守田です(20211231 22:00)
● 黒い雨裁判についての小山美砂さんの講演録画をアップしました
12月8日に毎日新聞広島支局の小山美砂記者をお招きしたzoom講演会を行いました。
録画を編集してアップしたのでぜひご覧下さい。
主催は京都「被爆二世三世の会」と核兵器廃絶ネットワーク京都。守田がコーディネータ―を務めました。
● 小山さんの話を通して原告の方たちに触れて下さい
黒い雨訴訟の画期的な地平は、原爆による被爆影響がひどく過小評価されてきたことを暴いたことにあります。このことで長い間、見捨てられてきた黒い雨被爆者が、被爆者健康手帳を取得できるようになりました。
この判決を引き出したのは、黒い雨訴訟原告団の方たち。その多くの方が「福島の方たちのためにも」と頑張られたと聞いています。その原告の中に分け入って取材してきた小山さんのお話を通じ、原告のみなさんに触れて下さい。
またとくに高裁判決は、一審を大きく超えたものでした。ポイントは一審が被爆者認定の条件としていた11疾病を「失当」だとして退け、黒い雨の被害を受ける条件の下にあった全ての人を救済の対象としたことです。
そもそも11疾病とは被爆者と認定された方が罹患した場合、健康管理に労苦が生じるために出される手当の対象疾病のことで、認定の条件ではありません。高裁はこの点を明確に指摘したのでした。
● 国による高裁判決の無視を許さない
講演後の質疑応答でも充実したやりとりができました。原爆症認定訴訟やノーモア・ヒバクシャ訴訟、そしてまた水俣病訴訟に関わった弁護士の尾藤廣喜さんがコメントして下さったことで、今後の課題も鮮明になりました。
尾藤さんは「国は必ず高裁判決を無化するような態度に出てくる。正念場は今だ。今こそ力を集中しなければ」と語られました。未だ救済されていない黒い雨被爆者を掘り起こし、大きな集団申請を行うことが大事だと。
ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟報告会で話される尾藤廣喜弁護士 弁護団HPより
ところがこの年末に、国は尾藤弁護士が述べたとおりに、高裁判決の骨抜きを始めました。敗訴によって被爆者認定の幅を広げざるを得なくなったものの、高裁判決が退けた11の疾病を、黒い雨被爆者の認定条件としてきたのです。
さらに同様の条件で、被爆者認定を広げなければならないはずの長崎の方たちを、全面的に切り捨てようとしています。あまりにひどい!
● 黒い雨被爆者の救済はこれから。小山講演を聴いてポイントをつかみあらたな奮闘を!
この点で黒い雨裁判はまったく終わっていません。まさにこれからが正念場です。勝訴判決をきちんと国に守らせなければ。そのためにも小山さんの講演を聴き、ポイントをつかんでください。
取り残されてきた、未だ認定されざる黒い雨被爆者の認定を実現し、医療保障や補償を引き出していくことは、核実験や原発事故で被災したすべての核災害被害者救済にもつながります。
だからこれはあなたの、そして私の課題なのです。張りましょう。
この点について、2022年1月29日(土)午後2時から豊中市中央公民館でお話します。タイトルは「広島と福島をつなぐ希望の判決」です。お近くの方、ぜひお越しください。
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12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。
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