明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1031)放射線被曝隠し、被曝強制という暴力について学ぼう(矢ヶ崎さん講演会へのお誘い)

2015年01月31日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150131 23:30)

後藤健二さん、未だ解放されません。ヨルダンと「イスラム国」の間の交渉が難航していると言われていますが詳細は分かりません。
何とか後藤さんを私たちのもとにと思いますが、同時に私たちは今の事態の中で、暴力が支配する現代世界をしっかりとみすえ、平和な社会の創造の道を見つけ出していかなければならないと思います。
その際、大切なことは、現代の暴力の多くの局面においてアメリカが関与していることです。
とくに今のイラク周辺の混乱を振り返るとき、1990年に行われた湾岸戦争と、2003年からのイラク戦争による大量殺人と社会的秩序の根底的破壊を見過ごすことはできません。

僕は中東でアメリカが振るっている暴力と、原爆投下に始まる放射線被曝の強制と被曝の被害隠しは大きくつながっていると思います。
現在まで受け継がれている、放射線の人間に及ぼす影響の研究は、原爆投下に始まっています。広島、長崎の被爆者を対象にアメリカ軍が排他的に行ったものです。
アメリカ軍の目的は原爆の兵器としての殺傷能力を知るとともに、被曝の影響をできるだけ小さく見せることでした。
当時、すでに放射線の遺伝的影響への懸念から、核兵器は非人道的兵器であり、即刻使用を中止すべきだと言う見解が欧米の科学者から提出されていたからでした。アメリカは核戦略のために被曝を過小評価し、とくに内部被曝隠しを行いました。

その後、1950年代から原子力発電が登場してくるわけですが、これもそもそもは原爆を作る副産物としてできたものでした。
原爆を作るためにはまずウランの濃縮を行わなければなりません。その上で濃縮ウランを原子炉に入れて核分裂反応を起こし、燃えないウランからプルトニウムを作り出して原爆が製造されてきたのです。
(広島原爆だけはウランをきわめて高い濃度に濃縮して作られましたが、効率の問題から、以降はすべてプルトニウム型になりました。プルトニウム型である長崎原爆との比較の結果でしたが、この比較実験のため米軍は2個の原爆を日本に落としたのでした。)
当初、原子炉はこの目的のために「プルトニウム生産炉」と言われていました。いや原子力発電が始まって以降も、アメリカの核兵器生産のための原子炉は「プルトニウム生産炉」と呼ばれ続けました。

原子炉は核分裂を行う時高い熱を出すので排熱する必要がありましたが、やがてその熱の利用が目指され、発電につなげられました。これも当初は軍事目的での使用でした。具体的には潜水艦のエンジンへの適用でした。
米ソの核軍拡競争の中で両国が目指したのは、相手の核ミサイル発射サイトを先に叩く技術を開発をすることでした。
反対に相手にサイトを叩かれることを防ぐことも目指されました。そのためにはサイトが隠れながら常に移動していることが理想であり、海の深く潜ることのできる潜水艦に核ミサイルを搭載することが目指されたのでした。
潜水艦は浮上して給油するときに察知されてしまうため、できるだけ核ミサイルを搭載したものは長く潜っていられた方が良い。それで重量としては重油よりも少ないウラン燃料で動けるエンジンの開発が行わました。

アメリカが商業用の原子力発電に踏み切ったのは、1950年代に米ソが激しく行った核実験に対して、世界中で批判と反対の運動が起こったことを背景としていました。
とくにビキニ環礁での核実験による日本の漁船、第五福竜丸の被曝以降、日本の中で巻き起こった核実験反対の運動は広範な広がりを見せました。
アメリカはこの火を消すために「原子力の平和利用」を宣言。アメリカだけでなく、被爆国日本で原子力発電が使用されることを目指しました。
放射線被曝による恐怖感を打消すための格好の材料として、広島と長崎の被曝で苦しんできた日本への原発導入が目指されたのでした。

それだけではありませんでした。原子炉を回すためにはウランの濃縮が必要ですが、濃縮行程は極めて複雑で、莫大な設備が必要でした。
濃縮工場は度運転を停止してしまうと、再度、立ち上げるのに長い時間がかかってしまうため、何時、核戦争に突入するかもしれない状況下では、常時運転していることも望まれました。
しかし常に動いていると核兵器製造に必要な量をはるかに上回る濃縮ウランができてしまいます。
過剰生産された濃縮ウランの需要先が必要となり、その点からも原子力発電を広げることが必要だったのでした。その意味でも原子力発電は、核戦争体系の中に組み込まれていたのでした。

こうして商業的な発電が始まりましたが、原発は事故を起こさなくても常に少量の放射能漏れを起こしています。また構造上、かなりの被曝労働を不可避とします。大量の核廃棄物も出します。
放射能を撒き散らす原発そのものと、内部での被曝労働を社会に容認させるためには、なお一層、放射能の害を小さく見せておく必要がありました。
このような構造のもとに、アメリカが広島・長崎で極めて恣意的に行った被爆者調査によるデータがさらに加工を施され、被曝影響を小さく見せる科学の名をまとった粉飾が重ねられました。
被曝隠しのこの体系は、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告としてまとめられて、バージョンアップされてきました。

ICRP勧告は、放射線の障害をわずかな病に限定するとともに、被曝を具体的に捉えず抽象化し、平均化することで、とくに内部被曝の危険性を隠してきました。
また身体にあたった被曝線量がおよぼす身体へのダメージを導き出す計算式の中でも、単位のすり替えなどを行い、そのことで被曝が小さく見えるイメージ操作も行われてきました。
さらにスリーマイル島やチェルノブイリ原発事故に際しては、放射能の害よりも、それを怖がる「害」の方が大きいという宣伝が加えられました。
放射能被曝の過小評価と、「放射能を怖がるな」という大合唱は、福島原発事故以降にさらに強められ、今、直接に私たちを苦しめています。まさに暴力の体系です。

私たちはアメリカが直接に振るっている「戦争」という暴力と、核戦略の中で繰り返されてきた被曝という暴力が、一つに繋がっていることをしっかりと見据えておく必要があります。
そしてアメリカの暴力に伴う「騙し」のテクニックを暴いていく必要があります。そのためには例えば中東を観るときに、歴史を捉え返し、誰がもっとも過酷な暴力を振るってきたのか、現在の混乱がどこから作られてきたのかを観て行く必要があります。
同じように、被曝隠しが歴史的にどのように行われてきたのかをしっかりと把握していく必要がある。そのことで原爆投下以来、いまだ明らかにされていないアメリカの暴力を徹底批判していく必要があります。
このことは戦後70年を経て、原爆の被害を今までよりも鮮明に世界に明らかにすることであり、アメリカの長きにわたる暴力構造をつまびらかにすることでもあります。

ただしそのことで私たちはアメリカに暴力的に報復しようというのではありません。そんなこと、絶対にしてはならない。なぜからそれではアメリカの暴力思想に私たちが取り込まれることになってしまうからです。
私たちが行うべきなのは、放射線被害の実相を明らかにし、人類と共存できない核戦略と核エネルギーに最後通告を与え、核の時代を終わらせることです。
そのことでアメリカだけでなく、旧ソ連やイギリス、フランス、中国なども核兵器を持つことで染まってきた暴力思想を乗り越えることです。平和の時代を切り開くことです。
そこまでの射程を持ったものとして、私たちは放射線被曝の歴史を捉え返し、隠された真実を明らかにすることができると僕は思います。被曝の真実を明るみに出すことで、今、行われている戦争を止める展望も生み出せると僕は確信しています。

現在のところ、この領域でもっとも深い研究を進めているのは、琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬さんです。
矢ヶ崎さんが、被爆者の方たちが、自らの病が原爆による放射線由来であることを苦難の中から国に認めさせてきた原爆症認定訴訟への証人としての関わられたことがそのベースになっています。
隠された被曝を暴いてきた矢ヶ崎さんの研究成果を、3年前にインタビューによって岩波ブックレット『内部被曝』にまとめさせていただきましたが、今、矢ヶ崎さんはさらにその先に歩まれつつあります。
矢ヶ崎さんにこれまで明らかにしてきたことのまとめと、新たな批判点のポイントをお話いただく場を設けましたので、みなさんぜひご参加下さい。

2月7日滋賀県大津市の明日都浜大津と、2月8日京都市左京区の京都大学で講演を行います。ぜひ滋賀、京都近郊の方は、会場に足をお運びください。
どちらの会場でもネットでの中継も予定していますので、遠方の方は中継でご覧下さい。近づいたら詳細をお知らせします。
人類はもう本当に戦争、人殺しの連続の時代を終えて良いころです。すべての英知を使って戦争をなくし、恒久的平和を紡ぎ出しましょう。そのために腹の底から努力しましょう。
命を守り、平和を紡ぎ出し、愛を育むためにに、一緒に内部被曝について学ぶ場をシェアしていただけたらと思います。以下、集会案内を貼り付けます。

*****

2月7日(土) 滋賀県浜大津

2015年ネットワークあすのわ最初の企画としまして、岩波ブックレットの「内部被曝」でおなじみの矢ヶ克馬先生のお話会を浜大津でひらくことにしました。
矢ヶ先生は沖縄在住ですので、なかなか直接お話を聞く機会がありません。ぜひ、この機会に放射線の影響についてお聞きしたいと思います。

午前の部は昼食持ち寄りで矢ヶ先生、共著者の守田敏也さんを囲んで座談会形式に。
午後の部は矢ヶ先生の講演と守田さんとの対談で内部被曝についてじっくりお話していただきます。

みなさんも一緒に、放射能のこと、内部被曝のこと、学んでみませんか?

矢ヶ克馬先生お話会
内部被曝ってなあに?

