明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1544)原発事故避難、選挙と野党共闘、災害からの命の守り方についてお話します!

2018年06月30日 08時00分00秒 | 講演予定一覧

守田です(20180630 08:00)

今日の土曜日と明日の日曜日に3カ所でお話しします。
今朝はこれから向日市に向かいます。

原発をなくす向日市民の会
第7回総会&避難者からお話を聞く会の案内
開場 午前9時45分 開会 午前10時 終了予定 12時
場所 向日市寺戸公民館2階ホール
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10214057272084167&set=a.4505891643698.2165302.1182740570&type=3&theater

午後は中京区です。

中京講演会 市民と野党共闘を考えるつどい
第1回 後援会を10倍たのしくする方法 ~後援会の役割は?ともに考えてみませんか~
午後1時開場 1時半開会
会場 京都アスニ― 3階 第2研修室
共催 日本共産党中京後援会 中京女性後援会 中京労働者後援会
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10214057280124368&set=a.4505891643698.2165302.1182740570&type=3&theater

さらに明日、7月1日に京都市伏見区でお話します。
原発事故以降、命を守るためのさまざまな助成を行ってくださっている「こんどプロジェクト」さんの主催です。
「原発からの命の守り方」のタイトルでお話します。

以下、案内を貼り付けておきます。

<こんどプロシェクト主催 学習交流集会>
http://kondoproject.blog.jp/

と き 2018年7月1日(日) 14:00~16:00
ところ 京エコロジーセンター 視聴覚室・シアター
(伏見青少年科学センター横)〒612-0031 京都市伏見区深草池ノ内町13

企画内容
守田敏也さんを講師に学習を行います。
参加団体から取り組みを報告いただき、交流をおこないます。   

原発事故避難者への支援活動等に取り組んでおられる団体の皆さまへ

日頃からの諸活動、大変ご苦労様です。
支援活動を進めておられる団体の皆さまをサポートすること、正しい原発の知識を広く市民に普及する取り組みをすすめること、これがこんどプロジェクトの目的です。
発足した昨年度では、7団体に合計210万円の助成金を交付させていただき、有益に活用されました。
今年度も、支援活動を進めておられる団体をサポート出来ればと考えています。

その企画の1つとして、正しい情報と知識を持っていただき、支援活動を進めておられる団体同士の交流を進めていただき、元気に、また、交流を通じて、さらなるパワーアップしていただければとの思いで、「学習交流集会」を開催します。
ぜひ、積極的にご参加をお願いします。

事務局 京都城南診療所 尾浦
電話075-623-1134

ぜひお近くの会場にお越しください!

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明日に向けて(1543)原発事故避難について、選挙と野党共闘についてお話します!(6月30日)

2018年06月28日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180628 22:00)

今週の土曜日に2カ所でお話します。

6月30日土曜日午前中は「原発をなくす向日市民の会」の第7回総会に参加。
避難者の萩原ゆきみさん、河本薫さんの話を受けて、避難の意義や東日本に広がる健康被害について短くお話します。
その後、3人でディスカッションをします。

東京小平市から岡山県に避難移住された三田茂医師が、論文「『新ヒバクシャ』の『能力減退症』」で明らかにしたように、福島原発事故で飛び出した放射能の影響で、東日本を中心に明らかなる健康被害が広がっています。
政府もマスコミの多くも無視してきましたが、しかし三田さんの主張はその半分=後半部分が「文春オンライン」でも取り上げられました。原因はともあれ「能力減退症」と呼ぶしかないような事態が実際に広がっているからでしょう。
避難者の方たちはこうした放射能被害から命を守るために飛び出しました。それは多くの人に放射能被害への警戒を喚起し、さらなる避難を呼びかける「率先避難」行動でした。その意義をみなさんと共有したいと思います。

6月30日午後は「日本共産党中京後援会」のお招きで「市民と野党共闘を考えるつどい」に参加します。
日本共産党参議院議員の倉林明子さんと僕が発話し、会場から意見をいただき、また二人がお答えする形で進行するとのこと。
倉林さんと僕の対談にもなるのではと思います。

実はこの企画は上京区で行った同様の企画(この時は穀田さんと僕が発話しました)を聞いた中京のみなさんが「自分たちのところでもやりたい」と立ち上げられたもの。
共産党のみなさん、どんどん変わろうとされています。でも必ずしも「変わる」ことがすべて正しいわけではないですよね。何を守り何を受け継ぎ何を変えていくのかがいつだって問われている。
そこを悩みながら、僕を呼んで下さるのは「外からの忌憚のない意見を聞きたいから」だそうです。その姿勢に共感しつつ、野党共闘の進め方や選挙の取り組み方について、僕が感じていることを率直にお話します。野党共闘の豊富化につながれば嬉しいです。

以下、詳しい情報を記しておきます。

***

6月30日 京都府向日市、京都市中京区

原発をなくす向日市民の会
第7回総会&避難者からお話を聞く会の案内

2018年6月30日(土)
開場 午前9時45分 開会 午前10時
終了予定 12時
場所 向日市寺戸公民館2階ホール

記念トーク 
原発賠償京都訴訟、事故から7年後の避難者の状況などをお話いただきます。
お話 萩原ゆきみさん 河本薫さん
コーディネーター 守田敏也さん

記念トークはオープン企画でどなたでも参加できます。
トーク後に総会を開きます。
会員は今年度会費500円を集めています!

