなくて住宅を買うことが出来ない人に資金が貸し付けられ、住宅が売られました。住宅の値が上り、ここに投資した会社の株価上昇が起きました。
しかしやがて住宅バブルが崩壊すると、もともと住宅を買う資金の無い人たちに売っていたので資金回収できずに崩壊が始まった。これが大きな連鎖を呼びました。なんやかんやとこのいかがわしい投資に多くの会社が連座していたからです。
要するに新自由主義はまもとな商売の中に博打を持ち込むようなもの。これを進める「投機屋」たちは、事業の崩壊が始まる前に株を売りぬいてもう違うところにいってしまう場合が多い。まっとうな商売が潰れて博打屋がのさばるのです。
このため新自由主義は、データ偽造なども不可避的に進めてしまいます。短期的に株価が上りさえすればいいからです。偽造が発覚し、会社の信用が落ちたときには、投機屋たちはもう株を売りぬいて違うところにいってしまっている。
だから新自由主義では嘘つきが幅をきかせ、正直者が退けられます。偽造、捏造が繰り返されていく。そう。あの安倍政権の下で行われたようにです。いやそもそも安倍政権のひどさも、新自由主義によるモラルの崩壊の中で深まったのです。
このあまりのあこぎさの取り締まり=規制強化に復帰しないと、新自由主義の名の下のひどい儲けは止められません。にもかかわらず、この点に岸田首相はまったく触れようとしない。それで「新しい資本主義」だなんてウソの繰り返しです。
● 新自由主義についてより深くつかもう
恩師・宇沢弘文先生ともに 2005年6月11日
新自由主義がどのようなものか、その創始者、ミルトン・フリードマンのひととなりにも色濃く表れています。
その点をわが恩師、宇沢弘文先生が説いた以下の動画もご覧下さい。(前回紹介したものです) これを観ても新自由主義の特性が良く分かります。
より進んで、新自由主義について学び、さらに資本主義の限界と社会的共通資本のアイデアについて学びたい方は、ぜひ全編をご覧下ください。
今回の選挙の過程で、新自由主義とは何か、さらに資本主義とは何かを、みんなできちんとつかんでいきましょう!
#新しい資本主義 #新自由主義 #岸田首相 #ミルトンフリードマン #宇沢弘文 #空売り #総選挙 #社会的共通資本 #リーマンショック
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守田です(20211020 11:00)
● いまこそ「新自由主義」とななにか、「資本主義」とはなにかの考察を深めよう
総選挙を前に、いや総裁選の過程から岸田新首相が「新しい資本主義」というフレーズを使い出しました。所信表明でこう語りました。
「新自由主義的な政策については、富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ、といった弊害が指摘されています。
世界では、健全な民主主義の中核である中間層を守り、気候変動などの地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資をしていく。そうした、新しい時代の資本主義経済を模索する動きが始まっています。」
なぜこれを言い出したのか。自ら述べているように、新自由主義のもとで経済的格差がどんどん開き、人々が苦しみにあえぐ中で、批判が高まっているからです。
では岸田首相は本気で新自由主義の克服を考えているでしょうか。どうみても真剣だとは思えません。そもそも「新自由主義とはなにか」をきちんと明らかにしていないし、それを強烈に推進してきた自公民政府の行いへの反省もないからです。
「変える必要がある」といいながら、それまでの問題点を掘り下げることも、責任の所在を問うこともしない。それで事態が変えられるはずなどありません。
「新しい資本主義」の実現目指す 就任後初の所信表明演説 TBS NEWS 20211008
● 新自由主義とは金儲け最優先の反道徳的な考え方
大事なのは新自由主義のどこがどう問題なのかを明らかにすること。このために今回はこれまで行ってきた講演の中から、この点について論じたものの切りだしを行うことにしました。
2019年2月23日に宇治市で市議会議員選挙に挑戦しようとしていた、佐々木まゆみさんが主催する井戸端カフェにお招きいただいて、話した時の動画の中からのピックアップです。(佐々木さんはその後、当選。市議として頑張っています)
講演全体のタイトルは「やさしい経済の話 社会的共通資本について」。今回はそこから「新自由主義とはなにか」について、創始者のミルトン・フリードマンの人となりを示す逸話を宇沢先生の話から紹介した部分を切り出しました。