日時:2015 年2月7日(土)
午前の部 11:00~12:30 昼食持ち寄り座談会
午後の部 13:00~14:30 矢ヶ先生お話会 
     14:30~16:00  矢ヶ先生&守田敏也さん対談+質疑応答

会場: 明日都浜大津 5階中会議室
    大津市浜大津四丁目1番1号  Tel  077-527-8351
*JR大津駅から徒歩約10分 京阪浜大津駅から陸橋を渡って徒歩 約1分
*明日都公共駐車場をご 利用の方は、駐車券を4階のふれあいプ ラザ受付までお持ち下さると、
駐車料金が1時間半無料になります。

参加費: 午前の部 ひとり300円(会場費として)
         午後の部 ひとり500円(会場費・資料代として) カンパもよろしくお願いします!

*午前の部にご参加の場合は昼食をお持ちください。
*午後の部の途中でお茶休憩を入れます。差し入れ大歓迎です!
*託児はありませんが、親子スペースを設けますのでお子さんもご一緒に参加していただけます。
*人数把握のため、下記ま で事前にお申し込みいただけるとありがたいです。

お問い合わせ・お申し込み 
E-mail:asunowa_kouenkai@yahoo.co.jp   TEL : 077-586-0623(暮らしを考える会)
主催: ネットワークあすのわ

***

2月8日(日)京都市左京区 京都大学

矢ヶさん講演会-隠されてきた内部被曝の危険性

福島原発事故から4年近くが経ちます。政府は放射能の害をとても小さく見積もり、危険地帯に人を呼び戻そうとしています。
しかし実際には関東・東北でさまざまな放射能被曝由来と思われる病気の発生が報告されており、危険性が隠されたまま被害が進んでいます。

こうした中で私たちが命を守っていくためには、内部被曝のメカニズムと危険性や、内部被曝の危険性が軽んじられてきたカラクリをしっかりと学ぶことが大切です。
矢ヶさんは原爆被爆者の病気が放射線由来であることの認定を求める「原爆症認定訴訟」への関わり以来、隠された被曝の現実を暴いてこられた内部被曝研究の第一人者です。
その矢ヶさんに内部被曝のメカニズムと危険性が隠されてきた歴史を解説してもらいます。
放射線防護のスタンダードを作り出している国際放射線防護委員会(ICRP)が被曝影響を軽く見せてきたレトリックについての最新の研究成果も教えていただきます。

講演の後、京都市で子どもを被ばくから守る活動に取り組んできた加藤あいさんと広海ロクローさんを交え、パネルディスカッションを行います。
分かりにくかったところを質問しながら内容を深め、お二人の活動についても語ってもらい、会場からの質疑も受けます。
コーディネーターは矢ヶさんと共に内部被曝の危険性を訴えてきた守田敏也さんです。
みなさん。ぜひ一緒に内部被曝について学び、すべての命を守る力を培いましょう!

日時 2月8日(日)午後1時開場 1時半開始
場所 京都大学吉田南4号館1階 4共11教室

講演 矢ヶ克馬(琉球大学名誉教授)
パネルディスカッション パネラー
矢ヶさんほか、加藤あいさん(日本共産党京都市会議員)
広海ロクローさん(ノンベクキッチン ホテヴィラ店主)
コーディネイター 守田敏也さん(フリーライター)

参加費1000円

主催 矢ヶさん講演会実行委員会 
代表:守田敏也(090-5015-5862)morita_sccrc@yahoo.co.jp

予約はいりません。
託児はありませんが子どもと親御さんが一緒に入れるスペースを作ります。
絵本など準備します。泣き声など気にせずに会場内でお話を聞いてください。


プロフィール
矢ヶ克馬
1943年生まれ。沖縄県在住。広島大学大学院理学研究科博士課程単位取得満期退学。理学博士。専攻は物理。琉球大学理学部教授、理学部長などを経て2009年3月定年退職。
2003年より原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言をする。
東日本大震災以降は、福島ほか、全国各地で講演している。2012年久保医療文化賞受賞。
著書に『隠された被曝』(新日本出版社)『力学入門(6版)』(裳華房)
共著に『内部被曝』(岩波ブックレット)がある。

加藤あい
1975年京都で生まれ育つ。京都市在住。日本共産党京都市会議員(3期)
福島原発事故時は市会議員として市に給食の放射線測定を要請するなど子どもたちを被ばくから守るために奔走。
現在、市会運営委員会理事、市会改革推進委員会副委員長、教育福祉委員。
佛教大学社会学部卒。家族は夫と娘、息子。

広海ロクロー
1965年生まれ。東京・北海道を経て1980年より京都市在住。
1992年より7回の渡米でウラン採掘による被害の実態を知り核サイクル反対の活動を始める。
福島原発事故後、安全な食べ物を提供したいと放射線測定器を備えた「NONベクレル食堂」を京都市岩倉に開店。
2014年、京都市三条猪熊に移って「ノンベクキッチン ホテヴィラ」開店。使用食材の測定数は700を超える。
音楽をこよなく愛し数々のイベントも手掛けてきた。家族は妻と息子、娘。

守田敏也
1959年生まれ、京都市在住。同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材を続け、社会的共通資本に関する研究を進めている。
ナラ枯れ問題に深く関わり、京都の大文字山害虫防除も実施。東日本大震災以降は、広くネットで情報を発信し、関西をはじめ被災地でも講演を続けている。
2014年はドイツ、ベラルーシ、トルコ、ポーランドでも講演。共著に『内部被曝』がある。

 

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明日に向けて(1030)沖縄辺野古新基地建設強行を止めよう!戦争と暴力のすべてに反対!

2015年01月30日 15時30分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150130 15:30)

後藤さんやヨルダン人パイロットの解放をめぐる事態はまだ大きな進展を見せていません。一刻も早く後藤さんが解放されることを祈るばかりです。
同時に今回の事件の背景になっている中東の紛争の真の解決を私たちは私たち自身のためにも求めて行く必要があります。
その時、私たちはやはり問題の根幹にあるのが「イラクが大量破壊兵器を持っているから」との理由で、実際にはそんなものを持っていなかったイラクに攻め込んだアメリカ軍、イギリス軍などに大きな責任があることを、もっと大きく主張していかなければならないと思います。

いやさらに歴史を遡れば、そもそもイラクの当時のフセイン政権が軍事大国となったのも、1979年に起こったイラン革命の周辺国への波及を恐れたアメリカがイラクを強く援助し、イラン・イラク戦争を惹き起こさせた中でのことでした。
そのイラクに1990年、アメリカは湾岸戦争を仕掛け、トマホーク(巡航ミサイル)などの最新兵器を大量に使用するとともに、大量の劣化ウラン弾をイラクにばらまき、甚大な被害を与えました。
しかもその後にイラクを禁輸措置で締め上げ、劣化ウラン弾の被害による子どもたちの白血病の蔓延などが起こっているのに、医療品までもがイラクが入手できない状態を作り出しました。アメリカは繰り返しイラクに手酷い暴力を振るってきたのです。

2003年からのイラク戦争は、湾岸戦争とその後の禁輸措置という暴力の上に重ねられた全面的侵略戦争でした。この時、「兵器の見本市」と言われるほどに、新たに開発されたたくさんの残酷な殺傷兵器が投入されました。
しかし戦争目的がCIA情報の「誤認」に基づくものであり、大量破壊兵器などはどこにもなく、何らの正義もなかったことは、今日、アメリカでもイギリスでも広く知られているのに、ブッシュ大統領をはじめ責任者が訴追されない不正義がまかり通っています。
そのアメリカが、沖縄で、新たな基地を辺野古に作ろうとしています。県民の絶対反対の大きな意志を踏みにじってです。こんなこと、絶対に許されてはなりません。私たちの平和の思いを踏みにじる基地建設強行に大きな反対の声を上げましょう!

米軍の沖縄基地は中東とも深くつながっています。アメリカ軍はヤンバルの森に中東を模した村を作り襲撃訓練を繰り返しているのです。沖縄で訓練した米軍兵士が中東に投入されています。
私たちはこの事実を重く受け止める必要があります。沖縄の米軍基地は、中東で行われている殺人の重要な出撃拠点なのです。
沖縄の人々はもうアメリカの戦争に沖縄の地が使われるのは嫌だと考えて、基地建設に反対しています。訓練施設のあるヤンバルの森でも、高江のヘリパット建設に反対した粘り強い運動が続けられています。

ところがこの沖縄の思いを踏みにじって、日本政府が、アメリカの手先となって基地建設を強行しています。これに対して沖縄では保革一体となった基地建設反対運動が前進し、昨年、知事選で基地反対を明確に掲げた翁長さんが勝利を収めました。
その後の総選挙でも、すべての選挙区で基地反対候補が勝利しました。本土ではまだどこでも実現されていない、戦争を止めるための保革共闘が成り立った素晴らしい選挙戦でした。
にもかかわらず安倍政権は、これだけの沖縄の民意のあらわれを強行に押しつぶそうとして、辺野古の海での工事の強行に踏み切っています。あたかも中東で「イスラム国との戦いを支援する」と宣言したことにタイアップするようにです。

そもそもまったく間違った、正義性などまったくない、つまり侵略と殺害のための戦争でしかなかった「イラク戦争」を全面的に支持したのも自民党政府でした。
すぐさま鮮明な支持を表明したのは小泉元首相でした。そのとき官房副長官と自民党幹事長を務めて、小泉政権のイラク戦争協力を支えたのが今の安倍首相でした。当時の自民党政権には、非道な戦争をバックアップした重大な責任があります。
にもかかわらず、安倍首相は、イラクでの大量殺人への加担の倫理的呵責もなく、アメリカへの協力を続け、今、沖縄県民の抵抗に対して暴力で襲い掛かっているのです。

僕はその意味で、安倍首相がますますアメリカの大義なき戦争への協力にのめり込み、中東の人々をますます敵に回しつつあることと、辺野古での基地建設の強行は大きくつながっていると思います。
だから私たちは沖縄の人々と熱く連帯し、辺野古の基地建設を何としても食い止めることから、世界の人々に平和の思いを身をもって発信し続けようではありませんか!
ともに米軍基地建設反対、アメリカの戦争反対!日本政府のアメリカの戦争協力反対!「IAM NOT ABE」と叫ぼうではありませんか。

僕の住む京都では、力強い沖縄連帯の運動が取り組まれています。1月27日、28日にはこの間の基地建設工事強行に反対する緊急情宣が行われました。
今日は金曜日。夕方5時から京都駅前の関西電力京都支社前で、恒例の原発反対、再稼働反対金曜行動が取り組まれますが、その前の午後4時から、京都タワー前での辺野古基地建設反対行動が呼びかけられています。僕もぎりぎりになりそうですが駆けつけるつもりです。
”I AM KENJI””IAM NOT ABE””NO! US Bases in Okinawa”などのプラカードを作って持って行きます。沖縄基地建設反対を、まさに今この時に世界に発信したいです。

以下、28日に行われた京都三条京阪で配られた緊急抗議のビラの内容を転載しておきます!