***

中京講演会 市民と野党共闘を考えるつどい
第1回 後援会を10倍たのしくする方法
~後援会の役割は?ともに考えてみませんか~

発話・対談
倉林明子さん(参議院議員)
守田敏也さん(フリーライター)

詩と朗読/開会前のミニマルシェ

6月30日(土)
午後1時開場 1時半開会
会場 京都アスニ― 3階 第2研修室
共催 日本共産党中京後援会 中京女性後援会 中京労働者後援会

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明日に向けて(1542)地震被害と原発の危険性の過小評価が連動している!だから原発を止めれば災害対策全般が進む!(大阪北部地震の考察―4)

2018年06月22日 13時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180622 13:00)

地震発生から4日あまり、100時間あまりが経過しました。
この間、余震も少なくなり、次に大きな地震が来る予兆は示されていません。

しかしもちろん何が起こるか分からない。また今回の震源地ではなくもっと離れたところが動く可能性もあります。
この地震を期にそれぞれのご家庭で家具への耐震補強を進めたり、水の備蓄などを進めてください。ともあれ「備えあれば憂いなし」・・・いや「備えあれば憂い少なし」です。

その「備え」の中でも効果が大きいこと、リスクを低減できることは原発を止めてしまうことです。
単に今回の地震が次の大きな地震につながる可能性だけでなく、この間、内陸直下型の地震が頻繁に起こり、すでに柏崎刈羽原発が想定を大きく越える地震の直撃も受けていて、次の地震が予測されるからです。
ひずみ集中帯のどこが次に動くか分からないし、南海トラフ地震が起こる可能性も毎日確実に高まるばかりです。
だから原発を止め、危険な核燃料をせめて燃料プールから降ろして、少しでもましな管理に移すことを急ぐ必要があります。

しかし運転が終わったばかりの核燃料はプールからすぐには降ろせない。数年は冷やさないと放射線値が高すぎで作業ができないからです。
運転すればそんな危険でやっかいなものが増えるばかり。その点からも地震が続くこの国でもう原発の運転を続けてはならないのです。

さらにもう一点重要なのは、にもかかわらず運転強行が続けられる中で、原発の稼働にとってネックとも言える地震の危険性そのものが過小評価されてしまっていることです。
例えば2016年4月14日、16日に熊本県益城町で震度7の地震が続いたあとに、地震は一方で大分に広がっていき、他方で鹿児島にも広がっていきました。
「14日の地震は日奈久断層帯の北端部の活動、16日未明の地震は布田川断層帯の活動」と繰り返し発表されましたが、しかしこれらの断層は明らかに日本列島を横断する「中央構造線」に含まれるもので、そこに沿って地震が広がりつつありました。
その東側には伊方原発が中央構造線の直近に建っているし、西南にはやはり中央構造線の近くに川内原発が建っています。

しかし政府はこの事実を無視し続け、けしてこの地震を「中央構造線」の揺れによるものとは言いませんでした。
それどころか地震を「熊本地震」と表現し続けました。本来は「熊本・大分・鹿児島地震」などと言うべきでした。ちなみに僕自身は当時、この点への抗議の意も含めて「熊本・九州地震」と呼んでいました。
しかしNHKのニュースでも、政府の意向を忖度してか、しばしば鹿児島県など九州南部をきりとった地図を映しながら地震続報が伝えられ続けました。

ここに顕著なのは「もはや地震大国日本で原発が動いていてはいけない」という事実を隠すために、地震の危険性そのものが過小評価されてしまっていることです。
そうなれば当然、地震対策もないがしろになってしまう。地震の危険性を強調すると誰もが「それならなぜ原発を動かしているの?」と目覚めてしまうので、地震の危険性そのものをきちんと伝えないことが横行しているのです。

火山の噴火でも同じことが言えます。そもそも九州は大きな活火山がひしめいていて、今日現在も霧島連山の新燃岳が再び噴火しています。
九州には阿蘇山もあり、大規模な噴火から破局的なものまでが起こりうるし、その時に火砕流が原発を襲う可能性もあります。
大規模な噴火の上に原発の大事故が重なりでもしたら九州は極めて長い間、人の住めない地帯になってしまう。いやそこから出た放射能が日本列島や世界にどれだけ悪影響を及ぼすかの想像もつきません。

この危険性に対してなんと九州電力は「大規模噴火は数年前に予兆があるので、それをつかんだら核燃料を降ろす」と主張し、これを原子力規制委員会も認めてしまっているのです。
これに火山学会が猛抗議しています。実際には噴火はごくごく直近でなければ分からない。いやそれだって正確さはない。いまの科学ではほとんど予知できずに起こってしまうこともありえるのが火山噴火なのです。

火山学会が猛抗議したのは、これでは人々の噴火への備えが疎かになってしまうからです。噴火は的確には予知できない。だから普段から備えておく必要がある。
火山学者たちが声を枯らしてこの点を連呼しているのに「数年前から分かる」などと言われれば、まともな防災意識も態勢も育たないし作れなくなってしまいます。

地震についても火山の噴火についても、原発の運転を強行したいがゆえに極端な過小評価が続いています。原発そのものの危険性の過小評価と地震・噴火の危険性を軽く見積もることが連動しているのです。
反対に言えば原発を止め、原発を動かすための嘘の連発をなくせば、実は災害対策全般にまともさを取り戻すことができて、効果的な対策の積み重ねが可能になるということです。

真の「国難」である地震・噴火対策をもっときちんと推し進めるためにも、もはや大嘘政治の元凶の一つとなっている原発を一刻も早く止めましょう!