この中で宇沢先生が、1965年にイギリスのポンドが切り下げられようとしていた時に、ミルトン・フリードマンが、「空売り」をしようとしていたことについて述べています。
動画の中で詳しく紹介しましたが、「空売り」とは元手を無しに、為替の差を利用して儲けを作りだす錬金術です。これを行うためにコンチネンタル・イリノイという銀行にいって英ポンド1万ポンドを借りだそうとしたのでした。
ところが「われわれは紳士だからそんなことをしない」と断られてしまいました。このことにフリードマンは激怒し、「資本主義のもとでは儲けられるときに儲けるのが紳士だ」と言い放ったそうです。
このように、もともとミルトン・フリードマンが広めた「新自由主義」とは、お金儲けを最優先し、そのためには社会的道徳や倫理観を壊すこともいとわない考え方です。
だから新自由主義に染まった社会ではモラル崩壊が起こり、社会的混乱が起きます。実は「紳士」だったはずのコンチネンタル・イリノイもその後、「投機的な儲け」に走って節度を失い、1985年に事実上、倒産してしまいました。
そんなインモラルなものを進めてきたのが、これまでの自民党公明党政権でした。真摯な反省がなければ転換などできようはずがありません。
なお動画全体についてもご紹介しておきます。
守田敏也講演「やさしい経済の話 社会的共通資本について」
続く
#新しい資本主義 #新自由主義 #岸田首相 #ミルトンフリードマン #宇沢弘文 #空売り #総選挙 #社会的共通資本
原発や放射線被曝の危険性の暴露、さらに経済や社会体制の問題、社会的共通資本に関するさまざまなことの取材・研究・執筆活動のためのカンパを訴えます。以下からお願いします。
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守田です(20211017 11:30)
● ”VOICE PROJECT 投票はあなたの声” に共感しました。
「ああいいなあ」と思った動画が流れています。
ぜひ紹介したくてシェアさせていただくことにしました。
以下、ご覧下さい。
それぞれの思いがこもったビデオです。出演者の人たち、裏方の人たちの息吹が伝わってきて、そこが良いなあと思いました。
なんというか、俳優さんたちが普通の個人、若者に戻って、等身大で語っているように感じました。
だからああ、「若い人たちがこう語るのって良いな」と思ったし、同時に「投票しても変わらない。自分たちに社会を変える力なんてない」と若い人たちに思わせてしまっている大人の責任もじんわり感じました。
新自由主義の「自己責任」プロパガンダのもと、正規雇用からはじき出され、社会保障を次々と奪われて苦境に立ちながら、「お前が苦しいのはお前の自己責任だ」と罵倒されているのが、実際の多くの若い人たちですものね。
「そりゃ投票する気になれんわ、社会を変えられるなんて思えんわ、それは僕らの責任だ」と僕は思い続けてきました。
そういう人たちがどうすれば自信を回復できるのか、コツコツと可能性を探り、言葉を紡いで来ました。
もっと一人一人の判断が尊重され、だから自信を回復してもらえると良いよなあと思いながら。
そんな中で、すいぶん苦労しながら一生懸命に作られたビデオとも聞いてもいるので、なおさらしっかり受け止めたいです。あ、若者ではない方も混じってますけどね(笑) うん。それもいいな。
けして「有名人」がその力で上から「投票しましょう」と教え諭しているのではなくて、いまのたくさんの人の等身大の声を代弁し、その中で「投票に行こうよ」と伝えてくれていているように感じて「いいな、広げたいな」と思いました。
出演されたみなさん、裏方で尽力されたみなさんに感謝します。
これ、ぜひみんなでどんどん広げましょう。
#拡散希望 #VOICEPLOJECT #投票はあなたの声 #投票に行こう
守田です(20211010 23:30)
● 今回は原潜と原発のこと、核燃料再処理の意味するものついて語り合いました
森川さんと守田のもりもり対談2回目「原爆と原発の関係について」の続きをお届けします。
ここで話されたことを2回にわたって書きだしています。
前回は「ウランの核分裂と原爆製造」と「プルトニウム原爆の製造」について説明しました。
今回は「原子力潜水艦から始まった核発電」と「核燃料再処理の意味するもの」についてです。
「もりもり対談」1回目もご紹介しておきます。
被爆問題とどう向き合っていくのか。コアな内容を語り合いました。紹介記事のアドレスも記しておきます。
明日に向けて(2057)被爆、被曝、被ばく、ヒバクについて考える(森川聖詩と守田敏也の「もりもり対談」を始めます!)