*****

緊急抗議!!

辺野古新基地建設強行中止せよ!!!
この暴挙許すな!沖縄県民の声を聞け!
安倍政権の暴走が民主主義を破壊している!

辺野古のブルーの海を守れ

安倍(暴走)政治は、沖縄県民の明白な民意を無視して沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設を進めています。
昨年11月の沖縄県知事選挙で辺野古新基地建設反対の民意によって選ばれた翁長新知事は、26日、辺野古沿岸の埋め立て承認を検証する第3者委員会の発足を発表。検証が終了するまで作業を自粛するよう、防衛局に要請しました。
それをあざ笑うように、沖縄防衛局は27日、大浦湾側のキャンプ・シュワブ沿岸部で、クレーンや海底掘削用の支柱2本の付いた大型スパット台船を使った作業を始めたのです。深場の12か所でボーリング調査が残っており、そのための海上での準備に入ったとみられます。
大型スパット台船やその他、複数の作業船が27日午前7時前から、シュワブ沿岸に停泊しているのが確認され、海岸にはコンクリートブロックが並んでいます。
新基地建設に反対する住民はカヌーや船に乗って、現場海域に近づき、抗議しています。
要請の翌日の大がかりな作業開始に県民の怒りは強まるばかりです。辺野古のブルーの海は一度壊されたら元に戻りません!

沖縄の人々の血のにじむような民意を無視し、私たちの血税を使い米軍基地を造る・・・民主主義の崩壊をあわらにしたこの暴挙。
命の源「美ら海」を埋め立てて、人殺しの基地建設を進めるのか!絶対に止めましょう!
沖縄の怒りは増大している。新基地建設許すな!
京都からは、防衛局への抗議行動と併せて、街頭宣伝をしていきます。どうぞ、ご参加下さい。 
 

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明日に向けて(1029)後藤さんの解放の可能性はあります!「解放」を呼びかける緊急ライブなどの拡散を!(下)

2015年01月30日 02時00分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150130 02:00)

後藤健二さんの「解放」を呼びかける緊急ライブ後半の文字起こしを行います。ジャーナリスト3人と、イラクに医療援助をされてきたNGOの方が発言されています。
なお末尾に再び声明拡散、署名協力などを貼り付けておきます。

***

後藤健二さんの「解放」を呼びかける緊急ライブ
ourplanet 投稿日時: 水, 01/28/2015 - 05:43
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1881

Emergency Live Stream Calling for the Release of Kenji Goto
A group of journalists and NGO staff is having an emergency live stream calling for the release of Kenji Goto to deliver video messages to the Islamic State and the Government of Japan, from 7PM on January 28th.

(They spoke in Japanese. Next it was interpreted into Arabic.Please inform to the Arabic area of this video.)

1月28日(水)19時から、「イスラム国」に対し、ジャーナリストの後藤建二さんの「解放」を呼びかける緊急ライブ中継を行います。後藤さんの友人やイラク戦争を取材したジャーナリストらの有志が集まり、ビデオメッセージを届けます。
出演:豊田直己(フォトジャーナリスト)、綿井健陽(ビデオジャーナリスト)、古居 みずえ(フォト・ジャーナリスト、映画監督)山本宗補(フォトジャーナリスト)、川上泰徳(ジャーナリスト)、佐藤真紀(JIM-ネット(イラク医療支援ネットワーク)
日本語・アラビア語通訳が入ります。
主催:JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)
協力:OurPlanetTV

***

古居 みずえ(ジャーナリスト)

古居みずえです。ジャーナリストです。
先ほどからニュースが流れていますが、このニュースが本当であることを願っています。

私は後藤健二さんを直接は知りません。ですが1990年代に後藤さんが仕事を始められて間もなくだったかもしれないのですが、アフリカの少年兵の取材をされたことがあります。
その時、私もアフリカのウガンダの少年兵の取材をしておりました。同じテーマで場所は違いますがやっておられたということ、また彼の作品を観まして、とても誠実な方でいい仕事をされている方と拝見しました。
その後、私はパレスチナの取材を続けて、彼はアフガニスタンやイラクなどの取材を続けておられて、私は彼に会うということはなかったわけです。

彼は紛争地の子どもたちをテーマにその後取材を続けておられて、私も同じ、女性や子どもたちをテーマとして取材を続けていました。
ということで本当に他人ごとだとは思えませんでした。それで私はJVJAの仲間たちがこういう呼びかけをするということで参加しました。
彼は世界で最もひどい紛争が起こっているところで、最も苦しんでいる人のところに行きます。そういった人はなかなか、フリーであれ、既成のメディアであれ、そういったところに行く人はなかなかいないと思います。そしてそういう仕事をする人もなかなかいないと思います。

勇気のある、そして才能のある後藤さんを失うことは絶対にできません。無事に帰ってきてくださることを祈っています。
ありがとうございました。

***

山本宗補(フォトジャーナリスト)

このアラビア語放送を聞いているみなさん。フォトジャーナリストの山本宗補と言います。
私は後藤さんと同じような職業のフォトジャーナリスト、フリーランスでやってきました。
後藤さんほど危険な戦下で取材したことはありませんが、これまでパレスチナ、イラク、アフガニスタン、数少ない取材経験があります。

私は後藤健二さんの無事の解放をみなさんにお願いします。
後藤健二さんがこれまで取材し、日本でいろんなメディアを使って報道されてきたものを観るとですね、後藤さんの視点というのは本当に大国の戦火で、そして内戦で翻弄される一般の人々、子どもたち、女性たちだと思います。
私も数少ない中東の取材の中で、後藤さんの視点が、やはりもっとも日本で伝えなければいけないものだと強く感じてきました。

それゆえ今回の安倍首相のカイロ、エルサレムの声明に私は強く反対します。
日本では非常に多くの人々が後藤健二さんの解放を願いつつ、そして安倍首相の中東での発言、おかしいではないかという声が上がっていて、後藤健二さんの解放を願いつつ、今、日本国内で非常に分かりやすい、強いメッセージが発信されつつあります。
(パソコンの画面で人々が”I am not Abe"というメッセージボードを掲げている写真を提示)

この放送を観ておられるみなさん。日本の非常に多くの人が、これは三日前に撮影した写真ですけれども、非常に多くの人が”I am not Abe"という強いメッセージを発信しています。
どうかこの放送を観ているみなさん。後藤健二さんの無事の解放にお力をお貸しください。
ありがとうございました。

***

川上泰徳(ジャーナリスト・自分で日本語とアラビア語で発言)

ジャーナリストの川上です。私は20年以上、中東でジャーナリストとして活動してきました。日本でのジャーナリズムというのは人々の利益のために働くということです。
それから私たちジャーナリストと言うのは民衆の橋のために、共通の理解のために働いてきました。
今、私はこの機会に私のメッセージをイスラム国の人たちに送りたいと思います。

イスラム国の指導者のみなさんへ。後藤さんを殺さないでください。
後藤さんはジャーナリストとして常に民衆の側に立って、それもアラブ世界と中東で民衆の側に立って、彼らが直面する難しさ、困難さ、貧困や戦争や社会的不公平から来る困難さに耳を傾けてきました。
あなたたちが日本政府の政策の責任を後藤さんの上に置くならばそれは大きな間違いです。
後藤さんは勇気を持ってイスラム国に入り、戦争の下にある人々の本当の生活を見るために出かけて行きました。

後藤さんは長い間、ジャーナリストとしての仕事を中東で行い、彼の努力によって日本の民衆は、あなたたちの民衆がどのような状況に置かれているか、何が起こっているかを知ることができます。
もし後藤さんが失われるなら、それは私たち日本の民衆にとってとても大きな損失です。
それは彼が中東の民衆とのつなぎ目であるからです。本当のつなぎ目です。そして彼が失われるならばあなたたちの民衆にとっても大きな損失になるはずです。

私は日本の民衆としてあなたたちが後藤さんを殺さないで、解放して私たちのもとに返してくれることを望みます。
それがなるべく早い時期に実現することを祈っています。

***

佐藤真紀(JIM-ネット(イラク医療支援ネットワーク)

こんばんは。JIM-ネットの佐藤と申します。私たちの団体はイラクへの医療支援を行ってきました。
それはアメリカ軍が使った劣化ウラン弾という兵器がありまして、多くの子どもたちが小児がんで苦しんでいます。
そういう活動、支援を私たちはずっと行ってきて後藤さんとお会いしました。

後藤さんはメディアなのですけれども、私たちと一緒に支援もやってくれて、本当に一緒に頑張ってくれました。
私たちとは立場が違うのですけれども、彼らが現地から持ってくる情報ですね、それを私たちが利用して支援活動に生かします。
このような協力関係を10年間、僕たちはやって来ました。

戦争で苦しんでいる子どもたち、女性、そして病気で苦しんでいる人たち、そういった人たちへの支援が必要なのです。
後藤さんの本を今日は持ってきました。彼はこういう本を書いています。『ダイアモンドより平和がほしい』というアフリカの話なのですけれども、世界の子どもたちが平和を求めています。
そして人道支援が必要です。後藤さんが戻ってくることを求めています。
ありがとうございました。