続く

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明日に向けて(1541)原発は「ひずみ集中帯」が知られる前に建てられ何の対応もされていない!(大阪北部地震の考察―3)

2018年06月21日 14時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180621 14:30)

大阪北部地震発生から78時間余りが経ちました。余震の数が減ってきています。
しかし次に何が起こるかは誰も分かりません。2016年4月14、16日に熊本地震が起こり、同年10月21日に鳥取地震が、2018年6月18日に大阪北部地震が起こったことを考えると、さらにどこかで「ひずみ集中帯」地震が起こる可能性は十分にあります。

前回の記事で福井の原発銀座も「ひずみ集中帯」にあると考えられることから「高浜・大飯原発を止めるべきだ」と主張しましたが、今回はさらに日本のすべての原発が「ひずみ集中帯」など理解してなかった時期に作られたことを指摘したいと思います。
なぜなら「ひずみ集中帯」は1990年代以降にGPSによる精密な測地が可能になる中で新たに発見されたものだからです。

ウキペディアの「歪集中帯」の項目には、2001年にこの言葉が使われた記録があると記されています。さらに2004年の新潟県中越地震(M6.8)を機に「歪集中帯で発生する地震や、地質活動などについての研究機運が高まった」としています。
マスコミや市民にこの知見が広がったのは2007年新潟県中越沖地震(M6.8)の時。なおここでは過去にさかのぼり、1502年1月の越後地震以降の複数の地震が「ひずみ集中帯」で起きた可能性を指摘しています。

歪集中帯
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%AA%E9%9B%86%E4%B8%AD%E5%B8%AF

原発との関係で重要なのは現存する日本の原発のすべてが、「ひずみ集中帯」が発見され、その仕組みの一端が理解される前に建てられてしまったことです。
以下の資料の4ページ目の原発一覧を見てみてください。そこに設置許可申請、設置許可、着工、運転開始などの年が書きこまれています。

日本の原子力発電の概要
日本原子力産業協会 2014年5月27日
http://www.jaif.or.jp/ja/joho/press-kit_nuclear-power_japan.pdf

これを見ると一番新しい原発は泊3号でそれでも設置許可申請が2000年、着工が2003年であることが分かります。
あとはすべてそれ以前の着工。高浜3,4号着工は1980年、大飯原発3,4号機着工は1987年です。玄海3、4号も1985年の着工。
このようにこの地震の連続の中で動いている原子炉は、すべてGPSによる正確な計測が始まるはるか前に作られたのです。

端的に言って、だから福井の原発銀座をひずみ集中帯などに作ってしまったわけです。そこが危険な地震地帯だという知見がなかったからです。
このことに顕著なように日本の原発には、地震学の最新の知見が取り入れられておらず、科学的に明らかにされた危険性が反映されていないのです。だからもうすべて止めるべきなのです。

同じことが「加速度ガル」についても言えます。
前回の記事で、熊本地震や中越沖地震で、原発の基準地震動を大幅に上回る揺れが記録されたことを指摘しました。
実はこうした揺れの把握そのものも1990年代における地震計の発達の中で新たに観測可能になったものなのです。

この点は熊本地震直後にIWJのインタビューに登場した地震学者の島村英紀さんが詳しく述べています。
下記から15分のダイジェストが観ることができます。
本編はサポート会員は視聴可能、一般会員でも50円、非会員でも500円払えば視聴できます。
重要で分かりやすいので、大阪北部地震に直面しているいま、ぜひご覧になってください。

岩上安身による島村英紀教授インタビュー 2016.4.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/299324

この27分30秒あたりから31分あたりで島村英紀さんが、原発の基準地震動の数値「加速度ガル」について説明されています。ちなみに川内原発の基準地震動は620ガルですが、このインタビューのとき、益城町で記録された最大値は1580ガルとされていました。

島村さんによると「加速度ガル」とは、「そのものの重さに加速度をかけるとそのもののにかかる力を表すもの」だそうです。
ちなみに地球の重力も加速度で表され、数値としては980ガル。それで体重60キロの人に地震によって980ガルがかかると、この人には下から60キロ分の力がかかり一度宙に浮くことになります。重力が打ち消されるからです。

この980ガルを「重力加速度」と呼ぶのですが、これまで地震学では地震でそれほどの力がかかることなどありえないというのが常識だったのだそうです。
しかし阪神・淡路大震災以降に日本中に加速度計を置いて測ってみると、980ガルを越える加速度があちこちで記録されました。
2004年の新潟県中越地震では原発構内で2516ガルが東電によって記録され、さらに2008年の岩手宮城内陸地震(M7.2)では4022ガルという数値までが記録されました。

これに対して原発設計時の考慮は、大きく見積もってもせいぜい600ガルでした。それを越える振動などあるはずがないとされていたからです。
ところが実際には4022ガルという数値までが記録されてしまったので、原発が今となっては間違った地震学の知見で作られてしまったことがはっきりしたのです。すべてがアウトです。

人を相手にした法律では新しく作られた法で過去を裁いてはなりません。しかし科学の場合は違う。
原発が地震の揺れを大幅に過小評価して建てられてしまったことが明らかになったのですから、過去の揺れの評価で建てられた原発はもう終わりにすべきなのです。

高浜・大飯原発だけでなく「地震大国の上に立つすべての原発を止めよ!」との声をさらに強めましょう。

続く

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明日に向けて(1540)安全のために高浜・大飯原発を止めるべきだ!(大阪北部地震の考察―2)

2018年06月20日 21時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180620 21:30)

大阪北部地震発生から60時間近くが経ちました。
西日本には激しい雨が降りました。大阪北部にも降ったので二次災害の発生が懸念されます。
みなさまの無事をお祈りしています。

地震後、多くの人士からまだまだより大きな地震が起こりうる可能性が指摘されています。
前回も触れましたが、熊本地震では最初の震度7マグニチュード6.5の地震のほぼ28時間後に震度7マグニチュード7.3のより大きな地震が起こりました。
この経験からもなお十分な構えをしておく必要があります。

