守田です(20210930 11:00)
● 京都市が財政破たんするってほんまなん?→うそです!デタラメです
2021年になって、京都市長門川大作氏が、京都市の財政がすぐにも破たんするようなことを言っています。
「10年以内に市の財政は破たん」「500億円の財源不足」とも叫んでいます。
それで敬老乗車証を値上げし、対象年齢を引き上げるなど、福祉予算を大きく削ることを公言しています。
「ほんまなん?」「怪しいで」ということで、9月11日にまずは自分たちが学ぼうと、市の財政問題に詳しい方をお招きしました。
来て下さったのは日本共産党市会議員の樋口英明さん。
お話を聞いたらやはり「財政破たん」なんてまったくのデタラメだということが分かりました。
この日の講演・質疑応答を録画配信していますのでぜひご覧下さい。(配信後すぐに再生200回となりました)
ウチこま緊急企画 京都市の財政破綻ってホンマなん?
● 京都市長がウソつきだなんて恥ずかしすぎる
財政破たんのどこがウソなのか。樋口さんの話の核心部分はこれ。
「莫大な地元負担が必要な巨大プロジェクトや不要不急の大型事業の推進を断言」していること!どう考えても「10年以内に破たん」と言う話とかみ合わない。
一番の問題は北陸新幹線計画です。あ、これ、名が体を表してないので正確に言いかえることにしました。「北陸からのトンネル新幹線計画」です。
この総事業費が2.1兆円とされているのですが、今までの例から言うとこれ、何倍にもなる可能性がある。
にもかかわらず、なんと京都市がどれだけ負担するか決まってないというのです。それでどうして10年後のことが語れるのでしょう?
ちなみに金沢~敦賀間は1.4兆円の予算で始まってもう1.7兆円に。福井県の負担1700億円のうち、福井市が1200億円払うそうですが、「北陸からのトンネル新幹線」では京都市の負担はより大きくなるでしょう。
財政破たんとか言うなら、真っ先にこの負担を断ればいい。いやこんなもの、そもそも請け負うことなどできないはずです。
このことに触れずに、財政破たんとか語る門川市長はウソつきすぎる。
世界の人々に好感を持っていただいている京都市の市長がウソつきだなんて恥ずかしすぎる。なんとかしないと。もちろん私たち京都市民が一番頑張らねばです。
北陸新幹線京都延伸を考える市民の会のチラシより
https://kyotoenshinkangaeru.tumblr.com
● 問題の一つはゼネコンいいなりの地下鉄東西線の借金
門川市長が財政破たんの大きなものとして挙げているのが、京都市地下鉄東西線の建設費を運賃によって回収できず、借金になっていることですが、実はこれこそ「北陸からのトンネル新幹線」を作ってはいけない根拠の一つでもあります。
なぜかというと、地下鉄東西線、2450億円の予算で建設が始められたのに、最終的に事業費が4515億円にもなってしまったのです。
しかもこの時、ゼネコンの言いなりに145回も契約更新されたのだそうです。ひどい。あの時にもう2000億円もぼったぐられてしまっている。責任は京都市とゼネコンにあります。
過去にもこんなことがありながら、まったく反省してないから「北陸からのトンネル新幹線計画」も、同じことになるのは確実。総事業費2.1兆円が倍にもなってしまうでしょう。
財政を安定に保つだけでなく、そもそも道義的に言ってこんなことの再来を許してはいけません。
もちろん「北陸からのトンネル新幹線」は、京都の水を、地下を、そして町を壊してしまう。そんな大問題にけしてお金をつぎ込んではいけない。
何せこれはトンネル新幹線だから、膨大な穴掘り作業が必要で、膨大な土砂の搬出が必要で、それで地下が、水脈が、傷つけられるし、町に土砂を積んだトラックが走り回ることになります。町の陥没だって起こりえます。(東京で起きました)
しかもそんなことをしながら、そしてそんなことのために、確実に事業費が膨らみ、市民から集めた税金がゼネコンのもとにポイポイ入っていくのです。環境が壊されながらです!
「地下鉄東西線の借金」が教えているのはこのこと。同じ手口をまかり通らせてはなりません。
● 他でもジャブジャブお金を使いながら福祉や暮らしを切り捨てようとしている
巨大事業は他にも予定されています。一つは堀川地下バイパストンネルで総事業費1200億円。(おいおい、またトンネル?)。これを凍結するだけで「500億円の不足」を十二分にカバーできる。
さらにリニア新幹線なんていう計画まである。あ、これも「リニア電磁波トンネル新幹線計画」というべきですね。しかもまたしてもトンネル!「掘ってみないと分からなかった」とか言ってどんどん経費を水増しするのでしょう。トンネル商法、ひどすぎるぞ。
その他1・9号線バイパス建設が掲げられ、二つの小中一貫校建設150億円、京都市芸術大学移転整備事業305億円が見積もられています。巨大事業にはお金をジャブジャブ使う気なのです。
さて実は京都市当局は、2020年11月に「500億円の財源不足」を言い出したのですが、なんと2021年2月、2021年度予算案を発表した時に、いったんは財政不足を236億円と低く修正したのです。
「わずか数カ月で見積もりが半分以下になるなんておかしい」と市議会に詰め寄られた京都市財政担当者の答えがスゴイ。
「10年後の収支を「精緻に見込むことは困難」なのだそうです。門川市長、財政担当者が「10年後の予算を精緻に見込むことは困難」と言っているのですよ。ここにもあなたの発言がウソであることが表れています。
それで門川市長が「聖域なき削減」とか言って持ちだしているのが、敬老乗車証を3~4.5倍に値上げし、支給も70歳以上から75歳以上に替えること。
学童保育量を最大2.6倍に値上げし保育料、国保料、市バス地下鉄運賃も上げること。一方で保育士の給与をカットし消防職員150人を削減することです。
まったく恣意的な「聖域」です。ここにあまたの「トンネル」を入れれば福祉削減なんて必要ない。いや実はもっと充実することが可能なのです。このウソのカラクリを見破りましょう。
以上、樋口英明さんのお話を元に、ポイントになる点をまとめましたが、樋口さんは、そもそも京都市が、地方への交付金削減を決めた小泉内閣の「三位一体改革」と言う改悪に、積極的に賛成してきた問題にも触れています。
またこうした門川市政のもとでの、福祉削減の動きを市民が何度も食い止めてきていること。高速道路建設だって3本も止めていることを語り、だからこの計画も止めさせることができると力強く語っています。これは大事!
今回はこれらが展開できなかったので、ぜひ動画で樋口さんのお話(約50分)全体をお聴きください。それらからみんなで「財政破たん」という門川市長のウソを止めさせましょう!
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