***

野田雅也(フォトジャーナリスト)

私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会のジャーナリストはですね、常に市民の側に立ち、市民に寄り添って、市民のために報道することを私たちの仕事、モットーとしてこれまで続けてきました。
歴史からみても暴力は常に憎しみの連鎖しか生み出しません。現在、イスラム国上空で空爆が起きていることも私は知っています。

もちろん人の命はイラクにおいてもシリアにおいてもイスラム国においてもそして日本においても、同じ価値を持つ大切な命です。
私たちは後藤さんが無事に日本に帰ってくることを祈っています。実際に後藤さんの顔を私たちの眼で見てですね、「お帰り」という声をかけてあげたい。

私たちは後藤さんの無事の釈放を願っています。同時に多くの日本人すべての人たちが後藤さんが無事に帰国することを祈っています。どうか無事に釈放してください。
このメッセージがどうかイスラム国の人に届くことを祈ってこの中継を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

***

 後藤健二さんの解放を求める緊急声明
 http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm

 ヨルダン国民と国王にヨルダン空軍パイロットと後藤さんを救うための嘆願署名
 https://www.change.org/p/his-majesty-king-abdullah-ii-of-jordan-and-the-good-people-of-the-kingdom-of-jordan-we-humbly-request-your-majesty-king-abdullah-ii-of-jordan-and-the-good-people-of-the-kingdom-of-jordan-to-do-your-utmost-to-help-with-the-saving-the-life-of-1st-lt-mu?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default

 日本からイスラム国へのメッセージ: イスラム国により人質となった日本人ジャーナリスト、後藤健二さんの友人たちより
 https://www.change.org/p/respected-leaders-of-the-muslim-faith-persuade-the-islamic-state-to-release-two-japanese-hostages?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default

 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会JVJAの「IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明」への賛同を求める署名
 https://www.change.org/p/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E5%8D%94%E4%BC%9Ajvja%E3%81%AE-is-%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%BD-%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E4%BA%BA%E8%B3%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A3%B0%E6%98%8E-%E3%81%AB%E8%B3%9B%E5%90%8C%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-no_src-reason_msg

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明日に向けて(1028)後藤さんの解放の可能性はあります!「解放」を呼びかける緊急ライブなどの拡散を!(上)

2015年01月29日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

明日に向けて(1028)後藤さんの解放の可能性はあります!「解放」を呼びかける緊急ライブなどの拡散を!(上)

守田です。(20150129 23:00)

後藤さんとヨルダン人パイロットの解放交渉がヨルダン政府とイスラム国を中心に行われています。
イスラム国側は、現地時間の本日29日日没(日本時間深夜)までに、ヨルダン政府が拘束中の女性の解放をするように求めています。
情報は入れ乱れています。昨日の夕方、交渉がまとまったかのような報道が中東方面から流れましたが、ヨルダン政府も日本政府も認めていません。
しかし交渉が行われているのは間違いのないことです。初めてビデオが流された時の感じからすると、少なくとも今、解放の可能性があることは間違いありません。

だからこそ、日本政府とは違った立場で、平和を愛し、中東の人々のおかれた悲惨な状態を報道してきた後藤さんを解放して欲しいという声を、「イスラム国」にも届く形で私たちが発し続ける必要があります。
そのためのうってつけの緊急ライブをジャーナリストの方たちが行ってくれました。
日本語で話してからすぐにアラビア語への通訳を流すという形で、それぞれ中東取材の第一線で自ら死の危険性をくぐり抜けて取材してきたジャーナリストたちが重要なメッセージを発してくれています。

非常に説得力がありますので、ぜひJVJAが出している声明の拡散協力と同時に、このライブの拡散をお願いします。とくにアラビア語圏の方に回して下さい。
6人のジャーナリストが話していますが、このうち野田さん、豊田さん、綿井さんの発言を文字起こししましたので、それも添付しておきます。なお野田さんはJVJAを代表して発言されています。
この中でとくに豊田さんの発言に僕は深く共感しました。彼が、そして私たちが後藤さんの命だけでなく、すべての人の命を救うために行動していることを打ち出して下さっているからです。僕もまったく同じように思うし、このことを伝えかつ自分たちにも繰り返し言い聞かせていくことが最も大事だと思います。

動画を観る時間のない方は、文字で発言を確認して下さい。そのために文字起こししましたが、時間がないので3人分を先に発信し、あとから残りの3人分も発信します。
なお司会と放映にはOurPlanetTVの白石草さんが活躍して下さっていますが、情報を短く早く伝えるため司会部分は割愛させていただきました。

添えられている英文は緊急ライブの説明文ですが、これに僕が英文を付け加えておきました。カッコでくくった部分です。
僕が加えた内容は「この方たちは日本語で話しました。次にアラビア語へ通訳されました。どうかこのビデオをアラビア語圏に伝えて下さい」というものです。
この一文を添えることでアラビア語の通訳がなされていることが英語圏の方に伝わりますので、拡散の場合にはこの英文も添えて下さい。

なお末尾にJVJAの声明のアドレス、および今、継続されている署名の呼びかけも貼り付けておきます。
みなさん。さらに、一層、強く、声をあげましょう!

***

後藤健二さんの「解放」を呼びかける緊急ライブ
ourplanet 投稿日時: 水, 01/28/2015 - 05:43
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1881

Emergency Live Stream Calling for the Release of Kenji Goto
A group of journalists and NGO staff is having an emergency live stream calling for the release of Kenji Goto to deliver video messages to the Islamic State and the Government of Japan, from 7PM on January 28th.

(They spoke in Japanese. Next it was interpreted into Arabic.Please inform to the Arabic area of this video.)

1月28日(水)19時から、「イスラム国」に対し、ジャーナリストの後藤建二さんの「解放」を呼びかける緊急ライブ中継を行います。後藤さんの友人やイラク戦争を取材したジャーナリストらの有志が集まり、ビデオメッセージを届けます。概ね1時間半〜2時間程度を予定しています。
出演:豊田直己(フォトジャーナリスト)、綿井健陽(ビデオジャーナリスト)、古居 みずえ(フォト・ジャーナリスト、映画監督)山本宗補(フォトジャーナリスト)、川上泰徳(ジャーナリスト)、佐藤真紀(JIM-ネット(イラク医療支援ネットワーク)
日本語・アラビア語通訳が入ります。
主催:JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)
協力:OurPlanetTV

***

野田雅也(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)

こんにちは。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会の野田雅也です。

私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会はフリーランスのビデオジャーナリストとフォトジャーナリストの団体です。
1月20日に日本人人質事件に関するIS(イスラム国)の動画が公開されたことで私たちは一度、声明文を発表しました。
しかし残念ながら1月25日になってイスラム国から新たな画像と音声メッセージが届けられ、そこには拘束された日本人の一人、湯川さんが殺害されたと見られる遺体の写真を持つ後藤さんの画像が公開されました。
そこで私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会は、二回目の緊急声明を発表しました。この場を借りて中を読みたいと思います。

後藤健二さんの解放を求める緊急声明

私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)は、「IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明」で2人の解放を呼びかけてきましたが、湯川遥菜さんが殺害された可能性が高いことから、以下、緊急メッセージをイスラム国および日本政府に届けたいと思います。
1月24日にインターネットに投稿された湯川遥菜さんの遺体とみられる写真を持つ後藤健二さんの画像を見て、私たちは悔しさと残念さでいっぱいです。暴力では何も解決しないと声明を通じて訴え続けてきましたが、残念ながらその願いは踏みにじられました。
しかし私たちは、残された後藤健二さんの解放を求めて、引き続き訴え続けます。イスラム国と日本政府が真の交渉を行うことを求めます。公開された画像と音声メッセージによると、イスラム国は日本政府との交渉を呼びかけていますし、日本政府も人命を最優先すると明言しています。両者の非暴力による対話は、十分に可能なのです。
最後になりましたが、湯川遥菜さんが殺害されたことが事実であれば、ご冥福を祈ると同時に、彼の犠牲が最後となることを祈ります。また今も戦渦に直面するすべてのアラブの人たちが、苦難から解放されることを心より願います。

2015年1月25日 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 (JVJA)

1月28日19時30分現在ですが、伝えられているニュースによるとリシャウイ死刑囚と後藤さんの解放について合意という形で報道がなされています。しかしまだ状況は流動的でこの後どうなるか分かりませんが、私たち、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会は最後まで後藤さんの無事の解放を願って訴え続けていきたいと思います。

***
 
豊田直巳(フォトジャーナリスト)

私たちジャーナリストの役割は差別や暴力や差別が無くなる世の中を作ることだと思っています。
半世紀以上も暴力にさらされてきたパレスチナを取材してきたのはそのような暴力が無くなることを願ってのことでした。
イラク戦争中にバクダッドに留まって取材を続けたのも、アメリカ軍やイギリス軍の空爆の犠牲者を少しでも減らしたいと言う思いもありました。

そのようなジャーナリストの仲間の一人として後藤さんと私は付き合ってきました。
この一週間、後藤さんの解放に向けてアラブの人たちにいろいろとメッセージを発してきたのは、後藤さんの解放が、そのようなアラブの現在置かれている戦争の状況を少しでも改善することにつながるというふうにも思っているからです。
私たちは一つの象徴として後藤さんの解放を願いましたけれども、それは同時に、今、この瞬間も起こっているアラブでの戦争に対して、そういう暴力によっては問題が解決しないのだということを願っていると同時に、暴力よる解決ではないということも、後藤さんを解放することで示すというふうにも思っています。

私たちのJVJAのメッセージを届けるにあたってたくさんの人に協力してもらいました。何人ものイスラム教徒の人たちも協力してくれました。
私たちは信じています。一人一人はお互いに理解できるし、暴力を振るいあう必要がないということを。私たちは国家とはまた立場が違うところにいます。
後藤さんの解放は、おそらくイスラム国の願う平和にも通じると信じています。