とくに懸念されるのは原発です。昨日も述べたように今回の地震は「ひずみ集中帯」地震である可能性が大きい。
「ひずみ集中帯」地震は、1995年の阪神大震災をはじめ、2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震、2011年長野県北部地震、2014年長野県北部地震、2016年鳥取地震など、連続して起こり続けています。
とくに2007年新潟県中越沖地震は柏崎刈羽原発を直撃しました。奇跡的に破局的事故にいたりませんでしたが、この自然からの「警告」をこれ以上、無視していて良いはずがありません。

なお京都大学防災研究所の西村卓也さんは、熊本地震もひずみ集中帯地震に分類し、1995年以降に起こった12の主な内陸直下型地震のうち、9つがこの地震に分類されるとしています。

西南日本のひずみ集中帯と内陸地震
京都大学防災研究所 地震予知研究センター 西村卓也 2017年10月11日
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/web_j/kokai/potal/h29/h29_ppt1.pdf

鳥取、新潟、長野、大阪と連続してきていることを考えると、福井の原発銀座が襲われる可能性は十二分にあります。
しかも一度、ここが襲われたら、複数の原発サイトが深刻なダメージを受ける可能性があります。廃炉の決定がされたからといって、もんじゅにはまだナトリウムや核燃料がつまったままです。
この原発銀座のリスクを少しでも減らすのに有効なのは、高浜・大飯の運転をただちに止めることです。

原発は止めた後も熱をもった核燃料があり続ける限り、「崩壊熱」を出し続けるので危険ですが、しかし私たちが知っておくべきことは、運転中の方が格段に危ないということです。最も恐ろしいのは、地震時に原子炉を緊急停止させようとして制御棒を挿入しても入らずに原子炉が暴走すること。
そうなると事故は福島原発事故をかるがると越えて想像を絶するものになりかねない。

実際に制御棒が入らない事態は起こりうるでしょうか。この点で大事なのは耐震設計の要にある「基準地震動」です。いわば設計士たちが「この揺れまでは責任をもってとめます」と言っている値です。
高浜原発は700ガル、大飯原発は856ガルですが、熊本地震の震源地益城町で観測された揺れは1,362ガルでした。
また「最大加速度上位10観測点」を見てみると8~10位までが600ガル代、7位の湯布院は723ガルで5位以内は800ガル以上。2位の宇土は882ガルで大飯原発の基準地震動をも越えていました。

2016年4月16日熊本県熊本地方の地震による強振動 防災科学技術研究所
http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/topics/Kumamoto_20160416/kumamoto201604160125.pdf

さらに2007年中越沖地震では柏崎刈羽原発3号機でなんと2058ガルという値が観測されました。
これで破局的な崩壊に至らなかったのは奇跡としか言いようがありません。

原発で最大揺れ2058ガル 柏崎刈羽3号機
朝日新聞 2007年07月31日00時03分
http://www.asahi.com/special/070716/TKY200707300400.html

これらから福井の原発群が危険であることは言うまでもないですが、それでも運転を止めていれば危険度が減らせることも見ておく必要があります。
運転を止めていれば地震が起こった時に問題になるのは核燃料の冷却です。核分裂でできた放射性物質が放射線と「崩壊熱」を出しながら違う物質に変わっていくので冷やし続ける必要があるからです。
重要なのは原子炉内の熱は運転停止後に急速に減っていくことです。運転時が100だとすると停止直後に6、1分後に4、1時間後に2、1日後に0.7、2日後に0.2になります。
それでも元が大きいので冷却しなければメルトダウンしてしまいますが、運転時が100、停止2日後に0.2であることを踏まえれば、運転を止めればリスクを大きく減らせることが分かります。

停止後、崩壊熱の除去が重要 1日後には0.7%
[原子力産業新聞] 2011年3月17日 第2566号 <1面>
http://www.jaif.or.jp/news_db/data/2011/0317-1-3.html

これらからも高浜・大飯原発は安全のためにただちに止めるべきなのです。
みんなで声を大にして、このことを訴えていきましょう。

地震は止められないけれど原発は止められる!

続く

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明日に向けて(1539)大阪地震の震源はひずみ集中帯!より大きな地震への警戒を(大阪地震の考察-1)

2018年06月18日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180618 23:30)

本日18日午前8時前に大阪の高槻市を震源とする震度6弱・マグニチュード6.1の地震が起こりました。

この地震で高槻市の小学4年生の三宅璃奈さん(9)がブロック塀の倒壊に巻き込まれて亡くなられました。
大阪市東淀川区では子どもたちの登校の見回りに向かっていた安井實さん(80)がやはり塀の倒壊で亡くなられました。
茨木市でも後藤孟史さん(85)が自宅で倒れてきた本棚によって亡くなられました。
この他さきほど高槻市で81歳の女性がさらに亡くなられたことが伝えられました。

NHKはこの他に二府三県で358人の方がけがをしたと伝えています。(20時11分現在)
慎んで哀悼の意を表するとともに、けがをされた方が早くご回復されることをお祈りします。

同時に関西地方のみなさんに、今後、連続した地震、とくに今回よりも大きな地震が起こりうることを考え、警戒されることを訴えます。
2016年4月に起こった熊本地震では、震度7・マグニチュード6.5の地震の後により大きな地震が襲来しました。震度7・マグニチュード7.3でエネルギーは16倍でした。その教訓からすると、今回も近いところでより大きな地震、しかも規模が格段に大きいものが発生することもありえます。
熊本では2016年4月14日21時26分に1回目が起こり、16日1時25分により大きな2回目が起こりました。時間にするとほぼ28時間後でした。もちろん同じ通りになるとは言えませんが、ともあれ最低でも一週間は厳重な警戒が必要です。