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/02ef7f7741b0f4afe886733f93b6b5c2
● 原子力潜水艦から始まった核発電
今回は、ウランの核分裂の発見から原爆が誕生したことに継ぐ話で、この過程で核発電=原発も生まれたことを解説しています。その際、原発はあくまで副産物だった点が大きなポイントです。
どういうことかというと、原子炉で核分裂連鎖反応を行うと大量のエネルギー=熱が発生するのです。これを冷ますにどうしたら良いか。あれこれ試される中で水が使用されました。
しかも水は「減速材」の役目も果たしました。原子炉の中の中性子が水の分子と当たることで速度を落とし、より次のウランに当たりやすくなるのです。その点でより効率的でしたが、しかし熱によって大量の蒸気が発生してしまう。
これを何かに使えないかということでタービンをかませ、発電することが考え出されたのですが、それも初めは核軍事体系の一部でした。潜水艦の動力として開発されたのだからです。
核戦争の当事者にとっては、相手がどこから核攻撃をしてくるのかをつかむのが重要です。先にそこを叩けば核攻撃を防げるからです。反対にどう隠された場から核攻撃を行うのかが重要になる。
ヒロシマ・ナガサキではアメリカ軍はB29から原爆を投下しましたが、しかし航空機は撃墜される可能性があるし、基地を叩かれる可能性があります。それでミサイル開発が進みましたが、ミサイルも発射基地を特定されたら叩かれてしまう。
それで注目されたのが潜水艦ですが、そうすると今度はできるだけ長く潜っていた方がいいことになる。燃料補給などのために浮上してきた時が見つかりやすいからです。燃料基地も攻撃を受けやすい。
長く潜っているためには、少量の燃料で長く航行できると良いし、しかも酸素を使わずに発電できれば酸素の補給もいらないので、より浮上をしなくてすむ。それで「原子力エンジン」が開発され、原潜が生まれたわけです。
民生用の原発は、そののちに核戦略への批判が高まる中で、「平和」という隠れ蓑のもとに登場してきたものにすぎないのです。
最初の原子力潜水艦ノーチラス号 1954年1月21日進水、1954年12月30日搭載原子炉初臨界 アメリカ国立公文書記録管理局の写真より
● 核燃料再処理の意味するもの
さてこのように核開発の歴史を観てくると、核兵器を持つためには、原子炉やウラン濃縮技術を持つとともに、再処理技術を持つことがとても重要であることが分かります。それがないとプルトニウムを得られないからです。
再処理の工程 原子力・エネルギー図面集より
このため核保有五大国は、その他の国に原発は認めても再処理技術を持つことを認めていません。実は唯一の例外として、この技術を持っているのが日本なのです。
その五大国や日本が、原発を輸出するときには、売却する相手国と「原子力協定」を結ばなければなりませんが、そこには「原発の技術を供与するけれどもこれを核開発に使ってはならない」という約束が書き込まれます。
それでも実は各国は、原発を持つことが核兵器を持つことの初めの一歩になるので、持ちたがる傾向にあるのです。軍事的緊張関係の中で強国たらんとしている国ほどそうです。
この点で特徴的だったのは日本とトルコの間の原子力協定でした。トルコのエルドアン首相が、再処理技術の供与を強く欲したからです。核技術体系として原発を求めたのです。
しかしそれでは原子力協定違反になります。それで協定には「両国が合意した場合は、再処理技術を供与する」と「玉虫色」の文言が書き込まれました。
トルコ・エルドアン首相と安倍総理大臣で原子力協定調印を合意 2013年5月3日 AFP通信
エルドアン首相は、それでトルコを、再処理技術を持ちうる国=核武装を可能にしつつある国と周辺国に見せることを可能にしようとしたのでしょう。
一方で、日本側は「両国が合意したらと書いてある。日本は合意しないので再処理技術を供与したことにならない」とうそぶき、ビジネスを進めたのですが、この一件は、原発が核兵器体系の一環であることを強く印象付けるものでした。
もっとも、結局、日本からは原発そのものが輸出できませんでした。トルコと日本の民衆の連携で、原発建設を食い止めてしまったからです。僕も食い止めに少し寄与することができて嬉しかったです。
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守田です(20211007 23:30)
● 原爆と原発の関係性について語り合いました
森川さんと守田のもりもり対談の2回目ができましたのでお届けします。
今回は原発がもともと原爆製造装置から生まれてきたことについて話し合いました。