後藤さんに再開したいと思うと同時に、暴力を排したところで、暴力を使わないところで、イスラム国の人ともぜひ出会いたいと思っています。
そのチャンスをください。

***

綿井健陽(ジャーナリスト・映画監督)

私は綿井健陽(わたいたけはる)と言います。ジャーナリストで映画監督をしています。
2003年のイラク戦争の開戦直前から最近までイラクの取材をしてきました。
後藤健二さんとはパキスタンやアフガニスタンで今まで何度か一緒に会ったり話をしたりしたことがあります。

世界中のみなさん。とくにアラビア語を話されるみなさんにお伝えしたいことがあります。
後藤健二さんは私たちジャーナリストの良き友人であります。
と同時に、この放送をご覧になっているすべてのみなさんの友人でもあります。

今、後藤健二さんのそばにいらっしゃる方へぜひともお願いがあります。
後藤健二さんの健康に、なんとか気をつけていただいて、ご配慮をお願いします。
そしてなるべく早い時期に後藤さんを解放してあげて、自由の身にしてあげてください。
後藤さんが無事に解放されるまで、ゆっくりとそして安全にことを進めていただきたいと思います。

この後の後藤さんの身体も心も大変疲れ切っていると思っていますので、解放された後も、世界中のみなさん、なんとか優しく見守っていただけませんでしょうか。
後藤さんがこれまで出あったすべての人たち、取材したすべての地域、国の人たち、世界中に後藤さんが願っていた平和が訪れますように、そして暴力行為がないように、私たちも願っております。
以上です。ありがとうございました。

***

 後藤健二さんの解放を求める緊急声明
 http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm

 ヨルダン国民と国王にヨルダン空軍パイロットと後藤さんを救うための嘆願署名
 https://www.change.org/p/his-majesty-king-abdullah-ii-of-jordan-and-the-good-people-of-the-kingdom-of-jordan-we-humbly-request-your-majesty-king-abdullah-ii-of-jordan-and-the-good-people-of-the-kingdom-of-jordan-to-do-your-utmost-to-help-with-the-saving-the-life-of-1st-lt-mu?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default

 日本からイスラム国へのメッセージ: イスラム国により人質となった日本人ジャーナリスト、後藤健二さんの友人たちより
 https://www.change.org/p/respected-leaders-of-the-muslim-faith-persuade-the-islamic-state-to-release-two-japanese-hostages?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default

 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会JVJAの「IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明」への賛同を求める署名
 https://www.change.org/p/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E5%8D%94%E4%BC%9Ajvja%E3%81%AE-is-%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%BD-%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E4%BA%BA%E8%B3%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A3%B0%E6%98%8E-%E3%81%AB%E8%B3%9B%E5%90%8C%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-no_src-reason_msg

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明日に向けて(1027)【重要】「イスラム国」内に後藤さん殺害反対の声も!声明拡散、署名等々を続けよう!

2015年01月28日 13時30分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150128 13:30 16:30追記)

後藤さん救出に向けて再び時間が限られてきていますが、1月26日付の東京新聞に注目すべき記事が載っていたので紹介します。

*****

 「イスラム国」内殺害反対の声も
 東京新聞2015年1月26日

 【カイロ=中村禎一郎】「イスラム国」のメンバーを名乗る人物が25日、交流サイト・フェイスブックを通じた本紙の取材に、組織内部にも後藤健二さんの殺害に反対する声があることを明らかにした。
 後藤さんは、シリア・アサド政権による「イスラム国」への激しい空爆が続く中でシリア北部アレッポの反体制派地域を何度も取材した経験を持つ。
 メンバーを名乗る人物は「自分は殺害に反対だ」と主張。「イスラム国」の内部に、後藤さんの取材活動をよく知るメンバーがいると指摘し「彼らは殺害に反対する意見を持っている」と説明。
 また、後藤さんが戦闘員として拘束されたわけではないことを理由に殺害に反対の声もあると強調した。

*****

これは極めて重要な記事です。「イスラム国」の中に後藤さんの取材内容をよく知っているメンバーがいて、殺害に反対しているというのです。中東で苦しむ人々に寄り添ってきた後藤さんの姿勢が伝わっているのです。
だとするならば、私たちが声を上げ続ければ、「イスラム国」内部でも後藤さん殺害反対の声がより強くなる可能性があります。いやそこにこそ望みをかけてできる限りのことをしましょう。

この間、行われている声明拡散、署名などを整理します。
まずもっとも有効なものとしてあるのが、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会が発している以下の声明です。ぜひこの拡散にご協力ください。

 後藤健二さんの解放を求める緊急声明
 http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm

なぜ有効性が高いのかと言うと、NHKをはじめ日本のマスコミ王手で繰り返し紹介されるとともにイラクでもオンエアされているからです。
またアラビア語のメッセージの冒頭に「あなたがたの上にアッラーの平安と慈愛がありますように」と読み手の側にとってとても大切な一文を入れています。これで読まれ方がずいぶん違うそうです。こうした点の配慮がなされているのも大切なことです。
再度、さまざまな手段を使っての拡散をお願いします。

Facebook上で、"I am Kenji"と書いたメッセージボードを持った写真を自分のタイムラインから発信することで後藤健二さんへの連帯を表明するムーブメントも世界に広がっており、ツイッターのアカウントもあります。
事態の緊急性に対応し、ここではヨルダン国民と国王に、ヨルダン空軍パイロットと後藤さんを救うための嘆願署名を行っています。短いので文面を掲載し、署名サイトのアドレスおよびサイト全体のアドレスとツイッターアカウントも記しておきます。

*****

 親愛なるアブドゥラ二世国王陛下
 ヨルダン国民の皆様

 ヨルダン空軍パイロット;ムアーツ・アルカサスベ中尉と日本人ジャーナリスト後藤健二氏救うための嘆願書をお届けします。
 この2人の命を救ってください。皆様の意志で2人を救うことができるのです。どうか政治的な事情を越えて二人の命を救ってください。
 イスラムの人々と日本人は友人です。どうか友人同士助けあってこの苦難を乗り越えましょう。
 https://www.change.org/p/his-majesty-king-abdullah-ii-of-jordan-and-the-good-people-of-the-kingdom-of-jordan-we-humbly-request-your-majesty-king-abdullah-ii-of-jordan-and-the-good-people-of-the-kingdom-of-jordan-to-do-your-utmost-to-help-with-the-saving-the-life-of-1st-lt-mu?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default

 I AM KENJI
 https://www.facebook.com/IAmKenjiGoto
 https://twitter.com/IAmKenji_Offic

*****

もう一つ、署名をご紹介します。「後藤さんの友人たちより」と題して書かれたもので、後藤さんの活動や人となりが紹介されています。こうした内容が何度も伝わることが大事です。

*****

 日本からイスラム国へのメッセージ: イスラム国により人質となった日本人ジャーナリスト、後藤健二さんの友人たちより
 https://www.change.org/p/respected-leaders-of-the-muslim-faith-persuade-the-islamic-state-to-release-two-japanese-hostages?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default

*****

以上、ご協力をお願いします。
なお僕は湯川遥菜さんがまだ生きていることにも一縷の望みをかけたいです。その場合、後藤さんを救う声は湯川さんの立場も・・・生きているのなら・・・有利にするはずです。
命を救う声、そしてまたあらゆる暴力と殺人に反対する声を発し続けましょう。

追記(16:30)

今宵(28日)夜、以下の行動があることをつかみました。東京方面の方はぜひご参加を!

*****

 

緊急アクション FREE KENJI!

 

 報道によると、「イスラム国」を名乗るグループが27日、
 後藤健二さんとみられる新たな画像をインターネット上で公開しました。

 

 後藤さんは「私には24時間しか残されていない」と述べ、
 日本政府に対しヨルダン政府に交渉することを求めました。

 

 私たちは後藤健二さんの解放を願って、このアクションを行います。
 思い思いのプラカード、バナー、キャンドルを持って、首相官邸前に集まります。

 

 是非、ご参加ください!

 

◆◇緊急アクションご案内◆◇
<日時>
2015年1月28日(水)19:00~

 

 <場所>
 首相官邸前

 

 <呼びかけ人>
 池田香代子(翻訳家)
 鎌田慧(ルポライター)
 香山リカ(精神科医)
 川崎哲(ピースボート)
 豊田直巳(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)
 森達也(映画監督・作家)

 

お問い合わせ
 ピースボート事務局(担当:室井)
 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1-B1
 TEL: 03-3363-7561 / 携帯:080-4345-2014 / FAX: 03-3363-7562

 

http://s.webry.info/sp/kawasakiakira.at.webry.info/201501/article_5.html

 

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明日に向けて(1026)「イスラム国」が新たな声明。24時間以内に回答せよと。後藤さんを救えの声を高めよう!