気象庁はこの点を軽く述べているようにも思えます。「同規模の地震が起こる可能性がある」としか言ってないからです。
それでは十分に警戒を訴えることにはならない。ぜひ各方面に注意喚起をしてください。

とくに関西の方はぜひすぐにご家庭の家具の状態などを点検されてください。重いものが上に乗せてある場合は下ろしましょう。寝室の安全性を守りましょう。食器棚の戸もなんらかの形で閉めましょう。
さらに明日以降に、まだなされていない方は家具をつっぱり棒や金具などで壁に固定するようにしてください。専用のロックも売っていてすぐに取り付けられます。
もちろんこうした対処は日本のどこでも行っておくべきものです。

その上で今回の地震が南海トラフ地震の前兆としてのひずみ集中帯起こった地震である可能性が指摘されていることをご紹介したいと思います。
私たちの住まう日本列島は地球を覆っている十数枚のプレートのうちの4枚もが衝突し、ひしめきあっている稀有な地帯の上にあります。だから日本は地震が極端に多い場所なのです。
このうち南海方面から動いてきているのがフィリピン海プレートで西日本が乗っているユーラシアプレートを押しつつ、下側にもぐりこんでいます。
このときにユーラシアプレートの「へり」が巻き込まれるようにして徐々に沈み込み、一定のところまでくると大きく跳ね上がります。それが「南海トラフ地震」発生の仕組みです。

参考 プレートテクトニクスから見た日本列島
https://www.zenchiren.or.jp/tikei/zeijaku.htm

だからこの地震は一定の間隔をおいて必ず訪れるのですが、前回が1944年と1946年でその後72~74年経ってそろそろ次が来てもおかしくないと予測されています。
今後30年間の間に南海トラフ地震が起きる確率は「7割」とされてきましたが、昨年末、政府はこれを「7~8割」へと引き上げています。

その根拠のひとつとなったのが「ひずみ集中帯」地震が繰り返されていることです。
ひずみ集中帯とはフィリピン海プレートに押されることによって内陸部に力がたまることで起こる地震のことで、阪神大震災のときに初めてその可能性が指摘されました。1990年代よりGPS機能による調査が可能になることで初めて見えてきた知見です。
2014年11月22日に長野県で震度6弱の地震が起こった際にも「ひずみ集中帯」地震の可能性が指摘され、ANNのニュース動画で触れられました。分かりやすいのでご紹介しておきます。(約1分です)

神城断層に30cmのずれ 「ひずみ集中帯」と重なりも(14/11/24)
https://www.youtube.com/watch?v=2CStXfH9zUI

この動画で図示されている「ひずみ集中帯」について注目していただきたいのですが、まずはこれが今回の地震で揺れた関西の地域と見事に重なっていることが分かると思います。
同時に大変恐ろしいのは、この「ひずみ集中帯」が福井県の原発銀座をもすっぽりと覆っていることです。となるとこの「ひずみ集中帯」地震が今後、原発を直撃する可能性も十二分にありえます。
それだけでももう高浜・大飯原発を動かしていてはならないことは明らかです。以下、毎日新聞の記事もご紹介しておきます。

震源はひずみ集中帯 水平、垂直ずれ同時に
毎日新聞2018年6月18日 20時29分
https://mainichi.jp/articles/20180619/k00/00m/040/086000c

ひずみ集中帯地震はそれだけで十分に恐ろしい。警戒し対策を重ねなければなりませんが、同時に私たちが注目しておくべきことは、このひずみ集中帯地震が南海トラフ地震の予兆とも捉えられていることです。
以下に記事をご紹介しておきます。

「南海トラフの前兆か、大地震が現実的に」と専門家 大阪地震女児ら3人死亡
AERA dot. 桐島瞬2018.6.18
https://dot.asahi.com/dot/2018061800020.html?page=1

「地震の巣」の上に暮らしている私たちに確実に南海トラフ地震が迫ってきています。だからまたひずみ集中帯地震が頻発しています。
みんなで災害対策を強化していきましょう。

続く

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明日に向けて(1538)原子力政策は危険であるとともに未来世代への暴力であるがゆえにやめるべきだ!(パブコメを出しました!)

2018年06月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180617 23:30)

経済産業省資源エネルギー庁が政府が提出した「第5次エネルギー計画(案)」へのパブリックコメントを募集していました。
もっと早くお知らせできなくてごめんなさいですが、応募は今日17日24時まででした。
僕もついさっき思い出して駆け込みでコメントを作成しぎりぎりで送信しました。以下のものへの意見です。

第5次エネルギー基本計画(案)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000173982

このうち特に原子力政策に対して特にコメントしました。
「第2章2030年に向けた基本的な方針と政策対応」中の「第2節2030年に向けた政策対応」の「4、原子力政策の再構築」に対してです。

結論的に「全面的に反対です」とコメントしたのですが、時間の制約もある中でできるだけ簡潔に要点だけをと考える中で、原発に反対する観点を再度整理できたように思います。
「危険であるとともに未来世代への暴力であるから」が僕の反対の理由です。ただコメントでは「危険」のうち事故だけでなく作業被曝の問題が書けませんでした。この記事を書く段階で大小の事故時の点検のところに一言加えておきました。コメントに入れられなかったのは残念だな・・・。
ともあれぎりぎりで発信したコメントをご紹介しておきます。