原爆と原発の基礎が分かります!まずは動画をご覧下さい。
ここで話されたことを2回にわたって書きだします。
前半は「ウランの核分裂と原爆製造」と「プルトニウム原爆の製造」。
後半は「原子力潜水艦から始まった核発電」と「核燃料再処理の意味するもの」です。
広島・長崎原爆のレプリカ ニューメキシコ州ニュークリア博物館にて 守田撮影
● ウランの核分裂と原爆製造
もともと「原子力」はウランが核分裂することが発見されたことから始まります。
中性子が当たると核分裂するとともに、新たに中性子が飛び出して核分裂の連鎖反応が起こり、すごいエネルギーが出ます。これを応用したのが原爆であり、原発です。
原爆の場合は一気に核分裂連鎖反応が起こされて大爆発が生み出され、原発ではゆっくりとした連鎖が続けられますが、どちらでも死の灰(放射性ヨウ素やセシウム、ストロンチウムなど多様な放射性物質)も大量に出ます。
原子力百科事典 ATOMICAより
この時、重要なポイントとなることは、地中に埋まっているウランのうち、核分裂するウランはほんのわずか、0.72%しかないことです。(動画では間違えて0.6%と語ってます。お恥ずかしい。正しい値をテロップで入れてあります)
これでは核分裂の連鎖反応を起こせない。それで濃度を高めます。「ウラン濃縮」です。これを繰り返して純度を限りなく上げて製造したのが広島型原爆(リトルボーイ)です。
広島原爆のレプリカ ニューメキシコ州ロスアラモスのブラッドバリー博物館にて 守田撮影
ウランの核分裂を利用するためには、核分裂の連鎖を管理下で起こせる装置が必要ですが、そのために作られたのが「原子炉」です。原子炉の中で核分裂の連鎖が持続する状態を「臨界」と言います。
この際、原子炉の中にはウラン235と238の双方が入っていますが、核分裂しないウラン238(99.2475%)にも中性子が当たって重要な変化が起きます。中性子を取りこんだウランが、新たな核分裂性物質に変わるのです。
それがプルトニウム239です。正確にはウラン238+中性子→ウラン239→ネプツニウム239→プルトニウム239という過程を経ます。
ウラン238からプルトニウム239への変化 出典不明
● プルトニウム原爆の製造
炉内で生成したプルトニウム239は、ウランが詰められて核分裂連鎖反応が行われた核燃理棒の中に生れています。これを取り出すのが「再処理」という工程です。
プルトニウム239は他の死の灰もたくさん詰まった使用済み燃料と一緒に存在しているため、プルトニウム239を取り出す過程でどうしても他の死の灰も環境中に出てしまいます。
グリーンピース・ジャパンの「原子力安全・保安院」提出の資料も基づく説明では、1日に通常の原子炉が1年かけて放出する放射性物質を出してしまいます。大変な核汚染です。(通常の原発の汚染も深刻ですが桁違い)
https://web.archive.org/web/20110903202711/http://www.greenpeace.or.jp/campaign/nuclear/plutonium/rokkasho/20021122_shiryo_html
このようにプルトニウム239を再処理して取り出し、これを材料に作ったのがプルトニウム型原爆です。長崎で市民の大量虐殺に使われた爆弾です。
長崎原爆のレプリカ これもブラッドバリー博物館にて 守田撮影
形状の違いから広島型に「リトルボーイ」、長崎型に「ファットマン」というニックネームが付けられました。
ウランの場合は、大きく二つに分けて火薬の力で真中で合体させて核分裂させましたが、プルトニウムの場合は細かく分けて、球のように配置し、火薬で真中へと「爆縮」させて核分裂させました。
この際、プルトニウム爆弾を爆発させる方が難しいとのことで、1945年7月16日にアメリカのニューメキシコ州アラモゴードにあったトリニティサイトに実験的な核爆発が行われました。
現地の市民団体が作ったニューメキシコ州の地図 中央の黄色、オレンジの部分がトリニティサイト、その北にあるロスアラモスから火事で放射性物質を含む煙が流れたことが図示されている
このとき周辺住民が深刻に被曝しました。人類初の核爆弾による被爆者は、アラモゴード周辺で生まれたのです。もっともウラン採掘からプルトニウム製造、再処理の過程ですでに膨大な汚染が生じ、先住民族などが被曝していたのですが。
米軍はこのような過程を経て、さらにヒロシマ・ナガサキで核による人体実験を行い、その結果、プルトニウム原爆の方が安く製造できることをつかみ、その後はもっぱらプルトニウムが核兵器の材料の中心となりました。
続く
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