2015年01月28日 00時10分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150128 00:10)

眠れない夜です。たった今、「イスラム国」からあらなた声明が出されたとの報が入りました。
重要な内容なのでこれを報じた毎日新聞の記事を転載します。

***

 <「イスラム国」拘束>後藤さんの新たな静止画 ネットに
 毎日新聞 1月27日(火)23時37分配信
 http://mainichi.jp/select/news/20150128k0000m030127000c.html

 【カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に拘束されているジャーナリスト、後藤健二さん(47)の新たな静止画が27日、インターネット上に投稿された。
 英語の声の主は、ヨルダンで拘束されているサジダ・リシャウィ死刑囚を24時間以内に釈放しなければ、後藤さんとヨルダン軍パイロットの2人が殺害されると警告した。正確な声明発表の時刻は明らかではない。

 ISは24日、後藤さんとリシャウィ死刑囚の「捕虜交換」を要求する声明を出していた。日本政府はヨルダン政府と連携しながら対応策を検討している。
 リシャウィ死刑囚は、ISの前身組織のメンバーで、当時の最高指導者の側近の姉妹とされる。

***

日本政府に対して、「イスラム国」ときちんと交渉し、後藤さんの解放を実現することを心から訴えます。
ヨルダン政府もパイロットの命を守りたがっています。その点で両者の思いは一致しているはずです。

交渉を進めるにあたって安倍首相お得意の強気姿勢を取らないことを強く要請します。とくに「テロに屈しない」とばかり繰り返すのは大きなマイナスです。
この点で、中東研究家の宮田律さんの極めて重要な提言を転載します。事態の緊急性をかんがみて全文を掲載します。各方面からこうした内容を政府に届けましょう。

***

 イスラム国をめぐって 「テロ」という言葉の使用にもっと慎重であるべきだ
 宮田律 投稿日: 2015年01月21日 14時52分 JST THE HUFFINGTON POST
 http://www.huffingtonpost.jp/osamu-miyata/islamic-state_b_6513010.html?utm_hp_ref=japan

 イスラム武装集団の「イスラム国」は、72時間以内に2億ドルを払わなければ拘束している日本人2人を殺害すると予告するメッセージを動画サイトに投稿した。

 安倍首相は、イラクやシリアの難民支援などのために2億ドルを拠出することをエジプト訪問の際に明らかにしたが、それを受けての殺害予告だった。
 その後、首相が訪問したイスラエルは「イスラム国」などイスラムに訴える武装集団が一様に「敵」と見なしている国だが、安倍首相のイスラエルとのテロ対策協力や、ホロコースト記念館訪問などに「イスラム国」は非難する内容のメッセージを発していないことからもメッセージ映像はエジプト訪問を受けてつくられたものだろう。

 イスラム世界では、日本が米国との戦争に敗れても戦後目覚ましい発展を遂げたこと、日本の自動車、家電、カメラなどの精密機械など日本のテクノロジーへの篤い信頼がある。
 「日本人は頭のよい国民だ」という発言にはイスラム世界で数多く接する。

 そのイスラム世界の日本への感情が曇り、今回のように日本人が拘束され、身代金を要求されるようになった背景には、日本の「対テロ戦争」への協力がある。
 「対テロ戦争」の一貫として行われたイラク戦争はイラクが大量破壊兵器を保有しているということが開戦の口実であったが、その後大量破壊兵器は見つからず、イラクは政治的安定を一挙に失い、「イスラム国」の台頭など深い混迷の中にある。
 日本の政府関係者は「テロ」という言葉の使用についてもっと慎重であるべきだ。
 「テロに屈しない」「米国のテロとの戦いを支持する」などの発言は欧米諸国にとっては心地よく響くかもしれないが、「テロ」が「暴力」とするならば、イラク戦争やアフガニスタン戦争で「イスラム国」以上に市民の犠牲者をもたらしている。イスラエルと戦闘をするレバノンのヒズボラ、パレスチナのハマスやレバノンのヒズボラを、イスラエルのように「テロ集団」と考えるイスラム世界の人々はごくまれだろう。

 「テロ」という言葉を頻繁に用いること自体に日本が欧米諸国の軍事介入に一体となっている印象をイスラム世界の人々に与える危険性をはらんでいることを日本政府関係者たちは強く意識すべきだろう。
 米国のイスラム世界への軍事介入に協力することの危険性を今回の事件は示している。
 日本は国際社会の手前、公然と身代金の交渉に応ずることはできないだろうが、「イスラム国」と戦う他の武装集団や、イラク、シリア政府が、「イスラム国」と捕虜交換などの交渉をすることをうながし、その交渉課題の中に日本人人質の解放も含めることを提案することも、解放のための一つの手立てとなりうるだろう。

***

宮田さんの指摘する通りです!
「「テロ」が「暴力」とするならば、イラク戦争やアフガニスタン戦争で「イスラム国」以上に市民の犠牲者をもたらしている。」
まったくその通りなのです。そのイラク戦争やアフガニスタン戦争を全面的に支持し、イラク戦争では自衛隊まで出動させたがゆえに、今、日本は「十字軍の一員」と規定されてしまっているのです。
少なくとも現下の交渉において、この点を十二分に自覚し、相手の側も、アメリカの理不尽な戦争でたくさんの近親者を殺されてきた犠牲者でもあるのだということに留意すべきです。

その点で、国内においても論戦になるとまったく相手の指摘に応えることをせず、違った論理をとうとうと述べたり、逆切れしたりする安倍首相の態度では、まとまる可能性のある交渉もダメになってしまいます。
自民党のみなさん。官僚のみなさん。どうか対話不能の安倍首相の言動を諫め、身のある交渉を進めて下さい。

みなさん。とにかくできることを続けましょう。思い思いにアピールを行ってください。
そのどれかが「イスラム国」に届き、ここで後藤さんを殺害するのは不利だ、あるいは道義が成り立たないと思わせる可能性があります。
相手の側も大義を振りかざしているのです。だから私たちも大義を対置すべきです。それは世界中の苦しむ人々の立場に寄り添って真実を報じてきた後藤さんの命を奪ってはならないという大義です。

私たちは「すべては対話で解決すべきだ。暴力反対!殺人反対!」という大義も高く掲げましょう!

もう一点付け加えたいのですが、湯川遥菜さんの殺害も現時点ではまだ「可能性が高い」だけです。だとするならば、一縷の望みにかけて湯川さんの命を救うことも訴え続けましょう。
これもまた大変重要なことだと思います。

後藤さん救出に向けた動きを昨夜まとめた記事のアドレスを添付しておきます。ご活用ください。

 明日に向けて(1023)後藤健二さんの解放を求める緊急声明拡散等にご協力を!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/09e1d395ef48b040c51d89561481be1c

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明日に向けて(1025)日本を米英のような戦争国家にしてはならない!今こそ世界平和の声を上げよう。

2015年01月27日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150127 11:00)

後藤さんの問題をめぐってマスコミでもさまざまに積極的な報道がなされつつありますが、1月23日に放映された報道ステーションで元通算官僚の古賀茂明さんが実に鮮明な解説を行ってくれました。
ポイントは、安倍首相が、湯川さんや後藤さんがつかまっていることを十分に知りながら、フランス新聞社襲撃事件の直後と言う最悪のタイミングで中東に赴き、あたかも米英有志連合の「イスラム国」攻撃を援護するような発言をしてしまったことが事態を悪化させている元凶であるという点です。
「イスラム国」はそれを利用して、日本を「十字軍規定」したわけですが、私たちはこれに対して「そうではない。私たち日本人は誰とも戦争などするつもりはない。I am not Abe”と叫ぶ必要がある」というのが古賀さんの主張です。
まったくその通りだと思います。こうした主張を堂々とオンエアした古賀さんと報道ステーションに敬意を表します。

これが日本を守る真の道です。後藤さんを守る道でもあります。同時に、日本人だけではなく、世界の人々を守る道です。
武力では何ら解決できない!むしろ武力は新たな武力を生むだけです。武力ではなく対話で解決を試みること、それが世界を戦乱から救う道です。
そのために私たちの国は、武力ですべてを解決しようとし、たくさんの民間人を巻き込み、それどころかイラク戦争のように何の大義もない戦争を試みながら何の反省もしないアメリカ政府やイギリス政府とはまったく違うのだと言うことをアピールする必要があります。
日本をアメリカ、イギリスに近づけ、世界中で両国の暴力に怒りを抱く人々と闘うように仕向けようとしている安倍政権こそ亡国の政権です。

世界に平和を。世界の子どもたちを守りましょう。そのためにすべての戦争に反対しましょう。武器をもっての国際紛争の解決に反対している私たちの国の憲法を光らせ、対話の国、平和の国として、私たちの名誉ある位置を作り出していきましょう。
戦争継続は武器商人を喜ばせるだけ。いつも戦争を作りたがっている死の商人たちとも立ち向かわなければなりません。
以上の観点から、古賀さんの発言を文字起こしして転載しようと思いましたが、すでに「ウインザー通信」でまうみさんがアップしているのを知り、活用させていただくことにしました。まうみさん、大感謝です!
以下、ウインザー通信のページを示した上で、放映された動画のアドレスと内容の文字起こしを転載します。文字起こしの後に、報道ステーションに意見投稿できる欄もあります。ぜひ報道ステーションに激励を寄せましょう!!

***

ウインザー通信
2015年1月24日
http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/77f67fbadbb72fe4e04fd0fc3b8bee08


報道ステーション 2015年1月23日放映
http://dai.ly/x2ffbn8

古舘:
古賀さんに伺いたいんですが、古賀さんは、イスラム国の悪虐非道な犯罪と、しかし一方で、背景の問題を分けて考えることが必要だと、強く訴えられています。
そのあたりからちょっと、聞かせていただけますか。

古賀:
イスラム国がやっていることはとんでもないことなんですけれども、言ってることには結構、共鳴する人たちが多いんですね。
それはなにかというと、例えば第一次世界大戦後に、イギリスとかフランスが勝手に国境線を決めちゃって、民族が分断されたとか、
あるいは最近であれば、アメリカのアフガンとかイラクとか、ああいうところの戦争で、アメリカに罪の無い女性や子どもを含む民間人がたくさん殺されてるぞと、
そういうことに報復するんだと、いうような主張っていうのは、これは一面では嘘じゃなくて、イスラムの中には共鳴する人がいる。
イスラムの人ももちろん、だから人を殺していいっていう人はほとんどいないんですけども、
でも、その思想自体は、結構共鳴する人がいるからこそ、人がまだまだどんどん入ってくるということがあるというのは、ひとつ事実として抑えとかなくちゃいけないと思うんですね。