*****

第5次エネルギー基本計画策定に向けた意見

「第2章2030年に向けた基本的な方針と政策対応」中の「第2節2030年に向けた政策対応」の「4、原子力政策の再構築」に全面的に反対です。

まず第一に「(1)原子力政策の出発点―東京電力福島第一原子力発電所事故の真摯な反省」の中に「様々な経験を教訓として、このような事故を二度と起こさないように努力を続けなければならない」とありますが、そのためには福島原発事故をきちんと教訓化する必要があります。
ところが福島第一原発は依然、炉心溶融によって原子炉下部に溶け落ちた核燃料デブリの発する放射線値があまりに高く、人が近づけない状態です。ロボットも繰り返し投入されましたがすべて途中で故障してしまいました。
このため、あのとき事故がどのように進展したのか、どこがどのように壊れ放射能が飛び出したのか、いまだ多くのことがつかめていません。教訓化するにもまだ事態がつかめてないのです。
この点を踏まえて、福島原発事故のことが真に把握できてはおらず、あのような事故を二度と起こさないだけの教訓をつかみとれてはいないのですから、いますぐ原子力政策を停止すべきです。

第二に「(3)原子力利用における不断の安全性向上と安定的な事業環境の確立」とうたわれ、冒頭に「低廉かつ安定的な電力供給」が求められているがゆえに「原子力の利用を進めていく」とされていますが、そもそも原子力は「低廉かつ安定的な電力供給」ではないばかりか、天文学的な費用が背後に隠されたものであり、しかもそのほとんどを未来世代に押し付ける非倫理的なものなのでやめるべきです。
原子力が「低廉」とされるのは、使用済み核燃料の処理費を計上していないからです。そもそも核分裂によってもとの1億倍もの放射能量になった核燃料は1~10万年も管理しなければならないものとされているのにその予算が計上されていません。これを「低廉」というのはあまりに詐欺的です。

この費用は電力の供給をまったく受けない未来世代が支払うことになるのです。しかも何万年間もの世代なのです。こうなるともはや費用の問題というより未来世代への暴力です。この点から原子力政策をただちにやめるべきです。
また原子力は「安定的」だなどとはとても言えません。常に大小の事故を繰り返し止まってきたからです。これは原子力の危険性ともつらなっている問題です。危険性があまりに大きいからこそトラブルがあった場合にすぐに止めて点検しなければならないのであって、その点で原発はあまりに不安定な電力供給源でもあります。しかもこうした作業のたびに被曝労働を強いる点でも危険です。これらから原子力は「低廉かつ安定的な電力供給」源ではまったくないのでやめるべきです。

第三に同じように「(4)対策を将来へ先送りせず、着実に進める取り組み」とあるのも事実をあまりに捻じ曲げた記述です。高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けて「廃棄物を発生させた現世代の責任として将来世代に負担を先送りしないよう」とうたっていますが、そもそもすでに膨大な廃棄物が何万年にもわたって管理を必要としています。これだけでも責任が重いのに、これ以上、放射性廃棄物を発生させて良いわけがありません。未来世代のことを考えるのなら、まずはこれ以上、新たな放射性廃棄物を少しも発生させないことが肝心です。そもそもその処理や管理の仕方も決まってないものをこれ以上増やして良いわけがありません。

同時に「廃棄物を発生させた現世代の責任」という言い方も暴力的です。原子力政策のはじまりから今日まで、一貫して多くの人々が原子力政策を「トイレなきマンション」と批判してきました。原子力政策が未来世代に大きなつけをまわすことを批判し、だからただちにやめるべきだと提言し続けてきたのです。ところが歴代政府や原子力政策の推進者たちはこれを無視し、国民・住民に原子力政策が未来世代に膨大なつけをもたらすことを明記しないままにこのエネルギーが「低廉」だなどとうそをついて原子力政策を進めてきたのであって、責任はそれらの人々にこそあります。
いや現にこの基本計画の中ですら廃棄物の処理の面では「現世代の将来世代への責任」などといいつつ、一方でこのエネルギーを「低廉」と表現しています。「低廉」ならなんでそれが将来世代につけをまわすものになるのでしょうか。もういい加減にこのように詐欺的な大うそを繰り返すことをやめるべきです。

以上から原子力政策は再構築するのではなく、全面的廃炉へと転換すべきことを訴えます。

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明日に向けて(1537)福島第一原発放射能汚染水問題を振り返る!(1)

2018年06月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180616 23:00 0618 21:00修正)

この14日に京都市内で「3.11後の放射能汚染水問題を考えよう」というタイトルでお話してきました。
この講演は、僕が2016年夏にコープ自然派さん主催の講演会で語った「毎日400トンの汚染水が出ている」という内容を自然派さんがカタログに掲載したことに対し、水産庁から削除要請がなされたことを受けたものでした。
水産庁は「事実と違うので危険だと風評被害をあおる」とも指摘してきました。
以降、詳しく調べて判明したのは一つには膨大な放射能汚染水の海への流出事態は2015年10月に海側遮水壁を作ったことで止まったとされていることでした。その点では僕にミスがありました。

しかしそれで「風評被害を煽る」ことになったかと言えば、そんなことはまったくありません。
そもそも「風評被害」とは「まったく安全なものが危ない」と間違って言われることを指します。しかし福島原発の沖合には事故後少なくとも2015年10月まで毎日膨大な放射能汚染水が流れ込んでしまったのです。
水産庁はこの点についてもっときちんと人々に注意喚起すべきなのに何もしていない。海も水産業も、まったく守ろうとしていない。

このあまりのおかしさを事故当時に立ち戻って考察してみると、新たにいろいろなことに気づきました。とくにあらためて汚染を野放しにしてきた東電のひどさが見えてきました。
今回からこの点を―怒りを込めて―連載したいと思います。


