明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1467)危険な川内原発と私たちはいかに向き合うのか(鹿児島に行ってきます)

2018年02月01日 17時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20180201 17:30)

明日2日の朝から鹿児島に向かいます。講演などのためです。
明日は鹿児島空港で反げんぱつ新聞の末田一秀さん、ぶんぶんフィルムズの鎌仲さん、岩田さんと合流し、末田さんのご案内のもと、川内原発を視察してきます。

実は3日に鹿児島県や川内原発周辺自治体による合同の避難訓練が行われます。
概略を示している薩摩川内市の広報をお知らせします。
https://www.city.satsumasendai.lg.jp/www/contents/1512710873254/files/317-16-17.pdf

これにむけて脱原発鹿児島フォーラムと原水爆禁止鹿児島県民会議のみなさんが監視行動に取り組まれます。
末田さんもこれに参加されるために関西から鹿児島入りされるのですが、僕はたまたま3日に鹿児島県教職員組合のみなさんに講演に呼んでいただいていたこともあり、それならとこの行動にも合流させていただくことにしました。
このため明日の夜は以下の講座にも参加します。

第24回脱原発講座(川内文化ホール)
午後6時から7時15分

ここで末田さんがご講演されるそうで、僕も一言コメントさせていただけることになりました。ありがたいです。
この講座の後に、翌日の行動の打ち合わせ会議もなされます。

集まったみなさんは翌日早朝から車に分乗し、あちこちの訓練会場に向かわれますが、僕は鹿児島市に向かい、午前中に教員組合の方たちが設定してくださった会で講演します。
組合員向けのクローズドな会ですが、先生方としっかりと川内原発と被曝の危険性をシェアしてきます。
その後、午後にどこかで監視行動に合流します。末田さんが手配をしてくださっています。

毎回のことなのだそうですが、鹿児島県は直前まで訓練の概要を発表しないそうです。
今回もようやく1月25日にプレスリリースがされましたが、ネット上からは探しにくい。それで昨年11月に出されていた計画概要(検討案)を示しておきます。

平成29年度鹿児島県原子力防災訓練の概要(検討案) 
H29.11.15 原子力安全対策課
http://www.pref.kagoshima.jp/aj02/documents/61571_20171114195004-1.pdf

県原水禁と脱原発鹿児島フォーラムは1998年から毎年監視行動に取り組んでこられています。
末田さんも招かれて、2004、2006、2007、2012、2013、2015、2016年度の監視行動に参加されたそうです。
以下からその報告がご覧になれます。
http://ksueda.eco.coocan.jp/kunren0.html

この行動を終えて4日に「ストップ川内原発・311鹿児島実行委員会」主催の講演会でお話します。
「原発からの命の守り方―原発から50キロの自治体で安定ヨウ素剤の配布が始まった。兵庫県篠山市の実践を検証する―」というタイトルです。
午後2時から鹿児島県歴史資料センター黎明館講堂にてです。詳しい情報は今回の記事の最後に貼り付けておきます。

川内原発の危険性は上げればきりがないほどですが、この間論じてきたことから言えば、中央構造線のすぐそばに位置していることが何といっても一番の脅威です。
しかもすでにこの近辺で2年前に大きな地震が起こっています。益城町を震源とする熊本・九州地震です。

このとき一番激しい揺れに襲われた益城町の地震計が壊れてしまっているのですが、それでも少し離れたところで1580ガルという揺れが観測されています。
これに対して川内原発の基準地震動、つまりこの地震までは耐えられる・・・という値は620ガルしかありません。
もし益城町を襲ったのと同じ規模の地震が川内原発を襲ったらもたない可能性があります。

その場合の事故は破局的になりうる。なぜかと言えば制御棒を挿入して核分裂を止めることができないかもしれないからです。
福島第一原発事故ではまだしも制御棒の一斉挿入(スクラム)により核分裂だけは止めることができました。
それでも崩壊熱を出し続ける炉内の燃料を冷却できずにメルトダウンにいたり、大規模な被害が出たわけですが、制御棒が入らなければもっと大きく、破局的な事故になってしまう可能性があります。

私たちがしっかりと見据えておかなくてはならないのは、その原発がこの日本列島の主要な島々の一番西にあるということです。
地表を舞う風はいろいろな方向に吹きますが、上空には偏西風が吹いています。台風の進路を考えれば一目瞭然のごとく、ここから風に乗った放射能は日本列島を横断していく可能性が極めて高いです。

また海に落ちてもそこには黒潮など列島に沿って流れる海流があり、そのまま列島周辺を放射能が北上していくことになります。
海の幸に壊滅的なダメージが出ることは免れないし、福島原発事故でまだしも軽い被曝ですんでいる西日本が決定的な被害を受けることにもなります。

その意味で川内原発の危険性は、単に鹿児島県や九州の人々、周辺の人々のものだけでなく、この列島に住まうほとんどの人々に迫ってきているものなのです。
だから私たちは、この危険性を、自らのものとしてとらえ、向き合うことが大切です。
またこの危険性と向き合い、監視し、止めようとしてきた現地の方々の奮闘をみんなのものとしていくことが大切です。

以上から僕は今回の行動で、篠山の経験などをお話ししつつ、同時に鹿児島のみなさんのこれまでの奮闘に学んで来ようと思います。
充実した数日を過ごしてきます!

なお4日の講演会の案内を貼り付けます。お近くのみなさん、ぜひご参加下さい。
情報拡散にもご協力ください。

****

「原発からの命の守り方―原発から50キロの自治体で安定ヨウ素剤の配布が始まった。兵庫県篠山市の実践を検証する―」
http://kagoshimashukai.chesuto.jp/

講師 守田敏也さん(兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員)

 日時 2018年2月4日(日)13:30開場 14:00開演 16:00終了
 場所 鹿児島県歴史資料センター黎明館 講堂
    (鹿児島市城山町7-2)
 入場 500円(予約不要)

*少なくとも、原発が動いている限りは、安定ヨウ素剤くらいはさっさと配布してほしい。これは、ごく自然な思いではないでしょうか。
鹿児島では30キロ圏でさえ、なかなか配布が進まない中で、原発から50キロの兵庫県篠山市では、配布が始まっています。
市の原子力災害対策検討委員会の委員を務める守田敏也さんに、お越しいただき、そのあたりのことを直接お聞きしたいと考え、2/3原子力防災訓練が実施されるのに伴って、急きょ、講演会を企画しました。
拡散いただければありがたいです。

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