で、私がただそれよりも、今回一番驚いたのは、この安倍さんがずっと中東を歴訪して、エジプト、ヨルダンなどでいろいろスピーチされてました。
私が聞いてた感じは、あ、すごいパフォーマンスだなと。
要するに、「自分はもうイスラム国と戦うんだぞ」というのを、すごいアピールしてるなっていうふうに見てたんですよ。
ところが、この事件のことが明るみに出て、よく聞いてみたら、実は、後藤さんが人質に取られて、身代金を要求されてなんていう状況を、政府は知ってたって言うんですね。
で、これはちょっと私、「人命第一」っていうふうに今は言ってるんですけど、ほんとうなんだろうかと。
っていうのは、普通、人質を取られて、身代金の交渉なんていうことになっていたら、一番大事なことは、その犯人に対して刺激をしないとか、そういう常識的なことがあるのに、
今回わざわざ、向こうに、わざわざ現地の方に、近くに行って、「私はイスラム国を批判しますよ」と。
「イスラム国と戦う周辺国に、2億ドル出しますよ」なんていう、まるで、いかにもイスラム国に宣戦布告するかのようなことを言ってしまったと。
で、これを普通に考えると、イスラム国はまあ、交渉できたらいいなと、もしかしたら考えていたかもしれないんですけど、そんなことを公の場で言われちゃったらもう、日本政府だって、今更お金払いますなんてできないよなと。
じゃあこれ、交渉できないんじゃないの、だったらもう宣伝に使っちゃおう、あるいはもう、思いっきり吹っかけてやろうと、いうふうになってしまったんじゃないかなという気がしていて、
私はそこは、安倍さん、官邸は、そうことでまあ、後藤さん犠牲になっちゃうかもしれないけど、でも、もっと大事なことがあるんだっていう判断をして、一連の発言をしたんだろうと、いうふうに思うんですね。

古舘:
古賀さん、これはどうなんですか。
古賀さんのお考えとしては、今日の動きを見ても、あるいは昨日あたりからを見ても、
総理、あるいは防衛大臣、有志連合のイギリス、アメリカをはじめとして、あるいはオーストラリア、それがいけないっていうんじゃなくて、
空爆を敢行している人たちの方向に向いていて、これで交渉が進むだろうか人質解放の、ということを、ちょっと気をもむ方は多いんじゃないかなというところは、どんなふうに捉えますか?

古賀:
ですからそこは、人命第一ですというのは、少なくとも向こうに行く前にはそうじゃなかったんじゃないかと思うんですけども、
じゃあ何が大事だったんですかというと、やっぱり今おっしゃったように、イスラム国と戦っている有志連合の仲間に入れてほしいと、正式なメンバーにまではなれないけど、仲間と(認めて?)欲しい。
で、そのためには、空爆をしたり、あるいはイラクに武器を供与したりとかできればいいんですけど、これ、できないじゃないですか。
だから、もともと安倍さんが願ってる目標っていうのは、ほんとはできないことなんですよ。でもそれをやりたい。
それをやるために、じゃあ何ができるかというと、人道支援しかできないと。じゃあ、人道支援を、あたかもイスラム国と戦うための支援なんです、というふうに表現してしまう。
で、それを思いっきり宣伝してしまうってことをやっちゃったんだろうなと、いうふうに思います。ある意味、目標は達成したと思うんですね。

アメリカやイギリスは多分、安倍さんはそんなテロなんかに屈しないと、テロと戦う人たちのためにお金を出しますって言ってくれるのを、非常に評価していると思うし、
もう今はまさに、あなたは仲間ですねと、じゃあ最後まで屈しないで、身代金なんて払わないで頑張ってくださいね、みんなで応援しますからねって、そっちにどんどんどんどん、今引き込まれている感じがするんですよ。
ですけどこれは、後藤さんのお母さんが憲法のことを言ってましたけど、日本は戦争をしない国なんだと、で、やっぱりちょっと一回、我々もそこに立ち返らないといけないと思うんですね。

安倍さんは、有志連合に入りたいんだ、あるいはそういう国なんだって言いたいかもしれないけど、でもそんなことは、日本は憲法もあるしできない、はずなんですよ。
で、世界の人たちに、今回は非常に変な宣伝になってしまって、イスラム国にうまく利用されてですね、いかにも日本というのは、アメリカの正義というのを日本の正義だと思い込んでいるんじゃないかと、
あるいは、アメリカやイギリスと一緒なんだと、そういう国だぞっていうふうに思われてしまいつつある、で、それを世界に発信されていると。

それに対して私たちは、いや、そうじゃないんですと。
だって日本は今まで、戦後ずっと戦争をしてませんよと。
憲法では、日本のことを攻めてこないような人たちのことを、一方的に敵だなんて絶対思いませんよと。
なるべく多くの人と仲良くしたいんですよと、こういう国が日本なんですよ、日本人なんですよっていうことを、もう一回ここで、世界にアピールしていく必要があるだろうなと。
今回は、そういう日本のイメージの、全く逆の方に、まあ安倍さんの発言もそうなんですけど、それをイスラム国にうまく利用されて、
そうするとみんな、イスラム諸国の人たちも、「いや、なんか日本って結局アメリカなのか」みたいな、「Japan is the (one of the) United States」みたいなですね、

それに対して我々は、例えば、「いや、安倍さんはそういう印象を与えちゃったかもしれないけども、違うんですよ」と。
『Je suis Charlie(私はシャルリ)』っていうプラカードを持って、フランス人が行進しましたけど、私だったら、『I am not Abe』というプラカードを掲げて、日本人は違いますよと、そんなことじゃない、ほんとにみんなと仲良くしたいんですと。
決して日本は、攻めてない国に対して、攻撃するとか、敵だっていう、そういうことは考えない国なんですっていうのを、しっかり言っていく必要があるんじゃないかと思いました。

古舘:
古賀さんの考えと一緒の方、全く違うという方、少し違う、いろいろあると思いますが、ひとつ、今のお話を聞いていて思うのは、あ、ここ大事だなと特に思いますのは、
やはり有志連合が空爆をして、関係の無い女性、あるいは子どもが多く犠牲になっているが、その数とか、数だけがいいわけではありませんが、多い少ないで決められませんけど、その数すらも伝わってこない、
こういう状況下で、歯がゆい思いもするんですが、そこで犠牲になっている子どもたちを救おう、あるいは、そこを伝えるんだという立場の後藤さんが、今人質になっているということを、どう捉えるかということが、大事なところだと思うんです。

↑以上、文字起こしおわり

報道ステーションを応援しましょう!
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/opinion/form.html

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明日に向けて(1024)日本人だけでなくすべての命を守ろう!(パレスチナ朗読劇へのお誘い)

2015年01月27日 00時30分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

田です。(20150127 00:30)

みなさま。ここ数日、僕は湯川遥菜さんと後藤健二さんの救出のための発信を続けてきました。
署名を呼びかけ、声明の拡散を訴え、他の課題で出向いた集会などでも二人の救出を訴えました。
訴えながら、僕の中には何とも後ろめたい気持ちが沸き起こって来るのを禁じ得ませんでした。
「守田さん。あなたは僕たち、私たちの時はそこまで熱心に訴えてくれましたか?」と、パレスチナの子どもに言われたような気がしたからです。

いやパレスチナだけではない。イラクでもたくさんの人々が殺されてきた。
イラクだけではありません。世界中で、暴力で、誰かの愛しい人が酷く殺されてきた。そんなことばかりが続いています。

僕は日本に住んでいる。だから後藤さんのことが良く分かる。良く分かるから、なんとか彼を救いたいとも思うし、それは僕の役目だとも思います。
でも同じようにかけがえのない命が、毎日、毎日、殺されています。その中で、日本人の後藤さん、湯川さんの時だけ、これだけ連続発信していることに僕は後ろめたさを感じます。
辛い。悲しい。そして心が焼けるように痛いです。
もうすべての人殺しをやめてくれ!本当にそう思います。

みなさん。とくに後藤さんに思いを寄せるみなさん。
後藤さんを救いたいと切実に願うその思いそのままに世界に目を移しましょう。そうして本当に毎日、毎日、かけがえのない人々が殺されている現代世界をしっかりみましょう。
確かにそれを観続けることは辛すぎることかもしれない。一日中、365日、それだけを考えていては身が持たないことです。
でもそれは事実なのです。リアルに私たちの前にあることなのです。

後藤さんを救うだけでなく、全ての人を救うための、つまり恒久的な平和のための、地の底から這いあがってくるようなムーブメントを私たちは作らなければいけない。
僕はそう思います。すべての人々の命を守るための行動を私たちは今の事態の中から選び取らなければなりません。

それは僕は「正義の名の下の戦争」の歴史を越える道を私たちが探し、見つけ出し、歩むこと、暴力で正義を打ち立てると言う人類がこれまで依拠してきた根強い発想を根本的に放棄すること、真の意味での武器の廃棄へと進むことだと思います。
その意味で私たちは、現下のこの辛さ、悲しさ、痛さの中でこそ、思想としての憲法9条を再度、選びなおしていく必要があるのだと僕には思えます。
だからきっと僕らは後藤さんとともに今、試練に立たされているのです。この中でこそ私たちは、真の平和思想に近づいていかなくてはいけないと思います。

そんなことをさらに深く感じ、考えるきっかけの一つとして、日本人だけでなく、全ての命の痛みを感じる場として、岡真理さんと「つばめ劇団」の面々が行っている朗読劇に注目をいただきたいと思います。
公演場所である大阪市、津市近郊の方には、今この時だからこそ、ぜひ会場にかけつけて欲しいです。かけつけて、一緒に今の世界の痛みの中で私たちに何ができるかを考えましょう。