まず初めに、現状で海への放射能汚染水の流入が本当に止まっているのかについて明らかにしたいと思います。
答えはNoです。今も幾つかのルートで汚染水が流れ込み続けている。この点をみていきましょう。

まず2015年10月に完全に閉合したとされている海側遮水壁はこのようなものです。
http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/seasidewall/index-j.html

これで汚染水の海への流入をブロックしているというのですが、実は建屋の周りと遮水壁のすぐ前に井戸を掘り、地下水をくみ上げてセシウムやストロンチウムなどの除去を行ったものを自ら海に放出しているのです。

サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ
http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/sub-drain/index-j.html

同じようなことを山側でも行っています。

地下水バイパス
http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/groundwater/index-j.html

その際、サブドレイン・地下水ドレンにおいては、セシウム134と137については1Bq/L、全β核種については3Bq/L、トリチウムについては1500Bq/L以下であれば流してよいとしています。
同じく地下水バイパスについてはセシウム134と137については1Bq/L、全β核種については5Bq/L、トリチウムについては1500Bq/L以下は流してよいとしています。

さらに原発敷地内を雨などの影響で流れる「表層水」については何らの対処もされていません。構内はかなり汚染されているのにそこを流れる水は止められていない。
それらから、いまも毎日放射能汚染水が海に流れ込んでいることは確実です。

しかも東電は放出にあたって「濃度規制」を用いています。この放出に限った話ではないのですが、本来は総量規制を行わなくてはいけないのにです。
なぜかと言えば「1500Bq/L」が1リットル海に入るのと1トン入るのでは1000倍違う。100トンだったら10万倍、1万トンだったら1000万倍違うからです。

ではどれぐらいの量がこれまで捨てられたのかというと、サブドレイン・地下水ドレンから汲み上げた汚染水については本年6月15日までに累計で724回、544,907トンの放出を行ったとしています。
http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/sub-drain/calendar/index-j.html

地下水の側では同じく6月15日までに累計225回、384,553トンの放出がなされたとしています。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/info/baypassold-j.html

そうなるとこのシステムができて以来のトリチウムの海への排出量は(544,907+384,553)×1,000×1,500ですから1,394,190,000,000ベクレルになります。1兆3,941億9,000万ベクレル(上限値、以下同じ)です。すでに約1.4兆ベクレルが流されてしまっている。
同じように計算するとセシウムは134と137あわせて約18,6億ベクレル。全β核種は約35,6億ベクレルが流されてしまっています。
これに表層水が加わっているのですから、海側遮水壁が効果をあげていてもなお海への汚染水の流入が続いていることは明らかなのです。

続く

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明日に向けて(1536)「原発と晩ごはん」のタイトルでお話します!(16日長岡京市)

2018年06月15日 23時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です(20180615 23:30)

明日(16日)のことの直前のお知らせになって恐縮ですが、京都府長岡京市で午後2時からお話しします。
与えられたタイトルは「原発と晩ごはん」について!
うーん、なんて斬新なタイトル・・・と僕は思いました。

「原発と晩ごはん」・・・あなたはどんなことを考えますか?
どんなことが求められているのだろう。
考え抜いた結果、「放射能被曝から身を守るにはどんな晩ごはんを食べたらいいだろう。どんな風に食べたらいいだろう」と考えました。
それでもともと琵琶湖の保養キャンプで福島をはじめ東日本から来た子どもたちにお話したプログラムを育て、コープ自然派さんに招かれた講演などで話してきた「食べものの話」を原発のことに続いて行うことにしました。

ちなみにこのプログラム、その後も発展させて、いまは「アメリカ・トランプ政権登場の背景」にまでつなげています。
晩ごはんとトランプ大統領がどうつながるのかも含めてぜひ聞きにきていただきたいです。
直前の告知で申し訳ありませんが、16日午後に長岡京市にお集まりください!

*****

守田敏也さん講演会
原発からの命の守り方part2
〜原発と晩ごはん〜

福井の原発で、もしも大きな事故が起きたら、
長岡京に住む私たちの暮らしは 変わってしまうんだろうか。
西山は、小畑川は、小泉川は、
子どものあそぶ公園は、
汚染されてしまうんだろうか。
子どもたちは
被ばくしてしまうんだろうか。
原発ってなくせるんだろうか。
再生エネルギーで
電気はまかなえるんだろうか。

一昨年の講演会で、子育て中のママからも「わかりやすい!」と好評だった守田敏也さんから私たちの日々のくらしのそばにある原発のこと、いろいろ教えてもらいます。

日時/
6月16日(土)13:30開場 14:00開会(終了予定16:30)
会場/
バンビオ1番館2階 市民ギャラリー(JR長岡京駅西口すぐ)
参加費/
500円(高校生以下無料)

★キッズスペースあります。

主 催/
守田敏也さん講演会実行委員会
連絡先/
イシズミ(ケータイ090-1423-3896)
sayo.gen.ngok@gmail.com

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明日に向けて(1535)福島第一原発の放射能汚染水問題のいまを考える(14日に京都市でお話します)

2018年06月09日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180609 23:30)

6月14日に京都市のコープイン京都で、「福島第一原発の放射能汚染水問題はその後どうなっているのか」についてお話します。コープ自然派さんのお招きです。
そもそものきっかけは僕が2016年夏に自然派さん主催の講演会で語った「毎日400トンの汚染水が出ている」という内容を、自然派さんがカタログに掲載したことに対し、水産庁から削除要請がきたことに始まっています。
水産庁は「事実と違うので危険だと風評被害をあおる」と指摘してきたのでした。

以降、詳しく調べて判明したのは一つには膨大な放射能汚染水の海への流出事態は2015年10月に海側遮水壁を作ったことで止まったとされていることでした。その点を的確につかんで語れなかったことは確かに僕のミスでした。この点を素直にお詫びしたいです。
しかし「危険だと風評被害をあおる」というのはおかしい。なぜなら2015年10月までにすでにものすごい量の放射能が海に入り込んでしまったからです。半減期を考えてみてもこれから長い間汚染は続きます。
そもそもこれそのものがものすごく犯罪的なことです。遮水壁で止まったらそれでいいという問題ではない。膨大な放射能がすでに海に流れ込んだ事実を水産庁はきちんとハイライトし、人々に伝えるべきなのです。

また遮水壁を作っても、雨などが降った時に原発敷地内を流れる「表層水」はまったく対策ができないまま海に流れ続けているし、建屋の山側に掘った井戸や建屋の海側に作ったドレンから組み上げた汚染水の一部は意図的に放出されています。「汚染が少ない」という勝手な判断に基づいてです。
さらに東電はタンクに汚染水がどんどんため込まれて限界に来ているからと、今後、セシウムなどの除去をほどこしたもののトリチウムだけはとれずに残っている汚染水を海に大量放流することを計画しています。
その際、1リットルあたり何万㏃ものトリチウムがある汚染水が流されようとしています。それらの総体を見たときにとても海の汚染が止められているとは言えません。福島第一原発はいまなお海を汚染し続けているのです。

もう一つ、かかる現状はすべて東電の発表に基づいたものですが、そもそも東電は膨大な汚染水が地下水と混ざって海に出ている事実を、事故後何年も隠し続けていたのでした。
その点では2015年10月に海側遮水壁ができて汚染水流入が止まったと言われても、どこまで信頼できるのかという疑問も大きく残ります。そもそもこんな大変な事実を隠していたことが犯罪として裁かれていないからです。
いやそもそもあんなにひどい事故を起こしたことがまだ裁かれていない。東電はメルトダウンのことも知っていたのに嘘をつき続けたし、汚染水のことも知っていたのに黙り続けていたのです。これでどうして東電発表を信頼しろというのでしょうか。

水産庁は本来、このように東電が繰り返し大きな嘘をついてきた事実を指摘し、海を守る立場から東電にもっと厳しい姿勢で臨むべきなのです。その点からも東電の発表だけを鵜呑みにし、「風評被害」を作るからと一方的に削除を求めてきた姿勢はまったく間違っています。

6月14日には、こうした放射能汚染水問題の発生から今日にいたる流れを振り返り、その中で現状をおさえて私たちがなすべきことを導き出したいと思います。
みなさんのご参加をお待ちしています。

*****

6/14 3.11後の放射能汚染水問題を考えよう
http://www.shizenha.ne.jp/kyoto/detail/5/index.html?articleId=22800

福島第一原子力発電所において「毎日400トンの汚染水が出ている」と2016年26号のカタログに掲載したことに対し、「事実と異なるから」と削除を求める水産庁からの手紙が2016年10月にコープ自然派に届きました。
それに対してコープ自然派記事の根拠を説明し、水産庁側で把握する事実を裏付けるデータとして水産庁または第3者機関による調査結果や検査を求めましたが、東電の見解が記述されるのみで、議論は平行線をたどっています。
生協も水産庁も、漁業者と消費者を守り支える同じ立場であり、起きてしまった困難な状況に対してともに解決策を探り、協力していきたいと考えていますが、水産庁の姿勢には疑問を抱かざるを得ません。
水産庁とのやり取りが始まって1年半が経過する今、カタログ掲載内容の基となる守田さんの講演内容を振り返るために、守田さんをお招きして学習を行いたいと思います。
また、この間めっきりと報道が減った汚染水の現状についてもしっかり学びたいと思います。

■日 時: 6月14日(木)13:30~15:30
■会 場:コープイン京都
■講 師:守田敏也(もりたとしや)さん
【プロフィール】同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、フリーライターに。環境問題や平和問題に関わる。福島原発事故以来、全国各地で講演。放射能防護やヨウ素剤配布などを訴えている。
兵庫県篠山市災害対策本部対策委員。日本からの原発輸出の危険性や日本民衆の脱原発運動の現状を伝えるためにトルコ、ドイツ、フランスなどにもたびたび赴いて講演を続けている。
著書「内部被曝」(共著)、「原発からの命の守り方」。コープ自然派の「内部被ばくをさけるために・・・」リーフレットの製作に協力。ブログ「明日に向けて」で情報を発信し続けている。

■参加費:200円(組合員対象)
■定 員:90名 *定員に達した場合 先着順
■託 児:あり。5名(1歳半~未就学児)
託児費:500円/人
託児対象外(1才半未満)の同伴:可
※託児締切は6/7 (木)17時

■持ち物:筆記用具
■締切日:6/12(火)17時
■主催:コープ自然派事業連合理事会・コープ自然派京都理事会
■イベントID: 06180501
京都市営地下鉄四条駅  阪急烏丸駅⑬出口 徒歩10分

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お問い合わせ・お申し込み
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<24時間受付> FAX : 0774-74-8402
mail : shizenha_kyoto@shizenha.co.jp
<月~金8:30~20:00> フリーダイアル:0120-408-300
(携帯・IPフォン:088-603-0080)

▼お申込み時①~⑥をお伝えください。
①イベントID
 ②参加者氏名
③組合員コード
④参加人数      
⑤連絡先
⑥託児(名前・年齢・性別)
※託児がある場合

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