再々度、朗読劇「ガザ 希望のメッセージ」をご紹介します。

*****

朗読集団 国境なき朗読者たち
<朗読劇>

the Message from Gaza ガザ 希望のメッセージ

2014年の夏、パレスチナのガザ地区は、イスラエルによる、言語を絶する大量破壊、大量殺戮に見舞われました。攻撃は51日間に及び、2200名もの命が奪われました。その大半が民間人、500名以上が子どもです。50万もの人々が家を追われました。
ガザに対する大規模軍事攻撃は、これが初めてではありません。6年前の2008年12月、ガザ地区全土に対し突如、イスラエル軍による一斉攻撃が始まりました。完全封鎖され、逃げ場のない 150万の住民たちの頭上に、22日間にわたりミサイルや砲弾の雨が降り注いだのです。世界がクリスマスの余韻に浸り、新年を祝っていたそのとき、ガザの人々は一方的な殺戮と破壊にさらされていました…。
私たちの朗読劇「The Message from Gaza ガザ 希望のメッセージ」は、この出来事に対する応答として、2009年に誕生しました。

この朗読劇は、4つのテクストから構成されています。一つは、空爆下のガザから連日連夜、世界にメールを発信し続けたサイード・アブデルワーヘド教授の『ガザ通信』、二つ目は1972年、36歳の若さで爆殺されたパレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニーの短編「ガザからの手紙」。
三つ目は2003年、占領下のパレスチナ人住民の人権擁護活動のためガザに赴いたアメリカ人女子大生レイチェル・コリーがガザからアメリカの家族に書き送ったメール、そして攻撃のさなか、ガザで活動を続けた「インターナショナルズ」と呼ばれる世界の若者たちの証言です。

私たち、平和をめざす朗読集団「国境なき朗読者たち」は、この朗読劇を上演するため、 つばめクラブのプロデュースにより、2009年、京都の市民・学生有志をメンバーに結成されました。以来、京都を中心に、広島、東京などで上演を重ねてきました。
停戦になり、一時に大量に人が殺されるという事態がなくなると、マスメディアは報道しなくなります。しかし、ガザでは依然、封鎖が続いています。家を失った何十万もの人々が、瓦礫の中で、冬の寒さを耐え忍んでいます。「過ちは二度と繰り返しませんから」という私たちの誓いをあざ笑うかのように、繰り返されるジェノサイド……。
いくたび破壊と殺戮に見舞われようと、生を愛し、「人間の側に踏みとどまり続け」ようとするガザの人々の闘い。不正と暴力に抗するために、ガザと私たちを、「想像力」という人間の力によって架橋します。肉声を通して語られるガザの声に触れ、今もなお完全封鎖のもとに置かれているガザへの思い、そして私たちが生きるこの世界への思いを新たにしてください。
岡 真理(演出・脚本) 

2015年2月1日 大阪公演
1、14:00 開演
 (13:10受付開始、13:30開場、15:45終演)
2、18:00 開演
 (17:10受付開始、17:30開場、19:45終演)

2015年2月8日 津公演
1、14:00 開演
 (13:10受付開始、13:30開場、15:45終演)

会  場: 大阪 ドーンセンター  津 中央公民館ホール
事前予約 1500円  (障がいのある方及び介助の方・学生 800円)
当 日  2000円  (同 1300円)

〇予約・お問合せ ※メール、またはお電話でお願いします。
 大阪 080-5314-1539(つくい)、 tsubamegekidan@gmail.com (つばめ劇団)
 三重 059-229-3078(FAX兼)、090-1239-1410(宮西)、syashinten@za.ztv.ne.jp
    
制作:ふぇみん大阪、ガザ朗読劇三重公演実行委員会、つばめクラブ
協賛:市民社会フォーラム

国境なき朗読者たち ホームページ
http://readers-without-borders.org/

 

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明日に向けて(1023)後藤健二さんの解放を求める緊急声明拡散等にご協力を!

2015年01月26日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150126 23:30)

「イスラム国」による人質事件、どんどん事態が進展しています。
昨日、発表された湯川遥菜さんの殺害に関して、その後に「イスラム国」のラジオでも事実を認める内容が放送されました。
もはや湯川さんが殺害されてしまったことは事実のようです。こんな暴力をふるったって何も解決はしない。「イスラム国」の湯川さん殺害に対して心の底からの怒りと悲しみを表明します。

このことを踏まえた上で、後藤健二さんの解放を求めます。もう理不尽な殺人を絶対に止めて欲しいです。
後藤さんはアメリカをはじめ大国の空襲に晒されたさまざまな地域に入って、何の罪もないのに殺され、迫害されている人々の味方に立って、真実を伝えてきてくれた素晴らしい方です。
本当に何としても後藤さんの命を救いたいです。

この間、僕が共感して緊急声明を転載してきた日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)が、事態の進展を踏まえて新たな声明を発表したのでアドレスを載せます。
同じようなことが続きますが、どうかみなさん、再び転載をお願いします。諦めずに後藤さんの命を守る可能性を手繰り寄せましょう。

 後藤健二さんの解放を求める緊急声明
 http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm

またFacebook上で、"I am Kenji"と書いたメッセージボードを持った写真を自分のタイムラインから発信することで後藤健二さんへの連帯を表明するムーブメントも世界に広がっています。
ツイッターのアカウントもあります。以下、当該ページを紹介します。

 I AM KENJI
 https://www.facebook.com/IAmKenjiGoto
 https://twitter.com/IAmKenji_Offic

この動きを読売新聞が報じていますので、これも紹介しておきます。
新聞各紙の中で、後藤さんの命を守りたいと願う記者さんたちが懸命に動いているのを感じます。

 「I AM KENJI」…祈り込め投稿広がる
 読売新聞 2015年01月26日 11時49分
 http://www.yomiuri.co.jp/it/20150126-OYT1T50070.html

また数日前から呼びかけている緊急署名も、事態の急転を踏まえ「日本人人質、後藤健二さんの人命を救ってください」とタイトルを改めて継続中です。

 [緊急署名]日本人人質、後藤健二さんの人命を救ってください
 https://www.change.org/p/%E5%A4%96%E5%8B%99%E7%9C%81-%E9%A6%96%E7%9B%B8%E5%AE%98%E9%82%B8-%E7%B7%8A%E6%80%A5%E7%BD%B2%E5%90%8D-%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%BD%E5%91%A8%E8%BE%BA%E5%9B%BD%E3%81%B8%E3%81%AE2%E5%84%84%E3%83%89%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%BA%BA%E9%81%93%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%82%92%E7%95%99%E4%BF%9D%E3%81%97-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E4%BA%BA%E8%B3%AA%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%91%BD%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-share_petition-reason_msg

街頭行動も行われました。1月25日夜、東京の首相官邸前です。僕も京都からツイッターやFacebookで呼びかけを手伝させていただきました。
朝日新聞が報じています。今なら動画が観れますのでご覧下さい。

 「後藤さんの命を救え」 官邸前で200人がアピール
 2015年1月25日23時15分
 http://www.asahi.com/articles/ASH1T5SYFH1TUTIL01Z.html

もう一点、忘れてはならないのは後藤健二さんのお母様、石堂順子さんが素晴らしい訴えをなさってくれたことです。
全文書き起こしのアドレスを記しておきます。

 【全文】「私はこの3日間、何が起こっているのかわからず悲しく、迷っておりました」ジャーナリスト・後藤健二さんの母・石堂順子さんが会見
  BLOGOS編集部 2015年01月23日 11:30
 http://blogos.com/outline/104041/

みなさん。
このようにさまざまな努力が続けられています。
これらに続きましょう!
後藤さんの命を守り抜きましょう!

 

 

コメント (2)
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明日に向けて(1022)湯川遥菜さん殺害か?なお命を救う努力を続けよう!

2015年01月25日 13時00分00秒 | 明日に向けて(1001~1100)

守田です。(20150125 13:00)

本日25日未明に、インターネット上に後藤健二さんの静止画像がアップされました。後藤さんは鎖でつながれた手に写真を持っており、湯川さんが殺害された画像が写っていました。
同時に英語の音声が流れ、後藤さんの名前で湯川さんが殺害されたことが述べられるとともに、もう金銭は要求されておらず、ヨルダンに拘束されている女性の解放があらたな解放の条件であるとのメッセージが流れました。
この情報について、画面に「イスラム国」をあらわすロゴがないことや、これまでのイスラム国の同様の情報発信との相違が見られることから、確かなものではないのでは?他のグループが便乗して出したものではという推測も出ています。
しかし時間が経つにつれて各国政府など、多くの機関が殺害されたことは事実だと言う判断を下しており、日本政府も信憑性が高いと判断するなど事実である可能性が高まっています。

まだ確定とは言えないので、湯川さんが今なお、生きておられることを祈るのみですが、残念ながらそう思える根拠は乏しいです。ただただ胸が痛いです。
しかし後藤さんは今なお、拘束下にあり、極めて危険な状態下にいるのだと思われます。なんとしても後藤さんの命を救いたい。また湯川さんについても一縷の望みを考えて、なお後藤さん、湯川さん二人の命を救うための努力を継続したいです。
そのためにこの間も紹介してきた日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)の声明の拡散を続けることを訴えたいと思います。
JVJAはこの声明に賛同を求めるキャンペーンを昨日から開始しています。どうかご協力ください。以下に賛同署名をご紹介しておきます。

 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会JVJAの「IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明」に賛同してください。No.1
 https://www.change.org/p/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E5%8D%94%E4%BC%9Ajvja%E3%81%AE-is-%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%BD-%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E4%BA%BA%E8%B3%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A3%B0%E6%98%8E-%E3%81%AB%E8%B3%9B%E5%90%8C%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-lg-no_src-reason_msg

また東京の首相官邸前で本日25日午後6時から緊急行動がなされるそうですのでお知らせします。
僕は京都にいるので参加できませんが、お近くの方、お集まりください!呼びかけは「許すな!憲法改悪・市民連絡会」です。

 !!至急!!大拡散!!
  集まって下さい!
  本日、午後6時から首相官邸前で、「政府は後藤健二さんの訴えに全力で応えよ」の緊急行動を呼びかけます。
  呼びかけ:許すな!憲法改悪・市民連絡会
  090-2232-7534

できることは少ないかもしれません。しかし可能な限りの努力を続けましょう。

 

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